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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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世界征服宣言?猿は七転び八起きなのだ!

早速、魔王になった美猴王。


だが、本当の野望はこれからだった。


俺様は美猴…


あいや、違った!


それもこれも俺様は念願の夢だった魔王になり、美猴王へと名を改めたのだ…った…


だったのだが…


呆気ないくらい簡単だったので、正直面食らってしまっているのだ。


夢を叶え終えた先には、ただの虚無感しかない。

とは言え、このまま無駄な日々を過ごしていても良いのだろうか?


いや、良くはない!


猿なら猿らしくしないとな?


よし!


新しい夢を持つかぁ~


さて、新しい夢と言ってもどうしたもんだか?

そう言えば、昔俺様のいた山の近くに住んでた猿爺が言ってたなぁ…


『子猿よ大志を抱け』と!



素晴らしい言葉だ。

つまり夢は大きく、届くか届かないか?

びみょ~辺りのもんを選んで、突き進めって事だったかな?

と、俺様が瞑想していると俺様を呼ぶ声がした。



「美猴王様!美猴王様ぁー!」



そこには独角鬼王の奴が俺様に報告をしに来たのだ。

俺様が魔王になってから度々名を上げるために喧嘩を売って来る妖怪共が毎日のようにわんさかとやって来ているので、面倒だから独角鬼王の奴に任せきりにしていたのだ。

並の妖怪は独角鬼王の相手にもならなかった。

やはり魔王と呼ばれていただけあって、役には立っていたのである。



「美猴王様~!毎日毎日食っては寝ての毎日で、雑務は全て私に任せきり!いい加減魔王としての品格をお持ちくださいよ~私はもう悲しくて悲しくて…」



って、お前は俺様の執事かよ!


だが、今日の俺様は…


「よし!では俺様もそろそろ動き出すか?」


「正直、いつまでもグウタラしてたら、せっかくの魔王の称号にカビが生えてしまいます…よ?って、えっ???」


「だぁかぁら!俺様もそろそろ魔王として動き出そうと言っているんだよ!」


「マジ?ですか?」


「は~い!マジの超マジ!猿嘘つかな~い!マジです!マジです!大きくマジってます!」




独角鬼王の奴は俺様の言葉に涙を流しながら感激していた…のだが、次の俺様の言葉に目を点にして固まってしまった。



『とりあえず世界征服でもしようかと…』


「そうですね?手初めに世界せい…征服?」


「うむ。征服!」


「……………」


「ニコッ」


独角鬼王は口を開いたまま硬直した。



「て、あんたぁー!何を言っているか解ってらっしゃるんですかい??」



あ、硬直から解けた


面白い奴だ…



「あぁ!俺様は魔王として全ての魔王達を統一し、てっぺんとったると言っているんだよ!」


「あわわわわ!ちょっと!ちょっと!昨日私が説明した話をもう忘れてしまったんですかい」



と、言うのは…


俺様が魔王になったのは良いが、魔王として今後何をしたら良いか解らなかったので、前魔王である独角鬼王に魔王の心得みたいのを聞いたのだ。


で、話とは…


魔王には決められた職務があると言うのである。



一つ!魔王は天[神]に逆らわなければ、地上界にて好き勝手出来る。


そのために地上界にて天に敵対をなそうとする輩がいれば、魔王が直々に討伐に向かう事が義務付けられているのだ。


そして魔王は七二名以上それ以下は許されない。

よって魔王同士は争う事が禁じられている。


これが天界より魔王に命じられている制限と義務付けだと言うが、どうも釈然としねぇ!



