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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
346/424

猿も木から落ちる?裏切り?蛟魔王の策!

三魔王と三大王のバトル!


勝つのはどっち?


俺様は美猴王!

俺様、牛角魔王、獅駝王は今、霊力三兄弟と交戦中なのだが…

今、かなりヤバい状態なんだよなぁ~


獅駝王は重力大王の術によって地面に潰され、俺様と牛角魔王は引力大王の術で背中合わせに貼付けられ、身動き出来ずに戦えない状態なのだ。



「いい加減離れろ!馬鹿者!」


「出来たら苦労しねぇよ!牛角魔王、お前が離れろよ?」



俺様と牛角は引力大王と反力大王の攻撃を躱しながら言い争っていた。

牛角魔王は俺様を背負いながら反力大王に剣を突き刺し攻撃するが、寸前の所で反力大王の術により弾き返されてしまう。



「突きが甘い!何だ?そのへっぴり腰は?」


「馬鹿猿!てめぇが邪魔臭いからだろ!」



と、お互いを背中越しに責め合い怒鳴りあっていた。

そんな俺様達に引力大王の魔の手が迫る。



「仲間割れですか?惨めですね?では私達兄弟の合体技をくらい二人まとめて仲良くお寝んねしなさい![死になさい]」


『吸引力シュアーー!』



直後、俺様と牛角は再び引力大王の術に引き寄せられたのだ。


「うぐぉおお!」

「何だ何だ??」



引き寄せられた先に反力大王が両掌を翳して待っていた。

その後、俺様達は全身に強い衝撃を受けたのだ。

強烈な勢いで引き付けられた後、それ以上の反発する力で弾き飛ばされたのだ。

俺様と牛角は吹っ飛ばされて、けたましい音を立てながら地面に転がり倒れたのである。


あああ…!!


頭がクラクラする…


脳が揺さ振られたからか?


目が回って自分が立っているのか、倒れているのかすら解らねぇ~



「所詮、魔王も私達兄弟にかかればこのザマだ!」


「我等兄弟は無敵なのだ!」



勝ち誇る反力大王と引力大王だったが、


「ば…馬鹿な?」


「今のをくらって立てるはずが!?」



俺様と牛角は背中を押し合いながら、ゆっくりと立ち上がったのである。



「立てるか?よぉ?兄弟!」


「当たりめぇだ!が、まだ頭がふらつくぜ…」



しかし、立ち上がったところで身体中ボロボロ状態。

まったくもって策がある訳でもなかった。


どうする?


すると牛角の奴が俺に耳打ちをする。

って、後ろ向きだけどな?



「ならば!今一度くらうが良い!」



引力大王が再び俺様達に向かって掌を翳すと、先程と同じく身体が引っ張られる。


「うぐぉおおお!」


「美猴王!今だぁーー!」


「任せろ!」



俺様は印を結ぶと俺様と牛角の姿が百体に分かれる。



「なぁ?分身だと?馬鹿が!そんなんで俺達兄弟の技が破れるかぁ!」



が、反力大王は困っていた。

反力大王は向かって来る俺様と牛角の分身を一体一体弾き飛ばしていた。

まさに百本ノック!



