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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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手も足も猿も出ない?恐るべき眼力魔王の魔眼!!

強敵、眼力魔王に美猴王達が挑む!!


俺様は美猴王!

俺様と牛角魔王、後から現れた蛟魔王は今、眼力魔王の玉座の前にいた。

あっ…後、床には生きて眼力魔王に操られていた獅駝王もいるな。

気絶して眠っているが…



さて、少し話を遡るが、実は蛟魔王は俺様達より先に城塞の中に侵入していたのだ。

だが、この城塞の通路はいくら走っても走っても眼力魔王のいる王の間には辿り着けづにいた。


(…おかしい?)



蛟魔王は術札を通路の床に散らばせながら走る。

すると蛟魔王の前方に、散らばせ残して来たはずの術札が落ちているではないか!



「どうやら迷宮に閉じ込められていたようだな…」



今度は立ち止まると意識を辺り一帯へと集中させた。


「見ているな?お前は誰だ?眼力魔王…ではなさそうだが?空間変異の術を使うとは珍しい」



その瞬間、蛟魔王の足場が消え、壁も天井さえも消えていく。


視界の先は漆黒の闇?


上も下も解らず、光すらない空間の中、蛟魔王は冷静さを保っていた。



「…だんまりとは根暗な奴だよ!」



すると蛟魔王の竜気が高まっていき、暗闇の空間全てに波紋の如く広がって行く。



「お前の造り出した空間の範囲が解った!案外狭いな?」



同時に闇に覆われていた空間に亀裂が入り、光が入って来たのだ。

闇が消えると、眼力魔王は城塞の屋上にいた。



(チッ!気配が消えたな?何者か解らなかったか)



と、そんな襲撃に合っていたのだ。

実は蛟魔王の邪魔をしていた相手は眼力魔王が率いていた五魔王の一人だった。

蛟魔王は敵の気配がその場から完全に消えたのを確かめた後、



「この下から美猴王と牛角の気を感じる!それに…まさか獅駝王の気も?状況は解らないが、とにかく私も向かうか!」



蛟魔王は床に向けて竜気を籠めた拳を放つと、床は崩れ落ち、俺様と牛角魔王が戦っている眼力魔王の玉座へと落下したのだった。


と、これが蛟魔王が登場したいきさつなのだ。


さてと、今度こそ本題だ!


