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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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友達って何だ?ナタクからの依頼!?

旅の途中で出会った牛角魔王の壮絶な過去を聞いていた。そして孫悟空は紅孩児が牛角魔王の生き別れの子供であると気付く。


よぉ!孫悟空様だぜぇ!

俺様と紅孩児は一緒に旅をしている。


牛角の奴から因縁の話を聞いてしまった以上、俺様は黙って放って置く事が出来なかったのだ。

だから、全て済ませたら急いで帰るからな!


三蔵!

それまで待っていてくれよ…



《ドォン!》と、俺様の背中に何かが打つかって来たのである?

俺様は呆れた顔で振り向くと、それは紅孩児であった。

紅孩児はニヤニヤしながら俺様の背中に抱き着いてきたのだ。



「なぁ?なぁ?何かこれって、俺様達ダチぽくねぇ?」


「…そ…そだな…」


俺様はそのまま先を歩く。

すると、今度は紅孩児が俺様の隣を歩き始めたのだ。


「ん?」


紅孩児の手が微妙に俺様の手に近付く?

ま…まさか…?

そのまま紅孩児は俺様の手を繋いできたのだ。

紅孩児は照れる様に俺様を見て…


「これ…友達ぽくねぇ?」


「ダァーッ!」


俺様は握られた手を払い紅孩児に向かって怒鳴る。



「訳分からない事しなくても俺様と紅孩児はダチだって言ってるだろ!」


「ぶぅ~」



拗ねながらも何か楽しそうな紅孩児に、俺様はこれ以上は強く言わなかった。

そりゃ~初めて友達が出来て嬉しいのは分かるが、限度ってもんがな~?



そして、その夜…

野宿して焚火前に眠る俺様に忍び寄る影?


まさか??


「寒くないか?大丈夫か?俺様は温かいぞ?えっと…あの…俺様…初めてなんで…あんまり…」


て、違うだろぉー!


「馬鹿やってないで、さっさと寝やがれぇ!」


「へ~い!」



まったく…

無邪気と言うか、世間知らずと言うか…

俺様は眠っている紅孩児を覗いてみた。

寝ている時は可愛い顔しやがって…


って、何顔を赤らめてるんだよぉ?俺様は!


いかんいかん!


「!!」


俺様は何かムカつく気配を感じたのだ。


間違いない…この気配は!



『ナタク!!』



俺様の目の前にナタクが現れたのだ。

いや、違う?

それはナタクの幻影?



「何だ?お前は?また俺様を討伐しに来たのか?それにしては幻影って何だ?本体は何処にいやがる!今度こそ殴ってやるから、ここに来て姿を現しやがれぇ!」


すると、ナタクの幻影はゆっくりと俺様に近付いて来たのだ。

俺様は警戒する。

何のつもりだ?

ナタクの幻影は俺様の前に止まると、俺様に話し掛けて来たのだ。


「孫悟空よ…俺はお前に仕事をやろうと思ってやって来た」


「仕事だと?ふさげるなぁ!何で俺様がお前の仕事しなきゃならねんだよ!」



しかし、ナタクはお構いなく話しを続ける?


「お前がいる場所は西の大陸。上級以上の妖怪が集まる穢れた土地だ!」


…て、話しを聞けって!


「この地には何者かが作り上げた結解により、我々神族は立ち入る事が出来ないでいる。そこでお前にその結解を壊してもらいたいのだ」


コイツ…

一方的な奴だ!

完全に俺様を無視しているな?

てか、こちらからの声は聞こえてないのか?


そこで俺様は、


「バァーカ!ナタクの男女!変態野郎!」


「キサマ!俺の話を真面目に聞け!誰が男女の変態だぁ!叩き切るぞ!」



あっ!

聞こえてるじゃんかよ!


「てか、何故俺様がそんな面倒事を!俺様は今忙しいんだよ!」



ナタクは落ち着き払い再び話しを続けた。


「フン!元々はこの地を任されていたお前の義兄弟である獅駝王の馬鹿が、自分の魔王としての役目を放棄し、行方をくらましているからだぞ」


はっ?獅駝王だと?


