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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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孫悟空暴走!?三蔵一行の危機!!

牛角魔王との生死をかけた戦いは、孫悟空と牛角魔王との馴れ合いバトルだった。

三蔵一行の旅はまだまだ続く・・・はずだった。


私達は信じていました。

仲間同士馬鹿をやりながらも、楽しい旅がこれからもずっと続くのだと・・・


そう。

この日までは・・・


それは何の前触れもなしに起きたのでした。



牛角魔王さんの火炎山を出発してから暫くして起きた出来事です。

いつもの如く私達は妖怪の盗賊達に襲われていたのでした。

数は十…百…百二十くらいでしょうか?


「またオラ達の出番らな!」

「負けませんよ~」


意気込む私達を制して孫悟空兄貴が前に出たのでした。


「まぁ~待て待て!ここは俺様に任せろよ!」


そう言うと、孫悟空兄貴は瞳を綴じて叫んだのです。



『転生変化唯我独尊!』



孫悟空兄貴の姿が光り輝き、子猿の姿から金色の髪をなびかせた少年の姿へと変わったのです。


「一人残さず、あの世行きだぜぇ!」



意気込む孫悟空兄貴は妖怪盗賊達相手に、たった一人で倒しに飛び出して行きました。


「あ~あ!またオラ達の出番ないらな~」


孫悟空兄貴は牛角魔王さんとの一件より、自力で『転生変化』が出来るようになっていたのです。

これで、旅が楽になりますね。


あれ?


「・・・・・・」


三蔵様の様子が何かおかしいですね?

孫悟空兄貴が戦う姿を黙って見ている三蔵様は、何かを心配しているようでした。


「猿…お前」


暫くすると、孫悟空兄貴が妖怪盗賊を撃退し、余裕こきながら戻って来たのす。


「まったく手応えなかったぜぇ!」


すると、毎度の事のように孫悟空兄貴の姿が子猿の姿に戻ったのです。

転生変化はまだ持続時間が短いのが難点みたいです。


「あれ?また猿になっちまったぞ?一々面倒だなぁ~!」


そこに三蔵様が忠告をしたのです。


「猿よ!身体に異変はないか?無駄に転生変化を使うのはよせ!」


「あん?別に何にも変わった事はないぞ?それに転生変化を使う練習にもなるし良いんじゃないか?いざって時に変化出来ないと、逆に三蔵が大変なんじゃないか?てか、どうしたんだよ?」


「そうか…いや、変わりないなら良いのだが。取り越し苦労だったか?」


「?」




その晩・・・

私達は野宿をするために焚火をおこし、その周りを囲むように眠りについたのでした。



物音がする?

唸るような声が?

眠っている孫悟空兄貴の身に異変が起きていたのです。



《コロセ……ヤツヲ……ユルスナ……ヤツヲ…ハカイ…シテヤル…》


「うっ…うっ!うっ!」


謎の声に孫悟空兄貴が眠りながらうなされていたのです。

その声は孫悟空兄貴にしか聞こえませんでした。

『殺せ!許すな!破壊!』この謎の声が次第に孫悟空兄貴の魂を侵蝕していく。


「アガッ!アガッ!アガッ!」


次第に苦しみながら悶えはじめる孫悟空兄貴に、私達は異変に気付き目を覚ましたのです。


「どうした!猿?」

「おい!猿!どうしたらよ?」

「あわわ!」


私達が尋常じゃない状態の孫悟空兄貴の様子に慌てて近付こうとすると、孫悟空兄貴の身体が突然光り輝いたのでした!


「うぐわぁああああ!」



金色の少年の姿へと孫悟空兄貴へと変わっていく?

その妖気の爆発で私達は吹き飛ばされてしまったのでした。

私達は起き上がりながら直ぐさま状況を整理する。



「猿の奴!寝ぼけながら変化したらよ!?」


「猿!」


見ると孫悟空兄貴は立ち上がったまま微動だにせず、私達の声にはまるで反応しないで俯いたままでした。その身体中から噴き出す妖気は、攻撃的に辺りの木々を揺さぶり薙ぎ倒していく。

私達はその妖気の渦に近寄る事も出来なかったのです。



「三蔵様!孫悟空兄貴は一体どうなってしまったのですか?」


「転生変化の使い過ぎか?或は…」


「或は?何らか?」


「猿の精神[魂]が暴走している…」


三蔵様の話では孫悟空兄貴は転生したものの、その魂はかつて魔王であった美猴王としての魂の三割しかないのだと言うのです。その三割しかない孫悟空兄貴の精神[魂]が、無理にかつての美猴王の姿に戻ろうと転生変化する事は、魂に何らかの負担を与えているのではないか?との事なのです。


魂が安定しない?

不安定な状態で、その精神が自我を保てなくなっているのではないかと?

これは、以前出会った太白金星様からも忠告を受けていたらしいのです。

それが、ここにきて暴走するなんて!



