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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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金剛魔王打開策?切り札は鳥を飾る??

金剛魔王を相手に出陣した水廉洞闘賊団!


強敵の金剛魔王に何やら策がある?のか?

俺様は美猴王!

俺様、剛力魔王、怪力魔王に六耳と蚩尤が金剛魔王を囲む。

金剛魔王は呆れたように俺様達を見下ろしていた。



「これだけか?このような雑魚で私に勝てるつもりだとか笑わせる」


「あんまり俺様達をナメるなよ」



俺様達は一斉に金剛魔王に襲い掛かった。


「ふっ…」


金剛魔王の振られた腕から放たれた覇気が、金剛魔王を中心に壁を作り俺様達を弾き飛ばした。

俺様は弾かれ、体勢を整えて叫ぶ。



「今だ!このチャンスを逃すな!」


「?」


すると、金剛魔王の腕が動かせなくなる。それは金剛魔王の覇気を押し退け飛び掛かり、腕を掴んだ剛力魔王のおかげだった。


「逃がさ、ない」


「この私の腕が動かないだと!?」



金剛魔王は力にも自信があった。

それが剛力魔王一人に抑えられているから驚きもする。

そこに俺様達が襲い掛かる。

如意棒を回転させて金剛魔王の頭を殴り付けると、同時に怪力魔王と蚩尤、六耳が武器を突き付けたのだ。俺様達の攻撃に金剛魔王の身体がひび割れ、崩れていく。


「やったぜ!」


「待て?見ろ!」



すると金剛魔王の身体から岩が剥がれて、その中からキラキラしたガキみたいな奴が現れたのだ。まさか、こいつが金剛魔王の正体なのか?



「私の岩の鎧を砕くとは、少々見くびっていましたよ。だけど…」


「小さくなって恐くなくなったぜ!」



そこに蚩尤が強気になって剣を突き付けたのだ。


「嘘だろ!?」



金剛魔王の身体には傷一つ付いてなかった。

しかも逆に蚩尤の腕が痺れているのだ。



「私を倒す?身のほどを知りなさい。お前達は私の身体に傷を付ける事も叶わないだろう」




そこに剛力魔王と怪力魔王が金剛魔王を殴り付け、凄まじい衝撃が走った。


「うがぁああ!」

「グゥゥ」



だが、逆に二人の拳が割れて出血する。

金剛魔王の身体は鉱石の中でも最高硬度を持つ金剛石[ダイヤモンド]で出来ていたのだ。



「ホホホ!柔な拳だ?蚊に刺されたかと思ったぞ。そのような攻撃では無理!無駄!無茶!無謀!」



何?そうかぁー!

馬鹿目、今、奴の弱点を、自ら教えてくれたぞ!


