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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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絶望襲来?蛇塚の涙!

総本山に起きた突然の魔物の襲来?


駆け付けた三蔵の前には、傷付き、瀕死状態の蛇塚の姿が!?


俺は蛇塚軍斗…


俺は傷付きながらも、錫杖を振り回し、襲い掛かる魔物を薙ぎ倒し、本殿へと向かっていた。


身体中がいてぇ…

俺は右足と、左腕を肘下から失いながらも…


再び戦地に向かおうとしていた。


目が霞む…


力が入らねぇよ…


どうしてこんな事に?


(あっ…)


俺は力尽き倒れる。

そんな時、背後から俺を呼ぶ声がして、崩れるように倒れる俺は身体を支えられた。


「蛇塚ぁーーー!」



さ…三蔵か?


俺は涙を流しつつ、力無く応えた。



「す…すまねぇ…俺が頼りないばかりに…」


「しっかりしろ!蛇塚!一体、何が?いや、お前程の奴がどうしちまったんだよ!?」



俺は三蔵の腕に残った腕を置き、自分自身と総本山に起きた惨劇をテレパシーで送った。





そう。あれは、ほんの数時間前…


俺と三千院さんは卑弥呼様に呼ばれていた。


「どういう事なのでしょう?卑弥呼様!」


「解りませんが…私の中の魔眼の力が弱まりつつあるのです…」



それは卑弥呼様の力弱まりつつある事を知らされた後だった。

卑弥呼様はその真相を探るべく瞑想の間に入られたため、俺と三千院さんは警護のためにお傍に仕えていた。そんな中、アータルが法子様を背負い慌てて入って来たのだ。



「アータル殿!今は瞑想の間にて、暫し控えていてくださいませんか?」


するとアータルは言った。


「いや!それが急用なのだ!法子の様子が変なのだ!」


「何だと?」



卑弥呼様も瞑想を中断させ法子様の様子を見ると、確かに異常を感じた。

俺も今朝まで何ともなかった法子様の異変に慌てた。


「すげぇ汗だ!それに熱があるじゃねぇかよ?」


「突然倒れて、こうなったのだ!それで意味が解らずに連れて来たのだ!」


卑弥呼様は法子様の額に手を置き、三千院さんの顔を見る。


「解りました!法子の容体が良くなるまで、暫し中断する事にしましょう!」


「仕方ないですな」




その直後だった…

俺達は総本山に猛スピードで向かって来る何かに気付いたのは!

それは凄まじい妖気の集合体であり、俺達が状況を掴むより先に、それは総本山の結解を破壊し、俺達のいる中央五重塔の真上まで迫って来たのだ。



「クッ!皆!油断するな!真上から何か来るぞ!!」



三千院さんの声と同時に天井が崩れ落ち、そこから奴が現れたのだ!!

そいつはかつて中国遺跡にて俺達が戦い、倒したはずの最強最悪の白い魔物…


「い、生きていたのかぁ!!」


『蚩尤!!』



六本の腕に、牛頭人身の化け物。

俺達の目の前に現れた蚩尤の姿は、見間違いようがなかった。

俺達はすかさず戦闘体勢に入る。


「卑弥呼様は法子様を連れて、ここから離れてください!」


「この化け物は俺と三千院さんが相手しますから!」


「解りました!お願いします!」




卑弥呼様が法子様を抱え、アータルが卑弥呼様達を護るために連れ添おうとした時だった。



『逃がしはしないぞ?キサマ達は一人残らず皆殺しにして、あの憎き三蔵への見せしめにするのだからな!』



蚩尤の身体から凄まじい妖気が噴き出すと、次第に俺達のいる空間が変わっていく?


「何だよ!こりゃ?道が塞がったぞ??」


アータルは道を塞がれ足止めされると、三千院さんが気功弾を壁に向かって放った。


「波ァアアア!」


すると卑弥呼様の全面の壁には歪んだ大きな穴が開き道が出来たのだ。



「卑弥呼様!あの道からお逃げなさい!」


「解りました!お兄様もお気をつけてください!」



まだ浸蝕されていない空間から、卑弥呼様は法子様を抱き抱え抜け出したのだ。



『ふふふ…逃がしはせぬぞ!』


「チッ!総本山にまでやって来るとは執念深い野郎だぜ!」



俺とアータルが卑弥呼様を追おうとする蚩尤の前に立ち塞がった時だった。


「お前達気をつけてろ!上だ!」


エッ?上!


