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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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猿の選定!?

美猴王の目の前には、最恐最悪の魔王が四人も?


どうなるどうなる?


俺、独角鬼王ッス!


今、俺達が見守る中、美猴王様と最強最悪の四魔王が対峙しているんす!


一触即発の現場を前に、ただ俺は震え上がり見ているしかなかった。


が…頑張って~美猴王様~!



美猴王様は目の前の四魔王を物色している。

上から下へ下から上へと舐め回すように。



「なるへそ~!やっぱし噂と直で見てみるとじゃ違うもんだなぁ~」



そんな空気を読まない美猴王様を他の四魔王達も目の前の異端分子の様子を覗っていた。

鵬獄魔王は格下に見える美猴王様をコケ脅す。


「どうやら今頃怖じけづいたようだな?だが、もう遅いぞ!」


そして蛟魔王も挑発していた。


「私達を呼び寄せて何をしたいのか知らないけど、一発殴らせなさい?即死は免れないけどさ?」



獅駝王と牛角魔王も直ぐにでも襲い掛かる姿勢だった。



「早くバトルしようぜ?俺俺一番な!?」


「これだけの奴達を相手にどうするつもりだ?お前は?逃げ場はないぞ!」




すると美猴王様は恐れる事無く言いのけたのです。



「お前達が俺様に相応しいか見定めてやるぜ!だがな…」


(だがな?)


「どうやら…一匹いらない奴がいたようだぜ」




直後、美猴王様が魔王達の前から消えて突然襲い掛かったのです!


その相手とは?


「きぃさまぁ!」



美猴王様は鵬獄魔王に向かって突進する。

突然の不意打ちにも鵬獄魔王は美猴王様の顔面目掛けて手刀を突き返す。

突き出された手刀が美猴王様を貫いたかに見えたが、それは残像で美猴王様の本体は下から突き上げるように鵬獄魔王の顎を蹴り上げたのです。


「うぐぅぉお!」


上空に蹴り飛ばされた鵬獄魔王は体勢を整えながら、蹴られた顎を摩り…


『許さん!許さんぞ!許さんぞぉー!』



完全にキレて吠える。

背の翼が真っ赤に燃え、上空を紅色に染めていく。

更に怒りの覇気が空気を震撼させた。

だが、その覇気を貫きながら突っ込む人影が鵬獄魔王の正面に現れたかと思うと?


「お前、本当に不死なのか試してやるよ?」



その主は正しく美猴王様!

直後、鵬獄魔王の背筋に寒気が走った。


「えっ?あ………ぁ」



現れた美猴王様の手刀が鵬獄魔王の首に振り払われ、その頭部と胴体を二つに分けた。

大地に落ちる鵬獄魔王の胴体と頭。


まさに一瞬の出来事。


美猴王様は再び地面に着地すると、



「どうやら使えない奴が一匹混ざっていたようだな?本当に不死身なら考えようもあったのだけど…弱い奴はいらないや~」



その残虐ぶりに、その場に居合わせた妖怪達は静まり返る。

他の残った魔王達は沈黙していた。



(瞬時に力量を計ったか?)


(あら?少しはやるようね?)


「あーー!俺俺が一番にやると言ったのにぃー!」



そして美猴王様は余裕を噛まして、



「さてと?次は…」


『!?』



瞬間、今度は美猴王様が背筋に寒気を感じる。

自分の足元を擦るような死角低空からの素早い刃の攻撃。

それは美猴王様の喉元を斬り裂くように振り払われた。


まるで先程起きた惨劇を繰り返すかのような攻撃?

だが、美猴王様はその攻撃を紙一重に躱して、その襲って来た相手の左手首を掴み、力任せに地面に叩き伏せたのだ。


「ぐっはぁ!」



直ぐさま美猴王様はその者の頭を踏み付け、動けないように抑えこむ。

美猴王様は首元から僅かに流れた血を手で拭き取ると、その相手を見下ろす。



「お前少し強いな?面白い見っけもんだ!しかしまだまだ物足りないぞ?弱くて俺様には相応しくない!」


「!!」


「だから強くなれ!お前はまだまだ強くなりそうだからな?強くなったら俺様が使ってやるからまた来い!もし再び俺様の命を狙うようなら、今度は容赦なくぶっ殺してやる!どちらにしろ強くなって出直して来い!」



美猴王様の足元に踏み潰されていたのは、まだ若い妖怪だった。

涙目で美猴王様を睨みつけている若者の名前は麗鵬。

鵬獄魔王の息子である。


目の前で父親を殺された敵討ち?


いや… 違う?


