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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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怒れる三千院の本気炸裂!私は鬼にも悪魔にもなろう!

三蔵が駆けつけた時、蛇塚が倒れ、アータルまでもが散った。


そして今も、三千院が一人戦っていた。


俺は三蔵だ!


俺が総本山に駆け付けた時、三千院もまた一人戦っていた。

来襲した魔物[妖怪]の集団のボスである蚩尤の前に三千院が立ちはだかる。



「お前をこれ以上先には進ません!」



すると三千院の前に数体の白い魔物が現れる。



「神の力が通用しないこの魔物達相手にどう抗うのか見せてみよ?人間よ!」


「いつまでもカミシニの力に対して、無力な人間であると思うな!」



三千院は額に力を集中させると、新たな力が発動する。

それは明王の持つ新たな力…


『天地眼!』



三千院の掌に三本の光の矢が出現すると、もう片手に現れた光の弓にかけ、一度に射抜く。

それは閃光の如く魔物達の頭を貫くと、木っ端みじんに吹っ飛ばしたのだ。


「こやつ!やりおるわ!」


鎧を纏った大柄の魔物が巨大な大刀を振り上げ、三千院の背後から迫ると、


「そのような大刀を無防備に振り上げたら、脇が隙だらけだぞ?」



三千院は魔物の懐に入り込み、掌打で魔物の顎を突き上げる。

魔物は後ろに倒れると、続けて別の魔物が三千院目掛け矛を突き出す。


「直通激!」


三千院は矛が掠る直前で弧を描くように身体を回転させながら躱すと…


「直進的な攻撃は躱された後の対処が遅れるものだぞ?」



躱すと同時に新たに構えた矢を射抜くと、魔物達の顔面に矢が突き刺さり消滅させた。

カミシニの魔物達は並の魔物と違い、何かしらの奥義を身につけていた。

達人レベルの魔物もいるはずなのだが、三千院は魔物達の奥義を全て受け止め、返し、破り、(ダメ出しまで付け足して)倒していったのである。


まさに天才…


天才以上の天才!


天才三千院の技が冴える!



そんな天才・三千院に限界なんかあるのか?

三千院がいるだけで心強く頼もしい。

総本山最強の守護者と言っても過言ではないだろう。



「ほぉ~流石は総本山一の使い手だな?」


「ん?驚いたな?貴様は私を知っているのか?」




すると蚩尤は三千院に衝撃的な事実を語ったのだ。



『俺は中国遺跡にて貴様達に一度この身を滅ぼされた。だが、あの時の俺は不完全な状態だったのだ!そう…あの時の俺は目覚めたばかりで、ただ暴れ回るだけの獣と同じだった!そこでお前達が遺跡から去って間もなく、俺は再び再生し復活を遂げてからも直ぐにはお前達への復讐に来なかったのだよ。この俺の知る世界より、変わり果てた今の世を知るために分身達を世界中に散らばせて情報を収集していたのだ』


「何だと!?」


『今の世は面白いな?俺がいた神と妖怪の支配する世界ではなく、ちっぽけでひ弱な人間が君臨しているのだからな。だが、キサマ達のような特別種の人間達もいる事が唯一の火種と言う事か?』


「…………」


『だからこそ俺はお前達をも見ていたのだ。今の今まで!そしてチャンスを覗っていた。お前達がバラバラになるのをな?俺は本来用心深いのだよ。今度は確実にお前達を始末するためにだ』



三千院は蚩尤の話を聞いた後、


「つまり、お前は我々に怯えているのだな?再び闇に落とされるのではないかと!フッ!この臆病者がぁ!」


『ふふふ…どうとでも言うが良い!俺にそのような挑発には乗りはせぬぞ?』


(どうやら挑発に乗らない所をみると力任せの魔物ではないようだ…)



蚩尤はその三千院の考えを見透かすように、付け足す。



『お前はこの総本山の頭脳的存在のようだな。そしてあの三蔵を始末するためには一番厄介だとも把握している。だからこそ、そんなお前に相応しい相手を用意しておいた』



蚩尤は身体から触手を天井にまで伸ばすと、その先端が膨らみながら何かを吐き出したのだ。


「?」


そいつ達は遠目だったが人間の姿をしていた。



「新たな魔物を出現させないで、お前が私の相手をしたらどうだ?魔神蚩尤よ!この私に手下では役不足だ!」


『ふふふ!その者は一癖も二癖もある猛者であるぞ?万が一にもそ奴を倒せたならば俺が直々相手してやろう。まぁ、それが簡単でない事はお前が一番よく知っていよう?』


「何?」



その直後、三千院の間合いに先程新たに現れた魔物が入り込み、その首元目掛けて拳を突き出して来たのだ。


「!!」


鋭くも強い圧迫感。

三千院は上体を後ろに反らしながら拳を躱し、バックステップで間合いを取る。


(馬鹿な!油断はしていなかったはず?それなのにいとも簡単に間合いに入られた!)