俺様、牛角魔王、蛟魔王は眼力魔王の前に立ち塞がる。



「反乱分子が揃い踏みか?アハハ!」


眼力魔王は俺様達三人を前にしても余裕の笑みを見せていた。



「やけに余裕だな?よほどの自信家か、ただの馬鹿だな?」


「お前が反乱の首謀者の美猴王だな?直接会うのは初めてだが」


「そういえば覗き見が趣味だったな?その通り!俺様が美猴王だ!お前に一つ言っておく事がある!」


「ん?何だ?」



俺様は蛟魔王を指差し、



「覗き見は蛟魔王の専売特許だ!お前じゃ蛟魔王のような立派なストーカーには程遠いぜぇ!」



俺様は蛟魔王に殴られた。


さて、本題本題。


今度は眼力魔王が笑みを見せ、俺様達にとんでもない事を言って来たのだ。



「どうだ?お前達!私の配下にならないか?私達が揃えば地上界の全ての妖怪、残りの魔王達をも黙らせ、地上界全てを支配出来るぞ?」


「!!」



どうやら、眼力魔王もまた俺様達とは別の形の反乱分子のようだ。

そこに蛟魔王が眼力魔王に問いかけたのだ。



「で、どうやって地上を支配するつもりだい?」


「先ずは天界の神々と新たな契約を結び、地上界の覇権を全て私達に任せてもらう!どうだ?堂々と地上界を牛耳れるのだぞ?」


「…で、お前は地上界を支配した後はどうするつもりさ?」



その問いに、


「何?地上界を支配した後どうするだと?その後に何があると言うのだ?おかしな事を言う?」



フッ…


眼力魔王の答えに、俺様達は…



『あははははは!小さい!小さい!あははははは!』



爆笑したのだった。


「つまらね~」


「所詮、小物」


「美猴王!言ってやりな?」


俺様は牛角魔王と蛟魔王の前に出て天井…いや!天を指差して言ってやった。



『俺様達は地上界程度じゃ狭すぎて満足出来ねぇ!俺様達は天を!天上界をも手に入れるのだぁー!』




俺様の宣言に眼力魔王は、驚愕していた。



「あはは…馬鹿な?お前達は本気で天界に刃向かうつもりなのか?正気か?不可能だ!お前達は天界の恐ろしさを知らない無知だから言えるのだ!」


「フッ!知らないから仏!猿に不可能はないんだよ!」


「意味解らん!知らぬが仏だろ?」


「馬鹿言っていないでやるよ!」



俺様達は眼力魔王に向けて殺気を放つ。


「どうやら交渉決裂のようだな?」


「はなからそのつもりだぜ!!」



俺様達三人は同時に眼力魔王に向かって飛び出し襲い掛かる。



「ふん!身の程知らずをわきまえるが良い!」



眼力魔王は玉座から立ち上がると、向かって来る俺様達に向かってゆっくりと近付いて来る。

するとその額に第三の眼が出現したのだ。



「あれは?」


「何か知っているのか?蛟魔王?」


「眼力魔王は三眼族のようだね」


「三眼族?」



妖怪だけでなく神を含め、己の力を最大限にまで高めると現れる第三の眼がある。

神界でも希少な力と言う。己の中の気、肉体、精神共に極め持つ者のみが使える力。

第三の眼が開かれると己の能力を極限状態にまで解放出来るのだ。

しかし、産まれながらに三眼を持ち、その力を自在に使える一族があった。

それが三眼族なのだ。



「地上界最高の十魔王に君臨するのだから、何かしら理由があると思えば三眼族か…なら、納得も出来るってもんだ!」


「だが、三眼族はその力を忌み嫌われ、天界に滅ぼされたと聞くが…その生き残りか?」



牛角魔王と蛟魔王に眼力魔王が先に間合いに入り込む。



「ふふふ…無駄話をしていたら私には勝てんよ?」


「うぉりゃあ!」


「はぁあああ!」


最初に動いたのは牛角魔王と蛟魔王だった。

牛角魔王は二本の刀を抜刀し斬り掛かり、蛟魔王は手にした筒に竜気を籠めると、筒が伸び出して鞭のように変化し、眼力魔王に向けて打ち付ける。

が、眼力魔王は二人の攻撃をいとも簡単に躱したのだ。


「遅いな?遅すぎて欠伸が出そうだ」



そこに俺様が空中から飛び降りて来て、如意棒を振り回しながら殴り掛かった。

が、それも躱されたのだ。


動きが早過ぎる?読まれてる?


違う!



「奴は魔眼にて俺達の動きが止まって見えているのか?」


「違う!眼力魔王の魔眼は私らの目を通して物を見る能力だ!」


「つまり俺達が考えている事を、俺達の目が見えている視界から先読みしているんだな?」



蛟魔王と牛角魔王が手をこまねいている所に、俺様は閃く。



「じゃ…目を綴じたらどうだ?」


「攻撃出来るのか?」


「無理だ!」


「…………」



俺様の閃きの提案は没になった。

眼力魔王は手も足も出ない俺様達を見て、



「馬鹿な奴達だ!それで天界に刃向かうとかよく言えたものだな?そもそも私は地上界でも指折りの一桁ナンバー!十大魔王の一人だ!お前達が束になっても勝てはしないぞ!」



さらに眼力魔王は一瞬のうちに俺様達の背後に移動し、突き出した拳が俺様と牛角に直撃した。


「ぐはっ!」


「ぬぅおお!」



俺様達は弾かれるようにふっ飛ばされる。

まさか、あの細腕でなんて馬鹿力だ??

蛟魔王は鞭を振り回して眼力魔王の接近を拒んでいた。



「眼力魔王の能力は他者の視界を視るだけではないと思っていたが・・・」


「その通り、これは暗示の魔眼だよ!私は自らに暗示をかけて能力の全てを極限にまで引き出せるのだ」


「ネタばらしとは余裕だな?」


「解ったところでお前達に何が出来るというのだ?」




余裕かましやがって!


