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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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蛟魔王と万聖魔王の因縁?

めでたく玉面魔王を仲間に出来た牛角魔王。


そして物語は新たな展開に?



話は遡る。


物語は、眼力魔王を倒した水廉洞闘賊団が勝利の宴を催していた時へと…


一人、宴に出席をせずに自室に籠っていたのは蛟魔王であった。



「先ずは眼力魔王の城を落とした。次は黄風魔王の城が良いだろうな…」



黄風魔王は眼力魔王と同じく独立の王国。

ある意味攻め混みやすいのだ。

つまり、残る他の一桁の魔王が支配する地は更に驚異的な勢力と言う事。

この勢力に対抗するためにも強力な仲間が必要なのだ。


先ずは雷獣王雷我!


一桁の妖怪が融合して産まれた化け物。


だが、こいつは無理だ…


好戦的で凶暴!決して仲間になんかならないだろう。


そこで目を付けたのが玉面魔王だった。

この魔王とは過去に因縁があったのだが、お互いある共通の理由を条件に戦いを休戦した。



「互いに隠れ蓑を探していたからなぁ…」



蛟魔王に魔王になるように助言をした者こそ、玉面魔王だったのだ。

その見返りに男を紹介する条件での和解。


「その例に牛角をあてらってやったから恩は返したぞ?」


勝手に…



「玉面魔王を味方に出来たとして、軍の戦力を分けた事で黄風魔王の城を落とせるかも五分五分だが、やって貰わなければならないぞ。何せその後にはもっと厄介になるのだからな」




七十二魔王の頂点であり、中央の地に君臨する一桁台頂点の妖魔王がいる。しかも、その者には同じく二人の一桁の妖魔王を腹心として傍に置いているのだ。

更に、かつてその座に君臨しつつ没落した妖魔王が新たな地を支配し、同じく一桁ナンバーの妖魔王を腹心に置いた。

これが地上界の実質上の頂点、二大勢力と言って良いだろう。


ここで今一度説明するべきは一桁ナンバーの魔王についてだ。

一桁ナンバーは魔王の中の魔王として、別格に妖魔王と呼ばれ、十名のみ。

その中の雷、水、地、炎、風の属性を支配する頂点の魔王として

五行魔王とも呼ばれた。



雷の王・雷獣魔王


水の王・玉面魔王


地の王・金剛魔王


炎の王・熔岩魔王


風の王・黄風魔王



更に恐怖と力の象徴として八魔王には畏怖する異名も与えられた。



嫉妬の玉面魔王


色欲の万聖魔王


傲慢の金剛魔王


憤怒の熔岩魔王


怠惰の黄風魔王


強欲の眼力魔王


大食の雷獣魔王


虚飾の砂塵魔王



そして残った二魔王には天界より特別な役割が当てられているのだ。


反逆した魔王の暗殺と、

全魔王を統べる地上界の覇王の称号。



「美猴王?お前のしようとしている地上界制覇の道のりは前途多難だよ…」



蛟魔王は記した手紙を美猴王達の魔王玉と一緒に札の中に封じて隠す。

その時、蛟魔王の背後の影が動いた。



「来たようだね」



そこには、鎧を纏った武神が立っていた。



「我が主がお待ちです。早急にお越しくださいませ。蛟魔王様」



蛟魔王は立ち上がると無言で武神に頷く。



「私は私のやるべき事があるんでね…さよならだ…」



その日をもって蛟魔王は一通の手紙を残して水廉胴闘賊団から脱退した。








その後、水廉胴闘賊団は雷獣魔王の襲撃と予想だにしていない出来事があった後、黄風魔王の城へと進軍して行った。


そして今、蛟魔王がいる場所とは?