役目ってのは魔王は神との契約で、天界の邪魔になる妖怪を神に変わって討伐する事。

その見返りに、魔王は神と争う事はないのである。

で、この西の大陸を任されていたのが、かつての俺様の義兄弟である獅駝王だった。



てか…アイツ…自由な奴だからな~


「で、何故俺様が奴の尻拭いをしなきゃいけないのだ?」


「タダとは言わん。お前にかけられた討伐の命を破棄してやろう」


「ふふふ…悪いがそんなの関係ねぇぜ!討伐だ?誰が来ようと返り討ちにしてやるぜ!ナタク!例えお前だろうとな!」


「それは頼もしい事だな。もう一つお前にはして貰わないといけない事がある。それは妖怪を一匹討伐して貰いたいのだ!」


「だぁかぁらぁ!俺様の話を聞けって言ってるだろ!」



だが、ナタクはお構いなく話を続ける。

全然会話になっとらせん。


コイツも自由勝手な奴だ・・・



「そうだな…お前と一緒にいた人間…確か三蔵と言ったか?」


「ナタク!三蔵に手を出すつもりかぁ!」


「早まるな!」


「?」


「あの人間はやけに衰弱していたな?もしお前が俺の指示に従えば、あの人間を救ってやっても良いのだぞ?」


「んなっ?そんな事がお前に出来るのかよ!?」


「ああ…俺の持つ、どんな怪我や病、呪いまでも消し去る万病の薬。ソーマ神酒アムリタを持ってすれば他愛もないだろう!」


ソーマ神酒?アムリタ?


「そんなもんが?」


「どうする?」


今の俺様には藁にも縋る話であった。

しかし、今は紅孩児の件もある…


俺様はどうしたら良い?


「ふっ」



ナタクの注文とは、この地に立つ三つの結解の柱を壊す事。


そして、もう一つは…


『妖怪皇帝』なる妖怪を、ナタクに代わり俺様が討伐する事だった。



俺様はナタクからの依頼を受ける事にした。

そして、俺様の手にはナタクから受けとった『ソーマ神酒アムリタ』が、あったのだ。

実際にはナタクの幻影が消えた場所に置いてあったのだが…


このまま直ぐにでも三蔵のもとに飛んで行きたかった。

でも…


俺様は眠っている紅孩児を見る。


まだ、行けねぇよ…


クソォ!ナタクの野郎!俺様に薬を先に渡しやがって!これは俺様が奴に信じられていると言うより、奴の手の上で踊らされているみたいで、無性に腹がたつぜぇ!


「ふにゅふにゅ~」


そこで紅孩児が目を覚ましたのだ。


「むにゃ?悟空?まだ起きてるのか?」


「あっ?ああ…ああ…今、寝る…」


「ん?なぁ…何かあったのか?」


「えっ?」


「俺様で良かったら…」


「しぃ!心配すんなって!」


「俺様で良かったら、腕枕してやるぜぇ?これって、ダチぽくねぇ?」


《ズコォ~!》


「黙って寝ろ!」


「へいへい!」



まったく…

コイツの能天気さにはマジに救われるぜぇ~



そして朝を迎えた。

三蔵と離れて二日目の朝だった。


何か…苦しいよ…



俺様は紅孩児と一緒に先に向かう。

俺様は遠回りに紅孩児の父親?に会わせて欲しいと頼んでみた。


「久しぶりに父上に顔を出そうかな?うん!良いぜ?紹介してやるよ!」


少し気が引ける。

もしかしたら?

その父親は牛角の仇かもしれないのだからな!


そして紅孩児にとっても…

万が一は俺様がソイツと戦う事になるかもしれない…

だが、紅孩児は今の父親を慕っていると言っていた。

俺様は紅孩児をどう説得すれば良い?

まったく分からない。


「なぁ?悟空!」


突然、紅孩児に呼び止められて俺様は正直焦ったのだ。


「なっ?何だ?どうかしたか?」


「いやな…ちょっと寄りたい場所があるんだけど、良いか?」


「寄りたい場所?別に構わないが。一体何処に行くつもりだ?」


「ふふふ…ちょっとしたお仕事だぜぇ!」


「仕事?」


「まぁ、ついて来りゃ分かるさぁ~!」


「おい!」


「さぁ~て暴れますかぁ!」



えっ?暴れる?

一体何処に連れて行くつもりなんだ?



この続きは次話へ



次回予告


孫悟空「本当にナタクはムカつくぜ!」


で、次は何処に向かうって?

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