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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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猿と共に!打倒、眼力魔王!

洗脳された剛力魔王を相手に牛角魔王の必殺技が炸裂する??


俺様は美猴王…


えっと~


俺様は今、牛角魔王と一緒に眼力魔王の城塞の中へと侵入し、眼力魔王がいるであろう『王の間』に向かって走っている。


俺様は走りながら牛角の顔を横目で見ながら、牛角魔王があの強敵剛力魔王を倒した例の必殺技を思い出していた。


あれは…凄かったなぁ~


正直、牛角を見る目が憧れと尊敬に変わったのは間違いない。


そう。あれは…


牛角魔王が獣化して暴走した剛力魔王に突進して行った時の話だ。


眼力魔王の洗脳から剛力魔王を元に戻すためには、剛力魔王の頭に強い衝撃を与えなければならない。だが、牛角魔王の右腕は折れてるみたいだし、牛角一人で本当に出来るのか?

単身で無防備に剛力魔王に向かって行く牛角魔王の姿を見て、正直、何を考えてる?

無謀だと、その場にいた誰しもが感じていただろう。

それもこれも俺様の足元には牛角魔王の刀が置き忘れていたのだ。

あいつ武器を持たずに行きやがった??

マジに大馬鹿だと思った。


が、牛角はやってのけたのだ!


牛角は荒れ狂う剛力魔王の拳を躱すと、その懐へと入り込み、自分の左腕を剛力魔王の後頭部へと回す。


何をするつもりだ!?

確か、これから牛角魔王が行う奥義は絶対に誰にも話すなと口止めされた。

秘密にしなければならない大技とは一体??

やはり俺様と同じく頭突きなのか?


が、その後…


その場にいた者達は凍てつくかのように牛角魔王の繰り出した技に目を奪われ硬直した。



(ウッ!ウゥゥウゥンッアッ!)



牛角魔王は剛力魔王の頭に手を回した後、顔を近付け………


唇を重ねたのだ!


て、オィ!


何が起きたか状況が解らないで暴れ狂う剛力魔王だったが、牛角魔王は離れずに更に唇を強く押し重ね舌を入れる!?


(ウゥウゥウゥウゥンッアッ!ウゥ……)


次第に力が抜けるように脱力状態になっていく剛力魔王は変化も解けて、その瞳はトロンとなっていた。そして牛角魔王は唇をゆっくりと離した。

剛力魔王は足腰立たない状態でへたりこみ、その場から動けなくなっていた。



と、これが後々牛角魔王の最強?伝説となるのだが、


アハハ…大人だぁ~





さて、話を戻そう。


剛力魔王と怪力魔王を残し、蚩尤には今だ戦場にて戦う仲間達の救援に向かわせた後、俺様と牛角魔王は眼力魔王の城塞の中へと侵入したのだ。

城塞は思ったより静かで、不思議と襲って来る敵兵は一人もいなかった。


誘っているのか?


そうだ!


「なぁ?牛角!腕の調子はどうだ?」


「安心しろ!どうやら間接が外れただけのようだ。蚩尤に間接の骨を入れて貰ったから、もう大丈夫だ」


そうか…


「なぁ?剛力魔王とのキスはどうだった?」


「どうやら初な娘だったようだな?暫くは立ち上がれ……って、何を言わすかぁ!」


「まさかお前にそんな特技があったなんて」



牛角魔王は立ち止まり、俺様の口を片手で塞ぐ。



「ウグウグッ!」


「誰かに話したら殺すぞ?良いな?」



殺意が篭っていた。

俺様は三回頷いた後、答えた。



「口封じに俺様にまでキスするのかと思ったぞ」


「するかぁ!馬鹿者!」



と、あんまり遊んでいる場合じゃなかったな。

この先にいるのは眼力魔王と呼ばれる魔王。

七十二魔王の頂点に君臨する最強の十大魔王の一人なのだ。

十大魔王はとにかくレベルが桁違いだと聞く。


他の魔王と同じだと思っていたら返り討ちになると蛟魔王の奴が何度も念押ししていたから、とにかく注意はしなきゃならねぇよな?

少なくとも剛力魔王や怪力魔王達を操っていた奴なのだから、それ以上のハンパない奴が待ち構えていると考えた方が良いだろう。

だが、こっちには俺様だけでなく牛角魔王もいるし、まだ到着してはいないみたいだが蛟魔王も向かっているはずだ。

それに眼力魔王にはもう守護する五魔王達はいない。



後は全員でリンチしてやるぜ!


そして俺様と牛角魔王は眼力魔王のいる『王の間』のある扉の前にまでたどり着いたのだ。


独角鬼王や戦死した仲間達の敵討ち。剛力魔王や怪力魔王のように無理矢理戦わされていた奴達の分も含めて、俺様達がぶん殴ってやるからな!

俺様はけたましく扉を蹴り壊したのだ。



「眼力魔王!テメェをぶちのめすために、わざわざやって来てやったぜ!」



部屋の奥には間違いなく何者かが座っていた。

そいつは俺様達に驚きも怯む事なく、余裕こきながら俺様達を見ていた。

いや?見下した顔付きだった。

俺様は警戒しながら辺りの気配を探る。


どうやら一人のようだな?