そこは地上界中央の南東部、海底に広がる魔王の居城。


そこは第四魔王が支配する地であった。

蛟魔王は第四魔王に呼ばれ、その神殿に出向いたのだ。


蛟魔王は第四魔王のいる座に向かっていた。

その腕は後ろに拘束具を付けられている。



「久しぶりだね?第四魔王?いや、万聖魔王と呼ぶべきか?」



蛟魔王の前には四人の竜神族の女達が側近としていた。



万聖魔王[万聖竜王]


万聖竜王もまた蛟魔王と同じく龍神族であり、龍神族でありながら地上界の魔王…しかも一桁ナンバーの第四魔王として君臨していた。



「久しぶりだな蛟よ。使いを送り、幾度と呼びだしたつもりだったのだが」


「万世…お前とはもう二度と会う事はないと思っていたよ」


「そうか?俺はお前に再び会う事をこんなに待ち焦がれていたというのにな」


「………」




万聖竜王、蛟魔王…


共に龍神族の反逆者であり、龍神族より追われ、生き残るすべとして魔王として地上界に君臨した。 だが、二人の因縁はそれだけではなかったのだ。



「蛟よ。よく再び俺の前に現れた。嬉しいぞ。俺と共に来い!俺と世界を統べようぞ」


「まだそんな事を?お前には悪かったと思っている。お前の野心も怒りも全ては私が責任。私はお前との因縁に決着をつけに来たんだよ!」



すると蛟魔王は後ろに回されていた腕を力任せに拘束具を砕いたのだ。

そして万聖龍王に向かって飛び掛かったのだ。


その拳は確実に命を奪う攻撃であった。拳から龍気が渦を巻き万聖竜王の顔面を捉える。が、その拳は万聖龍王の差し出した左腕のみで止められたのだ。



「相変わらずのジャジャ馬だな?」


「クッ!」



すると万聖龍王の取り巻きだと思われていた四人の龍神族の娘達が万聖魔王を守るように、蛟魔王の前に出る。


「強いな…」



四人の龍神族の娘からの覇気は、蛟魔王の身体を縛り上げる。



「その娘達は俺が手塩にかけて育て上げた。いずれ龍神界を殲滅した後に、新たな四海龍王にするつもりだ」


「四海竜王にだと?笑わせる。やはりお前の目的は…」


「そう。竜神界を滅ぼす事だよ!」


「お前はまだ…」


「そのためにお前の力が必要なのだ!」


「私の力?違うだろ?私の持つ禁具にだろ?」


「………」



蛟魔王はかつて龍神界から三種の神器なる禁具を持ち出し、追われる身となった。その禁具は龍神界だけでなく天界をも恐れる物と言い伝えられていた。



「残念だがお前には渡さんよ。私の禁具は私が墓場にまで持っていくつもりなんでね」



すると万聖龍王がゆっくりと蛟魔王に近付き、蛟魔王の腕を掴む。

蛟魔王に隙はなかった。

だが、万聖龍王はいとも簡単に間合いに入った。


「まったく…」



そして蛟魔王を抱き寄せて唇を奪ったのだ。


「!!」



蛟魔王の口に何かが入れられ飲み込まされると、蛟魔王は力が抜けるように足から崩れ落ちる。



「蛟魔王を連れていくがよい」



すると四人の龍神の娘が倒れた蛟魔王を運び連れて行った。



蛟魔王が再び目覚めるとそこは牢獄の中だった。

両腕と両足を拘束されていた。

今度は簡単には砕ける物ではなかった。

そして目の前には、先ほどの龍神族の娘の一人がいた。



「お目覚め?私は竜楽精四人衆の一人、花竜姫。起きて早々だけどお前には色々と話して貰うわ」


「今度は尋問ってわけかい?」


「せっかく万聖様が恩情をかけてくれたのに、調子に乗るなんて馬鹿な女!」



花竜姫は手にした竜神の鞭を蛟魔王に叩き付ける。


「グゥ…」


蛟魔王の衣が裂けて白い肌が血で滲む。


「あんたの綺麗な肌が二度と見られない状態になる前に、知ってる事を全て吐くのね?」



蛟魔王は拷問を受けながら、過去を思い出していた。


痛みには慣れている…


しかしあの時の痛みに比べたら物足りないよ…




同族を手にかける痛みに比べたら…


大したことないよ…


そして、


あんなに優しく、弱くて脆いお前が…


私の誤った判断からお前に与えてしまった運命。


その歯車を変えてしまった私の罪に比べたら…


万聖龍王!






蛟魔王と万聖龍王との過去に何があったのか?



今、明かされるもう一つの伝記?


その真実!

次回予告




それは、むかしむかしの物語。


あの物語の真実が今、明かされる!

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