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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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瓢箪大脱出!神獣変化に合体技?転生変化にバトルバトルの大激闘だぜ!

三蔵と孫悟空が金角の持つ瓢箪に吸い込まれて大ピンチの沙悟浄と八戒の前に現れたのは、かつて三蔵一行を襲った女妖怪のボス・鉄扇だった。


瓢箪奪取に苦戦する彼達の前で、突如銀角が悲鳴を上げたのだ。




私は沙悟浄です。

瓢箪奪取に苦戦する私達の目の前で、突如銀角が悲鳴を上げたのです?


一体何が?  



話を少々戻しますね?

実は瓢箪の中ではこんな事になっていたのです。



「おぃ!三蔵どうするよ?後どのくらいこんなとこにいるんだよ~」


金斗雲に乗って話す三蔵様と孫悟空兄貴。


「必ずここから出るチャンスが来るはずだ。その時を待て!今は体力を温存しとくのだ」


「でもよ~暇だよ~あ、また来たぜ?うぉりゃ!」


孫悟空兄貴は如意棒を振り払う。

この瓢箪の中は長くいるとジワジワと霊力を吸い取られていき、また無駄に霊力や妖気を使うと、瓢箪の霊力を吸い取る力が倍増するみたいなのです。

それに瓢箪の底に落ちれば身体を溶かされ酒にされてしまうのですよ。


しかも油断していると瓢箪の奥底から影の手が伸びてきて、最下層の酒の中に引きずり込もうと襲って来るのです。だから油断せずに最低限の攻撃で凌がなくてはならなかったのでした。


そんな時、瓢箪の中で異変が生じたのです。

それは金角が酒を口にした時の事、瓢箪の底から一度に霊気が上空へと吸い込まれていったのでした。


「うわわわ!何がどうなってるんだ?」

「猿!上を見よ!」


その時、三蔵様は気付いたのです!

上空に霊気が吸い上げられた瞬間、瓢箪の中の『力』が一瞬消えた事に。

影の手も消え、周りにも一瞬壁のような物が見えたのでした。

つまり瓢箪の酒を外の者が飲むと、瓢箪は貯蔵していた霊力を飲み手に吸い出されてしまうため、その一瞬だけ瓢箪は本来の力を失うみたいなのです。


「猿よ!突破口が見付かったようだな?」


「おぅ!」


再び瓢箪の中は闇に覆われていく。

暗闇の中で三蔵様と孫悟空兄貴はタイミングを取っていたのです。

そして直ぐに瓢箪に異変が起きたのでした。

ちょうどその時瓢箪の外では、銀角が金角から瓢箪を受け取り酒を飲んだ所でした。

先程と同じく霊力が瓢箪上空に吸い出されていく。


「今だ!猿!ありったけの炎でこの瓢箪をぶちやぶるぞ!」

「よく分からないけど分かったぞ!」


三蔵様は印を結び真言を唱える。


「ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!」


「降魔の剣よ!不動明王の業火にて、この闇の空間をも燃やし尽くせ!」


「不動炎・業火欄災!」

※ゴウカケンラン


三蔵様の錫杖が炎の剣と化しながら火柱を作り上げて瓢箪の中を覆いつくしていく。

そして孫悟空兄貴も?


「いでよ!」


孫悟空兄貴の身体から炎を纏ったヒヨコが現れ、孫悟空兄貴の頭の上に乗りパタパタと翼を羽ばたかせていたのです。あのヒヨコは何??


「ピョ!ピョ!ピョ~」


炎を纏ったヒヨコは一生懸命羽ばたくと、孫悟空兄貴の身体から業火がほとばしる。

あのヒヨコは朱雀の幼獣のようです。

ちなみに炎の聖獣であるヒヨコ召喚時、孫悟空兄貴の炎の力は数倍にも増すのです。


「焼き付くせ!ピヨチャン!」


「ぴょ~~!!」


孫悟空兄貴は、この炎を纏うヒヨコをピヨチャンと名付けたのでした。

ピヨチャンと呼ばれる炎のヒヨコは翼を羽ばたかせると、全身から炎が噴き出したのです。

さらに三蔵様と孫悟空兄貴は金斗雲に上に乗りながら四方八方に火炎放射を放ち、瓢箪の中心で回転を始める。すると二人の炎は火炎車となり瓢箪の中は次第に炎で覆われて、瓢箪の壁は真っ赤になりながら高熱を帯びていったのでした。


次第に熱に耐えられなくなった瓢箪の壁に亀裂が走っていき、


「うぎゃあ~!口の中が焼けそうだぁ~!」

「どうしたのだ銀角?」


それに気にせずに口にした銀角は大火傷したのです。

何が起きたか解らないでパニックを起こしている金角と銀角。


その時!

