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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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闇を照らす光となれ!その名の如く!

三蔵は光明と一緒にはるばるスサノオとクシナダのいる隠れ家にまでやって来た。


そこでカミシニの伝承を聞く事になった。


そして、今!光明に最大のピンチが??


僕は光明です…

僕は今、大ピンチなのでした~!!


「さぁ?一緒に行くわよ?光明君!」



クシナダさんは僕を風呂に連れて行こうとしていたのです。



「大丈夫です!僕は一人で入れますから!」


「子供が遠慮しないの?」


「だって、僕はもう十歳ですよ?女の人と一緒に風呂に入る歳じゃないですって!」


「もう!駄々をこねないの!」



嫌がる僕の手を引っ張るクシナダさんに抵抗出来ないでいたのです。



「三蔵様!助けてください!三蔵様もクシナダさんに言ってください~」



すると三蔵様は…


「…良いなぁ~」


「何て事を!?」


「ハッ!しまった!つい…」


「…………」


(ついじゃないですよ…)



三蔵様に呆れる僕の手を引っ張るクシナダさんに対し、



「僕は男です!だったら三蔵様と入りますよ~」


「も~う!お子様が~!」



助けを求める僕の視線を受けた三蔵様は立ち上がり、


「こうなったら仕方ない!俺もお前達一緒にひとっ風呂行こうかな?」



そんな三蔵様の本気かどうか解らない台詞に…


「ニコッ…」


クシナダさんの三蔵様に向ける笑顔がとても恐くなりました。



「すまない…クシナダ!冗談だ…お願いだから殺気を込めて微笑むのは止めてくれ…」



そのまま僕はクシナダさんに連れて行かれたのでした。


きゃあ~~~!


お風呂から出た後、僕は大事な何かを失ってしまったような喪失感…


いろいろ洗われて…


汚された感?


いや、実際綺麗になったのだけど…


はぅ~!


もうお婿に行けないよ~!


僕達がお風呂から出るとクシナダさんとウズメさんは料理の用意をしに行ったのです。

その間、三蔵様とスサノオさんに、リキッドの奴は三人で風呂に行っていたのでした。


(はぁ~僕も三蔵様達と風呂に行きたかったよ~)



その時です!


一人、待ちぼうけしていると、突然外の風呂場から三蔵様とスサノオさんの怒鳴り声が聞こえて来たのでした。



『ふざけるなぁ!俺が貴様に劣っているだとぉ!?』


『解らない奴だな?俺はお前が思う以上に逞しくなったんだ!既にお前を越えてしまったんだよ!』



(一体、何が起きたんだ!まさか喧嘩!?)



僕が風呂場に駆け込むと、そこでは仁王立ちした三蔵様とスサノオさんが…



「良い所に来た!お前はどう思う?」


「素直に答えよ!光明!」



えっ?えっ?えっ?

二人は真っ裸で下半身を僕に向けて、その…あの…ナニの勝負を…すみません…


僕にはまだ、大人の世界は難しいようです。


ちなみに後から駆け付けたクシナダさんが、『馬鹿やってないで早く出なさい!』と、二人を説教しました。


やはり、クシナダさん最強の地位は揺るがないようです。


三蔵様達が風呂から出た後、ようやくクシナダさんが作った夕飯を食べたのでした。


(美味しい)


孤児院のマザーの料理も美味しいけど、クシナダさんの料理は何か特別な感じがしたのです。

それに料理を囲んで、てんやわんやのどんちゃん騒ぎ…


何か…た…たの…しい。


僕は久しぶりに…いや、いつからだろう?


ずっと忘れかけていた気持ちを思い出し声を出して笑ってしまったのでした。


「あははははは!」



そんな僕を温かい目で見る三蔵様達…


こんな気持ちになれるなんて不思議だ…


そして、クシナダさん?


