第九話 試練
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どうやら案内役とやらが来たらしい。
いったいどのような人物なのだろうか…?
…俺の勝手な予想だが、金塊のありかを教えるあたり、親父がかなり信頼している人物なのだろう…多分。
それよりも、早く金塊のありかを聞き出して運び込まないと大内の連中や他の者たちに取られてしまうかも入れない!…その前に何としてでも俺たちで見つけ出さないと…!
そんなことを考えていると表の門が開き、案内役の者が到着した。
しかし俺が目にした人物は、俺が想像していたような人物とは全く異なっていた。
その人物は━━━━━━
おじいさんだった。
それもただのおじいさんではなく、肌はしわしわ、腰はほぼ九十度に曲がっており、本当にいつ迎えが来てもおかしくないような容姿をしていた。
…俺が考えていた案内役ってのは、もっとこう名の知れた忍者だったりとか寺の和尚だとかを連想していたのだが…まあこの人が案内役なら受け入れるしかないよな…
「おじいさんが案内役の人ですか?」
「んあ?なんじゃ?お主が少弐の跡取りか?」
「…そうですが、案内役が爺さんだとは聞いてないぞ」
「こっちこそ少弐の跡取りが童だとは聞いてないぞ」
これじゃあ埒が明かない。というか本当に親父から信頼されていたんだろうか?ここまで俺を小馬鹿にしてきやがって…
…まあいいや。ともかく、早く金塊のありかを聞き出さないと。
「んで、結局金塊のありかはどこなんだ?」
「それが…その…ちと骨が折れる場所にあるのじゃ」
骨が折れる場所?いったいどんなところなんだ?
そんなことを考えている間も爺さんは話し続けた。
「その場所は…」
その場所は……?
「その場所は…多久城なのじゃ」
…は?いやいやいや多久城だと?!やっとのことでここまで逃げてきたのに、あの憎っくき大内のいる多久城に戻らなきゃいけないのかよ…なんでなんだよ
…と落胆していたが俺は一つの疑問が浮かんできた。
なんでわざわざ敵地になるであろう多久城に金塊を置いてきたんだ?
親父は少弐家が滅んでしまうからと大金を貯めて次の代である俺に正気を見出した。
なのになんで…?
「…なぜ資元様は、多久城に金塊をわざわざおいてきたのでしょうか?」
一人の小姓が言った。
確かこいつは…
そうだ、多久城見学の時に見た小姓だ。
などと考えていると、爺さんが懐に手を入れて何かを取り出して話し始めた。
「ここに資元様より預かっていた書状がある」
…!親父からの書状!俺は考えるより先にその書状を爺さんから半ば強引に受け取ると書状を開け、読み始めた。
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松法師丸へ
この書状を受け取っているということは金塊の半分を手に入れたころだろう。
残りのもう半分の金塊のありかも聞いたはずだ。
なぜ多久城に金塊があるのか?
こんな疑問が浮かんでくるじゃろう。
松法師丸よこれは試練じゃ。これは試練なのじゃ。
「敵地に潜入し、金塊を運び出す」
金塊を運び出すことができれば、よっぽどのことがない限りこの戦国の世で生き残っていけるじゃろう。
だが裏を返せば運び出すことに失敗すればこの世で生き抜くことはできない。
何度も言うようじゃがこれは試練だ。この試練を乗り越え、少弐家を再興させてくれ
資元
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どうやら俺は親父に試されているらしい…
更新数日遅れました....本当に申し訳ありません
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次回はまだ未定ですが、今月中にもう一話投稿出来たらいいなぁ...と思っています!( *˙ω˙*)و!