「蚊なら倒せるのかぁ!?」


「無理ッチ…」



俺様のボケに六耳がツッコミ入れる。



「とにかく手を子招いても倒せねぇよ?全員で集中攻撃し、奴の弱点を見付ける!」



剛力魔王と怪力魔王は割れた拳に妖気を籠めて防御し、蚩尤も握った剣に妖気を籠める。



「また力を使うぜ?腕力の力を!」



蚩尤の腕の筋肉が盛り上がり、妖気が膨れ上がる。

六耳も全身に雷を纏い、両腕に雷の爪を武器にしたのだ。



「総攻撃だぁ!」

「オォオオオ!」



俺様の掛け声で四方八方から金剛魔王に向かって総攻撃する。だが、金剛魔王は涼風を感じるかのように無抵抗に受けていた。



「この程度か?やはり私の相手になれる者は奴[熔岩魔王]だけのようだな」




かつて金剛魔王を倒したのは熔岩魔王のみ。



「びくともしねぇ…俺様達の攻撃を屁でも思っていないのかよ」



金剛魔王は飽きたかのように、その腕を上げると向かって来た俺様の顔面を掴まえたのだ。



「ウギャ!離せ!離しやがれ!」



そこに六耳と怪力魔王が助けに入るが、


「美猴王様ぁあ!」


金剛魔王は俺様の顔面を掴みながら振り回し、助けに入った六耳と怪力魔王に叩きつけた。


「うぐあああ」

「ぎゃあああ!」



そして俺様を持ち上げると言った。



「もう一度問う?私の配下になるが良い?そうすれば助けてやるぞ。そもそもお前達を相手にしているのは暇潰しを兼ねて、直接お前達に力の差を見せつけ配下にしてやるつもりだったのだ。お前達の命と引き換えだ?悪い話ではなかろう?」


「ふ…ふざけるな!俺様は誰の下にもつかねぇ!」


「オツムまで下等だと理解力もないようだね?なら、その頭を潰してやろう」



金剛魔王が俺様の顔面を掴む手に力が入る。



「ウギャアアア!」



既に俺様を抑える金剛魔王の身体に剛力魔王が殴り付け攻撃しているが、びくともしなかった。



「全く、動かない?何?コイツ?」


「さて、潰して…や…ん?」



すると突然、金剛魔王は身体が動かない事に気付く。



「お前も邪魔するか?」



金剛魔王を押さえつけている力は全身に纏わりついた小さな石だった。更に金剛魔王が掴む俺様を覆うように無数の砂が巻き起こると、竜巻となってそこには俺様の姿が消えていた。


「許さんぞ?」



竜巻は巻き起こした主の所で止まると、中から俺様が落下する。



「イテテ…助けるなら優しく助けろよ?目が回るぜ?砂塵よ?」


「友人の危機に助けに来た俺に感謝はないのか?礼儀知らずの友人・美猴王!」



それは金剛魔王との戦いには不参加を決め込んでいた砂塵魔王だった。

絶対に助けには来ない。

味方にはならないと言ってたくせに。



「ありがとーよ」


「それで良い。それだけ聞ければ…友人の感謝なる御褒美さえ聞ければ戦場に来た意味があるってもんだ。いつ死んでもかまわん」


「重いな?相変わらず…」


「あまり褒めるな?友人よ!」


「………」




砂塵魔王の裏切りに、金剛魔王も多少イラついていた。

飼い猫に噛まれた気分だろうな。



「砂塵魔王よ?お前も私に歯向かうか?ならばお前も始末するぞ?」


「かつての友!金剛魔王…寂しい気持ちは解るが、俺は新たな友を得た。出来る事なら俺の顔に免じて仲良くしないか?」


「くだらん馬鹿だ…本当に馬鹿だ…一桁ナンバーにも、お前のような馬鹿がいるとはな。まぁ、馬鹿だから今まで都合良く使えたのだがな」


「へっ?」



その時、初めて砂塵魔王が金剛魔王に都合良く使われていた事を知ったのだ。


「ショック~」


砂塵魔王は怒りの妖気を爆発させると、周りに砂ぼこりが起きて竜巻と化す。



「竜巻結界」




砂塵魔王の起こした竜巻が金剛魔王を閉じ込める。


「やったのか?」


「………」


砂塵魔王の竜巻結界は一桁ナンバーの魔王が、三人がかりで破壊しなければならない厄介な品物なのだ。



「この私にお前の結界は無駄だ!」



言葉の通り、金剛魔王の覇気により砂塵魔王の竜巻結界が一瞬で消え去った。



「マジか?」


「困った…足止めにもならないようだ…」


「で、どうする?」


「逃げて良いか?」


「お前、マジに一桁ナンバーの魔王なのか?プライドないの?」


「俺は勝てる相手には最強だ!」


「あっ…そ?」



だがよ?そんな砂塵魔王も何だかんだで、この化け物の金剛魔王を相手に俺様達の味方に駆け付けてくれたんだよな?

