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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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へっ?

美猴王率いる水廉洞闘賊団の行く手を阻むは、一桁ナンバーの砂塵魔王の結解だった。


牛角魔王、玉面魔王、剛力魔王の活躍で撃破したのも束の間・・・


俺様は美猴王。

牛角と玉面、剛力の活躍で行く手を阻んでいた竜巻結界は破壊出来た。

が、そこに俺様達の前に現れたのは、一桁ナンバーであり、竜巻を作っていた砂塵魔王だった。



「結界を破ったのはお前達か?」



解る。

雷我魔王、眼力魔王、黄風魔王と同等の力を感じる。

これ程の力を持っていながら、金剛魔王の配下に甘んじているのか?

つまり金剛魔王ってのはそれ以上って事なんだな?

ならば、先ずは目の前の壁[砂塵魔王]を撃破してやろうじゃねぇか!


してやろうじゃねぇか!


してやろうじゃねぇか!


して…やれないじゃねぇかぁあああ!!



俺様はまだ安静状態なのだ。

戦う事はまだ無理。

そもそも戦線離脱予定だったのに仲間達がまとまりないからいるだけなのだ。

しかも結界を破るために牛角魔王、玉面、剛力が体力回復していないから戦うのは無理ぽぃし…

頼りは鵬魔王、刀剣魔王、怪力魔王だった。


任せたぜ?



「はぁ~。僕一人で十分なのにな~」


「我、ここで剛力さんに良い所を見せ評価を上げる!」


「ヨコシマだぞ?お前!」




三人は砂塵魔王に向かって戦闘体制に入る。

ふざけた事を言っているが、三人とも目の前の砂塵魔王の強さは肌身で感じていた。

既に妖気を解放状態だった。



「剛理羅ぁあ!」



気合いと共に怪力魔王の身体が黒く変色し、拳に闘気の籠手と鉄甲が出現する。


「刀剣参る!」



刀剣魔王の背後に六本の刀剣が出現し浮かび上がる。


「さ~て」


鵬魔王は両手を広げると炎の翼が出現し宙に浮かんだ。

三人の魔王を相手に怯む事のない砂塵魔王は、


「侵入者は全て排除する!」



怪力魔王が先に砂塵魔王へと向かって行きその豪腕を振るう。あの拳を受けたら只では済まないはず?怪力魔王の拳は砂塵魔王の顔面に直撃すると粉々になった


…あれ?終わったの?


「なぁ!?」


怪力魔王が殴った砂塵魔王の崩れた顔面は砂と化したが、みるみる復元し元の姿へと戻る。同時に怪力魔王が悲鳴をあげて苦しみ出したのだ。


どうしたのだ?


怪力魔王は咄嗟に離れると怪力魔王の太い腕が絞んでいたのだ。


「これは?」


「俺に触れる者はその命共々枯れ果てる」



砂塵魔王の妖気の砂は触れた者の妖気と水分を根刮ぎ奪うようだ。

これでは接近しての直接的な攻撃は出来ない?



「怪力魔王退け!其奴は我が仕留める!」



刀剣魔王は宙に浮かぶ六本の剣を自在に操りながら砂塵魔王に向かって攻撃を仕掛ける。



「遠距離攻撃ならどうだ?」


『操刀剣!』



飛行して斬撃を繰り出す六本の剣は砂塵魔王を斬り裂いた。

が、やはり再び再生していく。しかも、


「ぬぅ?」


刀剣魔王の六本の剣が一本一本と落下して動かなくなったのだ。

それは剣に砂鉄がこびりつき、磁力を帯びて落下したのだ。


「そんな?ならば妖気の斬撃で斬り伏せる!」



刀剣魔王の斬撃が砂塵魔王を斬り付けるが、斬り裂かれ、粉々になりながらも刀剣魔王に近付いて来る。そして刀剣魔王に近付き額を掴んだ。


このままでは刀剣魔王が殺される!


その直後、砂塵魔王の腕が上空から放たれた炎の剣により斬り裂かれたのだ。

隙をつき刀剣魔王は慌てて砂塵魔王から距離を取り、見上げると?



「や~ぱり僕だけで良いじゃん?雑魚は黙って退きな!」



鵬魔王は宙に浮かびながら砂塵魔王を見下ろしていた。


「虫か…」


「なに?誰が虫だって??」



が、直後鵬魔王の身体に風穴が空いた。

それは宙に浮かぶ砂の塊だった。


「砂鉄球」


砂塵魔王を中心に砂の鉄球が幾つも浮かぶ。

それが鵬魔王の胸を貫いたのだ。


「残るは…」


砂塵魔王の視線の先には待機している俺様率いる水廉洞闘賊団がいた。

怯む仲間達の中、


「俺が出る!」


「駄目だ!お前だってまだ回復していないだろ?」



俺様達が砂塵魔王に対して警戒すると、


「ちょい待ちな?」


砂塵魔王の背後に炎が絡みつき、その姿が鵬魔王へと代わっていく。


「お前不死か?」


「お互い様だろ?砂野郎」



砂塵魔王は鵬魔王を振り払い離れると、砂鉄球を鵬魔王に向けて放つ。



「効かないよ?そんなんで僕を止め…ん?」



鵬魔王の周りに砂球が止まった状態で浮いていた。



「炎も能力は厄介だが経験不足だな」


「えっ?」



砂塵魔王は両手を掴むと砂球が拡散して鵬魔王を覆い固まっていった。


「終わりだ」


「うぅわあああ!クソぉおおおお!!」


鵬魔王は石化していった。

圧倒的な力の差だった。

これが一桁ナンバーの力なのか?

