混戦激戦!大ピンチ??
恐るべき力を持つ妖恐を相手に苦戦する美猴王達
新たに砂塵魔王が加わるが、形勢逆転出来るのか?
俺様は美猴王!
俺様達は妖恐を相手に苦戦していた。
そんな状況下に助っ人が現れたのだ。
そいつは一桁ナンバーの妖魔王にて、俺様とダチになった砂塵魔王だった。
「うむむ…見るに見かねて出て来たが、これは反逆になるのか?それとも?」
が、悩んでいる暇はなかった。
頭にきたティラノが向かって来たのだ。
「!!」
が、盛り上がる砂の壁が道を塞ぐ。
「悩み事をしている時に無粋な…おちおち悩みに浸れないじゃないか?」
ティラノは砂塵魔王が作った砂の壁を砕いて向かって来る。
壁は幾つも現れ、ティラノを囲んで閉じ込める。
「砂結界・砂土刑!もう二度と外には出られんぞ」
それは妖気を籠めた砂の棺桶だった。
しかし!
砂の棺桶がひび割れ、中から棺桶を粉砕して、ティラノが現れる。
「力で俺の結界を破るとは、出鱈目な奴!?」
「お前、遊べそうだな?オレがお前を遊び相手に決めた!だから楽しませろ?」
「自分(一人称)といて楽しいだと?光栄だな。だが、自分(一人称)にはもう美猴王と言う友人が出来た訳で浮気は出来ん!だから、お前はいらないから死んでくれ?」
砂塵魔王の掌から砂吹雪が巻き起こり、ティラノを覆いながら宙に放り飛ばしたのだ。ティラノは身動き出来ないまま上空から地上へと落下し衝突した。
「終わりだ…」
だが、ティラノは埋もれた岩を払い除けて再び立ち上がったのだ。
「いってぇ~!」
ティラノはダメージを負った訳でもなく、驚いただけだった。
「地上界を統べる妖魔王である自分をコケにされた気分だ…これはもう自分の誇りにかけて戦おう!」
砂塵魔王の足下から砂が巻き起こり竜巻が起きる。
「砂塵め…いつも陰で目立たない奴が誇りを傷付けられて怒っておるわ。オホホ…なら、妾も地上界を統べる魔王として戦おう」
玉面魔王の頭上に巨大な水の塊が浮いて、そこから無数の水の矢が妖恐スピノに降って来た。
「こんな水如きで何が出来る?ギャハハ!」
だが、
「水玉最妖!」
※ミズタマモヨウ
玉面魔王の凝縮した妖気が籠められた水玉が浮かび上がってスピノに向かって飛んで行く。しかも水玉は回転しながら威力が増していき、スピノを身体に当たる水玉が次第に足を止めるた。
「ぐぅおお!」
「妾に近付いて良い男は牛角様だけよ!」
流石の一桁ナンバーと言いたい所だが、妖恐を相手に互角に戦っていたのは、
「ヌゥオオ!」
四本歩行の黒牛と化した牛角は頭上の角を武器に、妖恐トリケラとぶつかり合う。
その衝撃は大地を震撼させる。
「想像以上に良い突進力だ!」
「余裕噛ましやがって…見てろ?今に泣かしてやるぞ!」
それに、大ゴリラと化した剛力魔王と怪力魔王も妖恐アンキロに攻め立てる。
「フゥウウウ!」
「オオオオオ!」
二匹のゴリラから繰り出す豪腕はアンキロの身体に無数の拳を埋め込む。
「ごわぁああ!」
アンキロの身体が崩れると同時に怪力魔王がアンキロの下半身に向かってタックルし抑え込むと、剛力魔王が右拳に妖気を籠める。
『超集力!』
※チョウシュウリキ
妖気を纏った強烈な拳がアンキロに迫る。
その直後、余裕だったアンキロに焦りが生まれたのだ。
「何かヤバい?こうなれば…離せ!離せ!」
アンキロは抑え込む怪力魔王を払い除けようとするが動けない。
「絶対に離さん!離したら俺が姉様に殺されちまうからな?」
「終わり、だ!」
剛力魔王の必殺奥義が直撃する寸前、上空から何かが落下して剛力魔王に直撃して大技が不発になってしまった。
「なぁ?何?」
その隙に、アンキロは怪力魔王を力任せに突き放したのである。
剛力魔王に直撃したのは、傷付き、白目を剥いている鵬魔王であった。
鵬魔王は既に獣王変化が解けて、意識を失っていた。
「何、何が?」
鵬魔王は妖恐プテナと空中戦を行っていたはず?
まさか負けたのか?
見上げる剛力魔王はそこで信じられない顔で動けなくなっていた。
何が?
空中には鵬魔王を投げ飛ばしたプテナがいた…
だが、その姿は龍のような翼のある爬虫類が飛んでいたのだ?
あれが、プテナ?
