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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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雷激突!孫悟空とナタク!

天界よりの討伐者の巨霊神とナタク。三蔵を傷つけられ怒る孫悟空とナタクのバトルが始まろうとしていた。


私は沙悟浄です!

突如、私達の前に天界より現れた二人の武神、巨霊神とナタクと呼ばれる少年神。


三蔵様を傷付けたナタクに対して怒り心頭の私達に、今にも爆発しそうな孫悟空兄貴は、ナタクに一騎討を挑むのでした。


今にも私達の目の前で二人は戦闘を始めようとしている。

孫悟空兄貴は掌に妖気を集中させる。


「へへ!テメェの綺麗な顔を泣きベソ面にしてやるぜぇ!ウララアア!」



孫悟空兄貴はナタクに向かって、無数に集めた妖気弾を一斉に投げ付けたのです!


「…………」


ナタクは、それを僅かな動きだけで躱していく。

その動きは残像を残しつつ孫悟空兄貴へと近付いて来たのです。



「こいつ余裕噛ましやがって!いでよ!ミィチャン!」


『ニャアアアアア!』


孫悟空兄貴の身体から雷を帯びた子猫が現れる。

雷の聖獣ミィチャンが孫悟空兄貴にしがみつくと、孫悟空兄貴の身体は雷の力を帯びたのです。


「さぁ~て!俺様も本気見せてやるからよ!」



孫悟空兄貴の身体は雷を纏い、そのスピードが上がっていたのです。


「お前も雷を使うのか?」


「だから、どうしたああ!」



孫悟空兄貴は雷の如きスピードでナタクに向かって突進し、抜き出した如意棒を突き出す!

が、ナタクに直撃したかと思った孫悟空兄貴の攻撃は難なくナタクに躱されたのです。

ナタクを見失った孫悟空兄貴は左右上下とナタクの気配を探る。


「何処を見ている?俺はここだぞ!」


「くそぉー」



孫悟空兄貴の背後に現れたナタクに対して、孫悟空兄貴は如意棒に電撃を集中させ、ナタク目掛けて落雷を落としたのです。

しかし、ナタクには全く当たらない?

全ての落雷を移動術だけで躱されたのです。


「何故に当たらない?あっ!」


孫悟空兄貴は気付いたのです。

ナタクもまた、その身体にも雷が帯びている事に。


そうです!

ナタクは孫悟空兄貴と同様に雷を纏い、その瞬間スピードで孫悟空兄貴の動きを上回って攻撃を躱していたのです。


「くそ!ならば、これだぁーー!」


孫悟空兄貴は上空にまで飛び上がると、落雷が孫悟空兄貴に集まって来て、空中に巨大な雷の塊が出来上がったのです。


「雷激来々!雷天悟暗無囲!」

※ライテンゴアンナイ!


空中で孫悟空兄貴が作り上げた雷撃の矛を、ナタク目掛けて幾つも放ったのです。


「フン!つまらない技だ」



孫悟空兄貴が放った雷はナタクさんに直撃したかと、思うと?

その雷の矛はナタクに届く目の前で、全て消滅してしまったのです?


「んなっ?何!」



その時、私は見たのです!

この目で!

ナタクは孫悟空兄貴の放った雷の矛が直撃する直前に、空中に指先で何やら図形らしい文字を描くと、掌を前に翳したのです。

その掌には何か奇妙な光が纏われていたのです。

それは、形を成して七色に輝く光の盾が出現したのでした。


「無効化の盾!」


孫悟空兄貴の雷の塊は、その無効化の盾によって打ち消されていたのです。



「あれは?」


すると私から状況を聞いていた三蔵様が説明して下さったのです。


《恐らくその光る盾は、俺達が使う術札から生み出された法術みたいなもんだろうな?俺達が札を媒介にして術式を記す事で特殊な力を使うと同じく、ナタクはそれを空中に特別な術式を記す事で、その光る盾を構成しているのであろう》


「そんな事が?」


《それより、お前にはその文字が見えるのか?》


「えっ?あっ…はい…」


「オラにはまったく見えないらよ?」


《そうか…だったら、沙悟浄!お前はよく見ておけ…今後のためにな…》



えっ?どういう事?

