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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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ついに猿が動き出す?俺様の武勇伝の始まりだぁーー!!

仙界より飛び出した美猿!


一体、何をやらかす事か??


~魔王制圧編~


俺様は美猴!


俺様は雲を突き刺すような山の頂にて、座禅を組みながら物思いにふけていた。

俺様は長く居座っていた太白金星の爺ちゃんのいる仙山を離れ、一人修業の日々を数年過ごしていた。


自分がどうすれば強くなれるか?


どんな修業をすれば効率良いのか?


簡単な事だ!


自分に足りないモノを補っていけば良い!


あれこれそれと最初は課題が沢山あったが、一つ一つ消していったある日…


俺様は悟ったのだ。



俺様は強くなった…


いや!間違いなく俺様は強い!

全ては計算通りに上手くいったように思える自画自賛。

俺様はゆっくりと立ち上がる。


その姿はかつての子猿ではなかった。

腕を組んだ姿で仁王立ちする俺様の姿は、身長も伸び、磨きあげた身体付き、毛並みの良い尻尾に背中まで伸びた金色の髪を靡かせ、遠く見果てぬ世界を見渡していた…


人歳で言えば[見た目年齢]十八歳くらいか?

そもそも仙人や神、妖怪に年齢はアテにならないのだが俺様の更なる進化が見て取れよう。

俺様は今日この日、決意していた。



俺様は今日…


念願の…


魔王になります!



人間界[地上界]には今、妖怪と呼ばれる化け物達が跋扈し支配していると言う。その妖怪達の中でも最も力の強い者達を『魔王』と呼ぶのだそうだ。

ちなみに『魔王』とは、Sクラス[特階級]の妖怪達が呼ばれる称号みたいなものだ。


今、地上界に魔王として君臨している者達は七十二人と聞く。魔王として認められるためには意外に簡単で、現在いる魔王を倒し、その称号を奪い取れば良いのだ。


簡単だ…


俺様は出来る子だからな?


いや?出来る猿だから!


いや、しかし少しは慎重にいかないといけないな?


そのために俺様は仙界から地上に降りた後も直ぐには行動せずに切磋琢磨修練に励んだ。己に鞭打ち、首を痛めてまで?更なる強さを手に入れたのだ。


これで準備は出来た!


俺様は山頂から飛び降り地上界へと降りたのだ。




『俺様の武勇伝の始まりだぁーー!!』




ここは妖気漂う森の中…


人間や獣はもちろん妖怪達まで避けて通る。

何故なら…この地には『独角鬼王』と呼ばれる魔王クラスの妖怪が根城にしていたから。

この独角鬼王とは近年『魔王』として認められたばかりのルーキー妖怪として名があがっていた。この『独角鬼王』を討伐に来た天界の武神を打ち倒し、その者から『聖天大聖』の称号を奪いとったのだ。その後、己を『聖天大聖・独角鬼王』と名乗っていたのである。



「ふふふ…俺の名は天界にまで広まっているようだな?これで俺の魔王として箔がつくってもんだな!これで他の魔王連中にもナメられまい!」



魔王になると天界の神々と特別な契約を結ぶ事で、天界に害がなければ地上で何をしてもお咎めがない自由を与えられるのだ。


が、そこに?


「大変です!独角鬼王様!侵入者です!」



独角鬼王の部下が慌てて入って来たのだ。


「はぁ~?侵入者だと?そんなもんはお前達で対処しろ!」



が、目の前の部下が崩れ落ちるように倒れる。

そして、その背後に人影が立っていた。


「何者だ!?」


独角鬼王と呼ばれる魔王を前にして、その者は自信満々にその場に立っていた。



「あん?俺様か?俺様の名前は美猴!今からお前をぶん殴るもんだ!」



そう!それは俺様!

俺様は一人で独角鬼王の部下達を片っ端からシメアゲ、独角鬼王の前に現れたのだ。


「…………」


独角鬼王は一瞬止まる。


(はっ?この小さき者が俺を殴る?)



