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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
342/424

バトルしようぜ?猿と黒牛・竜女・獅子?

美猴王が相手にしようとしているのは最強クラスの魔王達、


はてさて?どうなるやら?



俺、独角鬼王ッス!


無茶!無茶!無茶っすよ!

いくら美猴王様がお強いと言っても、あの最強最悪の魔王三人相手にするなんて絶対に無茶苦茶だぁ~!牛角魔王、蛟魔王、獅駝王どれを取ってもくせ者ばかりなんすよ~


あっ!


すると美猴王様が大地に腕を突き刺すと煙が噴き出し辺りを覆い出したのです。


『猿仙術・煙出火!』

※エンシュツカ


更に百体に分身した美猴王様が三方向に分かれ仕掛けに行く。


「あら?目くらましに分身?」



美猴王様の分身の一体が蛟魔王に向かって突進する。その手刀は石化し炎で燃え盛り、凄まじい破壊力を持った美猴王様の一撃必殺の大技なんす。


『猿闘仙技・火流手!』

※カルタ


その手刀が蛟魔王に突き出される。


「面白い技ね?だけど、そんな技で私の蛟の盾を破れるからしら?」


蛟の盾!?


「そんな盾なんか俺様の火流手で砕いてやるぜぇ~!」



美猴王様の炎の手刀が蛟魔王の蛟の盾に直撃した。

凄まじい衝動音の後、砕けたのは…


「うぎゃあああ!」



美猴王様の手刀の方だったんす。

砕け散った腕に、分身の兄貴は痛みで叫びながら消える。


蛟の盾?


確か蛟の盾とは最強硬度の防御力を持った竜神族の誇る無敵の盾と聞く。

いくら美猴王様でさえ砕くなんて不可能ですよ!


が、美猴王様は更にやる気を見せていた。


今度は二体の分身が手刀に炎を纏わせて蛟魔王に向かって襲い掛かったのです。



「馬鹿ね?お前は学習しないのか?ふん!二体も三体も同じさ!あたいの盾は何者でさえ砕く事はもちろん、傷を付ける事も不可能なんだよ!」


その直後、衝突と同時に…



「(…えっ?えぇえ!?)うぅわあああ!」



蛟魔王は美猴王様の二段火流手の凄まじい攻撃の威力で弾き飛ばされたんす。



「ば…馬鹿な!?威力が二倍どころじゃないよ?桁違いじゃないのさ!こんなの有り得ない!」


驚きを隠せない蛟魔王。


更に別の場所では美猴王様の分身と牛角魔王が戦っていたんす。



「ナメるなよ猿がぁ!」



牛角魔王が剣を構えて闘気を高める。



『乱鬼流奥義・一角尖禁!』

※イッカクセンキン



牛角魔王は突進し手にした剣を振り回しながら美猴王様の分身を一刀両断にしていく。


「へん!そんな力任せの一撃なんか!」


『猿闘仙技・猴硬!』

※エンコウ


美猴王様の身体が石化していき硬直していく。

そこに牛角魔王の剣が迫る。


「そんなもん砕くまでだ!」



その言葉通り牛角魔王は石化した美猴王様の身体を粉砕した。

すると別の分身が牛角魔王に向かって、今度は俺様が受けてやるぜ?と、指を自分に向けて『かも~ん』と誘っている。



「馬鹿め!調子に乗るなよ?己の力不足を死んだ後に悔やむが良い!」



美猴王様を一刀両断にしようと上段から振り下ろされた刀が、


「馬鹿な!?」



美猴王様に直撃と同時に弾き返したのです。



「何て硬さだ!想像以上だぞ?だが、俺をナメるな!」



牛角魔王は両手に刀を抜き構えると二刀流となる。


『乱鬼流奥義・二刀片散角刑!』

※ニトウヘンサンカクケイ




二刀から繰り出される斬激が再び美猴王様に振り下されたのです。


って、あれ?