「うりゃ!うりゃ!うりゃ!うりゃ!うりゃ!うりゃ!うりゃ…ゼェゼェ…」



次第に疲れ果て、俺様達を吹っ飛ばす力が弱まっていく。


「今だ!」

「おぅ!」



俺様と牛角は引力大王に引っ張られた力に、更に自分達も変則二人三脚で加速して、そのまま飛び上がり反力大王と引力大王の顔面に蹴りをかましたのだ。



『やられたからやり返すぅーー!!』




反力大王は跳ね返す術の力が足らずに、引力大王は油断から俺様と牛角の蹴りを正面からくらったのだ。


「どやっ!?」


「フン!油断大敵だ!」



今度は逆に勝ち誇る俺様と牛角魔王に、地面にはいつくばる大王は



「お…お前が情けないからだぞ?私、悪くないからな?ばかやろー!」


「馬鹿言うな!お前の術より俺の術の方が使うエネルギーが大きいのだ!消耗が激しいんだよ!それよりお前が無駄に引き寄せるから悪いのだ!」


「何だと~!?」



と、喧嘩真っ最中の二人の前には…



「惨めだな?兄弟喧嘩か?お前達仲良くやれよ?」


「そんじゃあ~仲良くお寝んねさせてやろうぜ?」


「だな!」



俺様と牛角は拳を鳴らしながら二人を見下ろしていた。


「ひぇええ~」




あ、ちなみに引力大王の術は解けたみたいだ。


さて、獅駝王の奴は?



「ウググッ!」



獅駝王は重力大王の術にかけられて地面に押し潰されていた。



「そのまま潰れちまいな!」


「俺俺ッ!ウググッ!うぐぉおおお!」




獅駝王は力任せに立ち上がろうとする。



「無駄無駄!まだまだお前にかかる重さは増えていくのだ!さぁ!プチッと逝きなさい?プチッと!……て、おぃ!無駄だと言っているだ…ろ?」



『うぐぉおおお!』



獅駝王は膝をつき、拳を地面に突き当てて、少しずつ立ち上がって来たのだ。



「何か慣れて来たぞ?俺俺!」


「慣れたって?馬鹿な!お前には今、どれだけの負荷がかかっているか解っているのか??身動きはもちろん!立ち上がってくるなんて…」


『化け物かぁーー!?』




獅駝王は立ち上がると、ぴょんぴょんとジャンプして見せたのだ。

すると、重力大王の目の前から獅駝王の姿が消える。


「どっ?何処に消えた??」



その直後、寒気立ったかと思うと、真上から影が降りて来て自分においかぶさったのだ。


「へっ?」


有り得るはずも思うはずもなかった。

術で何十…いや!何百倍にも重さの負荷がかかり、身動き出来ないはずの獅駝王が空中に飛び上がっていたなんて…。が、おいかぶさって来た影は間違いなく獅駝王で、重力大王は…


『うぎゃあぁあぁあぁあ』



轟音とともに大地が凹み、自らの重力の術で圧死した重力大王が潰れ死んだのだ。



「あぅ~俺俺!物足りないぞっ!」



獅駝王も俺様達同様、重力大王を返り討ちにしたのだった。

そこに、俺様と牛角が近寄る。



「獅駝王!お前も勝ったようだな?」


「俺俺もちろんだぁ!最強、最強!」


「お前達!まだ終わってはいねぇぞ?気を抜くんじゃねぇ!」




俺様達の周りにはまだ眼力魔王の軍団が数万以上も残って囲んでいた。


ヘヘヘ…


ヤッバいなぁ~


目の前で俺様達三魔王が三大王を始末した事で、恐れを抱き警戒して直ぐには襲い掛かっては来ないものの、こりゃマジにキツイぜ!


なぜなら引力大王と反力大王の連携攻撃で、俺様と牛角魔王は想像以上のダメージをくらっていたのだ。


肋とか完全に折れてやがるなぁ…

それに、幾つかヒビが入ってやがる。


牛角魔王の奴も顔色こそ変えてはいないが、同じようなもんだろう。


それに獅駝王の奴は…


獅駝王は…



「よ~し!俺俺喧嘩盛り上がって来た~」



コイツ…


元気だな?


後は任せて良いかな?