今後のためって?

見たら、どうにかなるのですかね?



そんな時…

孫悟空兄貴達の戦いにも変化が起きていたのです。



「お前に、本当の神の雷を教えてやろう!」



ナタクは手にした剣を天に翳すと、上空に雷の塊が集中する。

そして向かって来ていた孫悟空兄貴目掛けて打ち落としたのです。

孫悟空兄貴も負けじと如意棒に雷を集中させて、向かって来たナタクの雷に向かって打ち放つ。

お互いの雷が交差する中、ナタクの雷が孫悟空兄貴の雷を打ち消し、その雷撃が孫悟空兄貴に直撃したのでした!


「ば…馬鹿な!?か…躱しきれな…ぃ…うぎゃわぁああああ!」


身体中黒焦げになりながら崩れ落ちる孫悟空兄貴。

それでも倒れる寸前で如意棒を地面に突き刺し、膝を震わせながらも如意棒を杖にして立ち上がろうとするのです。孫悟空兄貴は今、身体が痺れて自由に動けなかったのです。


「ぐはっ!なっ?何故だ!?俺様の雷が打ち消されて、奴の雷だけが俺様に直撃するなんて??そんなに力の差があるって事なのかよ?」



ナタクは不敵な笑みを見せながら答える。


「お前の使う雷と俺の雷を同じと思うな!俺の雷は神気を帯びているのだ。力任せに放つお前の雷とは質が違うのだ!」


「何だよそりゃ?神気?くそぉ!」



その時、痺れて立ち上がれない孫悟空兄貴にナタクは追い撃ちをかける。


雷網らいもう


ナタクが上空に放った雷が枝分かれし網状になったのです。

それはまさに雷の網!

その雷の網は動けないでいる孫悟空兄貴を覆い包んだのです。



「がぁあ!何だこりゃ!?うがあああ!」



ナタクの雷の網は孫悟空兄貴の自由を奪っていく。身動き取れない上に、強烈な雷撃が孫悟空兄貴を想像以上に苦しめ、力を奪われ、孫悟空兄貴はそのまま力無く崩れ落ちる。

ナタクの雷の網は孫悟空兄貴を完全に捕縛したのでした。


(サ…サン…サンゾ…)


そして孫悟空兄貴は白目を向き力尽きたのでした。



「捕縛完了だ!」



そんな…

あの強い孫悟空兄貴が、こんな簡単に負けてしまうなんて?

信じられません。



「そ…そんな…猿!しっかりするらよ!」


「孫悟空兄貴ぃ!」



そんな事って?

私達は見ている事しか出来ませんでした。

飛び出すにも、三蔵様が倒れて、孫悟空兄貴が目の前で倒されるなんて。



「出でよ!脚踏風火!※キャクトウフウカ」


ナタクの足下が燃え出して、燃え盛る輪が出現する。

それはナタクを宙に浮かばせると、


「孫悟空は連れて行くぞ!サラバだ!」



そのままナタクと巨霊神は宙に浮かび上がり、

孫悟空兄貴が入った雷の網を担ぎ飛び去って行ったのです。




私達はただ…


飛び去って行く姿を何も出来ずに見ているだけしかできませんでした。


無力感が私達を襲う。


そこには私と八戒兄貴、弱り切って倒れている三蔵様だけが残されたのでした。



《そ…孫悟空…必ず戻って来い…俺は待っている…待っているからな…》



三蔵様もまた、そこで気を失ってしまったのでした。


「三蔵さまぁ!」

「三蔵はん!どうしたらかぁー!?」



私達の叫び声が響き渡る。











それから、

三蔵一行から離れ、連れ去られた孫悟空兄貴は?

