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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~
307/424

開眼!遮那の第三の眼!!

捲簾不在の時にやって来た少年は村を救って欲しいと願い来た。


だが、その時向かったのは少年の仇である遮那だった。



妖怪盗賊に捕われた村人達を救い出す事に成功した遮那は、


「さぁ~て!お仕置きの時間らぁ!」



盗賊妖怪達に喧嘩を売る。

するとボスに命令された盗賊妖怪達が武器を手に取り襲い掛かって来た。


「フンらぁー!」



遮那は掌に集めた黒い気を大地に向けて放ち、盗賊妖怪達の道を塞いだのだ。


「その線からこっちに来たら容赦なくぶん殴るらぞ?」



遮那の威嚇に怖じけづく子分達、後ずさる子分の一人の頭を掴んだサイ頭のボスが、遮那に向かって部下を投げつけたのだ。

遮那は飛んで来た子分の頭を掴み抑えると、そのまま地面に埋め込ませた。


「酷い事するらな?オメェの仲間らろ?」



ボスは臆する事なく遮那の引いた線を越えて来た。


「俺をナメるなよ?小僧!俺は……」



ボスが語るより先に遮那はその拳に気を集め、抉るように腹を殴り付けたのである。


『うぐぅわああ!』



悲鳴をあげたのは殴った遮那の方であった。

見ると遮那の拳は血だらけになっていた。


「なんらぁー?」


「馬鹿め!だから最後まで話を聞かないからだ!俺を並の妖怪盗賊と思うなよ?俺はな!かつては天界を守る武神の軍を率いた将軍だったのだ!」


「天界の将軍らと?妖怪のお前がらか?」


「ふん!神堕ちだよ!」


「神堕ちらと?」



神堕ちとは天界の神が罪を犯した者を裁く天界の極刑。罪人は記憶と力を封じられた後に動物へと転生させられ人間界へ落とされる。しかし、稀にその力と記憶を残している者が存在し、彼らは妖怪へと転じてしまうのだ。


「こんな姿[サイの妖怪]だが俺は満足しているんだぜ?だってよ!自分の力を好きなだけ自分のためだけに使えるのだからな!しかも…」



すると遮那が殴った箇所から中に見える鎧が見える。


それは『竜神の魔鎧』


竜神の魔鎧とは竜の鱗を重ね合わせて作られた魔鎧であり、絶対防御を誇っているのだ。



「俺はこの鎧を天界より落とされる前に盗み出していたのだよ!よって俺にはどんな攻撃も効かん!恐い者なんかないのだ!ガハハハハ!」


「そんな鎧なんか関係ないらぁ!」


『ウラアアアア!』



竜神の魔鎧を纏うボスに向けて遮那が拳の連打が繰り出されたのだ。

その一撃一撃は凄まじい破壊力で、その余波だけで周囲の部下達が吹き飛ばされていく。

が、ボスにはまるでそよ風が吹いているかのように平然としていた。



「馬鹿者が…無駄だと言うのが…」



ボスは両手を組むと、そのまま遮那の後頭部目掛け殴り付け、


「解らんのかぁー!!」




遮那は凄まじい勢いで顔面から地面に埋め込んだ。


「ガァハ!」



だが、遮那は直ぐさま起き上がるとボスに向かって再び連打を繰り出すのだ。


「無駄無駄無駄だ!この竜神の魔鎧は無敵!お前にはどうにも出来ん!止めねぇか!」



ボスは攻撃をする遮那の頭を掴むと、地面に叩きつける。

それでも立ち上がろうとする遮那に今度は幾度と顔面を殴り付けたのだ。


「……止めねぇ…ら」




ふらつく遮那を見下ろしつつ、ボスは次第に疲れ始めていた。


「不死身か!?こいつの再生力は…ゼェゼェ…化け物を通り越して、何か神懸かりな力が作用しているのか?ゼェゼェ…だが、まだ手段はあるのだ!」




ボスが部下達に合図をすると、遮那は後ろから身体を抑えつけられる。


「なんら?放すら!オラを抑えつけられると思う……なぁ??」




だが、遮那を抑えつけていたのは、捕まっていた村人達だったのだ。


(なっ?何れ?)



遮那は驚愕する。


「オラを許して欲しいとは思わないら!らけど、コイツ達の味方してまでオラを憎むらか?オラはお前達を救いたいらけなんら!お前達のためなんら…邪魔しないで欲しいらよ…」



遮那はショックのあまり力が抜けていき、とうとう膝をつく。


「いくらお前が不死身でも、首と胴体を切り離してしまえば死ぬだろうよ?ガハハハ!どうだ?助けようとしていた者達に裏切られ、死ぬ気分は?」




ボスは大刀を振り上げ、遮那の首目掛けて振り下ろそうとしたが、そこに!



『騙されるな!皆は誰かに操られているんだよ!』



遮那は咄嗟にボスの大刀を躱し、声の主のいる方に飛び移る。


「操られているらと?それは本当らか!?」



その声の主は助けた少年であった。


「間違いないさ!皆のあの目は操られている目だから!」



遮那は村人達の顔を見ると、その目は確かに虚ろで意思のないように見えた。


「お前は大丈夫なんらか?」


「僕は大丈夫…」



見ると少年の手には術札[お守り]が握られていた。

術札が何者かの術から意識を奪われずにいた。



「馬鹿な奴だ!そいつ達にお前が手を出せないのが解っていれば、それを逆手に取るまでだ!俺の部下に呪術者がいて隠れて操っているんだよ!守りたい奴達によって死ぬなら本望だろ?俺にとっては利用価値があっても、お前にとっては足枷に過ぎないな?」


「呪術者らと?」



遮那は盗賊達の中にいる呪術者を探し出そうとするが、サッパリ解らない。

そこに、再び村人達が遮那を捕らえようと向かって来る。


「邪魔したそのガキ共々始末してやるわ!」



村人達が向かって来るなか、手が出せない遮那と少年はなすすべがなかった。


「せめて呪術者の居場所さえ解れば…」


「………ハッ!」



そこで遮那は気付き、叫んだのだ。



『呪術者って十回言ってみるらぁーーーー!!』



すると沈黙の後、少年が続けて、


「あいつだ!あそこにいた!」



落ちていた石を拾うと、手にしていた術札を貼付けて投げたのだ。


『うぎゃ!』



悲鳴をあげたのはボスの後ろにいた弱そうな部下の一人だった。

同時に術が解けて動きを止める。

でも、何故数人いる部下の中からその者が呪術者だと気付けたのか?