それにしても想像していたより華奢…いや?マッチョじゃないだけで普通なのか?格闘には向いてなさそうだが、魔術師といった感じだな…


確かに野郎は先の戦場にて突然現れ、消えたと同時に戦場を火の海に変えた張本人だ。

とにかく今までの借りを纏めて返してやるぜ!

俺様は牛角魔王と目配せすると、同時に眼力魔王に向かって先手必勝と襲い掛かった。


『!!』



直後、眼力魔王の背後から人影が現れ、俺様達に向かって突進して来たのだ。咄嗟に向かって来た奴に攻撃を仕掛けるが、そいつは俺様と牛角の攻撃を素早い動きで躱した後、俺様達の胸に強烈な衝撃を与えた。


「うぐぅわああ!」


弾き飛ばされる俺様と牛角魔王だったが、すかさず体勢を立て直して構え直す。



「いってぇ~!クソ!まだ手下がいたのか!?しかも上級の魔王クラスだぞ!」


「美猴王!良く見ろ!あいつは!」


「えっ?」



そいつは見間違うはずはなかった。

頭が獅子に鍛え抜かれた人間の身体。

半人半獣のそいつは俺様達が良く知る…


『獅駝王!』



あいつ生きていたのか?


良かった…


でも、どうして眼力魔王の味方をするのだ?




「洗脳か…」


「洗脳!?」



なるほど!つまり剛力魔王や怪力魔王と同じように眼力魔王の魔眼てやつで操られているのだ?




「ふふふ…驚いたようだな?正直、私も驚いているのだよ!あの爆発に巻き込まれた中、唯一生き残った化け物よ!」



眼力魔王は俺様達の生存を見届けるために、爆発が起きた一帯を魔眼にて探っていた時に見付けたのだ。唯一戦場に残され奇跡的に生き残った獅駝王を。眼力魔王は部下に眠っている獅駝王を連れて来させ操る兵士にするために洗脳したのだ。



「ウググッ!殺す!殺す!俺俺…お前達を殺すぞ!ウグルル!」



獅駝王が俺様達に向かって襲い掛かる。


チッ!仕方ない…


剛力魔王や怪力魔王同様に頭に強い衝撃を与えて元に戻すしかない。

少なくとも身動き取れないようにしなくてはな。


「牛角!やるぞ!」


「おぅ!」



牛角魔王もまた同じ考えのようだ。

お互い息を合わせ獅駝王の攻撃に迎え撃つ。

俺様と牛角魔王は左右に分かれて獅駝王に攻撃した。

俺様と牛角の同時攻撃を全て両腕の爪で弾き返す獅駝王は、凄まじい覇気で俺様達を弾き飛ばしたのだ。獅駝王は肉弾戦にかけては俺様達の中でも断トツだった。

が、俺様と牛角魔王相手に互角だなんて…



「ハハハ!そいつは私の魔眼で、肉体の潜在能力の限界まで引き出させているんだよ!今では死ぬまで戦う化け物だ!」



何だと!?


「こうなったら…」


「キスをするんだな?」



俺様は牛角に殴られた。

と、馬鹿を言っている場合じゃないな?

マジにどうしたら良い?


俺様と牛角魔王は獅駝王の猛激を如意棒と大剣で受けるが、マジに腕が痺れるぜ。

獅駝王の攻撃は受け止めるだけでもそれ相当の気を使う。

このままじゃ、体力が切れて終わりだ…

少なくとも獅駝王の後には親玉の眼力魔王が控えているのだ。


すると牛角魔王が俺様に視線を送って来た。

その目は、獅駝王に対して死闘を決意する目だった。


ヤるしかないのか?



「うぐぅおおお!」


獅駝王が爪を光らせ迫って来る。


どうする?どうする?


その時だった!


「!!」


突如天井の壁が崩れ落ち、そこから何者かが落下して来たのだ。

その人影は振り上げた拳に渾身の気を籠め、俺様達に向かって来た獅駝王の脳天を殴りつけたのだ。獅駝王は予想だにしない攻撃に、凄まじい衝撃で床に顔面を打ち付けて、動かなくなった…


人影の正体は?


「蛟魔王!」



そいつは遅れて到着した頼れる味方の蛟魔王だった。



「悪かったね?遅くなったよ…それにしても」




蛟魔王は床に倒れている獅駝王に向かって涙目に言った。



「生きていたんだね?本当に良かった…」



しみじみとしている所、悪いのだけど…

お前の拳で動かなくなった獅駝王、今ので死んでなきゃ良いけどな…


あ、獅駝王…少し動いた!


どうやら生きてるようだ?


本当に頑丈な奴だ…


俺様と牛角魔王に蛟魔王が揃い踏みした所で、


とりあえず本番行きますかぁ~!



「さぁ!眼力魔王!お前を守る奴はもういねぇぜ?覚悟しやがれぇー!」



次回予告


ついに美猴王、牛角魔王、蛟魔王が眼力魔王と激突する。


眼力魔王の隠されていた強さとは?

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