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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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明王転生??三蔵の旅立ち!

突如現れた孔雀明王の襲来!


孔雀明王は卑弥呼、三千院と大徳と過去に遭遇していた。


しかし・・・?


俺は三蔵…


俺は一人、旅に出ていた。


俺が旅に出る際に法子が見送りに出て来ていたな?

卑弥呼の影に隠れながら俺を覗いていたのを思い出す。

そして、ひょっこりと出て来ると「行ってらっしゃ~い!ち~ち!」と、小さな手を目一杯振って俺を見送ってくれたのだ。


ふふっ…


父親だと実感出来る一時…


と、話を進めるか?




俺が一人旅に出ている理由は、孔雀明王・孔宣の突然の襲来が原因であった。

総本山に侵入した孔宣を追い詰めたはずの俺達だったのだが、俺達は何と蛇塚の軍荼利明王以外、全員が明王の力を失っていたのだ?


そして、卑弥呼が孔宣に問いたのは…


「貴方は何者なんですか?貴方は私の知っている孔雀明王ではありませんね?」



何?奴は孔雀明王じゃないのか?


しかし、三千院達の知る孔雀明王であって…


卑弥呼の知る孔雀明王じゃなくて?


どういう事なんだ?


すると孔宣が答える。



「ハハハ!ワテは孔雀明王!おーかた、お嬢はんの知る孔雀明王も間違いなく孔雀明王やろうな?」



どういう事なんだ?孔雀明王が二人いるのか?

すると、付け加え孔宣は言った。



「でぇは、ワレ達におもろい事を教えてやろうか?ワレ達の明王が出現せん理由や!」


「何だと!?やはり貴様の仕業だったのか!」


「ワイやないよ!そのかわりいっぺんでもワイに一撃当ててみな?ほな、その褒美に教えてやろう!全員でもかまわんよ?」


「ふん!…たりまえだ!」



俺達は再び構える。

そして、俺とバサラ、軍荼利明王に変化した蛇塚が飛び掛かったのである。

孔宣はバサラの目にも留まらぬ攻撃を躱しつつ、その手首を掴み投げ飛ばす。


「次は俺だ!」


「唯一明王化出来るのが軍荼利明王ってのは運があかんな?孔雀は蛇の天敵なんやで!」


「上等!」



蛇塚の明王化した拳が孔宣の顔面に迫る。


「人の話を聞けや!」



孔宣の持つ五色の翼が光の剣と化して、向かって来た蛇塚を貫き串さしにしたのだ。


「アガガ…ぐっはぁ!」



血を吐き、白目を向く蛇塚はその場に倒れる。


「フン!人の話を聞かんから悪いんや!」



が、突き刺した翼を引き抜こうとした時…


「おのれ!」


「簡単にはいかせねぇ…」



蛇塚は突き刺さっている翼の刃を掴み、孔宣の身動きを止めたのだ。


「行けぇー!三蔵!」


「無茶しやがってぇ!」



孔宣を押えて蛇塚は叫ぶと俺は降魔の剣を急降下しながら振り下ろしていた。


「しゃあない!」



孔宣は明王の力を一点に集中すると五色の翼が消え、その力が孔宣の額へと集中しいく?

抑えていた翼の剣が消えた事で、蛇塚はそのまま崩れ落ちるように倒れた。



「あれはまさか!」


「間違いあるまい!天地眼と同様の力だ!」



孔宣の額に第三の瞳が出現した。


それは間違いなく…


天地眼だった!



「やはり天地眼は明王が本来持つ技だったのだな…」


三千院は確信していた。

明王の持つ新たな力がこの先に必要であると。


俺が振り下ろした降魔の剣が、孔宣の掌に出現させた光の剣によって受け止められた。


「くぉのおお!」



降魔の剣は神をも殺すカミシニの血によって構成させた剣なのだぞ?

俺自身試した事はなかったが、明王の天地眼による力はカミシニにも通用するのが確実になった訳だ…だが、ここで終わりはしない!


俺は受け止められた剣に更に力を集中させた。


「なんや!?」



俺の力が更に膨れ上がっていく事に気付いた孔宣が、俺の瞳の変化に目を奪われる。


「その瞳の変化!間違いあらへんな!」



それは、俺の金色に輝く魔眼の力だった!

俺の力が孔宣の力を上回っていく。俺は今までの修業の中で、この金色の魔眼を僅かな時間だがコントロール出来るようになっていた。



「魔眼まで持っておるんかい?われぇ!」



が、その瞬間…


「それに、その魂にあるそれは間違いあらへん!」



すると孔宣は自らの持つ剣の力を緩める?

俺は力の均衡を崩されて体制を崩されたのだ。その僅かな隙を見た孔宣は空いている左手を俺の心臓目掛けて何か白いオーラを押し当てた。


「何を??」


『強制分魂術!』



すると俺の胸の中に何かが入って来るような感じがして、今度は身体の奥底からナニカが抜け出していくような感覚になったのだ?


