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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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轟く雷鳴!聖獣変化白虎咆哮!!

孫悟空、八戒、沙悟浄は連れ去られた三蔵を救うべく数万の配下を従えた鵬魔王の待つ天空城へと進撃したのだった。


私は沙悟浄です!

私は妖術で作った湖の中から数万の鳥妖怪軍を相手に一人戦っていたのです。


「キリがないですねぇ!」



見上げる空には無数に飛び回る鳥妖怪の群れが残っていました。

倒しても倒しても減りやしないですよ~


私は湖の中から水を操り、上空の鳥妖怪達に向かって放っていたのです。

私は湖の水面上に散らばせた術札を媒介にして、自らの妖力を高めていました。

低級妖怪でしかない私には、このように自然や術札の力を使う事が唯一の戦う手段なのです。



「都合良い事に鳥妖怪の皆さんは水を苦手としています。これは地形と特性を利用した戦術なのですよ~!」



すると湖の端の方から音が聞こえたのです?

はて?

この湖は私が水仙鞭杖で作った湖だから魚とかいないはず?

しかも術札が減っているような?

見ると水面上の術札が一枚一枚沈んで消えていっているじゃないですか?

何事??

私は湖の中に潜って確かめに行ったのです。

私は湖の中を泳いで行くと、私に向けられたら殺気を感じたのです?


まさか鳥妖怪が?

ありえないです!

だって鳥妖怪が湖の中にいるはずないのだから!

しかし奴達はそこにいたのでした。


鋭い目で私を睨みつけ!

その…ごっつく…逞しい身体つき?

奴達は湖の中を自由に泳ぎながら、私に向かって襲い掛かって来たのでした!


「ふにゃあ~!?」



奴達は人呼んでペンギンと言った。

しかも皇帝ペンギン妖怪!


「うきゃあ~!」


私は皇帝ペンギン妖怪達に湖の中を追い掛け回されてしまったのです。


「どうしてペンギンなんかいるのですかぁ~??」



たまらず私は地上へと逃げ出したのです。

同時に私の姿が人間体になる。


ハア・・ハア・・・あっ!!


しかしそこには空中にいたはずの鳥妖怪達が待ち構えていました。

湖からはペンギン妖怪も頭を出して逃げ場がありましぇ~ん!

完全に包囲されて怯む私に向かって一斉に襲い掛かって来たのです。


「ば…万事休すですか~~?」


「ウギャアアアア!」


「エッ?」


今、悲鳴をあげたのは私ではありません。

すると襲い掛かって来たはずの鳥妖怪達がどんどん倒れていくじゃないですか?


「河童ちゃん!大丈夫!」



上空から少女の声が聞こえたと同時に、真空の刃が鳥妖怪達をどんどん斬り刻んでいく。


今の声?まさか?

やっぱし!


「鉄扇ちゃん!」


扇に乗った鉄扇ちゃんがピンチだった私を救ってくれたのです。



「もう…びっくりしたわよ!風の噂で貴方達が北の大地に向かったって聞いて!しかも北の妖怪達が貴方達を探しているって言うじゃない?嫌な予感がして、もしやって思って来てみたけど…案の定ね!」


「鉄扇ちゃん…そんな危ない場所にどうして…?」


「どうしてって…」


(寂しかったか…いやいや!)



「河童ちゃんは私が生きるための支えになってくれるんでしょ?だったら、こんな場所で死んでもらったら困るの!ちゃんと支えて欲しいの!私は今、傷心中なんだからね?わかった?」



そう言って鉄扇ちゃんは私にウィンクすると、神具である芭蕉扇を開いたのです。



「さぁ!軟弱な雄妖怪ども!私が噂の女妖怪最強の鉄扇様よ!私に怖れず立ち向かって来るなら、命投げ出すつもりで覚悟しておいでなさい!オホホホホホホ!」



そう叫ぶと芭蕉扇を大振りに扇いだのです。

その風は竜巻となって、飛び回る鳥妖怪達を巻き込み吹き飛ばしていく!



