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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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光明の教訓!倶利伽羅の王の伝承?

三蔵は光明を連れてスサノオのいる地へとやって来た。


三蔵はスサノオと久しぶりの出会いを遂げた。


そして三人はクシナダの待つ隠れ家へと向かった。


僕は光明です。


僕と三蔵様はスサノオさんに連れられて、クシナダさんのいる隠れ家へと案内されている。


それにしても三蔵様にスサノオさん…


何て規格外な方達なんだろうか?


その風格と威厳…


まさに真の武人と呼ぶに相応しい。


世界には、こんな人達が沢山いるのだろうか?


孤児院から出て外の世界を知らなかった僕には、何もかもが驚く事ばかりだったのです。



「着いたぜ?」



僕達の目の前には古い寺がありました。


「俺とクシナダは、あそこを住家にしているのだ」


「ん?二人か?」



その時でした。


『あああああああ!』



突然、後ろから騒がしい声が聞こえて来たのです。

僕が声の主に振り向くよりも速く、そいつは僕の真横を通り過ぎて三蔵様に向かって殴り掛かったのです。


「三蔵様!」


が、その拳は三蔵様に片手で受け止められ、お互い押し合っていました。


「ウググ…挨拶にしちゃ笑えないなぁ?このクソガキが!!」




そいつは僕より少し歳上の少年でした。


『三蔵のくせに俺のパンチを受け止めるなんて、ムカつく!ムカつく!ムカつくぜ!』



そいつは拳を引くと、


「久しぶりだな?馬鹿三蔵!」


「お前も相変わらずだな?いや、少し背が伸びたか?リキッド!」



リキッドとは三蔵様とスサノオさんと同じく、かつて起きた戦いに参加した神の転生者らしいのだけど…あんな子供が?

後に三蔵様から聞いたのだけど、転生者に年齢と見た目は全くアテにならないとの事なんだけど…あのリキッドも、実は三蔵様より長く生きてるとか?


信じられないなぁ…


つまり『神は見掛けに寄らない!』とは、この事なんですね?



「ところで、そのガキは?」


「ムカッ!」



いくら歳上でも、見た目ガキな奴にガキ呼ばわれされるのは、やっぱしムカつきます。

その後、三蔵様が再び僕を紹介すると、



「三蔵に弟子だって?あの三蔵に?ケラケラ!」



僕の事よりも三蔵様を馬鹿にするこのリキッドに対して僕は…



「あんまし馬鹿にするなよ?それは僕の事じゃないぞ!三蔵様を馬鹿にする事は僕が許さないからな!」


「はっ?何?お前がどう許さないのさ?」



ブチ!キレた…

僕は掌に力を集中させると、そこから炎の剣を出現させる。


「チッ!刃物出されちゃ俺も引けねぇな!」



僕とリキッドが睨み合う中、それをニヤニヤと笑っている三蔵様とスサノオさん。

つまり、それは殺っても良いと言う合図なんですね?


解りました!


僕に殺意が芽生えました。


僕とリキッドがじりじりと間合いを詰め、同時に踏み込もうとした時!



『あんた達止めなさい!』



突如、女性の声がして僕とリキッドを制したのでした。

僕が振り向いた先にいるあの女性は?

そこには洗濯物籠を持った髪の長い綺麗な女性と、その背後に隠れて覗いているリキッドくらいの歳の少女がいたのです。



「よぉ!久しぶりだな?クシナダとウズメ」



あの女性がクシナダさん?

特別な秘術で、カミシニの力を封じる事の出来る唯一の巫女様?



「久しぶりだな?じゃないです!三蔵さん!子供達の喧嘩を黙って見てるなんて!どういうつもりですか?」


「アハハ!あんまり三蔵を責めるなよ?クシナダ?」


「スサノオもです!」


「いや、イザとなったら止めるつも……」


「イザって何ですかぁ!?」



あのスサノオさんが言い返せないでいる?



「アハハ!スサノオ!尻に敷かれてるな?」


「ギロッ!」



睨みつけ、迫力満点に怒るクシナダさんを前に、三蔵様もスサノオさんもタジタジになっており…


『すみませんでした』



クシナダさんに謝る二人には、既に当初の威厳と風格は消え失せていました。



教訓

クシナダさんが一番強い…


後に三蔵様曰く、女性が強いのだと教えてくださいました。


それからクシナダさんの長い説教の後、僕達はスサノオさんの住む寺の中に招かれ、此処に来た経緯を話し始めたのです。



「懐かしい所、昔話も尽きないと思うが…そういう訳なのだ」


「カミシニの連中、まだ残存して良からぬ事をしている話は噂で聞いてはいたが…クローリーか?確かに名前は聞いた事があるな」


「カミシニの間でも少し異種的存在でした」


クシナダさんはカミシニの内部事情を知っているらしく、あのクローリーについては謎に包まれていた事を告げたのです。



「で、クシナダ?クローリーの事は置いておいて、子供達の事を頼めるか?」


「解りました。だけど…」


「?」


するとクシナダさんは僕に近付き胸に手をやると…


「この光明君に関しては問題ないみたいです」


「どういう事だ?」


「それは、この子が自らの力か他の何者かの力によるか解りませんが、既に神転血の術によりカミシニの血の呪縛から解き放たれているからです」


「なぁ?マジか?」


「はい。間違いないと思います。光明君の血からは呪いの呪縛が感じられませんから」




えっ?どういう事?



