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本当の人殺し2

 甲板に出ると、まず回収人の広い背中が目の前にあったが、それを避けて、隣の船のオオミを探した。直ぐに目が合う。良かった。まだ「僕が梯子をかけました」なんて言ってないみたいだ。

 もちろん、そんな事を口走ったら「俺がやった」と言い直してやる。何故だかわからないがそれが回収人の逆鱗に触れるなら、絶対俺がやったことにしなくては。

 オオミは俺の隣でまだしっかり立っていられない男を睨んでいる。どうしたんだ? 勘の良いあいつが何か不穏なものを感じ取ったのだろうか。こいつがどうかしたか? ふと、怖くなって自分の抱えている男の顔を覗く。

 ところが、俺がそいつの表情を確認する前に回収人が胸ぐらをつかんで持ち上げてしまった。まずい、まだ全然怒りが収まっていない。梯子ごときでこんなに怒るか、普通。

「のこのこ出て来るんじゃねえよ、死にぞこないが」

 顔を近づけて凄む様子は震えるほど怖いが、また首を絞めたりし出す前に仲裁に入らなくては。

「おい、止めろよーー」

 回収人の次の言葉に身体が動かなくなった。

「止めねえよ。人殺しをウロウロさせていたら危ねえだろう」


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