第六話 少年と老将の決意の夜
俺たちは、ひとまず道中の汚れを落とすために屋敷の中庭にあった井戸水を使って土や泥を落とした。
....冷てぇ.....
やはりただの井戸水だからとても冷たい。現代日本のようなお風呂とは全く違う。早いうちに慣れないとな.....そう思って体を洗った。
風呂から上がり、着替えたところで俺は改めて自分が置かれている状況を把握するために家兼さんと話し合おうと思い、自分の部屋に呼んだ。
「家兼さん、ありがとうございます」
「いえ。して松法師丸様、どのような要件でわしをおよびでございますか?」
俺は率直な質問をしてみることにした。
「....家兼さんは、この状況をどうみますか?あ、正直に言ってもらって構わないので」
少しの間、二人の間に無言の時間ができた。
が直ぐに家兼さんが話し出した。
「......正直に申し上げますと、現在の我々の状況は最悪です。幸いにも資元様のおかげで松法師丸様や弟様たちは生き延びることが出来ましたが、当主と領地と家臣団を失ってしまいましたので少弐氏は滅亡したも同然でございます」
.....やはりもう少弐家は滅亡寸前なのだな、と改めて再確認出来た。それだけでも十分だ。
「家兼さん。正直に話してくれてありがとう。俺、少弐家を再興するよ。親父のためにも必ず。」
その言葉を聞くなり、家兼さんはとても驚いた表情をした。
「!!松法師丸様.......わしは......わしはその言葉が聞けただけで満足ですぞ....」
家兼さんは、そう言ってくれた。
少し時間が経ち、感情を落ち着かせた家兼さんが、俺に「具体的にどのようにして、少弐家を再興させましょうか?」と言ってきた。
確かにその通りだ。今現在は家臣団はほんの一部を残して、大部分が全滅してしまったので、戦をしようにも圧倒的に数が足りない。
だが
「家兼さん。ひとつ思いついたことがあります。これを見て見てください」
そう言って俺は一枚の手紙を取り出した。
「松法師丸様.....この手紙は一体....?」
「この手紙は親父が最後にくれた物だ」
そうなのである。実は多久城で資光殿宛の手紙を貰った時、俺はもう1枚この手紙を貰っていた。
そしてその手紙の内容は今の俺たちにとって最も欲しいものだった。
「その手紙には金の隠し場所が書いてあった。」
そう。その最も欲しいものは金である。
「なんと!いやしかし、我らのような弱小大名にそのような金は......」
俺が読んでみたところ、このようなことが書かれていた。
少弐家がいつ滅亡するか分からないが金を取っておいて損は無いと親父は判断して、十何年も貯めていたらしい。
「家兼さん。この金を元手にして、少弐家を再興させましょう!親父が最後に俺に託してくれたんです。なんとしてでもやりましょう!」
家兼さんは涙を流しそうにしながら
「松法師丸様.......!松法師丸様がそう決めたのであれば、わしもそれに従いましょうぞ!」と言ってくれた。
「.....ですが.....」
ですが、なんなんだ?
もしかして、まだ他に問題が?と俺は思ったが...
「ですが.....もう夜もだいぶ更けております。お体に触ると行けませぬので、今日は寝て明日皆に伝えましょう」
......なんだそんなことだったのか....もっと大きな問題かと思ってヒヤヒヤしたよ.......
「ふわぁぁ.......」
案の定眠気が回ってきて、あくびが出てしまった。
直ぐにそれを家兼さんは汲み取ってくれたらしく、布団を敷いてくれた。
「それではわしはこれにて。おやすみでございます。松法師丸様。」
俺はベットで深い眠りについたのだった......
一月以上更新が遅くなってしまいすみません。
なかなか執筆できる時間が無く、これからもちょくちょくこのようなことがあると思います.....本当にすいません。
できる限り早く投稿していきますので、今作品をよろしくお願いします!