美猴王様の攻撃を受ける蛟魔王!!

牛角魔王の攻撃を受ける美猴王様……ん?


のはずが、俺の目の前では牛角魔王の斬激を受けているのは蛟魔王であって、蛟魔王が戦っていたのが牛角魔王であって???


それは幻覚!?


違う!そもそも最初から幻覚だったんす!


つまり美猴王様は始めに幻術を施していたのです。

それは最初の術の煙幕が幻術の始まりだったのです。

そこに分身を繰り出して休む暇なく攻撃を仕掛ける事で、二人に冷静な判断を鈍らせていたんすよ!つまり…牛角魔王には蛟魔王が美猴王様に見えていて、蛟魔王には牛角魔王が美猴王様に見えていて、お互いが戦いあっていたんです。


もしかして共倒れを狙っている?


何てセコいんだ…


でも、成功だから結果オーライって奴ですか?


アハハ…美猴王様らしい作戦ですね。


ですが、肝心の美猴王様は焦っていたのでした。



「うぐぉおお!」



俺が見上げると、美猴王様の分身体が一体一体と鋭い爪で切り裂かれて消されていく。


一体何が?


それはもう一人の魔王である獅駝王でした。

獅駝王は群がる美猴王様の分身体を力任せに引き裂きながら消し去り、本体である美猴王様に少しずつ迫って来ていたんす。


それは野生の勘?


獅駝王は別に本体を探していた訳でもなく、分身体の中から少しでも強い個体を無意識に探し求めて本体へと導かれていた。



(なぁ?何なんだ?こいつの出鱈目さは!いや、それだけじゃねぇ…こいつ目茶苦茶ツェ~ぞ!?)


「あっ!!」


『うがぁああお!』


油断と同時に本体である美猴王様に獅駝王の爪が襲い掛かり、


「こんにゃろ~!」



美猴王様は獅駝王様の爪を躱しながら、獅駝王の顎目掛けて蹴り上げたのです。



「手応え有り!どうだ?参った…かって…アレ?」



しかし獅駝王は顔面に蹴りを受けながらも、その美猴王様の足を掴み上げ…



「いてぇ~お?でも、俺俺大丈夫大丈夫!」


「何てタフな奴だ!でも、これならどうだ?」



吊された状態の美猴王様が妖気を籠めた拳を握り、


『猿闘仙技・拳拳波!』

※ケンケンパ


獅駝王の身体目掛けて連打を繰り出す。


「うららららら!」

「うごごごごぉ!」



だが、獅駝王はその攻撃を諸ともせずに美猴王様を振り回し、

地面目掛けて投げ付けたのです。


しかも、その先には今、まさに牛角魔王と蛟魔王が激突する寸前間際の目の前へと!!!


「へっ?」


「あっ!」


蛟魔王と牛角魔王の視界に突然飛び込む本体の美猴王様に一瞬動きが止まった。


「あ、ども!」


そこで二人も幻術に気付いた。

三人は衝突しながら顔を上げると、そこに美猴王様を追ってきた獅駝王まで衝突して来たのだ。

けたましい音と砂煙りの中、起き上がった魔王達は殴り合っていた。


誰とも構わずに見境なく…


牛角魔王が!蛟魔王が!獅駝王が!そして美猴王様が殴り合っていた。


俺には四人が楽しんでいるように思えた。


それは拳で語り合っているようにも見えました。


どのくらい経ったのか?


