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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
天上天下・美猴王伝説!
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年寄りを怒らせたら猿も痛い思いするだと?

めでたく空を自由に飛ぶ事の出来る雲・金斗雲を手に入れる事が出来た美猿は?


今日も相変わらず・・・


俺様は美猴!


超レアな猿様だぜ!


俺様は念願の空飛ぶ雲を上手く口車に乗せて手に入れたのだ。



そんで今回の話は?


俺様が手に入れた金色の雲の名前は『金斗雲』と言ってな?

今から正式に俺様の雲として契約を結ぶ所なのだ。


須菩提爺ちゃんに言われて、俺様は本来俺様所有の雲を呼び出した。

そいつは透明の使えない奴なのだ。



「なぁ?この飛べない雲を出してどうするんだ?」


「まぁ、見ておれ!」



すると爺ちゃんが印を結び念じると、金斗雲と使えない雲が光り輝きながら交わり一つの雲となったのだ。


「ほぇ~?どうなっているんだ?」


「融合させたんじゃよ!そもそも他人の雲を所有する事は稀にある事なのじゃ。本来は自分の分身たる雲と魂の力を共有するもんじゃからな~。じゃから他者の雲とは魂の力を受け渡しが出来とらんのじゃ。そこで本来の分身たる雲と融合させる事で、魂の受け渡しを可能にし最契約を行ったのじゃよ」


「よぉ~解らん!」




まぁ、とにかく俺様の雲になった事は間違いなさそうだな?


ウキキ!



「さて…仙人の三種の神器を授けた事だし、これからが本当の修業の始まりじゃ!と、言ってもお前は五行が使えないからのぉ?体術と幻術を徹底的に授けようぞ」



面倒臭い…


が、直ぐに覚えて早く悪戯に使わなければな…


俺様の悪戯心が駆り立てられるぜ!


と、これは秘密秘密。



「何をぶつぶつ言っておる?」


「いえ!何でもございません!お師匠様」


「ほぉ?今、何と?」


「お師匠様と言ったんだぞ?」


「何と!素晴らしい響きじゃ!もう一度言っておくれ!」


「お師匠様!」


「もう一回!」


「え~~!」


「お願いします~もう一度!もう一度お願いしますのじゃ~」


「仕方ねぇな~じゃあ猿に物を頼むなら、それなりの頼み方があるだろ?」


「そうじゃな!その通りじゃ!理にかなっとるな!」




爺ちゃんは何処からか果物や饅頭を持って来て俺様に捧げると、俺様はあぐらをかきながら食らい…


『お師匠様宜しくお願いします!』



と、言ってやったのだ。

既に逆転している事に気付いたのは、次の日の朝だった。

全くボケた爺ちゃんだぜ!



それからは俺様は素直に与えられた修業を熟す日々を過ごした…


そんで、月日が流れ…


天才である俺様は、既に仙術[体術・幻術]で須菩提爺ちゃんを完全に凌駕したのだ。

当然、俺様の悪戯にも磨きがかかり、エスカレートしていった。


山の猿達を集めてボスとなり、近くの村々から金品財宝を盗み、盗賊紛いな事を繰り返していたのだ。そんな俺様を連れ戻しに来た爺ちゃんは…



「ぜぇ!ぜぇ!お前と言う奴は何故そんなに悪戯ばかりするのじゃ~」


「そりゃ…」


「?」


「爺ちゃんの困る顔が見ていて楽しいからかな?」


「バァカ者~!!」




そして堪忍袋の緒がキレた爺ちゃんは言った。



「流石に今回ばかりは頭にきたわ!極限に怒り沸騰じゃ~!」


「おっ?やるのか?俺様は強いぜ…」



俺様の表情が突然冷たい顔つきになる。


「!!」


(この美猴と名付けた猿は、たまに恐ろしく冷たい顔をする…今後どんなふうに成長するのか…はっきり言って…恐怖も感じる。もしや、いずれ世界を脅かす魔物になってしまうのでは?と…ならば今のうちに…)