それは…


指を折りながら『呪術者』と十回言えるか一人で挑戦していたから…


でも何故に挑戦したのか?


「当然ら!呪術者本人なら、滑舌の難しい呪術者と言えて当たり前ら!呪術者としてのプライドが十回言えなきゃいけないという使命感に駆り立てられて、つい指折り数えてしまったんらよ!」



そんなアホな…


しかし現実、村人達は術が解けて動かなくなり、倒れていく。



「気を失っているだけみたいだ…良かった」



ボスは唖然としながら再び怒りが込み上げる。


「ふざけた真似を!だが、術が解けた所で、お前が俺を!この竜神の魔鎧に手も足も出ないのは変わりあるまい?そんなお荷物[村人]をしょい込んでここに来た事を後悔するが良い!」




そう言って、遮那と少年の方に向かって来る。


これを重荷と取るか?


だが、遮那は思っていたのである。


どんな強敵を相手にしても、守る事が出来る力が欲しい…


どんな状況でも切り抜ける事が出来る知恵が欲しい…


これが力の使い方?


力の使い所…


そして力の意味とは?


誰かを守るために戦い、切り抜けてこそ…



「オラはもっともっと成長出来る!もっと強くなれるという事なんら!」



強くなれば、それだけ守れる者が沢山出来る。

遮那は再び拳を握り締め、ボスに向かって拳を繰り出していく。

だが、いくら攻撃してもびくともしない魔鎧。


「無駄!無駄!やめろ!やめろ!アハハハ!」


「止めねぇら…オラが止めたら…誰がこの村を守るら?



諦めたらそこで…


『守れるモノが守れなくなるらぁーーーー!!』


「!!」



その時、遮那の身体から漆黒の闘気が凄まじい神気となり膨れ上がり、一気に爆発したのだ!


遮那の身体は…


身体の陰部から胸部へと縦一線に六つ、光り輝く。

その輝きは凄まじい勢いで回転した。


「なんら?オラから今まで感じた事のない力が込み上げて来るら……?」




それは『チャクラ』と呼ばれる力!!

そして最後の七ツ目のチャクラが額にて回転しだすと、

遮那の額には新たな『三つ眼』が出現した。


『開眼!』



同時に遮那にも信じられないような力が溢れ出し、その勢いを一点に集中させてボスに(竜神の魔鎧)向けて拳を放った。


『ウラアアアアアアア!』


「だぁから!効かないと言って……る?アッ?…嘘?うがぁあああ!」



ボスの纏っている竜神の魔鎧に少しずつヒビが入っていく。

いまだ威力が衰えようとしない遮那の一撃はそれまでの威力の比ではなかった。

まるで目の前にある全てを消滅させるかのような凄まじい破壊力で、

竜神の魔鎧をも粉砕してのけたのだ。


「ヒィイイイ!」



ボスは辛うじて生きていたが、既に戦意喪失していた。

今までの強気が嘘のように怯えていたのだ。

それだけ竜神の魔鎧に頼り切っていたのだろう。



「もう終わりら!観念するんらな?」



その後、ボコボコにした盗賊達を村に遅れて駆け付けた武神達に任せ、遮那は誰にも気付かれる事なく、何も言わずにこっそりと一人去って行った。



「さて、帰ったら捲簾が美味い飯を作って待っているらな~」



飛び去る遮那を、複雑な心境で少年は見送っていた。



「いつか僕が父さんのような立派な武神になって、必ずお前を倒してやる!だから…」



(感謝なんか言わないからな……………今は…)



少年の中で、遮那を『殺す』から『倒す』へと目的が変わっていた。


すると武神の一人が少年に近付く…



「また、この村にいらしたのですか?いくらお父上の故郷だからと言っても、この地にはまだ今日みたいに妖怪達が跋扈しているのです!お気をつけてください!」


「解っている…もう少し父上との思い出に浸りたかったんだ…」




そう言って、少年は村人達と別れを告げた後、武神達と一緒に村を去って行った。


残された村人と村長は、



「この村は天蓬元帥発祥の地、大玄様の故郷…」


「あの子もきっとお父上様の大玄様と同様、立派な天蓬元帥になられるだろうて…」


『頑張って欲しいものじゃ……玄徳様には…』






この物語は遮那と玄徳少年の因縁じみた出会いと別れであった。

そして、その一部始終を遥か上空から見ていた者がいた。




「遮那…まだまだですね?でも、今日感じた気持ちと力が、貴方にとっての第一歩なのですよ?だから、貴方はもっともっと強くならねばなりません!大切なモノを守れる力を手に入れなさい!それが貴方にとっての……」


『宿命なのだから…』





その者はまさしく捲簾であった。



「でも、今日はご褒美として美味しい料理を奮発してあげますね?ふふふ」


次回予告


遮那の茨の道を歩く


その道は例え険しく認められなくとも、


捲簾だけは自分を認めてくれさえすれば・・・



※今回登場の玄徳少年との因縁は今後の物語への伏線であった。

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