が、獅駝王が一歩足を前に運ぶと膝を崩した。


「獅駝王?」


「あれ?あれ?」



牛角魔王は獅駝王を見て気付いていた。



「無理すんな…とは言えない状況だが、相当ダメージがたまっているようだな?」


「そうなのか?でも牛角兄貴はスゲーな!分身出す元気あるんだな?」


「俺は分身なんか出していないぞ?」



二人の会話から俺様は突っ込まざるにはいられなかった。



「獅駝王…お前!そりゃあ視界がボヤケてんだよ!」


「俺俺!ボケてないぞ?て、美猴王兄貴も沢山いるぞ??」


「ダメだこりゃ…」



だが、敵兵達はざわめき始めていた。



「勝てるはずねぇ!」


「やはり魔王だ…化け物だぁ…」



この軍勢を指揮っていた大王達が敗れ、戦意を喪失していたのだ。


一人一人後退っていく。


たった三人を相手に数万の軍勢が怖じけづき逃げようとしているのだ。

その状況に牛角魔王は微かに勝機を見出す。



「これが本当の蛟魔王の策だったのか?」


「へっ?」


「勝ち目のない軍勢を相手に三人だけで戦わせた理由だ!」


「そうかぁ!全ては俺様達の圧倒的な力を目の前にして、相手の戦意喪失を狙っての事だったのか!」



が、その思惑は上手くはいかなかった。


敵兵達は考えたのだ。


どうせ逃げて引き返しても助からない。

逃亡者は悲惨な罰が待っている。


ならば駄目元でも目の前の奴達を始末しなければ…


大丈夫!数万の軍勢で叩き込めば、いくら三魔王だって勝機があるはずだと!



「良く見たらボロボロじゃねぇか?」


「一度にかかれば勝てるぞぉ!」



再び戦意を取り戻した敵兵達は、俺様達に向かって一斉になって襲い掛かって来たのだ。

砂埃が舞い上がり、足踏みして迫る軍勢。



「甘かったか…蛟魔王の奴の策も外れたようだぜ?お前達いくぞ!気合い入れてけぇ!」


「俺様も木から落ちるって奴だな?しょうがねぇ!とことんやってやるぜぇ!」


「俺俺最強バトルだぁ~」




そんなヤバヤバな状況下になって、城に待機させていた仲間達が武器を手に取る。



「俺っち達も加勢に加わるぞ~!」


「おぅ!水簾洞闘賊団全員突撃せよ!魔王様達を守るんだぁー!」


『うおおおおおおお!』



仲間達が参戦し戦場は勝ち目のない混戦へと突入しようとしていた。


だが、蛟魔王は戦況を離れた陣地にて水晶を眺めながら見ていたのだ。

そして本当の蛟魔王の策はこれから動こうとしていたのだ。



(ふふふ…馬鹿な男達…)



「あたいの策は今これから始まろうとしているのにさ!」



その直後!


大地が揺れ、逆方向からも騒がしい音が響き渡る!


「何だ!?」


「嘘だ…終わりだ…!俺達終わりだ…」


「マジかよ…」




終わった?


俺様達の前方には五万以上残る眼力魔王の敵兵だけでなく、俺様達水簾洞闘賊団を囲むように後方から数万の軍団が押し寄せて来ていたのだ。


退路はもうない。


一体何が起きたのか?


絶対的危機に追い打ちをかけるような更なる大ピンチに、俺様達はマジに戦意を喪失しかけた。



蛟魔王?


そもそも後先考えず先に俺様達魔王を戦わせた理由は何だったのだ?


持久戦でも、今までみたいにジワジワと敵兵を減らしながら戦っていた方が良かったのでは?


俺様達は既に体力ゼロに満身創痍だ…


どうする?仲間を盾にして逃げるか?


それとも戦い死ぬか?


どちらにせよ、俺様達の被害が尋常じゃないのは間違いないだろう。


くそぉ!


何故、こうなった?


俺様達は全方向を囲まれていく中…


頭に過ぎったのは…



(裏切りの蛟魔王…)



まさか、蛟魔王の策とは俺様達を全滅させるための策だったのか?


…………!!



『全てはアタイの掌で回るのさ!』



次回予告


蛟魔王の策とは?


美猴王達は生き残る事が出来るのか?

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