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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
8/424

運命の出会い?敵か味方か!?エロ妖怪八戒登場!

三蔵が孫悟空の魂を地獄より救出するために奮闘した全話と打って変わって今回の話は?



はい…

どーも孫悟空だぜぇ!


俺様が寝ている間に何か面倒事があったようなんだが?

まぁ~気にしないで良いかな?

そんな事より次の話だ!


「オラァ!何とか言えやぁ!」

「ごめんなさい!ごめんなさい!」


三蔵は妖怪の胸倉を掴みながら壁に押し付け脅していた。

そこに女の妖怪が止めに入って来たのだが、


「止めてください!私の旦那を許してやってください!」


無視して続ける三蔵…

俺様の目には今の三蔵の姿は正しく悪者?

カツアゲしているようにしか見えなかった。

そんな事を考えていた俺様の頭を小突く三蔵。


三蔵…

お前、まさか絶対に俺様の心を読んで殴ってるよな?


「イタタ…」


説明の訂正だ…

えっと、俺様と三蔵が旅を続けていた矢先、二人の夫婦妖怪が襲って来たのだ。

妖怪の名前は『黄袍怪』。

牙を剥き出した青い顔の妖怪で、凶悪そうな顔をしていたのだが・・・


三蔵は更に恐ろしい形相で黄袍怪をボコリ、殴り、叩きのめしたのだった。


「オラオラァ!泣いてないで顔を向けろやぁ!」


「許してください!お願いします!旦那を助けてください!」


女の方は涙を流して三蔵にすがり、男の方は脅えて口がきけなくなっている様子。


本当…酷い…

てか、どっちが悪者なんだか?


「で、どうなんだ?俺達を狙う黒幕の事だ!隠すつもりなら?」


三蔵は拳を振り上げ黄袍怪を殴ろうとする。


「ヒィィ!教えます!教えます!」


そうか…

三蔵は黒幕をこの黄袍怪から聞き出そうとしていたのか?


俺様はてっきり…

普段の腹いせてか、ストレス発散しているもんかと思っていたぞ?

三蔵は素直に喋った黄袍怪を放してやると、夫婦は何度も頭を下げて逃げていったのだった。



「猿よ?解ったぞ!ここ数日、俺達に対して異常なまでの妖怪達の襲撃の理由と黒幕が!」


「三蔵が妖怪達に酷い仕打ちばかりしているからじゃねぇのか?今みたいによ?」


また、殴られた俺達…

余計な事を言わなきゃ良かった。

口は災いの元と解ってはいるのだが、つい口が滑る。

学習しなきゃな…


「霊感大王か…」


霊感大王?

つまりそいつが黒幕って奴だな?

だが、俺様は黒幕よりも三蔵の方が脅威だと思っているぞ。


三蔵は悪魔のような形相で指を鳴らしていた。

これは本気で怖い…


「猿!行くぞ!霊感大王のもとへ!」

「おっ…おう!」


俺様は三蔵の後を着いて行こうとすると、立ち止まったまま動かないのだ?


「しまった…」


「どうした?三蔵?」


「場所を聞くの忘れていた…」



俺様はスッ転び、三蔵に向かって怒鳴る。


「何をやっているんだよ!馬鹿三蔵!」


「ダマレェ!ついイジメ…いや、脅すのに夢中になって…大切な事を聞き忘れただけだ!」



三蔵…

お前って奴は…


俺様と三蔵は仕方なく飯を食いに行く事にしたのだった。

嫌な事は上手い物を食べて忘れるのが一番!

俺様と三蔵は村に入り、食べ物屋を探しながら歩いていた。



どうやらこの村は平和で賑やかのようだな?

周りは人間達が和気あいあいとしていた。


「なぁ?三蔵!俺様は饅頭が食いたいぞ?食わせろ!食わせろ!」

「だぁまぁれ!」

「腹が減って死にそうだよ~」

「勝手に死んでろ!」

「何だとぉ!俺様が死んだら、俺様が可哀相だろ!?」



ん?その時…

三蔵が突然黙り込み俺様を静止させた。


どうしたのだ?


「お前はどう思う?気にならんか?」

「ヘッ?」


辺りには俺様達同様人間達が行き来していた。

ここまで何人かすれ違っているから、別に珍しい事はなかったと思うが?


気になると言えば…

ん? あいつか!?


三蔵と俺様の視線の先に見える人物…


そいつは…三蔵と同じお坊さん?

それも高僧らしいな?


確か、この村に来る途中近くにデカイ寺院があったはずだよな?

そこのお坊さんか?

でも別に坊さんなんて特に珍しくないはずだが?


俺様はまじまじ観察してみた。


それにしても、やけに身奇麗な格好してやがるな?

白い高僧衣とは立派なもんだ…

しかも、若い!

多分人間の歳で24くらいか?

一見目立つ格好をしていやがるが、他の人間達はあんまり気にしていないようだが?


まるで、すれ違う奴達が奴に気付いていないみたいだ?

三蔵はその男が気になるようだった。


「…………」


「おぃ?三蔵!やっぱりあれか?自分よりも若くて、見るからに偉そうなお坊さんを見て嫉妬でもしているのか?」


「黙っていろ!」


「何だよぉ…」



ん?てっきり、また殴るのかと思ったが…

その時、三蔵と俺様の方に例の若い高僧が歩いてきて、すれ違ったのだった。

三蔵はそれから数歩進むと、再び俺様に小声で話しかけてきた。


「猿よ、気付いたか?」

「何だ?今の奴か?」

「あの高僧…出来るな!気配を一切消していた。並の者ではない…あんな人間がいたのか…」

「!!」


そういえば確かにそうだ!

あの高僧の奴…

全く気配がしなかったぞ??

気配を消していたから無駄に注目を集めなかったのか?