「なんか…どんどん…アハハ…頼もしい限りです…」







一方、場所は変わり八戒兄貴も戦っていました。


(ゼェ…ゼェ…)


八戒兄貴は豚骨刀を振り回しながら、空中から刀を持って急降下して来る鳥妖怪達を撃退していたのです。しかし数の多い鳥妖怪達の猛襲に八戒兄貴の全身は至る場所を傷付けられていたのでした。



「うらあああ!」


八戒兄貴の豚骨刀を振り回した刃を鳥妖怪に躱され、逆に背中を刀で斬られたのです。


「ウガァ~!」


(ゼェ…ゼェ…)


「まったく…オラは今までどんだけ楽をしてきたんらかなぁ…」



八戒兄貴の背中には斬り裂かれた刀傷が広がり、血がダラダラと流れていました。



「今まで気付かなかったらが…いつも三蔵はんがオラ達の背中を守ってくれていたんらな。一人になって、つくづく思い知ったら…」



鳥妖怪達は勝利を予感していました。



(コイツはもう終わりだ…後少しで、餌の時間だ…後、もう少しで…コイツは死ぬ!)



「うっ…ぐはぁ!」



そしてとうとう八戒兄貴の身体は限界を超え、よろめき膝をついたのでした。

同時に鳥妖怪達が一斉に八戒兄貴へと襲い掛かる。


八戒兄貴は目をつぶり覚悟していました。


が、その時…

この戦場に出向く前に交わした孫悟空兄貴の言葉が頭に過ぎったのです。



「俺様達は三蔵を助ける!だがな?俺様達の誰一人欠けてもダメなんだよ!俺様達は皆生きて戻る!それが出来ない奴に戦いに向かう資格はない!」



「!!」


(そうらったなぁ…)


八戒兄貴は踏ん張るように豚骨刀を杖にして立ち上がると、


「ふぅんがぁー!」



残された力で豚骨刀を振り上げ、急降下して来て襲い掛かって来た鳥妖怪を真っ二つにしたのです。



「オラは死なねぇら…そうら…この戦場に来た時に誓ったんらったな?


死ぬなら…この戦に来る資格なんて最初からなかったんらったな~


三蔵はんを救い出す資格もなくなっちまうら。


仲間である資格もなくなっちまうらな」




鳥妖怪達は容赦なく八戒兄貴に刀傷を負わせていく。

豚骨刀を振り回し八戒兄貴はふらつきながら応戦するが、その腕には力がなくなっていった。


八戒兄貴は上空を見上げ、



(一…二…十…百…千…なんら?目が霞んでよく見えねぇらよ…


まだまだ、うじゃうじゃいやがるらな~)



上空にはまだ数万以上の鳥妖怪達が飛び回り、空を埋め尽くすほど飛び回っていたのです。



「まだまだ倒れられないらよ…」


その時です。

八戒兄貴の背後に現れた鳥妖怪が頭部をハンマーみたいなもので殴りつけられたのです。


「うがぁ!」


頭が割れ、血が溢れるように流れる。



「あああ…このまま目を綴じたら楽なんだろうな…


何もかも楽に…でもよ?オラは…茨の道を歩かないといけないらよ!


もし、ここで終わったら…オラは仲間に顔向け出来ねぇらよ!


だから…だぁーかーら!」



が、視界が薄れ倒れていく八戒兄貴目掛けて、再び鳥妖怪達が上空から一斉に急降下して襲い掛かって来たのです!万事休す!?

その時、八戒兄貴は意識を失いつつ叫んだのです。



「だからぁー!オラにダチとの誓いを破らせるなぁーー!」



その瞬間、八戒兄貴の身体から何らかの異常な力が発動した?

それは凄まじい勢いの漆黒の覇気が放たれたのです!