俺様は、あ~言ったエリート系みたいの嫌いなんだよな~


魔王ナンバーが一桁だと?


だから何だ?一桁だからって何が偉いんだ?


一桁と猿はどちらが偉いと思ってるんだ?


当然、猿だぁー!


それに俺様は、あ~言った自信家の鼻をへし折るのがとてつもなく大好きなのだ!!


俺様は印を結ぶと身体がぼやけ出し、百体の分身を出現させる。



「百体同時攻撃だ!これでも喰らえ!」


俺様の手刀が燃えだし、



『百人一手・火流多!』

※ヒャクニンイッシュ・カルタ!


眼力魔王に同時攻撃を仕掛けた。

これなら俺様の視界が見られていようと関係あるまい!


「無駄な事!」



俺様の百体の分身達は眼力魔王の身体を貫くが、その眼力魔王の姿が消え、そこには俺様の分身が貫かれて消滅した。すると他の分身達も同士討ちし始めたのだ。



「気をつけろ!魔眼で私らが見ている物を偽装出来るようだぞ!」



つまり、俺様達の目が見えているもんが偽物かもしれない訳か?


これじゃあ…


むやみやたらに攻撃を仕掛けたら…



「同士討ちになるな…」


「何て卑怯な野郎だぁ!!」


「お前、私達に初めて会った時の事を覚えてるかい?」


「都合悪い事は忘れた!」


「………」



そう言えば、確かに俺様も昔使った手だった。

いや~懐かしい。あはは。



「あははははは!どうだ?今からでも遅くはないぞ?私につけ!」



が、


「何度も言わせるなよ?俺様達はお前みたいな小物の下にはつかねぇよ!」


「顔を洗って出直せ!」


「未練がましい男は嫌われるよ?お前!」



俺様達の考えは変わらなかった。



「俺俺もそう思うぞ~!むにゃむにゃ…」



あ、獅駝王…起きたのか?


「う~俺俺意味解らないが、とにかく殴れば良いんだよな?」



起き出した獅駝王は腕を数回回すと、眼力魔王に向かって突進する。


あっ!馬鹿!


だから、むやみやたらに攻めたら~



「馬鹿な奴達だ!もう結構だ!お前達は皆殺しだ!しかも、取って置きの生き地獄を味合わせてやろう!」



眼力魔王は向かって来る獅駝王に向かって、



『我が魔眼の恐ろしさをとくと味わえ!』



眼力魔王の瞳が妖しく光ると獅駝王の動きが止まり、


「うがぁあああ!」



何を思ったか?自分の爪で胸を掻きむしった後、自ら腹を突き刺したのだ。

そして、血だらけになりながら倒れる獅駝王。

獅駝王は自分の身体に無数の虫が張り付き、食い破る幻影を見せられたのだ。


「獅駝王を救うぞ!」


「分っているぜ!牛角。眼力魔王をぶん殴る!」



獅駝王の危機にブチ切れた俺様と牛角魔王は、一斉に眼力魔王に襲い掛かる。



「待て!奴の眼を見るなぁ!」


奴の眼?



『ふふふ…馬鹿な奴達だ!お前達にも私の魔眼の真の恐怖を味あわせてやろう!』




眼力魔王の魔眼は再び妖しく光り輝いた時、俺様と牛角魔王の足が止まる。

ほんの僅かに視界に眼力魔王の瞳が入ったのだ。


それだけで?


先に眼力魔王の魔眼に気付いた蛟魔王は咄嗟に瞼を綴じたのだが、

その瞼が強制的に開かれていく。



「馬鹿…な!?」



蛟魔王もまた動きを止め、その場に立ち止まった。




「ふふふ…相手と対面したら、眼を見て話せと教わらなかったか?」



そして俺様達は全員…


眼力魔王の魔眼の力に捕らわれてしまったのだ。


次回予告


眼力魔王の魔眼に手も足も出ない美猴王達・・・


そして眼力魔王の魔眼は開けてはならない扉を開いた。

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