「どうりで、普段の光明からはカミシニの力に濁りが見えなかった訳だ…」


「普段の?」



三蔵様は今度は僕に突然起きる黒い倶利伽羅の力について説明したのです。



「それはまさか!倶利伽羅の力では?」


「そうだ」


「倶利伽羅をご存知なの?」


「まぁ、訳有りで以前、その力を持つ者と合間見えたんだ…」


「合間見えたって…よく生きてましたね?」


「まぁな?死にかけたよ!」


(バサラの話は伏せておくか…話がややこしくなるからな…)



驚くクシナダさんは、三蔵様達にカミシニ達の中で噂されていた、倶利伽羅に纏わる伝承を話し始めたのです。それは…




【世界が始まりし時、同時に世界も終わる。


世界が想像されし時、世界は破壊へと誘われる…


世界を救う光が現れれば、同じく世界を無に返す因果率が発生し、闇が光を飲み込み無に戻すであろう。それは『破壊』と『消滅』に『混沌』…『無』へと返す力…】




「それを、カミシニ達は『倶利伽羅』と呼ぶのです」


「倶利伽羅の力か…」


「倶利伽羅の力はカミシニの王たる証なのです。私がかつて所属していたカミシニ七賢者は、その資質がある者達を寄り合わせたもので、その中から数百年に一人倶利伽羅の力が目覚めるらしいのですが…」


「そんなのが何人も現れるのか?」


「いえ、倶利伽羅の力を得られるのは、紋章が身体の何処かに現れる十二人だけだど言い伝えられております」


「証だと?何だそりゃ?」


「はい。倶利伽羅の王には決まって黒、赤、青の竜の烙印に似た紋章が身体に現れるのらしいです」


「………」


「現在、私が知る限りでは『赤髪のデッドマン』『輪廻』に『転生』…

そして、カミシニのリーダーのアライヴ様だけだと思われます」




その時、僕はクシナダさんが何か思い詰めたような顔付きになったのを見逃さなかったのです。

それは、アライヴと呼ばれるカミシニの王の名前を出した時だった。


アライヴ?

クシナダさんと何か因縁があるみたいです。



「そうか…で、それが光明にも現れるのだと言うのだな?」


「話から察するに、多分…」


(そういえばバサラの奴にも倶利伽羅の力が覚醒していたが、そんな厄介な品物だったとはな。戻ったら卑弥呼と三千院達と話し合わねばならないな…とりあえずは光明の問題だが…)




するとスサノオさんとクシナダさんが僕の顔を見ていました。

重い空気の中、三蔵様はおっしゃいました。



「まぁ、こいつは問題ないだろうぜ?」


えっ?


「何故なら、俺はこいつを信じているし、なにせ俺の弟子なのだからな!万が一馬鹿な真似をしようと言うなら、俺が命をかけてでもその倶利伽羅の呪縛から解き放ってやるからよ!」



…三蔵様



「解りました。では、光明君の事は三蔵様にお任せ致します」


「ん?やけに話が早いな?」


「ふふっ…だって、三蔵様は無理を覆す方ですからね?」




クシナダさんはかつての戦いを思い出していた…

カミシニとの戦いの最中、その戦況が不利な状態をひっくり返した人間。


それが、三蔵様だと…



「私は今でも貴方を信じていますよ?」


「ありがとうよ!クシナダ!」



その時、部屋の外から先程クシナダさんの後ろに隠れていた少女[僕よりお姉さんだけど…]が、お茶を持って入って来たのです。

お茶を置いた少女は、何も言わずに部屋から出て行ったのでした。


「…………」



沈黙の後、


「やはりウズメはまだ声が出せないようだな?」


クシナダさんは頷くと、


「アマテラスさんが亡くなったショックは彼女には重過ぎたのでしょう…」


「それでも良くはなったぜ?あの戦いの後は本当に手が付けられなかったからな…」



それは、かつて戦いの中で姉?いや、母親にも等しい方が戦死して、そのショックで祭神である彼女は心を病み、唯一の取り柄であった声を失ったばかりか、幾度と命を絶とうとしたのだと…

スサノオさんとクシナダさんが面倒みているのです。


「今も、夜中に夢を見てはうなされているんだ…」


「リキッド君が付きっ切りで見てくれてるおかげで、ようやくここまで日常生活を送れるようになったのよ」


「そうかぁ…あの戦いの傷は未だに残っているのだな…」




カミシニのリーダーを封じた事で、その戦いは勝利を収めた…

しかし、生き残ったヤオヨローズは僅か限りだったと言う。

と、そこで…



「あっ!忘れてた!そういえば健御雷の奴に会ったぜ?」


「はぁ~??キサマ!そんな肝心な事は早く言いやがれ!」



三蔵様はまだ他にもいると健御雷からの伝達を話すとスサノオさんは…


「まだ生き残りがいたのだな…良かった…」



後は裏切り者の月読の件では、


「生きていたか…ならば、次は必ず俺が引導を与えてやる!」




話は尽きる事なく続き、私は知らず知らずの間に眠り込けて…しまっ…



「光明君!寝る前にお風呂入らないとダメです!」


「…えっ?」


「どうせ三蔵さんの事だから、旅の間も不潔にしていたのでしょ?」


「酷いな?(間違ってはいないが…)」



そう言うと、クシナダさんは僕を連れて風呂場に連れて行ったのでした。





ね…眠い…です。

次回予告


三蔵「いやはや~懐かしぜ!」


スサノオ「全くだ!」


三蔵「で?どうなんだ?」


スサノオ「はぁ?どうって、何がだよ?」


三蔵「焦らすなよ?クシナダとの関係だよ?」


スサノオ「はぁ~?おっ?おまっ、何を突然??」


三蔵「そりゃ~一緒に住んでいたら、だよな?ニヤニヤ」


スサノオ「馬鹿言ってんじゃねぇ~よ!」


三蔵(進展なしか?マジか?神様って意外と純だな・・・)









クシナダ「クシャン!」


光明「大丈夫ですか?」


クシナダ「ごめんね?大丈夫よ?」


・・・・・?

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