第二十一話 宴 其の三 方針
ふぅ~…ギリ投稿できました( ̄▽ ̄;)汗
声が裏返ったのを気にせずに家兼はまた話を再開する。
「では、中枢家臣団の紹介も終わったことですし…我らの今後の方針を決めていきましょう」
「うむ、そうだな」
「ではまず資元様が残してくださった金五千貫…これをどのように使っていきましょう?何かありますかな?」
と家兼が言う。
金五千貫…めっちゃ金はあるしゲーム知識でいえば朝廷に献金をする…もしくは、他の大名に親善を…あ、いやそもそも俺、領地ないから、ダメか…う~ん…
と俺が頭を抱えていると
「松法師丸様、私に案がございます」
そう名乗りを上げたのは、清房だった。
「…この金は有限ですから、貿易をしてみるのはいかがですか?」
「おお!それはいい案じゃな!」
と父の清久が言う。
「貿易か…確かに良い案だな。してどこで交易するのがいいんだ?やっぱり九州は博多か?」
やっぱり貿易してお金を稼ぐのはいい案だな。博多は確か三津七湊に数えられているくらいの大きな湊だし、かなり稼げそう…そんでもってめっちゃ稼いでがっぽがっぽに…
「松法師丸様。博多津は現在、大内氏の支配下にあります。一応博多津は自治都市ではありますが、大内氏の介入が入ることは間違いありません。おそらくは無理かと」
と家兼の補足が入る。
「う~む。案自体はいいと思うのですがなぁ…」
と清房も言う。
でもなぁ…確かに敵のど真ん中で堂々と商売するわけにもいかんし…もっとこう、大内の支配が及ばない+いい感じの立地にあるようなところ…
…あ
あぁ!一個あるじゃん!大内家の支配がおよんでなくて、なおかつ攻められても守りやすい絶好のポイントが!
「対馬!」
と思わず声に出してしまった。
「対馬ですか…なるほど…確かに良い案かもしれませんね…対馬であれば守りやすく、かつ大内家の影響範囲外…」
と家兼が顎に手を当てうなずいている。
「確かに…よい案ですな」
と清久も言う。
「松法師丸様、よい港と言う点であれば、平戸湊の方がよいのでは?」
と鑑房が言ってきた。
あー確かに平戸の方がいいかもな…
「いいやダメじゃ。平戸一帯を押さえている松浦氏はすでに大内家に従属しておる十中八九ダメであろう」と清久が言う。
平戸もやっぱり大内家影響下か…
「はいはい!拙者の祖父頼房と一緒に何度か対馬に行ったことがあります!対馬に関しては拙者にお任せあれ!」
と資誠が言う。
「そこまで言うのなら資誠おぬしに案内を任せる。頼んだぞ」
「ははっ!!」
と気持ちよくなるくらいのいい返事を返してきてくれた。
「では我らはまず、対馬に行きそこで貿易をする。ということでよろしいですかな?」
家兼が言うと
「承知!」「承知」「承知仕った!」「承知しました」
と四人が言う。
「では船の手配などはわしの方でしておきますので、これにて解散としましょう」
と家兼が言う。
「うむ。家兼頼んだぞ」
各々が部屋を出ていく。
…ようやく、ようやく大きな方針が決まったな。
よーし!あとは宴を楽しむぞ!
俺はそう思って、宴が行われている部屋へと足を進めた。
≪first doctrin 対馬の湊で貿易をし、金を増やす!≫
三津七湊とは…日本の十大港湾として記されている三つの津(安濃津、堺津、博多津)と七つの湊(三国湊 、本吉湊(美川港)、輪島湊 、岩瀬湊、今町湊(直江津)、土崎湊(秋田湊)、十三湊 )の総称だそうです。
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