独角鬼王は俺様の二倍近くある図体。

独角鬼王は怒りよりも俺様の言葉を戯言とぬかし、馬鹿にするように笑い出したのだ。



「ガハハハハ!お前が俺を?ガハハハハ!」


「こら笑うな!」


「お前は何を言っているのか解っているのか?力の差も解らぬ童の分際で!」


「ふん!笑っとけ!」




その瞬間、俺様は独角鬼王の視界から消えた。


「何!?」



独角鬼王は自分に何が起きたか解らなかった。

目の前から俺様が消えたかと思えば、突然左顔に強烈な圧迫を感じ、同時に足が宙に浮かび上がって、その巨体が凄まじい勢いで壁際にまで吹っ飛ばされたのだから。



「あぅ!あぅ!ぐおお…」


「どうだ?痛かったか?俺様の拳はマジ痛いだろ?」



独角鬼王は正気になり己の身に起きた事を理解して怒りが込み上がる。



「お…おのれ~!ガキだと思って甘くみたわ!お前は何者だ!?」



俺様は独角鬼王を指差して言った。



「俺様は美猴って者だ!さて、もう終わりか?魔王って案外チョロイのな?」


「この俺を見下しやがって…許さん!殺してやるぞ!!」



すると独角鬼王は己の妖気を解放させたのだ。妖力の解放!それは妖怪達が普段抑えこんでいる妖力を戦闘時に一気に表に出す事である。解放により独角鬼王の力が膨れ上がっていく。



「おっ?それが妖力解放か?初めて見たぞ!面白そうだな?こうやるのか?」



俺様は独角鬼王の妖力解放を見よう見真似でやってみたのだ。

俺様は仙人界で育ったために妖力は使った事がなかった。

しかし俺様は見た技を感性だけで覚えてしまう能力に長けていた。

直後、俺様の妖気は独角鬼王のそれを大きく上回っていく。



「ばっ…馬鹿な?ありえん!」


「あらら?我ながらこりゃスゲぇ~な~」



独角鬼王は俺様の底知れぬ力に恐れを抱きつつも、怒りに任せて飛び掛かって来たのだ。

独角鬼王の拳が俺様の頬をぶん殴る。


口元から血を垂らす俺様は一言…



『なるほどね~』



俺様はわざと一発殴らせて、独角鬼王の力量を見計らったのだ。

そして俺様の拳が独角鬼王の顔面を殴りつけ、ミゾに減り込むように蹴り上げる。

そして殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!



『うにゃあぎゃりゃあああああああ!』


その後~


殴り倒された独角鬼王は脅えるように俺様に助けてくれと懇願し、仕方ないので今後俺様のパシリになるとの条件で見逃してやった。

ついでに俺様は独角鬼王の持つ『聖天大聖』の称号をも献上させ頂いたのだ。


更に魔王を倒した事で魔王の称号をも手に入れたのだ。

これで俺様は新たな『魔王』となったのだ。


まさに一石二鳥三鳥~






ルーキー魔王であった独角鬼王が何者かに敗れ去り、新たな超ルーキー魔王が現れた!


その噂は一気に妖怪全土に知れ渡る事になる。



『妖魔王!聖天大聖・美猴王』現る!と…



その後、俺様の周りには名を上げたい妖怪や、天界の討伐者達が幾度と現れたが、それすべて返り討ちにしてやった。

更に知名度を上げた俺様は、独角鬼王の城を根城にまさに新たな魔王として君臨した。



出世街道まっしぐら!


そして、この噂は…


あの者達にも知れ渡る。


それは各地に散らばりし魔王の称号を持つ者達。




『独角鬼王が魔王の座を奪われただと?あの程度の奴が負けたから何だと言うのだ?』


『新たな魔王は猿?ガハハハハ!独角鬼王もたいしたことなかったと言う事だ!』




更にこの程度の事には動じない魔王達。



だが、この日を境に地上界は変わっていく…


この俺様が巻き起こす新たな世界の流れによってな?


楽しみだぜ!


なっははははははは!


次回予告


美猴王が用心深いのには理由があった。


それは過去の敗戦からだった?

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