「このまま放置したら、猿は自我崩壊を起こすかもしれんぞ!」


「何ですって!」


「どうしたら良いらか?」


「とにかく猿の力の暴走を止めるのだ!その後、俺が奴の魂を鎮める!」


「あの猿を止めると言われたって…」



私達が見た孫悟空兄貴は荒ぶるハリケーン!そこに足を踏み入れる事は、まさに地獄に足を踏み込むのと同じくらい危険な行為だったのです。



「お前達!猿を止めるぞ!」


「了解!ボス!」



三蔵様の合図で私と八戒兄貴は妖気を高めて水防壁を作り、ゆっくりと孫悟空兄貴へと近付いて行く。

三蔵様はと言うと私達の周りに霊気の気流を作り、孫悟空兄貴から放たれている攻撃的な妖気が私達に直接当たらないようにと、外側へと反らしていました。

私と八戒兄貴は孫悟空兄貴の間合いに入ると、同時に孫悟空兄貴に飛び付いたのです!


「とお~~~!」


が、しかし!

孫悟空兄貴は私達が触れる寸前で身を回転させて、その回転で生じた気流の渦で私達は再び弾き飛ばされてしまったのです。


「うわああああ!」


すると、それがキッカケになったのか?

孫悟空兄貴が頭を抑えながら更に苦しみ出したのです。



「うぐおおおおおおお!」



しかも孫悟空兄貴の身体中の至るところから突然血しぶきが噴き出し、血を流し始めたのです!?



「ウギギ…ウギギ…ウギギ!ギャアア!」



血だらけになりながら孫悟空兄貴が白目を向く。

孫悟空兄貴は目や鼻、耳や口から血を流し、身体からも血が噴き出し血塗れになっていく。



(ヤバイ…あれはヤバイぞ!何とか早急に止めねば…)


三蔵様は指を交差させて印を結び、真言を唱え始めたのです。



『ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!』



この真言は不動明王真言!

三蔵様の背後から炎がほとばしり、異界の魔神である『不動明王』が出現する。

三蔵様は不動明王を背後に従え、孫悟空兄貴へと向かって駆け出したのです。



「猿よ!今、元に戻してやるからなぁー!」


三蔵様は孫悟空兄貴に向かって、妖気の渦の中へと踏み込んで行く。

異常に高まる孫悟空兄貴の妖気が向かい風となって、三蔵様の行く手の邪魔をする


「まったく…いつもいつもお前は…」



激しい妖気の渦の中、三蔵様は怯む事なく突き進んで行ったのです。


「猿よ!まるで、あの日のようだな?覚えているか?俺とお前が始めて会った日の事を!」


さらに、


「覚えているか?お前が地獄の鬼に魂を持って行かれた時の事を!」


「ウググググ…」


「俺はまたお前を連れ戻す!だから、お前は俺の元に戻って来れば良い!」



少しずつ孫悟空兄貴に近付き、三蔵様の手が孫悟空兄貴の身体に触れたその瞬間!


「ウグッ…ウググ…サ…サン…サンゾ…?」



三蔵様の思いが伝わったのか?

孫悟空兄貴の意識が戻って来たのです。

荒れ狂う妖気もだんだん収まり、



「ふぅ~まったく…面倒かけさせやがって…今、俺がお前の暴走した妖気を外に逃がしてやるからな!」



孫悟空兄貴は力なく三蔵様の胸に寄りかかりながら、


「ヘヘヘ…悪い…三蔵…た…頼む…」



これで安心かと思った時、強烈な頭痛が孫悟空兄貴を襲ったのです。

再び頭を抑えて苦しみもがき出し、目の前にいた三蔵様を突き飛ばしたのです。


「アッ…アッ…アガガガガガガ!!」


「猿!大丈夫か!?」



孫悟空兄貴の身体から凄まじい閃光が放たれ、辺り一帯を吹き飛ばしたのです。

私と八戒兄貴は妖気の渦に巻き込まれ、再び吹き飛ばされながらも、それでも何とか私達は起き上がり、孫悟空兄貴の姿を見る。


「うそ?」

「なんらよ…あれは?」



私達は目の前の孫悟空兄貴の変化に驚きを隠せなかったのです。

孫悟空兄貴は宙に浮いた状態で、高密度の妖気に包まれていました。

しかも、その妖気は悪意に満ちた妖気だったのです。

その妖気に包まれた孫悟空兄貴は身体から血を噴き出し鮮血に染まっていく。

その鮮血は次第に『赤』から濁り、その血が凝固しながら真っ黒に変色していく?



「ぐぅ…一体何が?猿に何が起きていると言うのだ?」


「何らよ?猿!何なんらよ!その姿は!」


孫悟空兄貴の身体が黒く…黒く…変わっていく?



「あれは何かの変化なのですか?」


「違う!あれは…猿の物ではない!」


「猿のじゃないって?じゃあ、あれは何なんらよ?誰なんらよ!?」



次第に妖気の渦が落ち着き始め、その中心には…

黒いオーラに包まれた褐色の肌をした孫悟空兄貴が立ち尽くしていたのです。



しかも、その髪は!

孫悟空兄貴の象徴でもあった美しい金の髪が『銀』の髪へと変わっていたのでした。





孫悟空兄貴…

貴方はどうなってしまったのですか?


次回予告


沙悟浄「孫悟空兄貴の髪が銀色で、褐色の肌って・・・一体全体どんなイメチェンなんですか~?」


三蔵「俺も髪を染めてイメチェンすっかな?」


沙悟浄「三蔵様は、今のままで十分かっこよいですよ~」


三蔵「そうか?うん。そうだな」


沙悟浄「意外にオシャレなんですね・・・」

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