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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
転生記~始まりの伝説編~
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孫悟空の選択!?四つの扉!

孫悟空のドジから桃源郷に足止めをくらった三蔵一行


そこで沙悟浄の修業を付けていた三蔵は、現れた太白金星仙人を呼び止めたのだ。


はい!沙悟浄です!


孫悟空兄貴が出産間近な頃に、

三蔵様は太白金星様をお呼びして何やら尋ねていたのです。


「少し話がしたいのだが、良いかな?」


「来ると思っておったよ…で、何から聞きたいのじゃ?三蔵殿?」


三蔵様と太白金星様は私達には話せない大事な話をしていたのでした。


「先ずは、旅の途中で金蝉子という神に会ったのだが、奴は本当に三蔵なのか?」


「その事に関しては詳しくは言えぬが、奴は釈迦様の弟子であり、釈迦様を手にかけた謀反人として天界から追われておるのじゃ!」


「なっ?釈迦如来を手にかけただと?」


「うむ」


「そんな馬鹿な。では、奴は何のために俺達に接触して来たと言うのだ?」


「あの者には何か曰くがあるようじゃが、それは儂には教えられぬ」


「?」


「神の恥を曝すのは気が引けると言う事じゃよ!」


「そうか…ならば仕方あるまい。無理には聞かんから安心して欲しい。では代わりに転生変化について教えてくれないか?猿の奴が転生変化をした後から身体に異変が起きているようなのだが?」


「それを話す前に転生変化について説明せねばなるまいな」


すると太白金星様は転生変化について語り始めたのです。



「転生変化。かつて釈迦如来様が編み出した変化術。魂に神気を帯びさせ、自力で輪廻転生を操る禁術じゃ。それは、自分自身が最も強かった時の魂の姿へと変えると言われておる。

転生変化を修得するために、釈迦如来様は己を一度人間に転生させた後、この変化を修得したと言われておる。そう…人間として産まれて落ちて直ぐに唱えたのじゃ!『転生変化唯我独尊』それが、転生変化の起源じゃよ!」



「ん?天上天下唯我独尊と言ったのではなかったか?」


「何じゃそれは?」


「…………」


「…………」


三蔵様と太白金星様はお互いの顔を見ながら互いの認識違いから沈黙した。


「スマン…ちょっと聞いた話と違うのでな。現実と言い伝えのギャップに少し戸惑っているだけだ」


「?」


「で、その後遺症みたいな物は?」


「後遺症はない…ただ、孫悟空の奴が問題なのじゃ!」


「猿の?」


「あ奴の転生変化が、過去の魔王時代の姿だと気付いておるな?」


「ああ…それが何か問題あるのか?」


「今のあ奴には転生以前の魂が三割程度しかないのじゃよ」


「三割だと?どういう意味だ!?」


「少々あやつも訳ありでの~その三割の魂のカケラが転生変化を行えば、魂の混乱が生じても仕方あるまい。それに、昔のあ奴はとんでもない邪悪な魔王だったのじゃからな。邪悪な魂が今の奴を昔に引き戻そうとしているのかもしれぬな」


「そんな事は俺がさせん!」


「フォッフォッフォッ!正直、驚いておるのじゃよ。三割とはいえ、今のあ奴の魂は濁ってはおらぬ。恐らくは三蔵殿!オヌシのお陰であろう」


「俺は何も…」


「孫悟空の奴を頼みますぞ?」



その時の太白金星様のお顔は、まるで孫悟空兄貴に対して実の息子に向ける父親の様だったと、後から三蔵様が仰っておられました。いや、お爺さんだから、祖父でしょうか?


「聞きたい事はそれだけだ。時間を取らせてすまなかったな?」


「…………」


三蔵様が太白金星様に背中を向けようとしたその時、


「本当にそれだけですかな?」


三蔵様は立ち止まり、


「他には何も?」


「オヌシの事は良いのかのう?」


「俺の?」


「まったく…自分自身の事はお構いなしか?」


「何が言いたい?」


「オヌシ。耳が聞こえていないのであろう?それに嗅覚、味覚も既に失っておるようじゃが?」


「分かるのか?」


えっ?三蔵様がどうなってるですって?


「凄いのう…他の連中には気付かれておらぬのじゃろう?」


「ふっ…問題ない!聴覚は相手の口の動きを読めば良い。味覚や嗅覚は食べる時だけか?昔食べた記憶を思い出しながら楽しめば良い。あははは!他は空気の振動や気を感じていれば、意外と分かるもんだよ?何も不都合はない!」


「楽観的じゃのう…本当に驚かされる」


「そう思っていなければやっていけなかったからな。話はそれだけかな?」


「そんな無茶を続けておったら、オヌシ死ぬぞ?」


「…………」


「オヌシの明王合身と言うのかのう?そんな人間離れした能力はオヌシの肉体だけでなく、魂をも削り落としていくのじゃ。それを五体同時に取り込むなど以ての外じゃ!人間の域を越えすぎておる。過去にも使った事があるのじゃろう?」


「何でもお見通しか…さすがと言った所か?あぁ!確かに以前にな…だが、後悔はしていない!俺の魂一つでかけがえのないものを取り戻せたのだからな!」


「オヌシに孫悟空を任せて正解じゃったようじゃのう…しかし、もう一つだけ忠告させて貰えぬかのう?」



そんな、やり取りがあったとはつゆしらず、

孫悟空兄貴の身にも異変が起きていたのでした。



「うっ…うっ…あん!うっ…うっ!あん!」


気持ち悪く喘ぎもがく孫悟空兄貴。



「産まれそ~う!」


えっ?何が産まれるですって?