俺様は砂塵魔王の肩を叩くと、再び金剛魔王に向かって行く。

砂塵魔王は自分の肩に俺様の手の温もりを感じ、何か胸が熱くなっていた。



「俺ももう少し頑張ってみるか…」




俺様の後に続く砂塵魔王が加わり、再び金剛魔王に立ち向かう。



「お前達を始末した後、その屍に賢者の石を埋め込んで私の忠実な配下にしてやろう」




金剛魔王の妖気が更に高まっていく。

大地が揺れ、強烈な気圧が俺様達を怯ませる。

六耳と怪力魔王、蚩尤は完全に畏縮していた。


「ひぇ~」


「立っている事も辛いぜ」


「今度こそ俺の死期が見えて来た…」



そんな三人に剛力魔王が叱咤した。


「勝つ気、無しの者、勝てる、はずない」


「そうだな。姉者!皆、いくぞ!」


「おう!」


蚩尤の腕力の力を籠めた一撃が、六耳の雷の爪が、怪力魔王と剛力魔王の闘気を籠めた拳が金剛魔王に幾度と直撃する。



「お前ら!そこを退けぇー!伸びろ如意棒ぉおお!」



凄まじい勢いで伸びた如意棒が金剛魔王に直撃した。

が、それは直撃と同時に止まる。


「ぐぅう…」


すると金剛魔王の足下の地面が沈み始める。


「地下拘束」


砂地獄に金剛魔王がどんどん埋まっていく。



「このまま地中深くまで沈ませてやる!」



が、金剛魔王の覇気が自らを覆う砂を弾き飛ばし、平然と出て来たのだ。



「こんな奴…どうやったら?」





…どうやったら?


こんな化け物の金剛魔王を熔岩魔王は倒したのだ。

実は、化け物の金剛魔王には二つも弱点がある。


これは玉面魔王から聞いた話なのだが…


金剛石の身体を持つ金剛魔王は一方向の衝撃[劈開性]と熱に弱いらしい。


弱いのだ…って、本当なのか?


衝撃に弱いって、剛力魔王や怪力魔王の打撃にも微動だにしないのだぞ?

恐らく金剛魔王の妖気の壁が衝撃を逃がしているのだろうが、難しくないか?

なら、やはり炎を使った攻撃に切り換えるまでだ。


俺様は拳を石化させ、超振動させる。

すると摩擦熱をもって発火した。



『猿仙闘技・火流手!』



燃え盛る炎の拳で金剛魔王に向かって駆け出すと、覇気をもって金剛魔王の覇気を相殺させた。



「これでも食らいやがれぇええ!」



が、凄まじい勢いで直撃した炎の拳は金剛魔王の身体で消えたのだ。



「ふっ…あははははは!そのような微弱な炎で私を倒せると思ったか?」




金剛魔王の覇気の拳が俺様の顔面を捉えた。

これは妖恐を倒した打撃と同じ?


ヤベェ!



「美猴王ぉ!砂防壁!」



直撃する寸前、砂塵魔王の砂の壁が俺様の目の前に現れる。

木っ端微塵に粉砕する防壁に、弾き飛ばされる俺様は転げるようにして脱出出来た。


「うぐぅああ!」



危なかった…


ぜぇ…ぜぇ…砂塵魔王の防壁が無ければ俺様の顔面が消し飛んでたぜ。


「ん?ん?」



その時、俺様は感じたのだ。


何か異常に暑くないか?


そうか…


どうやら間に合ったようだな。





俺様は上空を見上げた。

上空には燃え盛る炎を纏った何者かが、こちらに向かって飛んで来たのだ。


「!!」



ソイツは金剛魔王を倒す唯一の俺様の切り札だった。


水廉洞闘賊団一の曲者!


炎術師・鵬魔王!!




「あははははは!美猴王。待たせたねー!僕が最後の鳥を飾る…じゃなくて、トリを飾るよ!あははははは!」




「騒がしく派手な奴…」

次回予告


金剛魔王を相手に、ついに切り札である鵬魔王が到着した。


本当に何とかなるのか?


ならないのか?

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