「俺様は命令されるのが性分に合わないんだ!なんで天下の魔王様が神なんかに遜らなきゃいけねぇんだよ?」


「そりゃあ…天下の魔王だけに、天より下だからじゃないですか?」


「なるへ…そ…ン?」



俺様は無駄に上手い事を言った独角鬼王の頭をこずいたのだった。



「とにかく!俺様はそんな遜る生活はムカつくし!その待遇に甘んじている今の魔王共に対してもムカつくんだ!」


「止めても無理みたいっすね?」


「当然!お前も付いて来いよな?」


「マジですかい?俺…いや、私も?」


「当然だろ?お前は俺様の子分なのだからな?」



独角鬼王の奴は身震いした後に、突然雄叫びをあげたのだ。


俺様は耳を塞ぎ、



「驚いた~。うるせ!うるせ!うるせ~!」




独角鬼王は俺様の言葉に今までにない感動を覚えたのだ。目の前の猿の魔王[俺様]が起こそうとしている事は世界がひっくり返るような歴史的大事件なのだ。

その歴史的瞬間に立ち会えるなんて感激賜りないのだから…


「はっ…ははは…俺…俺!死んでも貴方に付いて行きますぜ!ボス!」




まぁ、これで新たな夢も見付かった事だし、後は実行あるのみだな。


しかし、俺様も馬鹿じゃない…


世界を敵に回すにはやはり、あれが必要なのだ!


アレ!とはつまり…


アレだ!


それは俺様がまだ子猿だった時に得た教訓。



俺様が修業時代に須菩提の爺ちゃんの仙山から抜け出しては、地上界の山に行き、そこに住んでいた猿達を従えて悪戯を繰り返していた時の話だ。


季節は秋だったかな?


その頃、そんな俺様の前に現れた別の山の妖怪と縄張り争いを繰り返していたのだ。俺様はその妖怪と言い争いになった時に『アレ!』を投げつけぶっ倒したのだった。


そんで俺様は相手の妖怪の山をも縄張りとし、その妖怪に貢ぎ物を命じたのだ。


それが俺様にとっての黒歴史になる原因になろうとは、

その時の俺様には予想する事さえ出来ずに…



ある日、俺様が倒した妖怪のガキが『きびだんご』を配り歩き仲間を集めて俺様を待ち伏せしていたのだ。


俺様は意気揚々と奴達のアジトに入り込むと、中には誰もいなかった。

俺様は仕方なく目の前にあった炉にあたろうと近付くと、突然中から凄まじい勢いで飛んで直撃した『ソレ』により火傷を負わせられたのだ!


たまらずに水ガメに向かうと、そこにも別の『アレ』が現れて俺様は追いかけ回され、さらに足元にいた『ヤツ』によってスベッテ尻餅をつき、涙ながらに逃げ出した俺様の先に追い討ちをかけるように『アイツ』が落下して来て俺様は押し潰されてしまったのだった。



初めての敗北…


目の前には俺様が倒した妖怪のガキだと思われる蟹の妖怪と、仲間の栗、蜂、臼とウンチの妖怪が立っていた。


俺様は勝ち誇る奴達の喜ぶ姿を見て、悔しさよりも別の感情が俺様を占めていた。


それは…


ウンチ妖怪とは何て汚いのだ!


じゃなくて…


仲間達が協力しお互いを褒めあい、喜びを分かち合う姿に俺様は…


嫉妬?


べっ!別に羨ましくなんかないんだからなぁ!


ふん!


フン!とはウンチ妖怪の奴の事じゃないぞ?



俺様は仙術で口から煙りを吐き出して、その場から逃げ出したのだった。


俺様はその時に思った…


例え強大な敵[俺様]を相手にしても、仲間達が力を合わせ何とかしてみせた奴達のように…


俺様にも頼もしい仲間が欲しいと…


そりゃ…俺様の仲間にしてやるくらいだから、

とんでもなくスゲェ~奴達が良いに決まっている!


底無しに強く!

癖のある面白い奴達!



実は俺様は須菩提爺ちゃんが昔聞かせてくれた地上界の魔王達の話の中で、何人か目星を付けていた。俺様と肩を並べ背中を任せられる奴達はアイツ達しかいないと!



まだ、会った事もない奴達なんだけど…


なんか楽しみになって来たぜぇ!

次回予告


美猴王が目を付けた魔王達とは?


ついにクセ者最強の奴達が動き出す!!

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