回収人1
回収人
もっと順序立てて話してやりたいのに、毎回この三人の誰かが横やりを入れる。
どいつなら少しはまともに会話ができるだろう。改めて三人をじっくりと観察した。
まず、アオチというやつとは話せないと思った。多分普通の状態なら一番まともなやつだ。でも今はどういうわけか怯えに喰われてしまっている。もう少し時間を与えてやらないといけない。
それに、どうでも良いがどうしてこいつ船旅にスーツを着て来たんだ。
真ん中に座っている敬語の眼鏡はどうだろう。弱々しいなりだが怯えているわけではない。俺よりも鳥に怯えているのなら大したものだ。見極める目がある。 ただ、アオチというスーツ男を慕い過ぎて俺から庇うのに必死だ。公平に話が聞けないかも知れない。
もう一人の背の高い色白の男はどうだ? この中では年長らしく、一番落ち着いている。しかし考えていることが見えない。肌の色と同化するような白いセーターを着ているが、心も同じ色の何かで隠されている。
――まずい、どいつとも全然話す気になれねえ。
「おい、何か言えよ」
白服の年長男がしびれを切らして静かに言った。
よし、何となくこいつの方を向いて話すことにしよう。
「お前ら、故郷が同じ以外にも共通点はないか」
三人が顔を見合わせる。思い当たることはあるのだな。
「さっきあんたが鳥を撃つまで、その話をしていたんだ。俺たちは子どもに時代にそれぞれ変わった体験をしていて、それにどうやらお互いが関係している」
「なんだ、知っているなら話は早いな」
見た目より手際が良いじゃないか。少し見直したぞ。
「お前ら三人は同じ鼓動を持ってるんだよ。だから一緒にここに来た」




