神様と鳥2
アオチを助けた漆黒の翼に赤い目とくちばしのあの鳥、監視鳥の話はどうだ。
ああいう鳥がたくさんいる事はさっき話した通りだ。
だが、あいつらは実は一羽の鳥から出来ていると言ったらどうだ? 驚かないか?
俺たちが神様の細胞なら、あいつらは神様の使いの細胞なんだ。
使いというのは、神様がいつも連れている大鳥のことだ。
それは美しい青い鳥だーー。
監視鳥は黒だと言いたいんだろ? 本当にお前たちは目に見えるものに振り回されるな。あれは本体に戻って青に変わる。
監視鳥は終末の時だけに現れるわけではない。
いつもお前らの上を飛んでいる。アオチは知っているだろ? お前が雪山で助けられたのも、そのおかげだ。
お前らが町中で見ていたのは目玉を喰う鳥、生き還らないように。お前らが群れで見ていたあいつらだ。あれも使いの別の姿だ。使いは本当に器用に姿も大きさも変えるんだ。
心臓を喰う鳥は神様の持ち物ではない。いや、本来は神様のものだった。自ら命を捨てた者の成れの果て、とでも言えば良いのかな。お前たちの言う、自殺した者たちの姿だよ。
常に空腹でああやって心臓を求めて飛び回っている。時には目玉を喰う鳥も襲って食べる。
俺はそれを、銀の銃で終わりにしてやってるんだ。
あいつらは飢えて苦しんでいるからな。ああしてやらないと開放されないんだ。
それで、監視鳥の話だった。監視鳥の役目は神様の意志を叶えることだ。やっかいなのは、その人格が主人である神様と同じとは限らないことだ。
雪山でアオチを助けたのも、使いの勝手な判断だ。
お前が気になったんだよ。あんなあからさまに姿を現すことなんてないのに、どうしたことかな。使いの気まぐれなのか、何か意図があったのか。
生き残るのはオゼだと、回収人ーー神様の細胞である俺たちは確信しているけれど、監視鳥はお前を連れて行きたいらしい。
そして、これを言うか迷ったのだけれど、やっぱり聞いて欲しい。
一人しか次の世界に連れていけない、そのルールを作ったのは他でもない、神様だ。




