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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
377/424

まさかの大ピンチ?虎先鋒の戦法??

宿敵である錬体魔王が黄風魔王によって始末された。


その黄風魔王の目的とは、全ての妖怪を消す事??


俺様は美猴王


俺様達は途中で拾った人間のガキをそのままにして置く事は出来ずに、一緒に打倒黄風魔王…いや?もしかしたら邪悪の根元の方は錬体魔王かもしれない奴を倒しに向かっていた。



「黄風魔王様は戦争には関与していない。もしかしたら説得次第では戦闘を回避出来るはずだ!」


「刀剣魔王、黄風魔王が俺様達の邪魔しなければ構わないぜ?だが、錬体魔王には恨みがあるからな。許すつもりはねぇぜ?」


「あやつには恩も義理もない。好きにすれば良い」




俺様達が進む先には扉があった。


「頼む?」


怪力魔王が頷くと扉に手をやり、ゆっくりと開く。


扉の先には…



「何かいるぞ?」



大広間があった。

そこには角を生やした身体が黒く変色した奴達が何体も待ち構えていたのだ。

六耳は現れた連中の正体が解らずに警戒しいぇいた。



「何だ?こいつ達は?また妖気を感じないキャ」


俺様は知っていた。


「こいつ達は錬体魔王が人間を素体に化け物にした姿だぜ」



俺様達の臭いを嗅ぎ付けた鬼人は、まるで獣のように襲い掛かって来る。



「苦しめずに終わらせてやる!」



俺様、六耳、剛力魔王[無口だから存在忘れかけてたぜ…]、怪力魔王と刀剣魔王が迎え討つ。

一体一体倒していくが、鬼人達は奥の部屋からどんどんと現れ出て来る。

怪力魔王は俺様に呼びかけ、判断をあおぐ。



「キリがないぞ?どうする?」


「あの奥の部屋から何か嫌な感じがする。任せろ!」



俺様は印を結ぶ。

すると百体の分身体が現れて奥の部屋までを塞ぐ鬼人達の相手をさせる。

奥の部屋までの道が開き、俺様はその部屋へと飛び込んだ

中は真っ暗だった。

俺様は眼に気を籠めると夜目が効くようになり、部屋の中を見渡す。

因みにこれは仙術だぜ?



「あの玉から嫌な感じがする」




俺様は置かれていた玉を手に掴み、砕いたのだ。

その直後、外の鬼人達が人形のように動かなくなり倒れていく。



「どうやらこの玉が鬼人達を操っていたようだな。これで一安心だぜ」



しかし部屋の外から仲間達の叫ぶ声が聞こえて来たのだ。



「うがああああ!」


「何だ?お前は!」



外で何かあったのか?

俺様が外に出ると、そこに怪力魔王と六耳が倒れていた。


「何があった!」



俺様が叫ぶなり、突如背後からの殺気に気付き、その場から飛び退く。


「誰だ?」



そこには虎の鎧を纏った男が立っていた。


(何だ?こいつは?)



ソイツは突然現れたのだと言う。

仲間達は突然、コイツに同時に襲われたのだ。


それは確実な殺意!


その直後、怪力魔王の間近にそいつが移動していた。

いつの間に?


「なぁ?」



怪力魔王の身体に無数の拳がめり込んだ。

怪力魔王の身体が宙に浮き、そのまま意識を失い倒れゆく。

それにいち早く気付いた六耳が動くが、先に虎鎧の者は六耳の背後に現れ打撃を与えたのだ。

一瞬の出来事だった。


六耳も怪力魔王も一瞬で倒されたのだ。

六耳はまだしも、タフネスな怪力魔王が打撃で倒されるなんて信じられん。

俺様は残った剛力魔王と刀剣魔王のもとに移動する。



「刀剣魔王?あいつも黄耳魔王の配下か?」


「知らぬ…我はあのような者は知らんぞ?何者なのだ?」



その者は俺様達を冷たい眼差しで見ていた。


「何者か知らぬが推して参る(おしてまいる)」!」



刀剣魔王は両手に刀剣を手にし、その者に向かって駆け出していた。

その鋭い斬激を難無く躱す謎の者は飛び上がると、刀剣魔王の顎を蹴りあげ、着地と同時に拳の連打をあてた。

白目をむく刀剣魔王は足から崩れ落ちるように前のめりに倒れる。


「馬鹿な…」


水廉洞闘賊団の強者達をいとも簡単に?