が、直ぐに三千院の頭上から殺気を感じたのだ。


「上か!!」



三千院は飛び上がり落下して来た魔物に気付き、その場から瞬間的に移動する。

同時に三千院がいた場所が轟音とともに陥没し、粉砕したのだ。


何て破壊力!?


だが、新たな魔物の力量よりも、そこで目に映る魔物の姿に、三千院は流石に信じられずに身動きが取れないでいた。


「そ…そんな馬鹿な!?」


(どうして…お前が………!?)



三千院の目の前に現れた新たな魔物…


いや、その者は!!


『大徳!』



三千院は大徳の変わり果てた姿を見て、驚きを隠せないでいた。

何故なら、大徳の姿は既に死者そのものであったから。


「お前ほどの者が…どうして…」



その戦いを見ていた蚩尤が不敵に笑いつつ…


『どうだ?俺の新たな俺の配下は?倒せまい?かつての仲間を?お前達人間はそういった無駄な感情が邪魔をして、戦いに専念出来ぬらしいからな?いや、それを差し引いても素晴らしい操り人形だよ!』


「!!」


(誰が操り人形だと…!?)



だが、三千院は嘆く暇なく、大徳の姿をした魔物の攻撃が迫って来ていたのだ。


「クッ…!!」



三千院の戦いを高みの見物をしていた蚩尤は三千院に更に衝撃的な言葉を告げた。


「もう一人の侵入者も凄腕だったな?ソイツと同様に我が下僕にするつもりだったが、跡形もなくなってしまったからな。残念だ!あはは!」


「もう一人?それはまさかバサラの事か?」


「ふふふ…」



流石の三千院も大徳の猛攻に成す術なく、追い込まれていく。



(大徳…バサラ…私がお前達を先に行かせたがために…すまぬ!!)



三千院は大徳の攻撃を躱しながら、自分が二人に中国遺跡に行くように命じた事を悔やみ、二人が出向く際に、その姿を思い出して胸が熱くなった。


(三蔵が戻るの待ってから出向いていれば…)



すると蚩尤は戦いを大徳に任せ、壁に向けて手を翳す。

壁が歪み、その場所から穴が開き蚩尤は出て行こうとする。



「待てぇー!逃がさんぞ?蚩尤ー!」



三千院の制止も空しく、蚩尤は部屋から出て行った。

普段から冷静沈着な三千院の身体から、怒りの気が立ち込める。

拳を握りしめ、怒りに震える身体、抑え切れぬ激情に三千院自身驚いていた。



(この私にも、このような感情があったのだな…


私の過ちより友を失った事への怒りか?


不甲斐ない私を許してくれとは言わない…


だが、お前を放っていれば、いずれお前の矛先が卑弥呼様や法子様…


それに三蔵へと向けられるであろう。


非情に徹しきれぬ三蔵の事だ…


現実を受け止められずに攻撃を躊躇しお前の拳にかかりかねん…


ならば、義兄である私が三蔵に代わり、変わり果てた友を冥土へと返してやろう!


安心しろ?


私は非情に徹する事が出来るからな…


私は責務のためになら、鬼にも悪魔にもなろう!)





だが、その瞳からは赤い涙が、血の涙が流れていた…


それは無意識の涙…


覚悟を決めた三千院が、怒りと悲しみを背負い…


『いざ!参る!』



その時、三千院の瞳が己の意思とは関係なく突然深紅に輝き発動したのだ。


「これは魔眼・鷹の眼か?どうして勝手に発動した?」



こんな事は初めてだった。

それは同時に、離れた場所にいた卑弥呼の瞳にも同じ異変が生じていた。


二人の瞳には…


まるで流れ込むかのように、ビジョンが入って来たのである。


そのビジョンとは!?


次回予告


三蔵「三千院!俺が行くまで卑弥呼と法子を頼むぞ!」



中国遺跡に向かった大徳とバサラに何が起きたというのか?

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