今までの一桁ナンバーも化け物染みた連中ばかりだったが、こいつは…



「残りの連中も一掃してやろう」



砂塵魔王の周りに砂球が浮かび上がると、今度は俺様達目掛けて放たれたのだ。

終わったかに思えた。

だが、砂塵魔王の砂球は俺様達に向かって来る前に全て落下したのだ。


それは水球によって?


振り返ると、玉面魔王の周りに水球が浮かんでいた。



「お前は玉面魔王ではないか?」



驚きを隠せない砂塵魔王だった。

何故なら…


「一桁ナンバーの玉面魔王が何故、その者達に肩入れする?まさかお前が首謀者だったのか?」


「ホホホ!妾が首謀者とな?妾は世界に興味はないぞ?」


「…だろうな?引きこもりの一桁ナンバーと言えば玉面魔王と有名だからな…誰とも絡まず、自ら作った虫の妖怪を慰め者として城から一歩足りとも出ない寂しい魔王と…」


「失礼じゃ!!」



俺様は玉面魔王について詳しくは知らないが、今の説明で全て理解した。

可哀想な奴なんだと!

周りの連中も玉面魔王に同情の目を向けていた。



「お前ら…先に殺されたいか?憐みの顔を妾に向けるな!」



玉面魔王の額に血管浮き出しを浮き出して俺様達を睨む。



「そんなお前が何故そこにいる?もし金剛魔王様に楯突くなら俺がお前を始末するが?」


「妾を始末と?金剛魔王はどうでも良いが聞き捨てならんな」



直後、玉面魔王から大量の水が噴き出して宙に浮かぶ。

それは戦闘体制だった。


砂塵魔王と玉面魔王…


共に一桁ナンバーの最強魔王同士の戦いが始まる。

砂塵魔王の砂球と玉面魔王の水球がぶつかり合い、二人の間で衝突する。

その場にいる全ての者が身動き出来ないでいた。


もしかして玉面魔王が砂塵魔王を倒すのか?


だが、


「………」


黙って見ている牛角魔王に気付いた。


「牛角?どうした?このまま玉面魔王が砂塵魔王を倒しちまいそうで嫉妬か?」


「何を呑気な事を言っている?気付かんか?」


「へっ?」



俺様は戦況を見る。

戦況は互角に思えた。


「力が互角なら持久戦は不利だ!」


あっ!!


俺様も気付いた。

既に玉面魔王は結界を壊すために相当の妖気を使っていた。

まだ全回復はしていないはず?


それに地の利が悪いのだ…


玉面魔王は自らの妖気で作り出した水術で戦っているのに対して、砂塵魔王の周りは砂漠。広がるほど砂だらけなのだ…そう砂漠地帯では砂塵魔王にとって完全有利な領域!



「一端、退く事を勧めるがどうしたい?決めるのはお前だ?意地を貫くか?」


「一目散に逃げる事に賛成します」


「本当にプライドないのな?お前?」


「バカヤロ!俺様だって身体が本調子なら戦っているぜ!」


「そうだな…」



すると、玉面魔王が押され始める。


「くっ…口惜しい…」


「戦場が水辺なら逆になっていたかもな?」



砂塵魔王が更に巨大な砂球を上空に出現させ、玉面魔王に向けて落としたのだ。


「くぅ…」


その直後、落下して来た巨大砂球に向かって飛び出した者がいた。


「ふぉう!」


剛力魔王は妖気を籠めた拳で巨大砂球を粉砕すると、合図したかのように玉面魔王が印を結ぶ。

すると、霧が発生して辺り一帯が覆われたのだ。


脱出、絶好のチャンス!



「ヌゥ?逃がすかぁー!!」


砂塵魔王は印を結ぶと何か術を放つ。


『砂捕縛!』


が、霧が消えた時には既に水廉洞闘賊団達は目の前から消えていた。

そして、負け戦で陣地に戻った水廉洞闘賊団は、待機していた仲間達と合流する。


「まさか…負け戦とは…」


「すまぬ」



怪力魔王の萎んだ腕や刀剣魔王は治癒術を施されている。

玉面魔王も予想以上に体力を使っていたために安静中だった。

周りの世話をしていた六耳は石化していた鵬魔王を運んで来たが良いが、元に戻す手段がなく

困り果てていると、剛力魔王がイライラしながら近づいて来て、


「粉砕!」


「って、何してんのぉおおお??」



剛力魔王が殴って石化した鵬魔王を砕くと、炎が噴き出して鵬魔王が再生した。



「くそぉー!あんな奴に負けるなんてー!」



何事もなかったかのように鵬魔王はプライドを壊され、涙目で激昂し、ショックを受けていた。



「って、剛力魔王?鵬魔王の石化は殴れば戻ると知っていたのか?」


「ただ、ムカついたから、目の前にあった、それ、殴っただけ」


「ゾッ!」



マジか?下手したら鵬魔王死んでたのか?



「これは鵬魔王には黙っておこうか…うん」



と、そこで六耳は肝心な事に気付いたのだ。



「で、美猴王様は?」


「へっ?」



その場にいた全員が同時に言った。



「へっ?」




その時、俺様は?

あの霧の中で砂塵魔王が最後に放った術により、足下に砂捕縛なる拘束されて動けなくなり…




「唯一捕らえたのが親玉とはな?マヌケな奴だ…」


「………」



捕らえられていたのだ。


俺様は砂塵魔王を目の前にして、一言…




『へっ?』


次回予告


砂塵魔王に捕らわれた美猴王は一体どうなる?


てか、戦える状態じゃないのだけど・・・

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