漆黒の覇気は八戒兄貴を中心に大地を揺らせ、上空にいたはずの数万以上の鳥妖怪達軍団を一瞬にして飲み込んで消し去ったのでした。



一瞬の出来事…

しかし八戒兄貴もまた、その場に倒れていたのでした。



「誓いは…守る…らよ…」




さらに同時刻…

空に浮かぶ鵬魔城の内部では、孫悟空兄貴が城内を警護している鳥妖怪達と戦っていたのです。



「邪魔だぁー!」



階段を駆け上がりながら足を止める事なく鳥妖怪達を薙ぎ倒していく。


「何処だ!?三蔵!何処にいる?何処なんだよぉー!」



そこに大層な鎧を纏った鳥妖怪が孫悟空兄貴の行く手を塞いだのです。



「ふふふ…我は鵬魔王様から将軍を任され…」



が、孫悟空兄貴の拳が目の前にいた『何者か』を殴り飛ばし、そのまま階段を駆け上がっていく。

壁に顔面を埋め込まれ、ピクリとも動かない…

名前すら言えなかった『何か』の出番は終わったのでした。



「今の俺様の前を塞ぐ奴に同情はしねぇ!」



そして、孫悟空兄貴は城内の最上階にまでやって来たのでした。



「何処にいるんだよ?三蔵…」



そこに現れる鳥妖怪達。

孫悟空兄貴は最上階にいた群がる鳥妖怪達を、一撃のもと蹴散らしていくと…


(ハッ!)



「これは…三蔵の臭い?あっちだ!」



孫悟空兄貴は微かに匂う三蔵様の臭いのする方向へと走ったのでした。



「三蔵!三蔵!三蔵!三蔵!三蔵!サンゾオオオ!」



辿り着いた先には巨大な扉があった。



「間違いない…この扉の先に三蔵がいる…」



孫悟空兄貴は扉を蹴り破壊したのです。



「三蔵!何処だ?助けに来てやったぞ!」



扉の中の部屋に入って警戒しながら見回す。

そこで孫悟空兄貴は自分に向けられている視線に気付き振り返ったのです。

その方角に!


「!!」


「待っていたよ!ようやく来てくれたんだね?美猴王兄貴!」



鵬魔王が椅子に座り、平然と待ち構えていたのです。



「鵬魔王!キサマぁ!三蔵はどうしたぁー!?」


「えっ?あれの事かな?」



鵬魔王がゆっくりと指差したのです。

その先には?


「!!」



そこには血だらけになった三蔵様が十字の柱に張り付けにされていたのです。






更に場所は変わり、

私は助っ人に来てくれた鉄扇ちゃんと一緒に、鵬魔王の兵士達と戦っていました。


「はぁ…はぁ…」


「ゼェ…ゼェ…」


私達は倒しても倒しても向かって来る数千数万の鳥妖怪達に疲労困憊で、さすがの鉄扇ちゃんでさえも身体中に傷を負って立っているのもやっとでした。


『鉄扇乱舞!』


鉄扇ちゃんは芭蕉扇から大型の鉄の扇を両手に持ち代えて、襲い掛かる鳥妖怪達を薙ぎ倒していく。神具である芭蕉扇の威力は凄まじいですが、魂気を急激に消耗するのです。

私もまた水仙鞭杖と術札を駆使して応戦していました。



「全然減らないわね…アッ!キャア!」


油断した鉄扇ちゃんが体当たりして来た鳥妖怪に弾き飛ばされ転ばされたのです。その隙に鉄扇ちゃんに向かって大型の刀を振り下ろす鳥妖怪。


「や…やばっ…」



直後、刀を振り下ろす鳥妖怪に向かって私が体当たりしたのです。


「河童ちゃん!」



鉄扇ちゃんは直ぐさま立ち上がり、体当たりして来た鳥妖怪を扇で殴り飛ばして私と背中を重ね合わせたのです。


「ありがと!河童ちゃん?」


「いえ!私達は絶対に負けられませんよ~!」


「当たり前よ!」



…えっ!?


その時です。

私達は鵬魔城のある近くで凄まじい力の覇気を感じたのです!


「なぁ!何よ?」


「伏せてー!」


それは空を覆う黒い覇気でした!