そこに剛力魔王が動いた。



「お前…強い…けど、何だ?お前…何か違う?」


何か違うだと?


俺様も感じた。

こいつ何か違う?気配が?俺様達と何か違うのだ?

すると男は俺様に名乗ったのだ。



「私の名は虎先鋒[こせんぽう]。主に代わりお前達に引導を与えに来た」


「主?黄風魔王か?いや?錬体魔王か?」


「我が主は黄風魔王様唯一人!それに錬体魔王は既にこの世にはいない」


「何だと??」




そこで俺様は気付く。

さっき俺様が砕いた石は錬体魔王の亡骸から出来た石だったのだと…


その石が鬼人を操る動力源となっていたのだ。

奇しくも俺様は変わり果てた姿の錬体魔王にトドメを刺したわけだな?

だが、それで終わらせてはくれないみたいだ。



「どちらから来る?私は二人同時でも構わんが?」


「当然…」


「私、行く!」


「えっ?あ、そう?じゃあ、宜しく?」



剛力魔王は弟の怪力魔王を倒された事で顔には出さないが、怒っていた。

俺様も虎先鋒の戦い方をもう少し観察したかったし、剛力魔王なら勝つかもしれんしな。


「剛理羅!」



剛力魔王の身体が黒く変色していく。

同時に剛力魔王の身体から凄まじい妖気が立ち込める。


「いく…」


剛力魔王は両手に持った大斧を軽々と振り回すが、虎先鋒は紙一重で躱している。



「当たれば危険だな?なら…」



虎先鋒の拳から閃光が走った。

それは光の拳。

剛力魔王の持ち手に閃光の拳が直撃すると大斧が弾き飛ばされたのだ。


「………」


剛力魔王は大斧を弾かれても怯まず、その拳に妖気を籠めて虎先鋒に殴りかかる。


「剛黒の拳!」


「ふぅーー!!」



強烈な剛力魔王の拳を両腕を交差させながら受け流した虎先鋒は掌打を剛力魔王に当てる。

その一打一打には剛力魔王を倒す威力ではなかったが、次第に剛力魔王は自分自身の身体の異変に気付く。


「これは?」


剛力魔王の身体が痺れて自由に動かなかったのだ。

それでも鈍った身体を力任せに拳を放つが、その勢いのまま受け流した虎先鋒によって剛力魔王を床に倒される。


「終わりだ!」


虎先鋒の拳が剛力魔王を捉えた時…



「…戦いの邪魔をするとは無粋だな?」


「そいつは俺達の仲間だからな?みすみすヤらせねぇよ」



俺様が虎先鋒の腕を掴み止めたのだ。

倒れた剛力魔王は立ち上がり戦闘体制に入るが、



「剛力魔王?お前は今ので負けてたぞ?だから次は俺様の順番だからな」



そう言って遮ると、剛力魔王は渋々と退く。



「次は俺様だ!文句は言わせねぇぜ?」


「なら、お前を倒した後、その女も他の連中も始末してやろう」



虎先鋒は俺様の掴んだ腕を弧を描くように動かし払い除けると、俺様に向かって掌打を放つ。

俺様は虎先鋒の掌打を受けると腕が痺れる。


何かの技か?


当てられた箇所に気を流し込まれたぞ?僅かな気で見落としそうになるが、続けて当てられたら麻痺して動かせなくなるようだ。

剛力魔王はこれでやられたようだな。

俺様は虎先鋒の掌打を受け止めるのではなく、受け流すように専念する。



「お前、私の虎流掌に勘づいたのか?」


「虎流掌?奇妙な技だな?相手に気付かせずに微妙に気を流し込んで麻痺させるんだろ?姑息なセコい技だが使える技だな」



確かに珍しい技だ…


本来なら一撃必殺の大技が主流の世の中で、持久戦を用いた戦い方をするなんてな。

まるで弱者が遥かに強い敵を相手に編み出したような技だ。


だが、剛力魔王を追い詰めたなら馬鹿に出来たもんじゃない…



「面白い!俺様がお前を倒してやるから覚悟しやがれ!」



再び虎先鋒の虎流掌と俺様の拳の連打が交差する。

俺様の妖気を籠めた打撃が何千発も繰り出すが、虎先鋒に触れる前に流された。


「虎流二手乱」

※トルニタラン



俺様の妖気を外に流して防御しているのか?

