表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
345/424

猿のやせ我慢?対決三魔王と三大王??

美猴王、牛角魔王、獅駝王は敵軍七万を相手に挑もうとしていた。


って、無理じゃね?


俺様は美猴王!

俺様と牛角魔王に獅駝王は仲間の連中を残して、

たった三人だけで敵軍五万を相手にしようとしていた。



「さ~て!腕がなるぜぇ~そう思わないか?牛角」


「ふふふ。久しぶりに暴れてやろうか!」


「俺俺!我慢しなくて良いんだよな?なっ?」



敵軍の兵は俺様達を警戒していた。

たかが三人と言えど、俺様達は魔王の称号を持つ者達なのだから。


だが、ここは戦場…


いつまでも敵軍も大人しくしていてはくれない。

雄叫びをあげ、武器を振り回し、数にものを言わせて俺様達に向かって襲い掛かって来たのだ。

俺様は如意棒を振り回しながら敵兵の攻撃を受け流し、


「伸びろぉー!如意棒!!」



俺様の如意棒が凄まじい勢いで伸びて行き、目の前の奴達を貫いていく。更にそのまま力任せに振り回して後方から迫る奴達も薙ぎ倒した。


牛角魔王も二本の刀を構えて迫る敵兵を斬り伏せていく。

ばったばったと倒れていく力自慢の敵兵達。


「早死にしたい奴からかかって来い!」



更に獅駝王が戦場を駆け巡り、素早い動きで敵兵を鋭い爪で切り裂く。



「強い奴はおらんかぁー!?俺俺が相手ダァーッ!」



まさに戦場は俺様達の独壇場であった。僅か三人で数万の敵兵を相手に怯まず臆せずに薙ぎ倒す姿は仲間達に勇気を与え、敵軍に恐怖を受け付けていく。

次第に数万の敵がジリジリと後退していた。


既に戦闘が始まってからどれくらい経っただろうか?


汗一つかかずに余裕を見せる俺様達の闘神の如き強さは一体?


それは…




やせ我慢です。


いや、本当!


正直、無理してます!



この戦場に出向く前に蛟魔王の奴が言った。



「あんた達!悪いけど敵軍全部相手してらっしゃいな?」


ハッ?


「いやいやいや!訳解らん!」


「俺俺!構わんぞ!喧嘩!喧嘩!」


「獅駝王!お前は黙っとれ~!」



俺様と獅駝王が騒いでいると牛角魔王が冷静に問う。



「蛟魔王!説明はしてもらうぞ?」


「ふっ…」


蛟魔王は言った。

俺様達と敵軍との戦力差は火を見るより明らかであると。

そこで、蛟魔王は一つの策を俺様達に授けたのだ。


詳しい事は教えてくれなかったが、この無謀な策は蛟魔王が言うにはこの戦場がひっくり返ると言うのだ。


その策のために俺様達は無鉄砲な特効を引き受けたのである。


そのための時間稼ぎなのだが…


蛟魔王は言った。

とにかくド派手に全快にやれと?

後の事は考えないで良いから、体力温存なんかしないで最初から飛ばして暴れて来いと!



蛟魔王は言っ…


言うのは簡単なんだけどなぁ~!


正直、しんどいぜぇ!



が、俺様達の圧倒的な力を見せられた敵兵達は次第に後退し、攻撃の手が少なくなっていく。


相手も馬鹿じゃない…


俺様達にやられると解っていて、誰が好き好んで我先に死にに来るかって事だ。


つまり臆病風にふかれたのだ。

流石の軍勢もこうなったらオシマイだ!って、これが蛟魔王の策なのか?



「さぁ!次はどいつだぁ!かかって来やがれぇ!」



はい。やけっぱちです。


すると、怯む敵兵の間を割って、俺様達に向かって来る者達がいた。



「情けない我が軍は~」


「まぁ魔王が相手なら無理もないだろうて?」


「が、俺達三兄弟にかかれば問題ないだろうよ!」



何だ?何だ?

あいつ達はぁ??


すると後方から独角鬼王の奴が俺様に向かって叫んでいた。


「美猴王様!気をつけてくだせぇ!そいつ達は霊力三兄弟ですぜ!」



霊力三兄弟だと?


霊力三兄弟とは長男『重力大王』、次男『引力大王』、三男『反力大王』の三大王の事である。

ん?大王?魔王じゃないのか?