凄まじい覇気は轟音と同時に、空中に飛び回っていた数万以上の鳥妖怪達を飲み込みつつ、そのほとんどを消し去ったのです。

さらに覇気は私達の所まで迫って来たのでした。



『鉄扇攻守!防御の陣!』


鉄扇ちゃんは紅色の鉄の板を召喚すると、覇気の余波から守るように防御の盾としたのです。


「一体何が起きたのよぉ~!」

「分かりませんよ~!」



暫くして謎の黒い覇気の勢いが収まり安全を確かめた後、私と鉄扇ちゃんは飛行扇ひこうせんに乗って、その覇気の暴発が起きた場所へと向かったのでした。


「本当、何が起きたのかしら?」


「でも、今の覇気のおかげで鳥妖怪達もあらかた片付いたみたいですよ?ある意味ラッキーです!このまま先に向かいましょう!」


「私達まで死ぬ所だったんだけどね…」


「あっー!!ストッープ!!」



私は扇の上から地上に見えた何かを発見したのです。



「鉄扇ちゃん!ちょっと下に降りてもらえませんか?」



そこには、先程の覇気の波動に巻き込まれたらしく、八戒兄貴が傷付き倒れていたのでした。

私は直ぐさま駆け寄り、八戒兄貴の胸に耳を当てたのでした。


(大丈夫…生きてる!)



そこで八戒兄貴は私に気付き目覚めたのでした。


「うっ…ん?あれ?」



八戒兄貴はぼんやりした頭で私を見たのです。



「八戒兄貴!大丈夫でしたか?無茶しすぎですよ!」


「河童?どうしてここにいるらか??」


「さっきの黒い覇気で鳥妖怪達が消えたお陰で、ここまで来れたのですよ!八戒兄貴もよく無事でしたね?」


「黒い覇気って?そんなんあったらか?オラは夢中で戦っているうちに…気を失ってしまったみたいらな…」


「全く良い身分よね?こっちは死ぬかもしれなかったのに!」


「お前は!」



八戒兄貴は鉄扇ちゃんに気付くと、鉄扇ちゃんが睨みつけていたのです。



「鉄扇じゃないらか?もしかして助っ人してくれるらか?」


「豚!河童ちゃんの頼みだから、仕方なく助けてあげるんだからね!」


「こりゃ~とんでもね~助っ人らぁ~!」


「別に豚はどうでも良いし…てか、何故生きてるか分からないし…あ~あ!」


「あ~あ!って…オラも死に物狂いで頑張っていたのに…酷いら…オラ…この娘、苦手ら…」




落ち込む八戒兄貴に私は、


「落ち込む気持ち分かりますが、それより!」


「そうらな!」



大分数は減りましたが、鳥妖怪の残党達が私達を見付けて、空中から私達を見下ろしていたのです。



「猿が心配ら!このまま一気に鵬魔城に突っ込むらよ!」

「そのつもりです!」


「あ~あ…熱いわね~まぁ、良いけど…」



私達三人は残った鳥妖怪達を倒しながら鵬魔城に向かって飛んで行ったのでした。


孫悟空兄貴…待っていて下さい!

私達も直ぐに三蔵様を助けに行きますから~



その頃…

鵬魔城の孫悟空兄貴は?



孫悟空兄貴は鵬魔王が指差した方向を見る。

そこには血を流し傷だらけの状態で、十字の柱に張り付けにされている三蔵様の姿があったのです。


(ナッ!)


孫悟空兄貴は直ぐさま三蔵様のもとに駆け寄り、三蔵様を貼り付けにしていた十字の柱から降ろす。




「悪いな?三蔵…少し遅くなっちまったようだな?


だけど、元気そうじゃねぇか!


えっ?ふざけるな?


俺様がチンタラしているから待ち侘びたって?


そう言うなよ…


俺様だって…これでも頑張ったんだぜ?


えっ?後で身を粉にして働かせるだって?


そりぁ、怖ぇ~なぁ…


こりゃ~いつもの三蔵だな?

まったく…


三蔵はいつもいつも俺様に無茶ばかり言うからよ…


本当…傍若無人って言うか我が儘だよな?


えっ?少し疲れたから休ませろって?


空気読めよな…まぁ、良いや!


今、俺様が鵬魔王の奴からアムリタを奪い取って来てやるからよ!


それまで、そこで休んでいろよな?