「あっ」


その直後、孫悟空兄貴が白目を向いて気を失ったのでした。



「おっ?」


孫悟空兄貴は自分自身の精神世界の中をさ迷っていたのです。

それは真っ暗な闇の中で、光る道が続いていたのです。


「う~ん?ここは何処だ?確か桃食って腹を壊した所まで記憶あるんだけどなぁ~?」


孫悟空兄貴はテクテクと光る道を歩いて行ったのです。



「三蔵~!ぶたぁ~!カッパァ~!」


何度呼んでも返事がない。


「うむむ…暇だ…こんな時は一人シリトリか?一人漫才か?一人…」


(一人は嫌…クスン…)


孫悟空兄貴は寂しくなり、トボトボと黙りながら歩き続けたのでした。


すると目の前に?


「何だこりゃ~?」


四つの巨大な扉が現れたのです!?


「こりゃ~どの道へ行くべきか?うむむ。枝か棒があれば楽なんだが…」



枝が倒れた方向に向かうのでしょうか?

安直ですね~


「さてと」


すると何を思い付いたのか、孫悟空兄貴は掌に妖気を溜め込み始めたのです。



「さぁ!出てきやがれぇ~!さっきからその扉の先のむこうから気持ち悪い気を感じているんだよ!出て来ないなら扉ぶち壊すぞぉ?」


沈黙の後、


「では、壊すとしよう…」


躊躇なく扉に向かい妖気弾を投げようとすると、孫悟空兄貴に向かって扉の向こうから声が聞こえて来たのです。


「ふふふ…我々の気を感じ取った事は褒めてやろう」


「いやいや~姿を見せてくれないのかな?照れ屋さんなのかな?早く出て来ないなら扉ぶち壊しちゃうよ?い~ち!にぃ~い!さ…」


「待て待て!まったく!せっかちな猿よ」



声の主が四つの扉の中から姿を現したのです。

それは四つの巨大な影だったのです?


「ようやくお出ましのようだな!俺様に何のようだ?」


孫悟空兄貴の問いに謎の声の主は答えたのです。



「お前に試練を与える!お前は今から目の前にある四つの扉のどれか一つを選び、我々の誰かと契約を結ぶのだ!」


「契約だと?」


すると別の声が、


「そう…我々は聖獣!我々は主を必要としている。お前は我々の誰かを選択し、相応しい者の試練を受けるのです!」


「試練を受けると何か手に入るのか?」


さらに別の声が?


「我々の力をお前にくれてやると言ってるのだ!有り難く思え!」



「ほぉ~つまり…力をくれるのだな?」


孫悟空兄貴は安直な考えで納得したのです。



「さぁ!扉を選べ!そして…そし?あ…?あー!!」



直後、聖獣の影達は唖然としたのだった。

聖獣達が言い終える前に孫悟空兄貴は己の身体を四体に分身させて、そのまま四つの扉全てに向かって飛び込んでしまったのですから。


「貰える物は全部戴く!それが俺様流だぜぇー!」



信じられない行動でした。

本来なら一つの試練を受けて手に入れる聖獣の門。

そこに迷う事無く四つの扉の中へと飛び込んだのだから。



「馬鹿な…我々四体と同時に契約しようと言うのか?」


「我々一体と契約するだけでも生きて戻れぬか解らぬと言うのに」


「間違いなく死ぬぞ…あの者!」


「私達は主になる選出者を見誤ったのだろうか?」




孫悟空兄貴の異変に我々が気付いたのは、その時でした。

私達は孫悟空兄貴のいる場所に集まっていたのです。




「孫悟空兄貴大丈夫ですかね?先程からピクリとも動きませんよ!」


「解らないらよ!こんな時はどうしたら良いら?」


「とにかく様子を見るしかあるまい…」



孫悟空兄貴は本当に苦しそうでした。

お腹を抱え、大量の汗をかいて、ずっとうなされていたのです。


「ぐはっ!」



孫悟空兄貴が突然目を見開き、胸の辺りが光り輝き出したのです。

そして私達の目の前で、




《ぶりぶりぶりぃ~! 》


それはそれは巨大なウンチを出したのでした。


あっ・・・

皆さんすみません!


「はぁ~!すっきりしたぁ~」



孫悟空兄貴は出す物を全部出すと、すっきりした顔付きで目を覚ましたのです。



「お前は、ただの便秘だったらか!?」


「心配して損してしまいましたよ~!」


私達はもう逆に怒るしかありませんでした。


「うぉ~!聖獣が糞になってしもうたじゃ~!」


太白金星様なんか顔を青褪めて泣いていました。



「猿!何か身体に変わった事とかないのか?」


「何か変な夢見たけど、スッキリとしたなぁ~」


「そうか?それはよかったな?」


「あれ?何か怒ってたりする?三蔵?」



三蔵様は目覚めたばかりの孫悟空兄貴の頭を殴り、気絶させてしまったのでした。


そして、



「時間の無駄だったか。お前達行くぞ!」


「おぅさ!」


私達は太白金星様とお別れをした後、桃源郷を後にし再び旅を続けるのでした。




旅立って行く私達の後ろ姿を見ながら、

太白金星様は雲の上から眺めていました。




「すべては蟹の味噌汁。ふぉ?神のみぞ知る…じゃな?フオッフオッフオッ!」



はて?それは何を意味しているのでしょうね?




次回予告


三蔵「考えてみれば俺も苦労しているのだな~


まあ、いずれ俺の過去の全てを語る事もあるだろうが、暫らくは秘密に


させて貰おう。そうだな~語るには長くなりそうだから・・・


全200話は欲しいかな?とか思ったりして?


良いよな?文句は言わせん!


俺が主役だから問題なしだ!あはははははははは」




孫悟空「いや!俺様が主役だ!」

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