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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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俺様達は一騎当千?いや!一騎当万だぜーー!!

三蔵を連れ去られ瀕死状態の三蔵一行だったが、

数万の配下を持つ凶悪な鵬魔王を相手に再び戦う決意をするのだった。


俺様は孫悟空だ!!

俺様と八戒、沙悟浄は鵬魔王の待つ天空の城!

鵬魔城へと向かっている。

俺様達は各々の雲に乗り猛スピードで飛んで行た。



絶対に助けるからな!

だから待っていろよな?

三蔵!



「兄貴!見てください!あれが…」


沙悟浄が指差した先には鵬魔王の城が見えていた。


いや?

あれは空に浮かぶ要塞と言って良いだろう…

その城は鉄扇の天空城の数十倍以上あった。


そして…


「どうやら、お出迎えのようらな?」


「ああ…」


八戒も気付いていた。

城を覆いつくす程の鳥妖怪達の群れ!

その鳥妖怪達が俺様達に気付き、武器を手に襲い掛かって来たのだ。



「お前達!気を引き締めていけぇよ!」


「おおお!」


俺様達は迫り来る鵬魔王配下の鳥妖怪の大群!

およそ三万の鳥妖怪に俺様達は誰一人怯まず向かっていく…



「三万らか?」

「今の私達は…」


「一騎当千…いや?一騎当万だぜぇー!」




先手必勝!

俺様の身体がぼやけていくと、どんどん身体が分かれていく。

分身だ!

その数、百体!

同時に俺様の手刀が炎で燃え盛っていく。そ

して俺様の必殺技が炸裂したのだ!



『百人一手・火流多!』

※ヒャクニンイッシュ・カルタ


百人の俺様の分身達が鳥妖怪達の真ん中を突っ切る!

すると俺様の燃え盛る手刀をくらった鳥妖怪達が燃えながら墜落していったのだ。

だが、これからだぜぇ!

俺様の本番は!


さらに群がるように鳥妖怪達が取り囲んで来る。


「オラも忘れるなやぁ!」


『糞殺牙死』

※フンコロガシ



八戒が巨大なウンチを放り投げると、そのウンチは拡散して無数の弾丸になりながら落下していき無差別に鳥妖怪達を貫いていく。

更に沙悟浄も何かするようだぞ?


「私も…」



(私に出来る事…それは…


逃げて、逃げて…戦場を掻き回す事!)



沙悟浄はそっこらじゅうを飛び回り逃げていた。



「あの弱そうな奴から血祭りダァーッ!」


「きゃあああ!」



沙悟浄を追って鳥妖怪達が追い掛けて行く。


(私は…私は…)


沙悟浄は自分を追い掛けて来る鳥妖怪達に振り向くと?


「あいつ覚悟を決めたのか?」


沙悟浄は迫り来る鳥妖怪達に向かって…


『秘技・河童手裏剣!』



沙悟浄の頭のお皿が閃光しながら発光し、光りの皿が四方八方に拡散する。

ちなみに河童手裏剣とは破壊力は一切ないが目眩ましにはなるのだ。


「ぎゃあ!目が見えん!」


鳥妖怪達は眩しさに堪らず自分の顔を覆ったと同時に、何かが身体中に貼りつく。



「私が、ただ逃げていたと思ったら大間違いですよ!私が今いるここは風上…」



沙悟浄は竜神の札袋からありったけの火薬札を散らばせたのだ。

飛び散った火薬札は沙悟浄を追っていた鳥妖怪達に貼り付き、轟音とともに大爆発したのだ。



「足手まといにはなりませんよぉ~!」



俺様は沙悟浄の様子を戦いながら見て、



空「へっ!沙悟浄の奴もやるじゃねぇか!俺様も負けてられねぇぜ!」



俺様は如意棒を背中から抜き出し、


「伸びろぉ!如意棒!」



ぐんぐん伸びる如意棒を振り回しながら、俺様を囲む鳥妖怪達を薙ぎ倒していった。

だが鳥妖怪達もまた俺様達に怯まずに襲い掛かって来る。

コイツ達は鵬魔王への恐怖から死に物狂いなのだ…



「ぬかるなよ!」


「おうら!猿もな?気合いいれるらよ!」



俺様達三人は武器を手に鳥妖怪の大群の中へと突っ込んで行く。

目差すは鵬魔王がいる鵬魔要塞城!