器用な奴だ?だが、



「私にお前の妖気は効かない…無駄だ!」


「それはどうかな?」



直後、俺様の拳が虎先鋒の手首を弾き、回し蹴りが腹に直撃した。



「馬鹿な…お前、私の技を?」


「その通り!」


俺様は拳が虎先鋒に当たる瞬間に、妖気を籠めた打撃と籠めない拳を混ぜた。妖気が籠められていない拳は虎先鋒の防御を空かしてすり抜け直撃出来たのだ。



「お前の防御は俺様の妖気を受け流すために繊細な妖気感知をしているだろ?お前は俺様の妖気を感知して、最小限の妖気を反発させて弾いているのだな。だから無数の打撃の中に妖気を籠めてない拳を一発だけ混ぜてやったんだ!案の定見過ごしたな?」



だが、倒すまでには至らないようだがな・・・




「お前、思ったより頭がキレるな?」


「猿だからな!」


「猿だからかは私には解らないが、用心深い相手と認めよう」


「だけど防御だけで俺様に勝てると思うなよ?お前の微妙な気を流し込む打撃も注意していれば問題ない!打つ手無しじゃね?」


「大した観察力だな?なら私も本気で相手をしよう」


「いよいよ本気のようだな?」




すると虎先鋒は両手を合わせて気を練り始める。

しかも?その妖気は俺様の予想を遥かに越えた妖気が噴き出す。


「息吹」



虎先鋒は自らの身体に妖気の渦を纏う。



「ただの妖気の解放とは違うぞ?妖気を圧縮して奴の身体を防御しているのか?」


「さぁ?私の本気にお前はどう抗う?」



俺様は虎先鋒に向かって攻撃を仕掛けてみた。

先ずはやってみないと解らないからな?


俺様の拳が弾かれる!


それは虎先鋒の腕に纏う圧縮した妖気。

重い…それに何て衝撃だ!

俺様の打撃が軽々弾かれ、俺様は痛み堪らず腕を押さえて後退する。



「イッテェ~」


「直ぐに戻して助かったな?あのまま無理に突っ込んでいれば腕が折れていたぞ?」


「お前、やはり強いな?さすが魔王だ!」



すると後ろから剛力魔王が珍しく叫ぶ。



「そいつは魔王じゃない…これ程の力を持って、今まで目立つ事なく存在していたとは…こんな奴がまだいたとはな」


「魔王じゃない?じゃあ、大王か?」



その疑問に虎先鋒は不敵に笑った。



「私は魔王でも大王でもない。私はただの虎先鋒。黄風魔王様を守護する者」


「まぁ~何でも良いや?取り敢えず俺様の邪魔するならぶん殴る!」




俺様は妖気を両腕に集中すると両拳が石化する。

そして交差させてぶつけると、摩擦熱で発火した。



火流手カルタ!」




発火した拳で俺様は一呼吸し構える。


「今度は俺様の番だ!驚けぇー!!」




俺様は再び虎先鋒に攻撃を仕掛ける。

今度は腕が弾かれる事なく、虎先鋒と打撃戦となる。



「私の打撃を受け流して攻撃している?お前、私の戦法を真似たな?」


「猿真似結構!使えるなら使って試すのが好奇心って奴だぜ!」




互いに打撃を弾き弾かれ、打撃戦はお互い退く事なく続く。

もう、これは意地の張り合いだった。



「負けられぬ!」


「俺様も負けてやらねぇよ!」



すると先に退いたのは虎先鋒の方だった。

一瞬の後退から、再び中腰から飛び込んだ打撃が放たれる。



虎穴こけつ!!」




虎先鋒を防御していた全ての妖気を拳に集中させ、一直線に放たれた打撃は俺様の身体を貫いたのだ。


「ぐはぁ!」


「奥義・虎穴こけつ…私の奥の手だ。全ての力を一点に集約させ、一気に打ち放つ!お前はもう終わりだ」



俺様は血を吐きながら膝から崩れ落ちた。


次回予告


虎先鋒の奥義・虎穴によって倒された美猴王。


まさかの全滅か??

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