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生命の匂い3

「…………は?」

「たぶん、マモルくんとカオリさんのことだと思います。アオチさんがそんな事をするわけがないから、僕なんです。あの二人を殺したのは」

 涙声過ぎて聞き取るのがやっとだ。こんなやつが人殺しなわけないじゃないか。

「何言ってんだ。お前、あの二人が死んだ時何歳だよ。大体、病気と事故で亡くなったってオゼが言ってたじゃないか。聞き間違えだろ」

「いいえ、はっきりそう聞こえました」

 オオミが首をぶんぶん横にふる。頑固だな。

「じゃあ、あいつにからかわれたんだよ」

「回収人さんが人をからかうように見えますか?」

「めちゃくちゃ見えるよ」

 一番怖がっていた俺が言うのも何だが、あいつは絶対真面目じゃない。むしろ年中ふざけていたいタイプのやつだ。俺が同じだからわかる。

「そうでしょうか……僕が忘れているだけで、何か子どもながらにとんでもないことをしてしまったんじゃないかと思うと怖くて……」

 まったく、回収人もこいつならからかい甲斐があるだろうな。

「そうだよ、なんならこれからマモルくんとカオリさんに確かめにーー」

 その時船が大きく揺れて、同時に鉄の塊にぶつかったような鈍く重い音が響いた。


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