最後は牛角魔王が美猴王様を、美猴王様が蛟魔王を、蛟魔王が獅駝王を、獅駝王が牛角魔王を有りったけの力を籠めた拳で同時に殴り合って…


そのまま、ぶっ倒れたのでした。


四人は倒れた状態で…



『楽しかった…』と、呟いたのでした。



魔王達は大の字になった状態でぶっ倒れていた。


すると魔王の一人である牛角魔王が沈黙を破る。



「おぃ?お前!結局お前は俺達を呼び出して何をしたかったのだ?ただ喧嘩がしたかった訳であるまい?」


「…………」


蛟魔王と獅駝王は黙って聞いていた。

その問いに美猴王様はおっしゃったのだ。



『世界を手に入れるためだ!』



「はっ?何それ?そんな夢物語出来る訳ないじゃな…」



蛟魔王の言葉を遮るように美猴王様は話を続ける。



「そんでもって、この地上を天界の支配下から解き放つ!この息苦しい世界は俺様達の手で自由を掴み取るのだ!」


「マジに言っているのか?それがどういう事か解っているのかい?」


「お前はこの地上の魔王達全てを敵に回すだけでなく、天界をも敵に回そうと言うのか?」


「当然!出来るさ!お前達とならな?」


『!!』



その言葉は三魔王達に衝撃を与えた。


今日、初めて会ったばかりだと言うのに…


胸を打ち、本能的に魅了されたんす。



「俺様はお前達を出来る奴達だと信じているし、確信した!お前達が俺様に力を貸してくれるなら、やれない事なんかないぞ?絶対にな!」



「何、それ?根拠もないし、何処から来る自信なんだい?」


「だが、悪い気もしねぇな?」


「だろ?それに根拠はある!それは俺様が身を持って味わったからよ~」



美猴王様は頭に出来たタンコブをさすっていた。



「俺俺!全く意味解らないけど、強い奴達と戦えるのだろ?なぁ?なぁ?」


「あぁ!多分、想像出来ねぇくらい強い奴達と戦えるぜ?ワクワクするし面白そうだろ?」


「マジか?そんなに強いのか?なぁ?」


「当たり前だろ?なにせ俺様達がこれから戦うのは世界なんだからよ!」



獅駝王は強い相手と戦える事に目を輝かせていた。



「それで、俺にお前の子分なれと言うのか?」


「そうじゃねぇ!お前達は…そうだな?仲間…いや?違う…そうだ!お前達は俺様の…」



牛角魔王は、美猴王様の次の言葉に言葉を詰まらせる。



「義兄弟だぁ!」


「義…義兄弟だと?」


「何だい?恥ずかしい事を!でも良い暇潰しにはなるかもね?」


「俺俺!強い奴達と戦えるなら全然良いぞ!俺俺!最強だからな!」



既に異論する者はいなかった。



「ふふふ…世界と喧嘩か?考えてもみなかった。武者震いしてきやがった…」


「へへへ!面白くなりそうだな?いや!面白くなるかは俺様達次第だ!」


「アハハ!お前、馬鹿だけど嫌いじゃないわ!そういう馬鹿は良い男になるもんだよ!」


「そんじゃあ!話が纏まった所で、お前達宜しく頼むぜ?義兄弟!」



美猴王様の目的に一歩近付いたのでした。

けれど、喜ぶ美猴王様の周りに三魔王が囲むと、


『そ~の前に…』


「へっ?」


『もう一発殴らせろぉ~!!』


「へっ?エッ?おわぁあああああ!」




俺、独角鬼王…


俺、解りました。


類は友を呼ぶとは良く言ったもので、


俺のような下っ端には解らないが、この魔王達は皆…


馬鹿なのです。



いや、違う?


俺と同じだ。


待っていたのだ。


美猴王様みたいな存在が現れるのを…


この世界の柵[しがらみ]から抜け出す存在の登場を!



めでたしめでたし…


じゃなくて~!!


この四人の魔王達が同盟を組み、天に背く反乱分子にならんたる事は即時に地上界全土に知れ渡り、その噂は天界にまで届いたんす!


そして天界により、地上界の全て魔王達に指令が送られる事になる。




《地上界全ての魔王達に命じる!裏切りの四人の魔王達を直ちに討伐せよ!》



と……

次回予告


ついに美猴王率いる妖怪軍団が地上界の魔王達に喧嘩を売った!


残る魔王は六十一!!

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