クシナダさんはやけに僕に対して、お節介してくれた。


嫌とかじゃなく、何か恥ずかしくて、でもやっぱり嬉しいかも…


そして、いつしか皆騒ぎ疲れて眠ってしまったのでした。


(う~ん…うう~ん)



皆が眠っている時、僕は一人目が覚めて外に出たのです。


「何か楽しかったなぁ…」




すると、背後から気配がしたのです。


「良いもんだろ?」



振り向くと、声の主は三蔵様でした。


「起きてらしたのですか?」


「お前が出ていくのに気付いてな」


「あっ!すみません!」



すると三蔵様は僕の頭に手を置いて、


「お前はその歳で、死と向かい合って生きて来た。それは辛く苛酷な日々であっただろう?だがな、覚えておくが良い…」


「!」


『生きてさえいれば必ず日は訪れる…それは夜が明け、朝が来るのと同じだ。どんな闇も必ず光が照らし出し世界を覆っていくだろう。

だから、かつてのお前のような闇に閉ざされた心を持った人間達に、次はお前が光を差し延べてやるのだ。お前にはそれが出来る』


三蔵様の視線から僕は目が離せませんでした。



『光明よ!お前はその名前の如く闇を照らす光となれ!』




僕が闇を照らす光に?



「僕なんかがなれますか?」


「お前次第だよ!」



そう言って微笑む三蔵様を僕は眩しく感じていました。

そして、三蔵様の言葉に熱いものを感じたのです。

それはただ、一日一日を生きていくためだけに過ごしていた自分にとって、未来に対して生きる目的を与えて貰ったような感じがしたから…









朝早く、僕と三蔵様はスサノオさんのアジトを後にして、再び旅に出たのでした。


見送るクシナダさんに、手を振る僕は…


(クシナダさん…また、会いたいなぁ…)と…


また、見送るクシナダさんにスサノオさんは…



「クシナダ?どうした?」



クシナダさんはいつまでも僕を見送っていたのでした。



「解らないけど、あの子を見ていると、何か胸が締め付けられるような…そんな気持ちにさせられるの…」


「…………」



スサノオさんは一言…


「お前、ショタコンだったのか?」



その直後、頭を殴られたスサノオさんでした。


「イテテ…」



殴られた頭を抑えながら、スサノオさんとクシナダさんは顔を見合わす。



「さてと、俺達も旅立たねばな?」


「そうね…」



スサノオさん達は僕達の頼みを受けて、孤児院の皆のいる地へと向かってくれるのです。


これで、皆も助かる。


その時…



「先程からスゲェ気を感じていたが貴様だったのか?」




スサノオさんが何者かの気配を感じたのです。

すると、そこから少年を肩に乗せた大男が現れたのでした。



『久しぶりだな!スサンダよ?』


「いい加減に名前を覚えろよ?エンリルよ!俺はスサノオだ!」



それはメソポタミアの最高神であるエンリルと、ギルと呼ばれる少年でした。



「まったく!今日は懐かしい戦友に良く会う日だよ!」



するとエンリル神は言ったのです。



『これからカミシニと俺達神達との最終聖戦が始まる!貴殿も来てくれるな?』


「カミシニとの最終聖戦だと?」



その後、スサノオさんはクシナダさんとウズメさん、リキッドの奴を三蔵様の説明した場所に向かわせた後、スサノオさんはエンリル神と一緒にカミシニとの最終聖戦が行われる地へと先に向かったのです。




「カミシニの野郎共!俺が行くからには皆殺しにしてやるぜ」


「頼もしい!スサンダよ!天使達との時みたいに共に暴れようぞ」


(…だから、スサノオだって)




そんな事があった等と知らずに、僕と三蔵様は…



「三蔵様?これから私達はどちらに向かうのでしょうか?」


「うむ。本当は直ぐにでも総本山に戻り、お前の中の神との契約をしたいのだが…」


「?」


「お前に会わしたい人物がいるのだよ」




そう言って、三蔵様は僕を連れて再び新たな地へと旅に出たのでした。


次回予告


三蔵「ここには、何年ぶりだろう?再び、ここに来る事になるとはな・・・」

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