瓢箪が突然閃光を放ったかと思うと、物凄い熱を帯びたのです!


「アッヂィ~!」


銀角はたまらず瓢箪を放り投げてしまい、その瓢箪は空中で木っ端みじんに砕け散ったのでした。

そして、そこから燃え盛る火柱とともに現れたのは、

自力で瓢箪から抜け出して来た三蔵様と孫悟空兄貴だったのです。



「よくやったぜ!ピヨちゃん!」


ヒヨコのピヨちゃんはお辞儀をした後、再び孫悟空兄貴の身体の中へと消えていく。


「続けていでよ!みぃちゃん!」


「にゃあ~~!」


孫悟空兄貴の身体から再び聖獣が現れたのです。

それは雷を帯びた猫でした。

雷を纏った猫は孫悟空兄貴の頭に乗ると、孫悟空兄貴の身体は雷を帯びていく。雷を纏った孫悟空兄貴のスピードは電光石火の如き速さで銀角の間合いに入り込み、如意棒を銀角の頭に叩きつけたのでした。


「うぐわああ!」


銀角はまさかの不意討ちに、まともに孫悟空兄貴の攻撃を受けたのでした。

更に攻撃は止む事なく目にも止まらぬ速さで移動し、銀角の胸と胴に如意棒をくらわせたのでした。


「くそったれがぁー!」


しかし銀角もよろけながらも孫悟空兄貴に氷の刃の鎌を投げ付けて来たのです。


「いでよ!ノソ!」


その呼び掛けに孫悟空兄貴の頭にいた雷の猫は消えて、次に左腕から亀が現れて左手首にしがみつくと、それは風の気を纏った盾となったのです。

その盾は飛んで来た銀角の氷の鎌を弾き返し、


「最後はニョロ!」


最後にニョロと呼ばれた蛇のような生き物が、孫悟空兄貴の如意棒に絡みつくと?


「突前水魔尖!」

※トツゼンスイマセン!


孫悟空兄貴の如意棒の尖端が、水気の圧縮した矛となりて銀角を貫かんと突き出される。


「うぐわあああ!」


たまらず銀角は飛び上がり上空に逃げたのですが、そこには既に待ち構えていた三蔵様が落下して来ていたのです。


「今までの罪を悔い改めろとは言わん。だが、この俺を酒浸けにした罪だけは絶対に許さんぞ!」



って、三蔵様・・・

そんなんで人として宜しいのでしょうか?

三蔵様は振り上げていた降魔の剣を振り下ろす。


「させるか!俺の氷の鎌には神気が籠められて…」


しかし三蔵様の炎の剣は銀角の氷の鎌ごと、銀角の身体を真っ二つに両断したのです。


「うぎゃああ…兄じゃああああああああ!」



銀角は燃え焦げながら落下していき、地面に衝突して動かなくなったのでした。



「残念だったな?俺の降魔の剣には不動明王の神気が籠められているのだ!」



三蔵様と孫悟空兄貴が瓢箪から抜け出してから、一瞬の出来事でした。



「三蔵様!孫悟空兄貴!」

「やっぱり生きていたらか」

「遅いわよ馬鹿!」


それは正に天に仏でした。

私達は瓢箪から抜け出して来た三蔵様と孫悟空兄貴のもとに集まったのです。

すると、


「おおっ…銀角…我が弟よ!!」



弟である銀角を殺され涙を流して嘆く金角。


「次はお前だぜ?金角!」



金角は焼き焦げた銀角を抱き寄せ、身体を震わせながら疼くまっていました。

その目には涙を浮かべていたのです。

無理もありません。

残虐な妖怪と言えど、実の弟が目の前で死んだのだから。


すると?

何を血迷ったのか?

金角は銀角の屍を食らったのです!


