表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
277/424

忍びの道は過酷にて明王?

バサラに恨みのある八神夜叉彦の登場


夜叉彦は過去の因縁からバサラに敵意があった。


俺はバサラ…


俺は今、己の守護神・金剛夜叉明王の転生者である少年の元に向かっていた。



俺には心当たりがあった。

卑弥呼様の占い水晶により映し出された少年…


いや、その少年の父親に!

かつて、俺はその父親と死闘を繰り広げた事がある。


男の名前は、八神夜叉彦!


俺達とは別の明王・烏枢沙摩明王と契約している男。



昔、まだ俺が総本山に入る前、その男の一族が護っていた明王が封じられしパンドラの箱を略奪したのは、かつての俺の仲間達であった妖精部隊と呼ばれる裏組織の暗殺集団だった。

妖精部隊とはラスプーチンが指揮する暗殺部隊で、総本山にある明王の力を手に入れようと襲撃を命じたのだ。


襲撃は成功…


その時の襲撃のリーダーこそ、俺の命の恩人であった『No.1』と呼ばれていた男でもあった。

命令とはいえ、俺の仲間達がした事には罪悪感があった。


その明王を守護していた一族を根絶やしにした罪…

しかもこの俺こそ、その時に奪った明王と契約を交わした張本人なのだから…


俺は卑弥呼様の恩義にて総本山に招かれた。

だが、そこには一族唯一の生き残りが待っていた。

しかも、その男は本来金剛夜叉明王と契約するはずだった有資格者だったと言うのだ。

だが、俺は座主・卑弥呼様をこの力で護ると誓いを立てた身、その男に明王を返す事など出来はしない。そして座主様が見守る中、俺達は明王を賭けて決闘したのだ。


勝敗は俺の圧勝…


そして、負けたその男は総本山を降りた。




それから数年後…


再び夜叉彦は俺の前に現れたのだ。


新たな明王・烏枢沙摩明王を引っ提げて…


俺は再び奴とあいまみえた。


正直、驚かされた…


この日までに、どれだけの鍛練を積んだのだろうか?

細身だが無駄のない筋肉の付き方、『忍』と呼ばれる所以の予想出来ない動きや攻撃、以前の奴とは別人のようであった。


「へへへ!驚いたか?俺はお前をぶっ倒すために、死に物狂いに己の身体を痛めつけ、出来る限りの強さを手に入れたんだよ!」



俺もスピードには自信があったのだが、夜叉彦はそのスピードについて来た。

いや、実際俺のが速いはずなのだが、奴のトリッキーな術でカバーされているのだ…

分身の術?代わり身の術?


見た事のない独特な戦術…


俺の暗殺術とは違う忍術と呼ばれる戦術。


やりにくい…


「アハハハハ!俺の力を見たか?俺はお前を倒して、お前共々金剛夜叉明王を追い出し、俺と烏枢沙摩明王が新たに五大明王の一員として座主様のお傍にお仕えするのだぁー!」


…ナヌ?


コイツは俺と卑弥呼様の関係を壊すつもりなのか?


………それは


断じて許さん!!



その時俺は、このゲス野郎への罪悪感が消え失せ…

静かにぶちギレし、瞬殺した。


殺してはいないが再び返り討ちにしたのだった。



正直、大人気なかったかと思う今日この頃…


その出来事以来、あの男の噂すら聞かなくなってはいたが…


まさか再び出会う事になろうとは?





俺は、八神夜叉彦のいる寺?

いや、東京のある高層ビルの一つの入り口の前にまでやって来ていた。


何故、こんな場所にいるのだ?

寺はないのか?


ビルの入り口には【八神ビル】と…

本当にどうなっているのだ?


俺がビルの中に入ると、受付の娘が俺に『お待たせしました』と、俺をビルの最上階に行くように案内された。


どうして俺が来るのが解っていたのだ?


俺が去った後、受付の娘達が俺の噂話をしていたのが聞こえてきた。


多分、こんなビルに修行僧姿の男が不釣り合いなのだろう…



『何?あの人!めちゃくちゃイケメン!』


『社長の友人らしいわよ!』


『芸能人とかモデルじゃない?私、観た事ある!ほら!確か…』



いや、俺は芸能人じゃないのだが…てか、社長の友人とは何だ?


まぁ、良い…


俺はエレベーターに乗ると、指示された屋上へと向かった。

最上階はシークレットルームと記されていて、一般の人間は入れなくなっているようだ。

そこには金で覆われた壁に、レッドカーペットのような床が敷かれていた。


成り金か!!

