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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~
304/424

捲簾と二人の客神?

遮那と捲簾の共同生活。


そんなある日、捲簾の家に?


捲簾と遮那が共に暮らすようになり、数ヶ月が過ぎようとしていた。


「うらぁー!」


「ほれほれ~」



二人の朝は朝飯のオカズ争奪戦から始まるのだ。


「うらぁ!また負けたら~」


「ほほほ~まだまだですね?今日も私の勝ちです!」




悔しがる遮那の姿を見て、変な悦びを感じる捲簾であった。

まさにドS!

すると突然、何かを思い出す。



「あ、そうだ!遮那?今日は私の友人が来ますので、粗相のないようにしてくださいね?」


「客らか?お前…友達いたらか??」


「ヘッ?」


「知らなかったら…捲簾に友達がいたらなんて驚きら…てか、出来るらか?こんな天然マイペースな奴に構ってやる友達なんて?」


「…さりげなく失礼ですね?」



その客人は昼頃やって来ると言うのだ。


「ふふふ…」



遮那は木の上に登り、捲簾が通るのを見張っていた。

捲簾は客に出す料理の準備をするために一人で買い出しに出ていたから。



「客が来るらか知らないらが、捲簾の奴がウキウキ気分で戻って来た所を隙を見て襲い掛かってやるらよ!ふふふ…今朝の借りは返すらよ!」



相変わらず良からぬ事を考えていた。

すると、『!!』

遮那は少し離れた場所から捲簾の気を感じたのだ。



こちらに向かっている?


遮那は息を殺しつつ気配を消して、捲簾が木の下に来るのを待ち構えた。


(後、少しら…)


そして、捲簾の気が真下まで来たその瞬間、遮那は木の上から飛び掛かったのだ。



『ゴォチン!』


(はにゃ~??)



遮那は再び返り討ちにあった。

が、何か違う??


薄れる意識の中で遮那が見た相手は二人の武神だった。


(捲簾じゃない?)



一人はいかにも武神らしき甲冑を身に纏い、人間年齢で20歳くらいだろうか?端正な顔付きで高貴な品格。多分、格のある神であろう。


もう一人は…女?いや…男か?女性と見間違う程の長髪の麗人で、歳は隣の武神と同じくらいであった。


実際、神は年齢に関しては気まぐれなため、容姿と実際年齢はあてにならないのだが…


とにかく見知らぬ二人に不覚にも気絶させられた遮那であった。




暫くした後…


「ハッ!」


遮那はベッドの上で目覚めたのだ。

その頭には大きな瘤があった。


「痛いら~」


そこに、


「目が覚めましたか?遮那?」


「ん?捲簾?オラはどうしたらか?」



遮那は瘤を摩りながら思い出したのだ。



「…そうら!オラ…捲簾に飛び掛かったら、捲簾じゃなくて、捲簾が捲簾じゃない捲簾が捲簾に捲簾??」


「はて?落ち着いてください?私は一人ですよ?」


「違うら!オラは知らない奴にいきなり殴られたんらよ!」



その時である。



『お前が突然、俺に飛び掛かって来るから悪いのだぞ?あはは!』



そこには気を失う間際に見た二人組が立っていたのである。

声の主は先程の鎧を纏った武神の方であった。


「お前は!?」


(先程の武神の方らな! さっきは捲簾だと思って飛び掛かり、気がついたらコイツにやられたんら!)


