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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
402/424

華麗な美と殺戮の舞!鵬魔王の戦い?

次々と仲間達が三妖石達に倒される中、


残ったのは刀剣魔王、蚩尤と・・・


何故かいる?鵬魔王であった。


我は刀剣魔王。

仲間達が三妖石達の剣に落ち、残った蚩尤と共に再び三妖石に戦いを挑んだ時であった。

突如、何者かにより上空から火炎玉を落とされ我等の戦いを止められたのだ。

その者とは、同じ水廉洞闘賊団の鵬魔王だった。



「お主?陣地に行ったのではなかったのか?」


「ん?そんなのは六耳に任せたさ?それに僕には大切な役目があるしね!」


「役目とな?」


「そう!僕には美猴王様を陰から覗き見して見詰めると言う大切な義務がね!」



義務?義務?義務?



「そのためには泣く泣く美猴王様の命令に従わず、今の今まで己の欲望のために陰から覗き見ていたのだ!」



それは、つまりストーカーと言うのでは?


そして蚩尤が鵬魔王を指さして叫ぶ。



「ストーカーだ!完全に!」


「うるさいね?お前、先に殺すよ?」


「ウググ…」



鵬魔王の強さは解っていた。

実力は未知数…若さからの末恐ろしさがあった。



「では、僕が華麗に燃やしたげる」



鵬魔王は指に挟んだ羽根にキスをすると、三妖石達に向かって投げる。


「!!」


羽根は飛んで行く途中で拡散すると炎が三妖石達を囲み閉じ込めたのだ。


「フン!」


青妖石が剣を振るうと炎が剣に吸収しながら消え去り、その剣を向けると炎が噴き出して鵬魔王を覆ったのだ。青妖石は相手の術を奪う能力があるのだ。


「ナメるなぁー!」



鵬魔王は炎を上空に逃がすと、苛立ちを見せる。



「あの青い奴!また僕の炎を奪いやがった!許さない…鵬魔の炎を使って良いのは僕だけなんだぁー!!」



どうやら、鵬魔王はあの青い奴に因縁があるようだな?

あの三人の連携は厄介だ!

ならば他の二人を引き離すために我達が他の者どもを引き受ける。



「蚩尤?良いな?」


「おぅさ!」



我と蚩尤が駆け出し、我が赤妖石に、蚩尤が黄妖石へと攻撃を仕掛け互いの敵に斬りかかる。


「うぉおおお!」


「散れ!奥義・操千剣」



我の背後から千本の剣が出現し、宙に浮かぶ剣を自在に操りながら赤妖石に飛ばした。


「!!」



赤妖石は向かって来る千本の剣を斬り落とすが、その数に圧倒されて躱し始める。



「狙い通り!奴等は確かに脅威だが、元は生身の人間!その身に攻撃さえ当たれば勝機は有る!」



だが、奴の剣に傷一つでも負わせられたら我も終わりなのだ。

あの剣で傷を付けられたら、仲間達と同じく硬直してしまうからな。


油断は禁!




その時、鵬魔王は?


「くぅぅ!」


青妖石の剣より放たれる「虎穴」を食らっていた。

凄まじい真空の突きが鵬魔王を貫く。



「他人の芸を真似るのが得意なんだな?だけどそれでは飽きられるのも早いんだよ!所詮、一発屋の悪あがきさ」



鵬魔王は飛び上がると炎の羽根を四方八方に飛ばし、我の剣のように自在に操ると青妖石に襲わせる。やはり遠距離攻撃を仕掛けるつもりか?

青妖石は無表情に鵬魔王の炎の羽根を剣で受け止めると、再び額の青い石が輝く。

同時に炎の羽根が青妖石の剣に吸い込まれていく。


「!!」


そして今度は青妖石が剣を回転させると、剣から炎の羽根を出現させて自在に操り鵬魔王を襲う。自身のお株を奪われ鵬魔王は空中を飛び回りながら躱していく。



「本当に…本当に嫌いだ!お前はぁ!」



自分の技を奪われ使われ、頭に来ているようだ。

あんなに逆上していたらミスがうまれて討たれるぞ?


「冷静になれ!」



だが、鵬魔王に我の言葉は届いてないのか?

それとも集中力のせいか?

はたまた無視されたか?

戻っては来なかった。



「我も己の戦いに集中せねば!」



我の千本の剣は赤妖石を近付けさせなかった。

このまま押しきる!

だが、気付くと赤妖石の周りに我の剣が何本も転がっていた。


まさか!?