「はぁああああ…」


孔宣は俺の中から白いモヤの玉を引き抜くと、それを見詰めて…



「ふふふ…まさか、こんな奴の中にも存在していたとはな…」


「貴様!俺に何をしやがったぁ!」



俺は孔宣に向けて裏拳を放つが孔宣の頬を掠めただけだった。

孔宣は頬を抑え、


「イッタ!別に命までぇ奪いはせんや?それやり手ぇ土産も戴おった事やし、ワテは消えるわ!ほら、さいなら~!」



孔宣は再び翼を出現させると、そのまま宙に浮き上がっていく。



「待ちやがぁれ!俺達の明王を何処に隠しやがったのだ!?」



そして孔宣が消える間際に俺達に告げた。




『そう言えば一撃を貰ったさかい、教えてやるんやったな?明王が消えたのはワテのせいではあらへん!そうやな~時が来たのや!そう…時が!明王が現世に転生する時がな!いや、既に明王達はこの人間界にて覚醒をしてるんや!アハハハハハ!』




消えていく孔雀明王・孔宣を見届け、残された俺達は立ちすくんでいた。


何だって??


俺達から明王が消えた理由が、明王が人間に転生したからだと言うのか?







俺達はその後、卑弥呼や三千院達とともに総本山の地下にある祭壇の前に集まった。


「どういう事なのだ?」


「明王が転生した事が原因で、俺達の明王が消えたと言うのか?」



冷静なバサラも戸惑っていた。



「だが、明王が人間に転生なんて考えてもみなかった…」


「…………」


無言の蛇塚に俺は気付くと、蛇塚だけ明王の力が現れた事に疑問に思う。



「ん?そもそも蛇塚は何故明王の力が残っているのだ?」


「それは私が説明しましょう!」


「卑弥呼?」



卑弥呼の説明はこうだ。

蛇塚は俺達とは少し異なった契約を明王と交わしていたのだ。

そもそも軍荼利明王は妹の詩織さんが契約者であった。その理由は、いずれ詩織さんが産むであろう子供として、軍荼利明王が目覚めると聞かされていたから…


が、それを蛇塚の奴が妹の代わりに軍荼利明王と契約した事で、軍荼利明王からその魂の半分を分け与えられたのである。



「確かに軍荼利明王は言っていた…人として転生すると…」


「では、他の明王も転生すると言うのか?いや、もう転生したのか?それで俺達から明王が消えたのか?」


「そのようだな…」


「だが、明王の力を失って、今後の戦いが不利になっていくのではないか?」



明王の力は今後の未来をかけた戦いには絶対に必要。

そこに卑弥呼が俺達に提案を告げた。


「それに関しては一つ提案があります」


「提案?」



その提案とは?


「マジか?」



転生した明王達を見付けだし、その者達から明王の力を蛇塚と同じように分け与えて貰うと言うのだ。それは魂と力の再契約、『分魂』と言うそうだ。


既に契約を果たしている蛇塚は総本山に残り、他のメンバーは各々の明王の転生者探しに旅に出る事になったのである。


しかし、明王の転生者なんて世界中の何処にいるか解らない上に、幾憶といる人間達の中から探し出せるのか?

そもそも日本にいるのか?海外だったら、お手上げじゃないか?




それは卑弥呼の能力によって解決した。

卑弥呼は水晶に魔眼の力を注ぎ込むと、水晶は輝き出して映像を映し出す。


そこには四人の子供が映し出さていた…


あの子供達が明王の転生者達だと言うのか?


「まさか明王が転生とはな?」


「神の転生者は数々いらしましたからね?」


「俺の不動明王も転生するのか?てか、もうしたのだな?」


「転生者は既にこの世界に生を受けているみたいです。それが自らの力の覚醒とともに三蔵達から力が失ったようですね」




このタイミングでか・・・



そして俺達は明王の転生者達を探し出すべく旅に出たのだ…


いや、三千院は意外に簡単だったらしい。

映し出された子供の一人は、三千院の実の子供だったからだ。


「冬馬が降三世明王の転生者…」



冬馬とは三千院の息子である。

三千院は息子が降三世明王の転生者だと知って、心から喜んでいた。


親馬鹿だからなぁ…



三千院曰く『やはり私のような天才の子供は、そのくらいであるのが道理だ!』と…


天才が神様産むのが道理なら、世の中どうなる事だって話だが…

とにかく明王と再契約を果たすべく俺と大徳にバサラは、各々明王の転生者のいる地へと旅だったのだ。





そして俺が向かった先は…


福井県…


俺は卑弥呼に言われた場所にまでたどり着くと、そこには怪しい結解が施された森があった。


こんな場所に森だと?


そこは地図に記されてはいなかった。


俺は森の中を突き進みながら、目的地を目指す。


一体、何者が施した結解なのだ?


だが、この結解には心当たりがあった。


恐らく俺だから気付く事ができるのだが・・・


暫らく歩き、道に迷い?森を抜けた所で、俺は一休みしようとした時だった。



(何者かの視線を感じる!)




俺が見上げた先には…


貫くような視線で睨む少年が、大木の枝から俺を見下ろしていた。



これが、俺と光明との初めての出会いであった。




次回予告


三蔵「次の話から俺と不動明王の転生者の話になるぜ?

しかも、いろいろと因縁と複雑な状況なんだ・・・いったいどうなるのだろうな?


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


謎が渦巻くぜ!!」

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