なぁ、三蔵…」




孫悟空兄貴はゆっくりと立ち上がると、静かに鵬魔王を見る。



(何だ…変に心が…ざわめく…)



そこに遅れて八戒兄貴と私(沙悟浄)、それに鉄扇ちゃんが入って来たのでした。



「遅れました!孫悟空兄貴!三蔵様は?」


「どうやら、これから本番の大詰めのようらな?」



すると孫悟空兄貴は無言で私達に三蔵様が休んでいる方向を指差したのです。


「?」



「そこに三蔵が休んでいるから、後は頼むよ…俺様、ちょっと…」




何か様子のおかしい孫悟空兄貴は私達からゆっくりと離れて、先程からニヤニヤと私達を見ていた鵬魔王に向かって歩いて行ったのです。



「孫悟空兄貴?」


それはまるで、嵐の前の静けさのような緊張感があったのです。



「美猴王兄貴?ごめんね~ゴミの片付けを任せちゃって?気分悪かったかな?」


「だれが!!ゴ・ミ・だとぉおお!?」



その瞬間!

孫悟空兄貴が私達の視界から消えたのです!



気付いた時!

孫悟空兄貴の拳が鵬魔王の顔面を直撃し、後ろの壁をぶち壊し城の外まで吹っ飛ばしたのでした。



「なっ…何が…ゴミだって?何がぁあああ!」



その時、孫悟空兄貴の身体に異変が起きていたのでした。

怒り震えるその身体から白いオーラが立ち込めていたのです??

先程までに静かに穏やかだった孫悟空兄貴から伝わる強烈な感情とともに、

白いオーラは孫悟空兄貴から噴き出して、次第に形を成していったのです!



《グルルルルル… 》


何処からか獣の唸り声が響き渡る。


いや?それはまさに獣?


孫悟空兄貴の後ろを付き従うかのように、白い巨大な虎が現れたのです!



《ワレハ…オマエヲ…ミテイタ…ワガ…アルジニ…ヒツヨウナノハ…》


《貪欲なる強さへの渇望》


《大切な者を守ろうとする純粋なる心の強さ!》


《お前を我が主と認めよう。さぁ!我が力を解き放つが良い!》




白い大虎は孫悟空兄貴を主と認めたのです。


『白虎』


四方の一つ西方を守護し雷を纏いしその獣は白き聖獣として、朱雀同様に四聖獣の一つとして古代中国の五行説に基づき力の象徴とされていた。

そして孫悟空兄貴が掌をあげて叫んだのです!



「力を貸せ!」


『聖獣変化唯我独尊・白虎ぉーー!!』



孫悟空兄貴の身体の中に白虎の聖獣が吸い込まれていき、身体から凄まじき膨大な力が噴き出して来たのです。次第に孫悟空兄貴の姿が変わっていく??


「あ…あれは!」




白を基本に黒い線状の模様の衣を身に纏い胸元には軽装備ですが胸当てが装着されている。

特徴的なのは両腕、両足には特別精巧な鉄甲を装着していたのでした。


『ウゴオオオオオオオ!』



孫悟空兄貴の咆哮が城全体を揺るがす!!!



「とんでもないら…猿の奴…」

それと同時に孫悟空兄貴に落雷が落ち、髪が雷を纏いながら伸びていき、更に両手の手甲から雷を帯びた爪が現れたのでした。



「鵬魔王ぉおおお!!お前だけは俺様の手でぶち殺してやあるぞぉおーーーーー!!」



まるで雄叫びの様な孫悟空兄貴の咆哮とともに、孫悟空兄貴は殴り飛ばした鵬魔王を追って外に飛び出して行ったのでした。


一瞬、その勇姿に魅取れてしまったのですが…



「そうだ!私達は三蔵様を!」

「そうらったな!」



三蔵様の近くには既に鉄扇ちゃんが動かずに立っていたのです。


どうしたのでしょう?


何も言わずに立ちすくむ鉄扇ちゃんに私は…



「今から三蔵様に治癒術を行います!皆さんも力を貸して下さい!」

「分かったらよ!」



私と八戒兄貴が三蔵様に駆け寄った時、


「!!」



私達は………。

次回予告


白虎の聖獣と聖獣変化した孫悟空!


しかし、鵬魔王の力は計り知れない。


孫悟空は鵬魔王を倒し、万能薬アムリタを手に入れる事が出来るのであろうか?


そして八戒と沙悟浄は三蔵を救えるのか?


次話も読み逃せない!!




と、思ってくれたら嬉しい・・・。

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