我の剣もまた赤妖石の能力により、その活動を止められていたのだ。

しかも、少しずつ我に近付いて来ていた。



「ならばソッコー決着を付けるまで!」



我は刀剣を天に掲げ、赤妖石に狙いを付けて降ろす。

すると千本の剣が一斉に、


『奥義・刀下狂!』



赤妖石に向かって滝のように降り注ぐ。

我の剣は赤妖石の身体を斬り裂いた…が、赤妖石は血を流し、ボロボロの状態でこちらに向かって来る。


(…効いてない?否?痛みを感じぬのか?)



「ならば足を止めるまで!」


我は妖気を集中させ赤妖石の足に向けて斬激を放ったのだ。

が、斬激は赤妖石の剣に弾かれる。

そして蚩尤も苦戦していた。



「くそ!鵬魔王も刀剣魔王もギリギリじゃねぇか?これでは助けは期待出来ねぇな…」




蚩尤は黄妖石の剣を受け止めながら、攻め悩んでいた。

が、その時!


「あっ!?」



黄妖石の額が光輝く。

あの額の石が輝くと、この黄妖石は超速で動き攻撃して来るのだ。


「うがぁあああ!」



蚩尤の身体が黄妖石の斬激をくらい斬り裂かれた。

まるで閃光のごとく、蚩尤の身体から血しぶきが噴き出した。


「任務完了」


完全に致命傷であった。

黄妖石は蚩尤を仕留め、新たな標的として鵬魔王と我[刀剣魔王]に向かおうとすると、


「うぉおおお!」



突如、倒れたはずの蚩尤が油断した黄妖石の頭目掛け剣を降り下ろして来たのだ。

だが、黄妖石は大剣にて受け止める。



「ぜぇ…ぜぇ…くそ!チャンスだと思ったのに」


「なぜ?確実に消去させたはず?」


「バカやろー!俺は死んじゃいねぇーぜ!」



蚩尤の斬られた身体の傷が塞がっていた。



「奴の額が光ったと同時に飴を口に放り込んで助かったぜ…」


と、そこに蚩尤に寄生している魂喰魔王が呼ぶ。



《オィ?あんまり無理をしないで逃げちまおうぜ?》



「馬鹿言うな?俺が兄者と玉面さんを助けるんだ!」



蚩尤は一人言をブツブツ言っていたが、それはよくは解らなかった。



「とにかく、額が光ったら飴を食えば死なないで済む!後は油断した所を倒す!」



よくは解らないが、蚩尤が何らか勝機の策を見付けたようだった。

そこに、鵬魔王と青妖石の戦いがヒートアップしていた。



「舞い散れ!羽根吹雪!」




鵬魔王の羽根が渦を巻きながら青妖石の周りを囲む。



「逃げ場ないよ?さ~て、じわじわ殺すつもりだったけど、あんまり時間をかけたら僕が弱いみたいだから嫌なんだ…だから即コロス!」


『炎上の棺!』




囲んでいた燃え盛る羽根が、青妖石の姿を飲み込み覆い隠していく。

勝った?

が、青妖石を囲んでいた筈の羽根が逆に鵬魔王に向かって飛んで来たのだ。

その羽根は青妖石の剣から出現した青い炎の羽根だった。

これは?


「また奪いやがった!」



鵬魔王の放った炎の羽根は青妖石の剣に吸い込まれていき、再び青妖石の技として鵬魔王に向かって返されたのだ。



「厄介!厄介!厄介!厄介!」



鵬魔王は向かって来る青い羽根を躱しながら空中を飛び回り逃げ回る。



「僕の技ばかりを使いやがって!僕の技ばかり…?もしかして…」



そこで鵬魔王は気付いた事があった。


それは?


「お前はそんなに僕が好きなのかよ!」



少し、コケた。

うん。戦闘中ではなかったら絶対に我は言うだろう。


「違うだろぉ!」と…


が、鵬魔王は青妖石から放たれた青い羽根を空中で飛び回り回転しながら自分の炎の羽根で全て撃ち落とすと、青妖石を見下ろして、



「残念だけど、僕は美猴王だけいれば良いんだ!お前なんか眼中にない!」



と、勘違いを本気に、胸を張って叫んだのだ。

そして鵬魔王が再び動く。



「そんなに僕の真似がしたければ、僕の技を使いたかったら、どんどん使ってみろよ?ただし僕の炎術は千種類はあるんだ!」




千種の炎術を使うだと?


口から出任せ?


いや?あの自信に満ちた顔は本気なのか?