「美猴よ!明日の昼に山頂まで来るのじゃ。正式に決闘を申し込むぞよ!」


「おっ?怒ったのか?悪いが、俺様は明日忙しいんだよね~それにお年寄り虐めても哀れなだけだしな~」



が、俺様は爺ちゃんのただならぬマジな顔に黙り込んだ。



「必ず来るのじゃぞ?年月を重ね修行をした年寄りが、どれほどのものかお前に見せてやるわ!」


「じぃちゃん?」



次の日


「爺ちゃん来たぜ!」



俺様は約束の時間、約束の場所にやってきたのだ。

須菩提爺ちゃんはそこにいた。


てっきり逃げると思っていたぜ…


それにしても、爺ちゃんから醸し出す静まり返った空気は不気味な程だった。



「よく来たの?美猴よ!」



その目には決意の色が見えた。


「本当にやるのか?」


「言ったじゃろ?年月をかけて磨きあげた年寄りの力をお前に見せてやると!儂様の言葉に二言はない!」


「そうか…なら…仕方ないな!俺様はマジの喧嘩じゃ手加減は出来ねぇぜ?」


「挑む所じゃ!」



俺様は須菩提爺ちゃんに向かって行った。


爺ちゃんは目を見開き…


腕を前に出して、素早く左右に振りながら…




「まっ!待つのじゃ!慌てるでない!お前とやるのは儂様ではない!この者じゃ~!」



俺様は勢いあまり、ズッコケテしまった。

そして立ち上がると、



「爺ちゃんじゃないのかよ!」




ツッコミを入れたのだ。

て、今までのマジな緊張感は何だったんだよ~!



「で?誰が俺様の相手をするんだ?」


「ほれ?お前の後ろに既に来ておるぞ?」


えっ?


すると、そこにもう一人の老いた仙人がいたのだ。

いつからそこにいた?気付かなかったぞ??

そいつは爺ちゃんと同じ仙人らしく、背中に『太白』と印した白い仙衣を纏い杖をついた老人だった。



『友人の太白金星仙人じゃよ!その者がお前の相手をするのじゃ!』


「フォッフォッフォッ!」


「爺ちゃんが戦うんじゃないのかよ!」


「バカモン!儂様がお前に勝てるか!年寄りを労らんかぃ!」


「そこの友人たって、年寄りやないけ!」


「気にすんな…」


「気にするわ!」



すると太白金星って仙人が割って入る。



「儂を年寄り扱いしていると怪我するぞい?猿小僧!」


「あん?何だ?やけに自信たっぷりだな?泣かしちゃうぜ?爺ちゃんよ?」


「泣かせられるなら泣かしてみんしゃい!」


「にゃろめ~」




何だか解らないが、とにかくこの爺ちゃんをぶっ倒せば良いのだよな?


楽勝だぜぇ!


俺様は仙気を集中させて力を籠める。


一発で終わらせるぜ!


俺様は懐から出した刀を握ると、太白金星に襲い掛かった。



「泣いてから後悔しろやーー!」


「いでよ如意棒!」



俺様は突き出された如意棒名付けられた棒を躱した…


「そんなもん!」


「いくぞい!伸びろ如意棒!」


「なっ!?」


はずだった…


太白金星の持っていた如意棒が突然伸び出し、突っ込んで来た俺様の顎にヒットしたのだ。


「あがが!」



すると、すかさず太白金星は俺様の背中に周りこみ


「ぬおおお!」


バックドロップ?なる大技で、俺様は頭を地面に叩きつけられてノビテしまったのだった。



「はにゃほれ~」



気絶している俺様を見下ろした太白金星は言った。



「のう?須菩提祖師よ?」


「なんじゃ?」


「こやつ…儂に預けてみんかい?」


「そりゃ構わんが…どうなっても知らんぞ?」


「安心せい?フォッフォッフォッ!儂ならこやつを真っ当に育て上げて見せるぞい」


「無理無理!」


「まぁ~任してみんしゃい!」


「どうなっても……わしゃさま…知らんぞぃ…」




そんな訳で、俺様は太白金星と呼ばれる仙人に預けられたのだった。


次回予告


さて、今回登場の太白金星仙人


隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~でも登場しております。

この美猴王伝説には他にも転生記のキャラが登場しますので、暇があれば転生記もお読みになられると物語の流れがより楽しめ・・・


美猴王「宣伝かよ!!」

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