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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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壊滅する総本山?間に合え!三蔵!!

光明を不動寺院に預けた三蔵は、突如現れた妖気の雲を追い総本山へと戻る。


胸騒ぎ?三蔵はこれから始まる脅威へと向かって行く!


俺は三蔵だ!

俺は状況も解らずに総本山に戻っていた.


突如現れた妖気を帯びた不可解な暗雲?

更に総本山に魔物の群れが押し寄せたと言う知らせが入った。


一体、総本山で何が起こっていると言うのだ?


全然、わからねぇ…



そう言えば、光明の奴には悪い事をしたな…

一緒に行きたがる光明を叱咤し俺は一人で出て来たが、今回ばかりは連れては行けない気がした。この件が終わったら、また共に旅でもしような?そうだ!他の連中にも紹介してやらなければなるまい。何と言っても俺の初弟子なのだから。


そのためにも早く問題を解決せねば!


俺は駆けながら妖気の雲を辿る。


間違いない!

やはり一直線に総本山に向かっていやがる。

しかも、何て妖気を発した雲なのだ!?


雲?違うな…

あの巨大な暗雲は、全て妖気が集まった障気!


俺は身震いした。

直感していたのだ!

何か嫌な予感がすると…


「急がねば!!」


もっと速く…


もっともっと速く!速く!速く!速く!


速くだぁー!!


俺は更に加速を上げた。

横切り、通り過ぎた人間の目にも入らないくらいに…

たまたま目に留まったとしても、人間離れした俺のスピードは、雷を纏った獣のよう。


胸騒ぎが止まらない…


不動寺院を出て数十分足らずで俺は総本山のある森の中へと辿り着いた。


そこで俺が目にしたのは!


「馬鹿な!?」



俺が見た総本山は、侵入者が入って来れないように張り巡らされていたはずの無数の結解が失われ、上空の妖気の雲が渦を巻いて総本山の中心部へと流れ込んでいた。


「何なんだ?こりゃあ!」


(あの渦の中心?間違いない!卑弥呼のいる本殿!!)



俺は総本山の本殿へと直行する。

本殿は結解で護られた長い石階段の頂上にある五重塔であった。

俺は石階段を駆け上がりながら、総本山の武装した僧侶達が無惨に死んでいるのを目にした。

僧侶達は全身骸骨になっていたり、身体を巨大な獣に食いちぎられたような悲惨な残骸で転がっていたのだ。


(クッ!すまぬ…俺が総本山に留まっていれば!)



中には何度か話した事のある顔見知りの奴や、女の尼の死体まであった。


本殿はどうなっている?

本殿には卑弥呼と法子がいる他に…

確か大徳とバサラは中国に出向いていると報告があったから、三千院と蛇塚が守護しているはずだ。(アータルもいるしな…)


あいつ達がいるなら、無事だとは思うが…


何なんだよ?この胸糞悪い嫌な気分は!?



とにかく少しでも早く皆と合流して、この元凶を何とかせねばなるまい。


その時だった…


自分に向けて殺気が向けられている事に気付き、俺は足を止めた。


(どうやら、現れたようだな?)



すると俺の目の前に、身体が白い角のある人獣の魔物が飛び出して来たのだ。


「お前が元凶か?」



襲い掛かって来た魔物に俺は金の錫杖で殴りつける。

が、錫杖が魔物に直撃する寸前で消えたのだ?


(何!?)


俺は錫杖の攻撃を止めて、そのまま魔物の頭上を飛び越える。

そして直ぐさま振り向き襲い掛かって来た魔物に向かって、


『いでよ!降魔の剣よ!』



俺は手にしたカミシニの剣で、迫り来る魔物の両手を斬り落とし、そのまま懐で回転しながら横切りに魔物の胴体を真っ二つにした。

降魔の剣で斬られた魔物は、悲鳴をあげながら消滅していく。


間違いない…


この魔物は『カミシニの力』を持った魔物なのか!?

総本山に待機していた僧侶達は、一人一人が腕の立つ猛者ばかりだったはず。

それが、いとも簡単に殲滅させられるなんて他に考えられない!

軽々と総本山の結解を突破して来た理由も頷けられる。


「!!」


俺は周りから更に幾つもの殺気を感じた。


(チッ!まだいるのか?)



俺の目の前に先程倒した魔物と同じ姿の化け物が何体も現れたのだ。


「こいつらウジャウジャと!」



すると、魔物の声が聞こえて来たのだ?



「こいつ人間の癖に俺達の仲間を殺したぜ?」


「所詮、今の奴は使い魔レベルの妖怪だ!だが、俺達はそうはいかないぜ!」



何だ?こいつ達、人間みたいに喋ってやがる?

魔物?妖怪?



「妖怪だか何だか知らないが!そんなのは、どっちでも構いはしねぇ!一匹残らず叩き斬ってやるからかかって来やがれぇー!」



俺の叫びに激怒した魔物達が俺を標的にすると鎧を纏う犬頭の妖怪が前に出て、手にした剣を構え何やら奥義名を叫んだのである。それと同時に、魔物の剣から炎がほとばしる。


「獣牙津密火!」

ジュウガツミッカ


なぁにぃ~!?

こいつ達…今まで戦って来た魔物と何やら違うぞ?人間臭いと言うか…



「いや!今はそんな事はどうでも良い!降り懸かる火の粉は薙ぎ払うのみ!」


『うおおおおおお!』



俺は魔物の放つ奥義と激突した。

魔物達は武器を手にしていた。その攻撃は、まるで人間の実践剣術を学んだようなそれだった。しかも、法術のような奇怪な技を使う奴もいる?

俺は苦戦しつつも、妖怪と言う魔物達を一体一体倒していった。


そして…


俺は傷付きながらも、魔物達を全て倒したのだ。


ハア…ハア…

思った以上に手強い奴達だった…


俺はようやく石階段を登りきり、警戒しながらも、先を進む。


奴らまだいやがる…

気配を消しながら、俺を見てやがるな?

知恵のある魔物か?


厄介だ…


鋭い視線が俺を突き刺すように向かって来る。

馬鹿みたいに一斉に襲い掛かる魔物の方が、あながち楽なのかもしれん。

俺はゆっくりと石床を進んでいたが、その足は次第に足早になって行く…



「卑弥呼!法子!待ってろよーーー!」



その時、俺が向かう前方に弱り切ってはいるが、生存者の姿が目に入ったのだ。


(生存者か?)



その者は左腕と右足が失われ、身体中を怪我し、大量の血を流しつつも錫杖を杖にして、本殿を目指し向かおうとしていた。


俺は…


その者の背中に心当たりがあった…


いや、直ぐに気付いた!


馬鹿な?ありえねぇよ…


どうして、あいつが!?


俺はその者に向かって駆け寄り、叫んだのだ。



『蛇塚ぁーーーー!!』




蛇塚は俺に気付くなり、崩れるように倒れた。


次回予告


三蔵「ありえねえ・・・あの蛇塚が?一体、俺のいない間に何が??」



そして物語はその真実へと・・・

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