「おぅららら!」



俺様は鳥妖怪達を薙ぎ払っていた。


「…………」


すると!?


「猿!危ないら!」

「何!?」



八戒の奴が俺様に向かって突っ込んで来て、力いっぱい蹴り飛ばしたのだ??


「うぐわあああ!」



俺様は蹴り飛ばされた勢いで鵬魔要塞の真下に衝突したのだ。


「いてて…なっ?何をしやがるんだ?豚!」



すると八戒の奴が笑みを浮かべ、城のテッペンを指さす。


そうか…あいつ…


馬鹿野郎…

俺様を先に行かせるためにワザと?



「猿!オメェは先に行くら!時間はねぇらよ?仕方ないからオラは邪魔なこいつらの相手をかって出てやるらよ!だから必ず!必ず三蔵はんを助けるらよ!」




俺様は八戒を背中越しに拳を握ると、その拳を上げた。


「死ぬなよ…」


「お前もな…」



俺様は鵬魔城の最下部の壁を壊して、城の中へと侵入した。



八戒は俺様が侵入したのを見届けた後、


「雑魚はオラが相手してやるらよ!焼鳥になりたい奴からかかってくるらぁー!」



鳥妖怪の大群が一斉に八戒へと襲い掛かったのだ。






俺様は鵬魔城の階段を駆け登っていたのだ。

だが、城の中でも鳥妖怪達が行く手を阻む。


「アギャア!」


「誰も俺様を止められねぇーぞ!」




そして天空城から離れた場所で沙悟浄も戦っていた。

沙悟浄を追って鳥妖怪達が襲い掛かる。


(ハァ…ハァ…もう少し…)



沙悟浄は鳥妖怪達から逃げつつ準備をしていたのだ。



「大分引き連れて来たようですね?では、この辺で良いかもしれません!」



沙悟浄は水仙鞭杖を手にすると念を籠めると杖が二本に分かれたのだ?



『水仙鞭杖・和式二本式!』

※すいせんべんじょう・わしきにほんしき


そして沙悟浄は二本の杖を大地に向けて投げつける。

二本の杖は大地に突き刺さると、突然水が勢いよく噴き出して来たのだ?

それは次第に渦を巻きながら見る見る溜まっていき湖となった。

そして沙悟浄は雲から飛び降り湖の中へと飛び込む。


追うように鳥妖怪達が湖の上空で沙悟浄を探していた。

すると湖の中から水の弾丸が飛び出して来て鳥妖怪達を貫き落としていく?

更に湖が渦を巻き、その中心から河童の姿となった沙悟浄が現れたのだ。



「私は水の中だと河童の妖力を数倍に出来るですよ!」



いつの間にか湖の水面には竜神の札から出した無数の術札が浮いていた。

沙悟浄は術札の力を使い、湖の水全てを自由に操っているのだ。



「久しぶりに行きますよ~『一撃必殺!』」



湖から飛び出した水の弾丸が空を飛ぶ鳥妖怪達を次々と落としていった。





場所が変わり八戒もまた戦っていた。


『肉体強化・拳!』



八戒の拳が巨大化して襲い掛かる鳥妖怪を掴み、投げ飛ばしていく。


「おぅらあああ!」


続けて拳を戻し、鼻をつまみながら…


『天蓬大幻水ダァーッ!』

※てんぽうだいげんすい



ネバネバした鼻水が鳥妖怪達の身体にへばり付くと、鳥妖怪達は身動きを奪われて落下する。

見上げると鳥妖怪達は八戒の周りをグルグルと囲み始めて警戒していた。

そして一斉に襲い掛かろうとした…その時!