多分、普通の人間達には間近にいても存在すら感じられないのだろうな。



何者だ!?

確かに三蔵が言う通り凄腕だろうな?

正直、三蔵に言われなきゃ、俺様でも気付かなかったと思う。


本当に、あんな人間いたのか…

いた…ん?


おい!三蔵よ…

お前も人間離れした化け物じみた強さなんだぞ?



まったく…

人間にも並外れた力を持つ連中がいるもんだな。

俺様が封印されている間に変わったもんだ。


俺様達は飯屋で食事を済ませ、辺りが暗くなったのを見計らい今晩休む宿屋を探す事にしたのだ。

三蔵はどちらかと言えば金の使い方が雑である。

妖怪退治で荒稼ぎした金を、いつも酒や食い物で使いきるのだからな。


食い物は俺様のせいでもあるか。


だから普段は野宿が当たり前なのだが、今日は久々に宿屋に泊まる余裕(金銭面)が出来たので贅沢する事にしたのだった。

それもこれも今朝虐めた妖怪から巻き上げた金がたんまりあるからなのだが…


俺様と三蔵は部屋に荷物を置くと、気晴らしに庭に散歩に出る事にした。


「なぁ、三蔵?」

「なんだ?猿?」

「腹へんないか?」

「貴様、今さっき食っただろうが!」

「だってよ~俺様は三百年間封印されていて飲まず食わずだったんだぜ?腹が減るのは仕方ないだろ?しかも成長期だし!」

「成長期じゃねぇーだろ!貴様がそんな大食漢だから、金がいくらあっても足りやしねーよ!」

「三蔵に金の使い方を言われたくないぞ!」



俺様達が言い合いをしていると、そこに男と若い娘の声が聞こえ来たのである。

男は高貴ないで立ちで二枚目風の褐色の男。

女の方は、この宿屋で働く娘だろうか?


「あの…やめてください!」

「良いではないか!オラの嫁にならんか?」


男は娘の腕を掴んで離さないでいた。


あの…私達…今さっき会ったばかりなのに…」



照れながらも男を見詰める娘。

どうやら、まんざらでもないようだ…


「ムフフ…ただオラの子供を産んでくれるだけで良いらよ?」

「えっ!えっ?えっ~?」

「それがダメなら今晩オラと夜の営みだけでも!」

「いや~ん!」



そんな二人のやり取りを、じっと見ている俺様と三蔵…


「じぃ~」


「うわ!?」


俺様達の視線に気付き慌てる男と女。


「何ら!お前達は?オラ達の愛のひと時を邪魔するなや!」


「何なんですか?貴方達は!」


「いや、ちょっと気になってな…」


「何が気になるらか?覗きなんかして失礼な奴らな!」


「………」


「さぁ!こんな奴達放っておいて、あっち行くらよ!」


「あっ…はい!」



男は娘の手を引き、慌てて立ち去ろうとする。


「おい!娘よ?お前は男を見る目がないようだな?」


「えっ?」


「何を言うら!この高貴なオラに対して!」


「それにしては臭いよな?お前!」


「臭い?」


男は自分の体臭を嗅ぐが、臭いと言えばおそらく香水の匂いだと気付く。


「ハハハ!貧乏人の僧侶と猿には解らんようらな?これは香水と言うらよ!高貴な男の嗜みら!」


「ちげーよ!お前からは匂うんだよ!妖怪独特の妖気の匂いがプンプンとな!」


「(ドキ!)ちょっとお前らいったい何を言っているらか意味わからんらよ!」


「そもそも、先程から猿が人語を喋っているのに不思議がらない事!」


「えっ?」


「見ろよ!娘なんか俺様が喋ってる事に目を丸くしてるぞ?」


娘は人語を話す俺様と二枚目の男が普通に話している事にパニックを起こしていたのである。


(や…ヤバいら…ここは逃げるしかないらな…)


男は強引に娘の腕を掴み、この場を逃げ出そうとする。


「失礼な!オラ達は失敬するらよ!娘よオラと一緒に行くら!」


「あっ、はい!」



二人が俺様達から離れようとした時、


「そして…最後に…」



三蔵は持っていた札を男に貼付けたのだ。

その途端、突然煙りが男を包み込んだかと思うと、俺様達の目の前には人間の男の姿はなく、黒豚の妖怪が現れたのだ!

と言うより、妖怪が人間の男に化けていたのが、三蔵のお札で解けただけなのだがな。


「うぎゃあ~!豚の妖怪!」


娘は男の変貌に悲鳴をあげて、逃げ去って行ったのだ。


「ああ~!オラの可愛い子ちゃん!逃げないでぇ~!」


「あ~あ…可哀相…あの娘、泣きながら逃げちゃたよ~!多分トラウマになっちゃうな~」


おとぼける俺様達に怒り心頭の黒豚妖怪は、


「てめ~ら…何をするら?ただじゃすまさんらよ!」


流石に恋路を邪魔されて殺気がハンパなかった。


「おい、猿!」


「あぁ!どうやら怒らしたようだな?」


「この八戒様の幸せを台無しにした大罪!お前らの身体で晴らしてやるら!」



俺様は黒豚の妖怪に向かって言い返す。


「へん!返り討ちにしてやるぜ!今晩のオカズはお前だ!」


「何か…意味違って聞こえるぞ…猿?」




これが…


この後、俺様達と深い関係で結ばれる事になる八戒との初めての出会いであった。


ん?深い関係?


おい!だから変な意味じゃねぇーからな!


次回予告


孫悟空「変な奴が登場したようだが、いつもの通りボコボコにしてやるぜ!」


八戒「なんらと!オラをなめると痛い目にあうのは、おめえの方ら!」


孫悟空「まあ、次話でケリをつけてやるぜ!」

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