巨霊神の担ぐ雷の網に捕われ、吊された状態のまま空中を移動していたのです。



「最初は雷網の中で騒がしく暴れておったが、今では大分大人しくなりましたな?ただ先程から何やら独り言をぶつぶつ言っている事が不気味ですが…」


「…………」


「さすがの聖天大聖も、ナタク様の雷網の中では手も足も出ないようですな?ははははは!」


「他愛もない」



ナタクの雷は神気を帯びており、孫悟空兄貴が力任せにこの雷の網からの脱出を試みましたが、切り裂く事も引きちぎる事も出来なく、逃げ出せないでいたのでした。



「ボソッ…そうか…成る程な……。知らなかった。てか、気付かなかった。フムフム。そう言えば鉄扇と戦った時もそんな事言っていたような?よし!取り敢えずやってみるかな?」



すると孫悟空兄貴を覆う網に異変が起きたのでした。

脱出不可能に思われていたナタクの雷網が切り裂かれたのです。

そして、孫悟空兄貴は雷の網から落下して脱出したのでした。




「ばぁ~か!ばぁ~か!ナタクのばぁ~か!脱出成功だぁ!なははは…て、うわあああああああ!」



孫悟空兄貴はそのまま力を使い果たし落下して行く。



「何と?馬鹿な!まさかナタク様の雷網が切り裂かれるなどと!?」


「雷網を破るには雷に神気を帯びさせなければ出来ない芸当だ…」


「ナタク様!それでは奴はこの短期間で神気の融合術を覚えたと?」



すると、ナタクが怪しい笑みを浮かべたのでした。



「ふふふ…すべては筋書通りだ…」


「筋書き通りですと?」


「お前は奴が落下したこの地が何処だか知っているか?」


「この地と言いますと?」


巨霊神は孫悟空兄貴が落下した地上を見て驚愕したのです。


「成る程…流石ナタク様…恐れいります」



「さて、この地に波紋を起こす火種は落とした。後は奴次第だ!ふふふ…あははははははは!」


何か思惑がありそうな予感です…










そしてナタクの雷の網から抜け出し、落下中の孫悟空兄貴。


「うぎゃああああ!」


話を少しだけ遡りますね?

孫悟空兄貴はナタクの雷網の中で、雷網を破る手段を試行錯誤していたのです。

ナタクとの戦闘で、自分とナタクの雷に何か違和感を感じていた孫悟空兄貴は、自分の身動きを縛る雷網を見て観察していたのです。

戦っている間は気付かなかったのでしたが、雷網を分析した結果、孫悟空兄貴は気付いた事があったのです。それは、ナタクの雷には別の異なる気が練り込められていたのを!


それは神気!


孫悟空兄貴はそれを真似て、神気を帯びた雷のナイフを作り上げ雷網を切り裂いたのでした

そこまでは良かったのですが神気を雷に混ぜる作業【融合術】は、想像以上に体力を奪われてしまい、その後の落下に対しての体力まで計算出来ていなかったのでした。



更に分析する孫悟空兄貴…


「ヤバい…力が入らない…うむむ…地面に衝突しても死なないとは思うが、痛いだろうな?痛いの嫌だなぁ…」


地上に落下する覚悟を決めた孫悟空兄貴は諦め瞼を綴じて諦めたのです。



《ひゅ~~~~う!》




《ゴォ~チィ~ン!》






「うぎゃあ~!」


「ふぎゃあ~!」





えっ?

何ですか?


孫悟空兄貴の悲鳴とは別にもう一つの声の主は?




この続きは次回に…



次回予告



孫悟空「うぎゃ~この俺様が負けるなんて~!ありえない!ありえない!絶対にありえない!うん。あれは・・・無し!俺様負けてない!そうだよ!この強い俺様が負けるはずないんだ!」


ナタク「馬鹿め!現実を受け止められないとは憐れだな?」


孫悟空「ゲッ!ナタク!後書きにも出しゃばりやがって!よ~し!ここで二回戦おっぱじめるか?コラアアアア!」


ナタク「良いのか?そんな事をしていると足元をすくわれるぞ?」


孫悟空「何?どう言う意味だ?」



『なははは!ようやく次話から真の主役の俺様登場だぜ!」




孫悟空「なっ?また見知らぬ奴の声が??」



『俺様の事は、次話まで楽しみにしていろよな!』




孫悟空「また変な新キャラか・・・」

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