すると鵬魔王は再び宙を飛び回り、身体から炎を噴き出させた。それは八つの玉になって鵬魔王の周りを回転しながら浮いていた。



「あんまり使いたくなかったんだけど…嫌々使ってやる!」



嫌々使う技?気になる?


鵬魔王の身体から点滅して輝く炎の玉が浮いている。

だが、あの炎術も青妖石の能力で奪われてしまうのではないか?

だが、鵬魔王もそれは承知の筈?

いや?頭に血が登っているから力任せなのか?


鵬魔王は謎の点滅する炎を浮かべたまま一度上昇した後、青妖石に向かって急降下する。



「アハハハハ!」



笑いながら降りて来た鵬魔王に青妖石は大剣を向けると額が輝く。

そして大剣が再び鵬魔王の炎を吸収し始めた。


「吸収!」


青妖石が吸収した鵬魔王の炎術を鵬魔王目掛けて放ったのだ。


鵬魔王は自らの炎をその身に受けると…


突如、強烈な閃光を放ったのだ??


突然の閃光に目を眩ませ青妖石も理解出来ないでいた。

だが、その閃光の中で鵬魔王は新たな炎術を発動していたのだ。

それは極限に凝縮する炎の妖気?


今の閃光は罠?


閃光は攻撃技ではないからダメージは受けない。

しかも青妖石は自らの技が何かも知らずに発動させ、自信の発動させた目くらましに鵬魔王を完全に見失っていた。当然、鵬魔王は閃光の前に瞼を綴じて防いでいたのだ。

鵬魔王はわざと閃光する炎を青妖石に吸収させ、使わせた。

それもこの新たな炎術の発動の時間を稼ぐために?


だが、青妖石は感情のない傀儡のように再び額の青い石が輝くと、鵬魔王の最大炎術を吸収しようと大剣を突き出したのだ。


吸収の力が鵬魔王の発動中の炎術を吸い出す…


鵬魔王の攻撃が先か?

青妖石の吸収するのが先か?


炎に包まれ突っ込んで来た鵬魔王の鋭い爪が青妖石の眼前で止まった。

鵬魔王からは発動中の炎が完全に吸収され、その全てが青妖石の大剣に奪われてしまったのだ。


終わった…


そう思った時に、鵬魔王は笑みを見せていた?


「ウククク…」


「?」


「吸収したね?」



青妖石が不気味な鵬魔王に向かって、吸収した炎術を鵬魔王に向けて放つ。


「!?」


新たに吸収した鵬魔王の炎術は青妖石の大剣を熱した後、突如、青妖石と鵬魔王を巻き込み木端微塵になって破裂したのだ。


が、鵬魔王は炎の中から再び蘇って来た…



「馬鹿だね?馬鹿馬鹿、馬~鹿!今、お前が吸収したのは僕の炎術の禁術さ!そう、自爆炎術なんだよ!もしお前が吸収しなかったら僕が消滅していたから賭けだったけど、お前が相手の技を理解しないで使うからいけないんだ!」




青妖石の腕は大剣が木端微塵になったと同時に消し飛んでいた。

既に戦う事の出来なくなった青妖石の額を鵬魔王が掴むと、そのまま握り潰す。




「炎術は奥が深いんだ…妖しくも華麗な美と殺戮の舞!」




何て奴だ…


あんな一か八かの戦いを迷いも無く?

死を恐れていないのか?

無謀を通り越して狂気に近い…


だが、その直後?鵬魔王の背後に黄妖石が現れたのだ。

まさか?黄妖石は今、蚩尤が戦っていたはず?

振り向くと、そこに蚩尤が血まみれで倒れていた。


まさか既に殺られた?

黄妖石の出現に油断していた鵬魔王は、身体を斬り裂かれた。が、


「そんな攻撃なんか効くものかぁー!」




鵬魔王の身体が炎に包まれ再生していく。

が、そこに我と戦っていた赤妖石が走り出していた。

まさか?我は出遅れ、救援に行こうとした瞬間、


「ウガァ!」


今度は我の目の前に現れた黄妖石が襲って来たのだ。

我は刀剣を交差し受け止めたが、見上げた先で、


「あっ…あああ」



鵬魔王が赤妖石の能力により身体を硬直されて、落下して地面に突き刺さった。



「まさか…鵬魔王までも?」




そして、目の前には黄妖石と赤妖石が次の標的として残る我に向かって近付いて来たのだ。

次回予告


いつの間にか敗れた蚩尤・・・


刀剣魔王の危機に、蚩尤は?

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