ガソリン
「うんこがしたいんじゃ~!!」
田中 太郎は教室の中でそう叫び走りながら教室から出て行った。いつも教室で静かに読書する控えめな少年、その彼が突然大声で叫んだのだから昼休みの騒がしさは音を消した。
気づけば田中は大便器に座っていた。教室で叫び走ってトイレに向かい便を絞り出したのは覚えている。だがなぜ自分がそんな奇行に走ったのか理解できない。十数年日本で生活し、道徳やら一般常識を学んでいたはずなのにどうしてそんなことをしてしまったのだろう?考えど考えど答えが出ない。突然、股間からレーザーが出たり脇からガソリンが出たわけでもない。顔から汗が止まらない。自身の行動に理解できぬがこの調子では教室に帰ることもできない。田中はいろいろあきらめた。おわり