この麗鵬は親の敵討ちなんか考えてもいなかった。



(この方素敵だぁ…強くて残虐で…それでいて美しい………あ、目にゴミが入って涙が…)



ただ、父親を殺した美猴王様に対して、己の力量を試してみたかっただけなのだ。



「僕の名は麗鵬!またあんたの前に現れるからね」



そして麗鵬は美猴王様の足元から抜け出すと、炎に包まれその場から消えるように逃げていったんす。あ~また厄介事が増えたのですな~



「さてと…本題といきましょうか?」



目の前には牛角魔王、蛟魔王、獅駝魔王が次は自分が相手だと戦闘準備に入っていた。

この場にいる残された魔王達の思考は、完全に他の魔王達と違っていた。


少し問題のある性格と言うのだろうか?


他の魔王ならこの状況で一番に考える事がある。

魔王同士の抗争は天界より禁じられて許されていないと言う原則を。

はずなのに、やる気満々なのであった。


そもそもいくら美猴王様が強いと言っても、あの鵬獄魔王がいとも簡単にやられるはずがない。その原因は一つ!


躊躇したから…


魔王同士が戦えば、天界から目を付けられる。

それを怖れた一瞬の油断、躊躇、迷いで鵬獄魔王は力を出し切れずに破れ去り死んだのだ。そもそも、この地に来たのも魔王として新米である美猴王様に対して謝罪させ、脅しと威嚇の牽制だけのつもりだったに違いない。


が、他の魔王達は違った!


そんなの関係ない?


売られた喧嘩に天界なんか関係ない!


ただ、売られた喧嘩は買うだけだ!と…


美猴王様もそれに気付いていたからこそ、鵬獄魔王のみをいらない者と見定めたのだ。

天界に媚びないこの残った魔王に対しては興味津々であった。


(こいつ達となら面白くなりそうだ!)




「お前は俺を怒らせた!始末してやるからかかって来い!」


「牛角?その坊やの相手はアタイだよ?邪魔はしないでおくれ!」


「待て待て!俺俺が一番だ!俺俺が一番にガチンコ喧嘩だぁ!」


「お前達、この俺の邪魔立てするか!」



またまた魔王同士で険悪状態に入り込む。

お互い譲り合う事なく美猴王様に喧嘩を買おうと意気込む三魔王達に対して、



「はっ?何を言っているんだお前達?せっかく遠路はるばるお出でなさったんだからな?俺様が直々に歓迎をこめておもてなしをしてやるぜ?てな訳で…」



美猴王様は言い放ったのです。


『俺様がお前達全員まとめて相手してやるからかかって来いや!ほらぁ~!』



《ブチィ!》



最強最悪の魔王を三人相手に一人で?美猴王様の恐れを知らぬ一言に、流石の三魔王達もコケにされ甘く見られたとブチ切れた。


て、び…美猴王さぁま~


何て、無鉄砲なんだ!あの方はぁゎわわ??


牛角魔王が!蛟魔王が!獅駝魔王が!



『ナメるなぁー小僧!』


『いっぺん死になぁ!』


『ガゥ!ガゥ!ガァー!』



我先と美猴王様に向かって同時に襲い掛かったのだ。

なのに美猴王様はそんな状況でも不敵に笑みを見せて余裕をかましていたんす。


何処にそんな余裕が??


すると美猴王様が何やら念を籠めて仙術の印を結んでいたんす。


『猿仙術・煙出火!』

※エンシュツカ



突如、美猴王様の身体から煙りが噴き出し辺り一帯を覆い隠していく。



「目眩ましで逃げるつもりかぁ!?」




突っ込んで来た牛角魔王の突進を上空に躱した美猴王様が、既に次の術を発動させていたんす。


「逃げも隠れもしねぇぜ!」



自らの体毛を百本抜き取り念を籠めて散らばすと、それは美猴王様の姿へと変わっていく。


『猿仙術・毛根分身!』

※モウコンブンシン



「チッ!ただの分身と違うようね?分身一体一体に自分の身体の一部[毛]を混ぜる事で、分身が本体と同じオーラを発しているよ!気を探っても見分けが付かないわね」


「関係ないぞ!俺俺は全部やっつけるぞぉー!」



分身の数は百体。

美猴王様の分身が戦場に分散する中、本体である美猴王様は次の大技の用意をしていた。

己の手を石のように硬直化させた後、その手刀を素早く振動させる。

次第に摩擦で手刀に熱が帯びて上昇すると、一気に炎が燃え盛ったんす。


『猿仙闘技・火流手!』

※カルタ!



「アッツイお出迎えの準備が出来たぜ!本当の歓迎はこれからだ!どんどん行くぜぇー!」




無謀なる美猴王様と、最凶最悪の三魔王の戦いの火蓋が切って落とされたのでした。


次回予告


美猴王は牛角魔王、蛟魔王、獅駝王を相手に単身どう戦うのか?


いざ!バトルだ!!

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