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選択の方向2

 回収人はオオミに甘い。本人が気がついているか知らないが絶対にお気に入りだ。次の世界に行く時にもきっと守ってくれる。

「えっと……まず明日の朝、この世界が終わる。そして次の世界に行く人、この世界に残される人の選別は数週間前から始まっていた。何故そう思うかというと、燃える心臓が海で目撃されるようになったのがそれ位前だからです。心臓は次の世界に行けないのが確定した人達のもの。もしかして選別は船とは限らないのではないですか? 飛行機とか汽車とか色んな所で行われている。やっぱりわからないのは少し遅れて現れた鳥です。鳥の群れが話題になったのは三日前からだ。しかも今朝なんて目玉を咥えた鳥まで見ました。彼らの役割は何でしょうか?」

 オオミが息をついて回収人を見た。

「うーん、半分半分ってとこだな。前半は合ってるよ。後半は訂正してやる。まず、選別の場所は全て船だ。故郷に海がないとか、船が怖いとかそんなことは関係ない。みんな船に乗って故郷へ行くように仕向けられて、そこで選別される。それから鳥の役割は、次の世界への移動が滞りなく行われるための監視と調整だ。あと、目玉か……目玉が残っていると、蘇ってしまうんだ。だから選別で連れていけないと判断された奴らは目玉を鳥に喰われて、心臓は船の燃料になり、他の部分は塵になって終わる。急に鳥の数が増えたのはそれだけ選別が進んだからだろうな」

「うっ……」

 鳥が怖いオオミの顔がこわばるが、必死に耐えて次のまとめへと移る。

「そうですか……ありがとうございます。それではきっと監視と調整役の鳥が故郷が同じ人を見つけては船に誘っている。その船には一人ずつ、回収人兼選別人が乗っている。そして船は見捨てられた心臓を燃料にしてそれぞれの町へ向かう。道中、次の世界にふさわしくないものは殺される、隣の船がそうだったようにーー」


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