俺が見上げると同時に、新たな白い魔物が襲い掛かって来たのだ。

俺は間一髪躱し、その魔物に蹴りをくらわすと、籠めたはずの『気』が消されたのである。


「カミシニの力か!」


俺は距離を取り、三千院さんの真横につく。


「カミシニの力を持った魔物ですかね…」


「そのようだな…」


「クッ!カミシニの力相手では、私の力が通用しないではないか!」



カミシニ相手に神力は無効化されてしまう。

だから俺達のような神の力を使う者には厄介な相手であった。

俺達の目の前には蚩尤を中央に、カミシニの力を持った白い魔物達が俺達を囲むように何体も現れたのだ。



「天地眼だ!蛇塚!」


「はい!」



天地眼とは明王が持ちし魔眼であり、その力はカミシニにも通用するのである。

俺と三千院さんは魔眼を発動させ、襲い掛かる魔物達と交戦した。


だが、恐るべきは魔物達の異様な戦い…

まるで武芸に秀でた達人相手にしているような強さだった。

それでも三千院さんは怯む事なく、一匹一匹倒していく。


(流石、三千院さん…)


「上等!俺も負けてられねぇぜ!」


ちなみにアータルはカミシニ相手には無力のため、俺達の戦いに有利に援護攻撃をしてくれた。


「クッ!情けない!ジャスティスらしからぬ情けなさだ!」



そんな俺達を見ていた蚩尤は、首を振り合図をする。

すると、凄まじい妖気を放つ二体の魔物が俺達の前に出現した。

他の化け物とは比べ物にならない威圧感があった。



『我輩は蚩尤様の右腕!風伯!(神荼シント)』


『俺輩は雨師!(鬱塁ウツリツ)』



そして、そいつ達は俺達の前で声をあげて名乗り始めた。



「何だよ?こいつ達は!」


「油断するな!あの者達からは他の魔物とは桁違いの凄まじい力を感じるぞ!」


「くそ!カミシニでさえなければ、私だって戦えるのに!」




すると、現れた二匹の魔物の間の空間が歪み始め、俺達のいる足場が消えたのだ?


ナッ…ナァ??


俺達はなす術なく落下していった。


「うっ…うう…」



気付くと俺は一人倒れていた。


「ここは何処だ?」



辺りは化け物の体内のように脈打つグロテスクな壁に覆われていた。


「気持ちわりぃ~!とにかく…卑弥呼様の元に向かわねば!」



その時だった。


『きゃああああああ!』



女の叫び声だった?


あの声は?


「詩織!!」



詩織とは俺の妹。


詩織も此処に来ていたのか?


何て事だ!どうする?

卑弥呼様も心配だが、詩織を放ってはいられない。

俺は詩織の声のする方に向かって走っていた。


そこには!


壊れた車椅子と…


崩れた瓦礫に押し潰されている空海師匠を庇うように、下半身が蛇のような姿へと半人蛇神化した詩織の姿があった。

そんな詩織の前には白い魔物達が囲んでいたのである。


俺は…


「詩織ぃーー!!師匠ぉーー!!」



俺の声に気付いた詩織は、「お兄ちゃん…」


そして言ったのである。



「私達はもう助からない…お願い…卑弥呼様と法子様を守ってあげて!お兄ちゃん!」


「何を言っているんだ!今、行くから!」



が、俺は気付いた。

既に空海師匠は魔物達の手により殺され、詩織の身体には無数の刃が突き刺さっていたのを…


「し…詩織…」


そして、ゆっくりと倒れていく詩織に、魔物達がトドメを刺そうと襲い掛かったのだ。


「ヤァメロー!!」



俺が止めに入ったその時、凄まじい妖気を纏った突風が吹き荒れて俺を弾き飛ばす。


「うぐぅわああああ!」



壁に叩き付けられ、それでも立ち上がろうとする俺の目の前には先程、蚩尤の右腕と名乗った風伯が立っていた。



「我輩から逃がしはしませんよ?さぁ!お前さんも死になさい!」



詩織…空海師匠…


許さねぇ…許さねぇよ!


誰が逃げるって?



「達許さねぇ!この俺!蛇塚軍斗が冥土へと送り返してやるぜぇ!」




俺の身体から明王の気が高まっていく。


そして軍荼利明王真言を唱えた!



『オン・アミリテイ・ウン・ハッタ!』



俺の姿が軍荼利明王の姿へと変化していく…


怒り狂う俺は…



「テメェラ!全員、八つ裂きにしてやるぞぉー!!」



そんな俺を平然とニヤつき見下ろす風伯と魔物達。




「死ぬのはどっちですかな?下等な人間風情がぁ!」



次回予告


三蔵「蛇塚・・・お前程の奴が?」



蛇塚を追い込むカミシニの力を持った蚩尤の右腕の風伯!


蛇塚はどう切り抜けるのか?


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