「グルルル!!」



遮那は獣のように威嚇し始める。



「これこれ!この二人が私の客人ですよ?無礼な事したらダメだと言いましたよね?」


「客?こいつ達が?」


「ハイ!紹介しますね?鎧の方の彼が二郎真君に、もう一人の化粧をしている彼が楊善さんです」


「二郎真君に楊善?」


「二人は私の親友なのですよ~」


「よろしくな?少年?」

「よろぴくね」


「ふん!オラはヨロシクしないらよ!」




そう言って遮那は、部屋から飛び出してしまった。


「やれやれ…」



それから残った三人は、お茶を飲みながら話を始めたのだ。



「…あの魔神族の少年が例の?」


「ハイ!遮那君です!」


「可愛い子ですね?」


「ハイ!虐めたくなるほどね~」


「アハハ…相変わらずだなぁ~?で、大丈夫なのか?」



二郎真君は遮那が噂の大量虐殺の張本人だと聞かされていた。

それは、危険がないかと言う意味であった。

場合によれば、鞘から剣を抜く事になるとも考えていた。



「大丈夫です。彼には私が付いていますからね?そういえば中央神殿の方でも大変だったらしいですね?」


「大変大変でしたよ~捲簾君、またすっぽかすから!まさか、地上の魔王達が手を組んで天界に攻めこんで来るなんてね~。私も驚きましたよ~」




それは地上界から天界の最上層にある神殿にまで攻め込んで来た妖怪達の話。

中央神殿では戦争が行われていたのだ。



「で、貴方達が頑張ってくれたのですね?魔王達は今は大人しくしているのですか?」


「あぁ、今は『天』の与えた条件下でだが…天界にとっては未だに脅威な存在である事は間違いないだろうな…」


「そんな事言いながら二郎真君なんて魔王のリーダーと戦うのを楽しんでいたじゃないですか~?私、嫉妬しちゃいましたよ?」


「確かに…面白い奴だった。あの美猴王って奴は!出来る事なら今一度全力で闘ってみたかった…」


「それにしても、魔王六人相手じゃ大変だったでしょ?」


「えぇ…でも、後からナタク君も駆け付けてくれましたからね?何とかでしたね~」


「ナタク君ですか?」


「あいつは強くなるぞ!先を楽しみにしているよ!」


「二郎真君。あの子には目茶苦茶厳しく可愛がってますからね~そっちも嫉妬しちゃうぞ?」


「ハハハ!あのプライドをへし折るのもまた楽しいのだよ!」


「Sですね…」


『あははははは!』



そんな会話をして茶を飲んでいると、様子を窺っていた二郎真君が目配せをする。

その合図に気付いた捲簾が指を鳴らした。

同時に部屋の中が光に包まれて外界と遮断されたのだ。




「これで、安心です。結解の中では盗み聞きはされませんから~」


「すまないな?」



三人は今、隔離された結解の中で真剣な顔付きで本題に入った。



「あの美猴王の死は余りにも謎が多すぎました。それに、もう一人の魔神族の少年の事も…」


「あぁ…何か我々には知らされてはいない陰謀が隠されていたように思える…」


「やはり例の噂かい?」




噂とは何者かが強力な神や妖怪を掴まえては、その魂を集めていると言うのだ。

そのため『転生』するべき魂が失われてしまっているのである。



「もしやとは思うが、俺はあの戦争事態が陰謀に思えて仕方ない」


「武神達や妖怪達の魂を集めるために?確かに戦争で失われた魂の数と、転生する魂の数が合わないのは事実ですが…」


「やはり上層部の神が関与していると言う噂も真実かもしれませんね…」


「とにかくその件については、あの方が裏で調べて下さっているので、今は報告が来るのを待つしかあるまい…」




本題である要件が済むと、沈黙の後、再び光が消えて結解が解かれる。

すると三人は何もなかったかのように話題を変えていた。



「そうそう!話を変えますけど、捲簾君見て下さいよ~新たな新作が出来たのですよ~」



揚善は袋から何やら貝のような物を取り出したのだ。


「それは?」


『宝貝(パオパエ~)』


「またか…」



二郎真君は嫌そうな顔をしていた。


「新しい私の研究試作品ですよ~」



揚善は神具なる武器を造るのを趣味にしているのである。

神には珍しい武器の発明をする技術神の一人であった。

また彼自身も見た目とは想像つかない、天才的な神力の持ち主なのである。


揚善は宝貝を使い方を説明し始める。

宝貝に小量の火の霊力を籠めると、宝貝から凄まじい炎が噴き出したのだ。


「おぉ~!これは?」


「そうで~す!神力増加装置ですよ?籠めた力を数倍にも膨れ上げさせる武器で、用途には結解や乗り物の増強にも使えま~す!」


「これは便利で凄いですね!」


「ほら?私って天才ですから~」


「ふん!俺は気にいらないな…やはり神聖なる戦いにそんな裏技を使うのは!戦いとは己の鍛え上げた身体と身体でぶつかり合ってだな?」


「しかし、それでは力のない神は命をおとすだけではありませんか?真君の考えも理解出来ない訳ではないけど、それは強者の言い分ですよ!」



突然激しい口調になる揚善。



「私は、この宝貝で少しでも戦争で無駄に命をおとす者達を減らして救いたいのです。少しでも力になってあげたい…そして、生きて戦場から帰って来て欲しいのです!」


「…………」



確かにこの度の戦いでは無駄に命を失った者が多い。

しかし、二郎真君は戦いの中でも、命のやり取りをするからにはそれなりのマナーが必要であると力説する。それが武神の誇りなのだと。


己の力を増加させ楽に相手の命を奪うのはどうなのか?

それを使うのは己のポリシーに反すると論じる!



「…答えは出ないですよね~こういった話は。とにかく落ち着いてお茶でも飲んでくださいませ」



この三人はいつもそうだ。

仲が良いのかどうなのか?

二郎真君と揚善が考え方の相違で討論になり、捲簾が止めるパターン…


「うるさい!」

「あっち行ってて下さい!」


《ガチャン!》



勢いあまり捲簾の持って来た皿を、二人は手を振り払った拍子に割ってしまったのだ。


「…あっ!」


「…………!!」


二郎真君と楊善はその行為に青ざめた。

怒りを我慢する捲簾の姿に。



「待て!落ち着け?今のはわざとじゃないぞ?」



だが、遅く…

捲簾の肩は震え、怒りが爆発したのだ。



「てめぇ達!何、人様の宅の皿を割ってんだ?コラァ!……コロスゾ!」




それはドスの効いた声で、二人の胸倉を掴み上げたのである。


その後、三人は殴り合いの末…


最後は口を聞かないまま二人は帰って行った。




その様子を陰で見ていた遮那は捲簾に近寄り、


「良いらか?」


「ふふふ…良いのですよ?いつもの事ですから」


「いつもって…お前ら?変な奴達らな?」


「あの者達は、私がかつての仲間を失い孤独の中にいた時に出会い、私を支え、新しく我が友になってくれた者達なのです…」


「友らか?」



捲簾は頷くと、また懐かしむように遠い目をしていた。


《ズキン》




「なんら?胸が痛むら…何か変な気持ちら…」




遮那はまだ気付いていなかった。


その痛みが嫉妬なのだと…


次回予告


今回、登場の二郎神君と楊善


そして、三人の会話に出て来た美猴王の死?


それに、もう一人の魔神族の少年とは?


謎の会話のやり取り・・・


それも、また語られる物語。

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