話は遡る。
空中戦をしていた妖恐プテナと鳳凰へと変化した鵬魔王は激しい戦いは…
鵬魔王がプテナに優勢し追い詰めていたのだ。
「バ…バカナ…空を支配するオレが…下等な雑種に…そんなバカナ!!」
「雑種はどっちさ?僕は正統なる鳳凰の末裔!神々しい真の天空の覇者さ!」
鳳凰は炎を纏いながらプテナの身体を焦がす。
「ウギャアアア!」
鵬魔王の勝利に思えた。
その時、
「何だと!?」
プテナの様子に異変が起きたのだ。
怒りに震えるプテナの身体が紫色の恐気に覆われていく。
すると筋肉が膨張し、身体が人型から完全な太古の化け物の姿へと変貌を遂げたのだ。
それはまさに獣王変化の如く…いや?
恐竜変化を遂げたのだ!!
恐気を纏ったプテラノドンの動きは、今までの比ではなかった。
「速すぎて…捉えられないだと?」
直後、向かって来たプテラノドンの覇気に鵬魔王は全身に衝撃を受けて敗れたのだった。
「ば・・・化け物か?」
プテラノドンの変化を見たアンキロは戦いの最中に笑い出す。
「なるほど…面白い…なら、オレも」
アンキロの身体が紫色の恐気を纏いながら変貌していく。
そしてプテナと同じく太古の恐竜アンキロザウルスの姿へ恐竜変化したのだ。
「そんな…」
「あっああ…」
その恐竜変化は完全に戦局を変えた。
その絶望は、他の戦いでも戦局がひっくり返った。
「化け物…」
「くぅ…言葉も出んな…」
俺様と牛角魔王も流石に動揺するしかなかった。
他の妖恐達も連動するかのように、ギガノ、ティラノ、スピノ、トリケラもまた恐竜変化したのだ。奴らはこの短時間の戦闘で進化しちまったのだ。
しかも…
「あっ!?」
美猴王含めて、全員の獣王変化が時間切れで解けてしまったのだ。
完全な危機…
絶体絶命とはこういう状況なのだろうか?
「やべぇ…」
『ガゥウ…地上の虫けらは全て絶滅させ、オレ達が再び覇権しよう!』
その破壊的な恐気に俺様達は追い込まれていく。
『最初の減らず口はどうした?』
俺様達は次第に追いやられていく。
既に鵬魔王、剛力魔王に怪力魔王が意識を失って倒れていた。
残るは俺様と牛角魔王、刀剣魔王に六耳、蚩尤。
そして玉面に砂塵魔王。
「来て早々危機になって…自分は役立たず…」
「なら自爆して妾達を助けて御覧なさい?砂塵魔王」
「お前は嫌い!」
どうやら砂塵魔王と玉面魔王は仲が悪いようだな。
同じストーカー気質の同属嫌悪からか?
だが、そんな分析は今は必要ない。
この最悪の状況をどう切り抜ければ良いんだ?
そこに…
六耳が空を見上げながら茫然としていたのだ。
「集中しろ!六耳。戦いに集中してなきゃ死んでしまうぞ?」
「…けど?美猴王様?空に太陽が…?」
「太陽だと?」
俺様は六耳に釣られて空を見上げると、そこに太陽が二つ存在していたのだ??
「太陽じゃない!あれは!?」
えっ?
上空の太陽の一つが次第に大きくなっている?
いや?違う!迫って来ているのだ!
太陽が落ちて…隕石?
燃え盛る溶岩が落下して来たのだ!
「皆ぁ!伏せろぉー!!」
牛角魔王の咄嗟の判断に俺様達は妖気の壁を作り伏せたのだ。
同時に隕石は大地に落下し、爆音と爆風が巻き起こったのである。
「一体、何が起きたんだ!?」
が、同時に熱風が隕石を中心に噴き出して、辺りを熱帯化させた。
俺様は隕石の中心を見る。
すると隕石の落下した場所から何者かが出て来たのだ。
誰だ?そいつは岩石に身体を覆い、その隙間から熔岩が垂れ流れていた。
「そ…そんな…馬鹿な?何故、あの者がこの地におるのじゃ?」
玉面魔王の知ってる奴か?
その時、俺様は玉面魔王が震えている事に気付いたのだ。
あの玉面魔王が恐怖しているだと?
「おぃ?玉面?奴が何者か知っているのか?」
「あ…あの者は」
玉面魔王の口から出た奴の正体は、
『熔岩魔王よ…』
「熔岩魔王だと?」
熔岩魔王とは地上界を支配する妖魔王の頂点にいる十妖魔王の一人。
その第三の地位にして実質、最強と呼ばれている奴なのだ。
何故、実質最強と言われるかの理由は……ん?その時、別の方向から声が響く。
『まさか君が直々私の地に足を踏み込んで来るとはね?久しぶりの再会だ。挨拶がてら私から出向いてやったぞ。それにこの状況もまた愉快でな』
えっ?
俺様の他、全員が突如背後に現れた声の主に向かって振り向いた。
誰だ?誰だ?
今まで気配すら感じなかったぞ?
いつからそこにいたのだ?
そいつもまた、岩石の鎧を纏った奴だった。
ソイツが何者だろうが、もう驚く事はないと思っていたが…
その名前を聞いてやっぱり驚いた。
「こ…金剛…魔王…」
アイツが金剛魔王なのか?
まさか…
俺様達の目の前に妖魔王の最強の…しかも敵対する二人が現れたのだ。
次回予告
先の読めない展開?
まさかの二大勢力である熔岩魔王と金剛魔王の登場は、
新たな危機?それとも?