「銀角…我が一部となり恨みはらそうぞ!」


『神獣変化・唯我独尊!』



金角はみるみるうちに金銀の毛をした見上げる程の巨大な氷狼へと変化したのです!

神獣変化とは一部の優れた獣族の妖怪が使える変化で、その力量は孫悟空兄貴の獣王変化以上と言われています。


「くそぉ!」

「あんなのどうしたら良いらよ?」

「あわわ!」

「ちょっと?何あれ!冗談キツイわよ!」



同時に私達の足場が全て凍り付いていき、更に辺り一帯吹雪と化したのです。


「ウゴオオオオオ!一匹たりとも生きては帰さぬぞ!」



金角の変化した氷狼の周りに氷の剣が何本も浮き始める。

それが氷狼の咆哮を合図に私達に向かって雨のように襲って来たのです。


「鉄扇、俺に手を貸せ!」

「何を命令してんのさ!」


三蔵様が鉄扇ちゃんに何を?

私からも頼んだのです。


「鉄扇ちゃん!お願いします!」

「もう!分かったわよ!何をすれば良いの?」


三蔵様は鉄扇ちゃんに指示をすると、鉄扇ちゃんは神気と風気を融合させ始める。


「お前の力で俺の炎を強化させるのだ!」

「融合技ね?出来るの?」

「俺に出来ない事はない!」


鉄扇ちゃんの神気を融合させた風気が三蔵様の炎の剣に集まっていく。

それは渦巻きながら私達を囲み炎のドーム状の壁となったのです。


(うそ!私の神気を融合させた風の気を、更に自分の炎に融合させて威力を倍化させているの?こいつ人間よね?マジ有り得ない!)


それは三蔵様と鉄扇ちゃんの合体技!?

凄いです!



「これなら安心ら!金角の氷の剣が三蔵はんの炎の壁の前に蒸発して消えているらよ!」

「馬鹿!私の神気だってそう長くは持たないわよ!もって五分程度?それに比べ金角の神気は底無しなんだから!」

「確かに守っているだけでは時間の問題だな…仕方あるまい」



三蔵様は炎の壁を維持しながら降魔の剣を大地に突き刺し孫悟空兄貴を呼び寄せたのです。


「猿よ!」

「あん?なんだ三蔵?何か作戦があるのか?」

「お前に力を与えよう!」



すると三蔵様は孫悟空兄貴の背中に手を当て、目を綴じながら念を送ったのです?


「あっ!」


そして念を込めながら叫んだのでした。




「転生変化唯我独尊!」




三蔵様の術で孫悟空兄貴の身体が神々しい光に包み込まれ、その姿を変化させていったのです。

その姿こそ孫悟空兄貴のもう一つの姿!

いえ…これが本来の姿なのでしょうか?

金色の髪と緑色の瞳、人の姿をした少年!


「聖天大聖・孫悟空!」


変化した孫悟空兄貴は三蔵様の炎の壁から抜け出すと、金斗雲を呼び飛び乗ると、氷狼と化した金角に向かって上昇していく。

そして目の前に止まり対峙止まりしたのです。


孫悟空兄貴は自分の十倍以上ある巨大な氷狼を見下ろし、



「あはははは!力が湧き出そうだぜ!さぁ!金角よ!くたばる用意は出来たか?」


「姿が変わろうが死ぬのはお前の方だ」


「フッ…犬コロの分際で猿に生意気言うとは方腹痛いぜ!」


孫悟空兄貴は中指を立てて叫んだのでした。



「さぁ~!俺様の前にひざまずけぇ!」



直後、孫悟空兄貴が突然私達の視界から消えると、氷狼も同じく私達の視界から消えたのです!?

すると空中でぶつかりあうような衝撃音が何度も聞こえてきたのです?

孫悟空兄貴と氷狼は私達の目に止まらない速さで戦っていたのでした。



氷狼の毛が逆立ち、氷の刃となり孫悟空兄貴を襲う!

