砂時計のふたり
時を忘れるほど
砂時計の中みつめる
あなた
ひっくり返しては
メビウスの輪
無限∞みたいな透明の容器
流れ落ちてく砂
ちょうど…真ん中…見てる
あちら…の世界…から…こちら…の世界…へ
砂粒ほどの粒子
うすいカーテン…みたいにして
どこまでも…透明な…世界…あなた…探す
すべての砂が落ちきって
ふと
誰もいないことに気づく
砂時計の中
静かで透明な世界…
どこまでも…ひっくり返して
あなた探さなければならない
透明な真ん中…無限の流砂…凹む世界…
この世界の真ん中
唯一つながっている2つの世界…
ふたりの世界…
結ぶ点
黒い点
誰もがそこへ向かって等しく落ちてゆく
あちらの世界…から…こちらの世界…へ
ひっくり返しては
よどみなく流れ落ちる
流砂
その
一粒ひとつぶになって
辿り着く
積み上げられた砂山の中
どこかに
あなた…いるの?
今日もテーブルの上
あなた探す
時が止まったまま
砂時計の中
反転するメビウス
無限が交差する一点
そこに向かう わたしたち
誰かを探す
この世界
あの世界…
流れるままに
誰かに会う
あなただと確かめようもなく
通り過ぎてゆく
サラサラと音たてて言葉にする
いくつもの流砂
落ちてゆく
わたしは
あなた出会えるように
止まったままの砂時計
見つけては
運命みたいに ひっくり返す
いつか砂粒になって
あなた探す
いつか砂粒になって
あなた出会う
繰り返すメビウス
無限に落ち続ける時間…
無量の砂漠…流砂
地上を覆うほど 生まれ落ちる わたしたち
この世界
ある瞬間から
ある一点へと向かう
結ばれた世界…
あなた探す
無限の宇宙
彼方まで生まれ落ちる
集約された時間
ひたすら…点へと向かう ブラックホール
ひとり探して
飛んでゆく
あなたとの想い出
砂粒になって…吸い込まれる
暗い闇
生まれ変わる
あなた見つめる
テーブルの上
あなた見つける
砂時計の中
あなた探す場所
サラサラと…言葉に変えて
メビウスは反転させる
うまく ふたりが出会えるように
何度でも 何度でも
繰り返し 反転させる
時の流砂
流れ落としては
生まれ落ちる
ふたり
無量の砂漠
風わたる 時
回る 回る
ゆっくり…と
上空へと吸い上げる
黒いトルネード
巨大な渦に呑み込まれる
今度こそ離れないように
あなたを ひとりにしない
天空へと飛ぶ 光…
あなたと過ごした想い出
手が離れそうになる
我に返る
集約された時の黒点
ただ一点に向かうその時
ふと目をやると
握られた ふたつの手
いつかの手
気づけば隣
あなたが 飛んでいる
わたしと あなた
あなたと わたしから
零れ落ちた 時間…
ふたりの 想い出…
先に 吸い込まれてゆく
黒点の 先…
小さな 光…
見えて来た 未来…
さあ
ふたり… つながれたまま
身体… ひとつに溶けて
流星… 光輝く
閃光の 先
飛んでゆく
赤い両手の絆は 固く結ばれたままの 結び
糸…
同じ世界… でも
違う世界… でも
手繰り寄せることの出来る 赤い絆
あなた見つけて結んだ 絆
赤い血液…未来…へと…流れ…る
ふたりの間…を…
どこか…の…光…の…中…へ
今
目覚めた わたしは
まだ… 知らない
ふたたび…
あなたと…
出会えることを…
涙で…見えない…赤い…糸
反射した…赤い残光
太陽みたく 眩しくて
目を瞑る
真夏の暑さ
空を見上げる
涙に 反射した 赤い残光…
砂時計の奥 確かめる