何なんだ、ここは??


俺はレッドカーペットの上を歩きながら、一番奥にある部屋の前にまで来た。


しゃ…社長…室だと?

だが、確かに中から奴の気を感じる?


ドア越しに俺の気配を感じて、突き刺すような殺気を送って来ているようだ。

俺は意を決して、目の前のドアをゆっくりと開けた。


その直後だった!

俺に向かってクナイが飛んで来たのだ。

俺は二本指を使い眼前で止めて、そのまま投げ付けた者に向かって投げ返した。



「相変わらず見事な腕だな?バサラよ!」


そいつは俺の投げ返したクナイを軽々とキャッチし、俺の前に現れたのだ。


「おっ…お前は!?」


……誰?


俺の前には丸々太った、褐色の肌に、腹がシャツから出た、だらし無い見知らぬ親父がいた…


「すまぬ…此処に八神夜叉彦と言う名の男がいると思うのだが?お前、知らないか?」


俺の問いに男は…


「何を言っているんだぁ!俺が夜叉彦だぁ!貴様!自分のライバルの顔を忘れたとは言わせんぞぉ~!?」



はぁ~?


俺は自分の記憶の夜叉彦と、目の前の自称夜叉彦とを見比べてみる。


『!!』


「ふっ…思い出したようだな?バサラ!」


俺は冷静に…



「すまぬ…此処に八神夜叉彦と言う名の男がいると思うのだが?知らないか?」


「てぇ、繰り返すなぁ!俺が夜叉彦!正真正銘の八神夜叉彦だぁ!」


「…………」


「はん?そりゃあ~ほんの少し見た目は変わったとは思うさ!腹も少し出たかな?なんて思ったりする…が、俺を良く見ろ!」


「すまぬ…」


「解ってくれたか?」


「…此処に八神夜叉彦と言う名の男がいると思うのだが?知らないか?」


「いい加減にしろぉ~!」



そんな繰り返される会話を続けた後、俺は本題を夜叉彦に告げたのだ。


「此処に来たのは他でもない…」



すると、夜叉彦は俺の言葉を遮ったのだ。



「明王の転生だろ?」


「知っていたのか?」


「当然だ!仮にも俺も明王の契約者なのだからな!」


「ならば、話は早い!此処にいるはずだ!金剛夜叉明王の転生者が!」




夜叉彦は少し溜息をつくと、俺を見て…


「お前の探している転生者は俺の息子だ!」


やはり卑弥呼様の占いに間違いはなかったか。

すると、背後から声が聞こえて来たのである。


「パパ?お客さん?」


それは、白髪の髪の長い娘だった?


「あの娘が明王の転生者なのか?」


「あぁ…間違いなく、明王の転生者だよ…」



しかし、卑弥呼様の水晶に写っていたのは少年だったはず?


「同じ転生者でも烏枢沙摩明王のな!」



何?烏枢沙摩明王だと?


どういう事だ?

まさか、卑弥呼様が誤って烏枢沙摩明王の転生者を占ってしまったのだろうか?

俺が困惑している間に、夜叉彦は娘に奥の部屋へと連れて行ったのである。


そして戻って来た時、夜叉彦は言った。


「安心しろよ?金剛夜叉明王の転生者も間違いなくいるぜ!」


「何?」


「ふふふ…」


そして夜叉彦が告げたのは、驚くべき話だった。


「金剛夜叉明王の転生者もまた、俺の息子なのだぁ!ガハハハ!参ったか?バサラよ!」



なにぃー??


正直、驚いた…


聞くに、この八神夜叉彦は烏枢沙摩明王を護っていた寺の主である女と夫婦になり、二人の子供に恵まれた。その子供の二人こそ、金剛夜叉明王と烏枢沙摩明王の転生者なのだと言うのだ。

三千院もそうだが、こんな事は確率的にどうなのだ?



「話は解った。では、その金剛夜叉明王の転生者に会わして貰えないか?」



すると、夜叉彦は…


「そうはいかねぇな!」



やはり、昔の恨みを未だに抱いていたか…

その直後、夜叉彦は俺の前に飛び出し、警戒する俺の目の前で…


「!?」


土下座をした。


な…何??


この状況は何を意味しているのだ?


次回予告


夜叉彦がバサラに願う内容とは?


バサラは無事に金剛夜叉明王の転生者と出会えるのか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