最後のサイレン
最後のサイレン オオミ
また、あのサイレンが鳴り響いた。
「うるっ」
ウルウがどこから聞こえてくるとも知らないその音を追って、きょろきょろ辺りを見回している。
あの、癒しのウルウが死ぬ? まだ生まれたばかりなのに? 何も悪いことをしてないのに?
「本体の無言ちゃんが、残って欲しいと望んでもですか」
そんなのダメだーー。そしてウルウも気になるが、僕はアオチさんとオゼさんのそばに居なくちゃ……
ん? ローヌさんの様子がおかしい。サイレンの音に真剣に聞き入っている。その時、心臓喰い鳥が頭上を飛ぶ影を感じた。
「これは移動のサイレンではありません!」
「僕も初めて聞くサイレンだ」
ローヌさんが慌てて、回収人さんに駆け寄る。
本当か? 僕にはさっきと同じサイレンにしか聴こえない。
「アオチさん、オゼさん」
直ぐ後ろに居る二人を見た。
「どこが……違うんだろうな」
「何が始まるんだ」
二人ともそれぞれ不安気に呟いた。
その時、まだ鳴りやまないサイレンの違いが、僕にもわかった。
「この音、この石の中からしていませんか?」
アオチさんとオゼさんが顔を見合わせてから、宮殿みたいな心臓を見上げた。
そう、さっきまでの二回はとまり石の外から響いていた。今は僕らのいる石の内側が、もっと言えば監視鳥の心臓が震えて音を出しているんだ。
「神様が……ここに来るんじゃないでしょうか」
数メートル先の回収人さんを庇うようにローヌさんが警戒して周囲を見回している。
「ウルウ! お花の中に入っちゃだめ!」
突然、初めて聞くマモルくんの叫び声がサイレンを引き裂いた。