辺りは異様な匂いが充満していたのだ。



「知っているらか?オナラは燃えるんらよ!」



すると八戒は持っていた火薬札に火を点けると、鳥妖怪達の目の前から消えた。

それは分身?

直後上空はオナラが炎で点火して大爆発したのだ。

焼き焦げになった鳥妖怪が落下してくる。

暫くすると地面から抜け出て来る八戒は上空を見上げた。

倒しても倒しても空を埋め尽くすほどの鳥妖怪達がまだまだ残って八戒を見下ろしていたのである。



「ふぅ~!やれやれら~」



と、俺様達が大決戦の最中、鵬魔王は自らの玉座にて俺様を待っていた。





「美猴王…あぁ…私の美猴王…貴方は私のものだ!私だけの…」



鵬魔王は目を綴じて、懐かしき時代を思い出していた。

それは、かつて魔王として世界を震え上がらせていた戦乱の時代…


最強一族であったはずの鵬魔王が地べたを這いつくばり、背中を踏みつけられる。

鵬魔王は自分をこんな不様な姿にした張本人を見上げた。

その者は金色の髪を靡かせ、金色の尾を腰に巻き付けた猿の妖怪であった。

その者は地上界全土の支配を企む魔王!『

美猴王』と名乗ったのである。


鵬魔王は当時まだ若き戦士であったが、自分自身の強さには自信があった。

それを美猴王と名乗る妖怪は、たった一撃で鵬魔王を這いつくばらせたのである。



「お前強くなりそうだな?強くなったら俺様と一緒に来い!俺様の役に立ってみろ!それまでお前を生かしておいてやる!」



そう言って、美猴王は鵬魔王を残して立ち去ったのだ。

鵬魔王は悔しさよりも、その美猴王の存在感に魅とれてしまっていた。


(す…素敵だ…)


その後、美猴王は地上界で名のある魔王達を集めて連合軍を作っていく。

そして地上界の魔王達は揃って美猴王の配下になったのだ。

それは美猴王の持つ並外れた力はもちろん…

その惹きよせる不思議なカリスマ性からであった。


しかし鵬魔王が美猴王を崇拝したのは、

その残虐かつ、己の敵に関しては非情なまでに冷酷な面であった。



「てめぇら…俺様の前にひざまずけ!」



(そうさ…そして私は強くなった。貴方の傍にいられるようにね?


美猴王…貴方は私の全てだ!私の…ふふふ…この前の美猴王は調子狂ったけど?


今の美猴王はまだ転生したばかりで、本来の力が出せていないだけさ!


それに美猴王らしからぬ事を言っていたが?


それはきっと記憶が錯乱しているからなんだ!


私が戻してあげるよ…


私が本来の!昔の美猴王に戻してあげるから…


取り戻すよ!あの強く冷酷な美猴王兄貴を!


あああ…私の美猴王兄貴…)




そして、自分の間に向かって近付いて来る殺気に気付く。



「来たね…美猴王!早くおいで。私のもとに…フッフフフフ。そして私を楽しませてくれよ!昔みたいにさ!」



鵬魔王は視線を背後に移した。

鵬魔王の視線の先には?




流れ落ちる血が床を染め、


十字架状の杭に血まみれになった姿で吊されている男がいた。


間違いなく拷問にあったのだろう…


身体中から大量の血を流しながら…


まさしくその者は三蔵であった。




生きているのか?


それとも?




……………。






動かない三蔵の姿。





孫悟空は迫り来る鳥妖怪達を如意棒で薙ぎ倒しながら、要塞の階段を駆け上がっていた。



「サンゾー!必ず助けてやるからなぁー!」




だから死ぬんじゃねぇぞー!


次回予告


更に三匹の激闘が続く!沙悟浄が!八戒が!


壮絶な戦いを繰り広げる。


そして、鵬魔王の残虐な行為に、


孫悟空の新たな力が覚醒するのだった。

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