孫悟空兄貴は如意棒を回転させ、飛んで来た刃を叩き落とす。

今度は孫悟空兄貴が妖気弾を氷狼に向かって投げ付けると…

氷狼は咆哮の振動で妖気弾を消し去ったのでした。



まさに互角の戦い…


「へへへ…思ったよりやるじゃないか?」


「馬鹿な?神気を融合させた俺の攻撃を、神気を使えぬこいつに何故効かないのだ?」 



氷狼は孫悟空兄貴に向かって噛み付こうと襲って来たのです。


「氷狼牙!」

※ヒョウロウガ


氷狼の牙に少しでも触れれば、一瞬で凍りついてしまう必殺技のようです。

孫悟空兄貴は氷狼の牙を辛うじて躱したその時、氷狼の尻尾から毛針が飛んで来て孫悟空兄貴の目元を襲ったのでした。


「グッ!」


その一瞬を見逃さず氷狼の牙が孫悟空兄貴に噛みついて来たのでした。

孫悟空兄貴は咄嗟に右腕を犠牲にして防御したのです。

氷狼の牙に触れた孫悟空兄貴の右腕が、徐々に凍り付いていく?


「ふふふ。もう終わりだ!お前の腕はもう使い物にはならないな?利き腕を失ったお前に勝ち目はないぞ?」


孫悟空兄貴は凍りついた右腕を隠すように胸に当てると、

トドメとばかりに氷狼が襲って来たのです!


「ガアアアアアアア!」


が、孫悟空兄貴の首元にその牙が迫った瞬間、氷狼はその顎を殴り飛ばされたのでした。

しかも孫悟空兄貴の凍り付いた右腕で??

殴られた氷狼は有り得ないという表情で、殴られた顎を抑え目を丸くしていました。


「ば…馬鹿な?どうして?」

「誰の腕が終わりだって?」



そう言うと、孫悟空兄貴の凍り付いた右腕の氷が溶けはじめていたのです。

どうして?

あっ、あれは!

孫悟空兄貴の右腕にはいつの間にか、ピヨちゃんが握られていたのでした!


「ぴぃぴぃ!(再登場)」


そしてピヨちゃんは孫悟空兄貴の両腕に炎を燈したのです。


「朱雀爆炎拳!」

※スザクバクエンケン


孫悟空兄貴は燃え盛る拳で氷狼を殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る!

猛烈な燃え盛る炎の拳を氷狼に叩き付けたのです。


「うぐっおおお…!」


氷狼がフラフラ状態によろめいた所に、


「これで終いだぁー!」


孫悟空兄貴の炎が如意棒に集中して高熱を帯びると、氷狼目掛けて投げ付けたのです!

燃え盛る矢と化した如意棒は徐々に大きくなりながら、見事に氷狼の身体を貫いたのでした。


「うぐわあああ!」


そして氷狼[金角]は燃えながら落下し、息絶えたのでした。



「まだまだ暴れ足りないぜ」


しかし孫悟空兄貴は漲る力に酔いしれていたのです。

今にも暴れ出しそうでした。

けれど、ポン!と、タイミング良く孫悟空兄貴の姿は元の猿の姿へと戻ってしまったのでした。


「あがっ?あっ!また猿になっちまったぁ~?」


「ふぅ…」


孫悟空兄貴が私達のもとに戻って来ると…


「よくやったな猿」

「孫悟空兄貴!かっこよかったですよ~」

「へへへ!」


私達が大活躍の孫悟空兄貴に気を取られていると、


「ん?あれ?誰か忘れてないらか?」

「あれ?そういえば鉄扇ちゃんは?いつの間にか消えていました?」

「あん?鉄扇?いたのか?」



そこにはもう鉄扇ちゃんの姿はなかったのでした。




私達のいる空高く上空に紅色の扇が浮いている。

その上に鉄扇ちゃんが座っていたのです。


「またね河童ちゃん!」


鉄扇ちゃんはそのまま飛び去って行ったのでした。



「て、鉄扇ちゃん。ありがとうございます」




これにて一件落着?


そう思った時…


「さて、もう一つの件も済ませないとな…」


三蔵様の一言で、私達の顔が暗くなったのでした。


一体何が?


この続きは次話へ


次回予告


孫悟空「今話は俺様大活躍だったな~自己満足だぜ!でも、最後の三蔵の一言が気になるな?まだ問題が残っているのか?」


沙悟浄「兄貴!忘れてしまったのですか?私達は本来、この件で寺院に向かっていたのじゃないですか?」


孫悟空「そ・・・そうだったか?」


沙悟浄「あのですね~!私達は!いえ・・・話は次話にしましょう」


孫悟空「もったいぶるなよ!」

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