「こちとら三魔王相手にナメた野郎共だ!」


「おぃ!美猴王!奴達を侮るなよ?」


「ハッ?あいつ達強いのか?牛角?」



すると獅駝王が我先にと奴達に向かって襲い掛かる!



「あの馬鹿ぁ!チッ!仕方ねぇ~援護するぞ!美猴王」


「えっ?あぁ…了解だぜぇ!」



俺様達も獅駝王に続いて牛角魔王と共に向かって行く。

しかし雑魚相手なら獅駝王だけで十分じゃないか?

が、俺様はその考えが甘かったと気付かされた。



「馬鹿な奴達ですね?私達を侮るなんて!」



獅駝王の剛腕が唸りをあげて引力魔王に迫る。

眼前にまで迫る拳に臆する事なく引力大王は余裕を見せていた。

馬鹿な奴だ!獅駝王の拳は山一つ粉砕するんだぞ!


が、獅駝王の拳は引力大王の間に割って入った反力大王によって受け止められたのだ。


「ぐぅぬうう!」



嘘だろ?

獅駝王の拳を止めやがった!?

しかも片手でだと?

見た所、反力大王は細腕野郎だぞ?

何処にそんな力があるってんだ?


反力大王はクンフーの構えを取りながら、


『反発力ヒュオオ!』


「うぎゃい~ん!」


反力大王の掌から光が放た途端、獅駝王は弾き飛ばされたのだ。

吹っ飛ぶ獅駝王を横目に俺様達は、



「大丈夫かぁ!獅駝王ー!?」


「言わんこっちゃねぇーー!」



そこに反力大王が迫る。


「お仲間の心配している余裕あるんですか?『反発力ヒュオオ!』」



再び反力大王の掌から放たれた光が、


『うぐぅわああああ』



今度は俺様と牛角魔王を弾き飛ばしたのだ。

ゆっくりと構えながら揃い踏みする霊力三兄弟は完全に俺様達を見下していた。



「反乱分子の最強の三魔王様が、たった一人相手にこんなザマなんて~笑い種だな?」



俺様達は頭を擦りながら立ち上がり、奴達を睨む。


コンニャロ~!!


なめくさりやがって~!


が、コイツ達ただ者じゃねぇぞ??


大王?大王…あっ!


そういえば前に独角鬼王が言ってたぞ。


地上界の妖怪達の頂上には知っての通り七十二魔王が君臨するのだが、その他に『大王』の称号を持つ連中がいるのだそうだ。

大王は現在三百人いると聞いたが、こいつ達は魔王予備軍とも言える連中で、その力量は魔王に匹敵し、中には並の現魔王より力量があるって話だ。忠義のために付き従う者や、魔王のように地上を支配し君臨する事よりも自由に戦場に出向き好き放題暴れるのを好んだり、魔王のように土地に縛られるのを嫌い大王である事を望む者もいるとか。


フザケロ!


とにかく魔王としてナメられてたまるかぁ!



「行くぜぇ!牛角!」


「て、お前…何をしているのだ?」


「へっ?」


気付くと俺様は牛角魔王と背中合わせにへばり付いていたのだ。



「何だぁ!?どうなって…グッ!離れないぞ??」


「馬鹿やってなぃ…でって!何と?マジに離れん!おぃ!奴達が来たぞ!」



俺様達はお互いで引き離そうとするが、背中合わせなのでどうする事も出来ないのだ。

そんな滑稽の俺様達を見て引力大王がニヤニヤして答えた。



「ふふふ。無理無理!お前達二人は私の引力の術で引っ付けてやったからな!」


「何だと!?お前!卑怯だぞ!」


「卑怯も何も勝てば良いのだ!」



俺様と牛角魔王は引力大王と反力大王に挟まれていた。

牛角魔王はやむなく獅駝王を探すが、



「獅駝王?お前どうしたんだ!?」



そこには獅駝王が地面に張り付いた状態で潰れていたのだ。


「俺俺…ウググ…動けん…動け…ん」



獅駝王の傍にはもう一人の大王が何やら術を発動させていた。



「動けんよ!お前はこの私、重力大王様の重力の術でカエルのように潰してやろう!」




マジか?マジか?マジか?


信じられないようだが…


俺様達マジに大ピ~ンチじゃんかぁ~!!


次回予告


まさかの強敵三大王に苦戦する美猴王達、


どうやって逆転するのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