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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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侵入者襲来?明王消失??

卑弥呼が夢から覚めると、失われていたはずの視力と声が戻っていた?


駆け付けた三蔵は驚きつつも、総本山に侵入者が現われた事を告げた。


俺は三蔵だ!


俺は総本山に入り込んだ怪しい侵入者の気を感じ、三千院達と手分けしていた。

俺は直ぐさま卑弥呼の部屋に駆け付けた所、卑弥呼は無事であって安心した。

一つ異変があったとしたら卑弥呼の失われていたはずの視力と声が戻っていたのだ。


…何故?


いや、今は侵入者を見付ける事が先決か?



「卑弥呼!侵入者の位置が解るか?どうやら気配を完全に消していて、俺達でも居場所を突き止められないのだ!」


「解りました」



すると卑弥呼は一度瞳を綴じた後、ゆっくりと見開く。


その瞳は魔眼…


卑弥呼は総本山のありとあらゆる場所を魔眼にて見通していく。



「まさか!」


「どうした?」



卑弥呼の返答を聞いた俺は、血相を変えて飛び出していた。


法子!!


侵入者は今、俺と卑弥呼の娘が寝ている部屋にいると言うのだ!


俺は卑弥呼を残し、先に法子の部屋に向かうと襖を蹴り破り飛び込んだ。

部屋の中を見回すと、確かに侵入者がそこにいたのだ。

しかも、その足元には法子の遊び相手していたはずのアータルが、情けなくも気絶して転がっていた。


アータル…使えないな…


俺は侵入者を睨みつける。

そいつは深く帽子を被った怪しい男で、その手には薄白い玉を法子に向けていた。



「てめえ!法子に何をするつもりだ!」



俺は印を結び、その男に向かって気功を放つが俺の気功は、そいつに当たる手前で弾けて消されたのだ。


こいつ…この総本山に入り込んだのもそうだが、俺の気功をいとも簡単に打ち消すとは何者だ!?


すると侵入者の男は俺にニヤリと笑うと、部屋を飛び出して逃げたのだ。


そこに卑弥呼や三千院達が駆け付ける。

卑弥呼は法子の安否を確かめると、法子は何事もないように眠っていた。


良かった…


しかし、奴は何していたのか?


安堵する間もなく、俺は…


「あの野郎!」



侵入者は今、蛇塚とバサラが追っていた。



「今から俺も向かう!卑弥呼は法子を頼む?」


「待って!三蔵!私も行きます!」


「?」


「あの者の発する気に心当たりがあるのです…」


「何だと?」




俺は後から部屋に着いた空海に法子を頼むと、卑弥呼と一緒に侵入者を追う。



「んにゃ?あっ!待て!待つのだ!私も行くぞ!それが、ジャスティスダァーッ!」



気絶していたアータルも目覚め、俺達の後を追って来ていた。

ちなみにアータルは完全に総本山に住み着き(居候)、今では法子の遊び相手を任していたのだが…いざって時に使えなかったな…



俺達が蛇塚達に追いついた時、そこには三千院と大徳が侵入者を囲んでいた。



「何者か知らんが理由を聞かせて貰うぞ?場合によっては…」



俺は拳を握り指を鳴らす。

だが、侵入者は俺達に囲まれ臆する事もなくニヤついた口元を見せたまま。

そこに、先程不覚をとったアータルが飛び掛かったのだ。




『この無礼者がぁ!神である私に当て身など食らわして、許さん!ジャスティス!ファイヤー!』




アータルの掌から放たれた炎が、侵入者の身体を燃やしていく…


って、おぃ!



「馬鹿者!殺してしまったら奴の目的が解らんじゃないか!」


だが、アータルは…



「馬鹿は三蔵だ!こんなんでやられるような奴に、私が油断なんかするものか!」




アータルの視線の先には確かに炎の中から、先程の侵入者が何事もなかったかのように出て来たのだ。その男を見て驚いたのは三千院と大徳であった。



「馬鹿な!?奴はあの時の!」


「うむ。間違いなさそうだ!」


「二人共、奴を知っているのか?」



俺の問いに、三千院は答えた。


「奴は…孔雀明王・孔宣と名乗っていた」


「何!?孔雀明王だと!」




幾度となく話には聞いていた事があるが、目の当たりにするのは初めてだった。

大徳は俺にもう一つ関係ある事を告げる。


「しかも、話してはいなかったが、小角殿の師らしい…」


「何だと?小角の?」


「うむ。以前奴は俺と三千院、それと小角殿で明王鬼神を討伐した際に現れた事がある。そこで小角殿がおっしゃっていたのだ」






それは過去


小角とこの孔雀明王との会話



「ま…まさか…貴方は?そんな、ありえぬ!」



そこに、若き日の大徳が問い掛ける。


「あの者をご存知なのですか?」


「あぁ、この儂が見間違うはずがない…だが、全くあの日のままの姿ではないか?」


『我が師!孔宣よ!』



すると、小角に気付いた孔宣が答えた。


『んん?どなたはんかって思えばフォンの坊主やがな?まや生きてたんやな?』


「やはり、師匠か!何ですか?そのエセ関西弁は!」


『久しぶりに会ってそれかー!』


「そんな事より、さっきの言葉は本気でしょうか?師よ!」


「おぉ!せやせや!やぁ!おのれはいずれみなの明王の魂を戴くってゆう話やな?本気や!そのために…」


「儂達と敵対すると?」


「ふっ…安心しな?今回はフォン坊に免じて、このまま退おってやる!」



そう言い残し、明王鬼神より手に入れた明王の魂の二つを奪い取って消えていったのだと…




小角の師だと?



「確か昔、小角に聞いた事がある。幼い頃に神仙に術を教わったと…それが奴なのか?」


「うむ。そして小角殿が生前おっしゃっていた事がもう一つある。次にあの者[孔雀明王]に出会った時は必ず遠慮無しに倒せと…それだけ恐ろしい相手だとな」


「解った!元より敵対すると言うのであれば、容赦するつもりはない!」




俺は指を交差させながら印を結び、真言を唱える。


不動明王真言…


『ナウマク・サマンダ…バサラ・ダン・カン!』



そして三千院、大徳、バサラ、蛇塚も各々持つ明王の真言を唱え始めた。


「一気に行くぜぇ!」


『明王変化唯我独尊!明王合神・不動明王!』



俺の身体から凄まじい炎が噴き出し、不動明王の姿へと変化してい……



ん?


しないじゃないかぁああああ!?



俺は自分自身の姿を見て慌てる。


「変化しないじゃないか?どうなってやがる?」



見ると、三千院、大徳、バサラ達まで変化出来ないでいた。



「まさか!孔雀明王の奴が何かをしたのか!?」


「いや!そんなそぶりはなかったはずだ!」


「じゃあ、俺達の身に何が起きたのだ?」




そんな俺達を見ていた孔宣は、腹を抱えて笑っていたのである。



「アハハハ!何がしたいのか、わからんわ!」




すると孔宣は掌に緑色のオーラを籠めると、俺達に向けて神気の気功を放ったのだ。

弾き飛ぶ俺達に対して、



「少しはワテを楽しませんと、つまらんわ!」



更に掌にオーラを集めて第二の攻撃しようと、掌を翳した瞬間だった。



「調子乗るんじゃねぇーぜ!」



それは唯一軍荼利明王に変化していた蛇塚が、孔宣に向かって飛び掛かったのだ。


蛇塚は変化出来たのか?



「何故あいつは変化出来たんだ?大徳?」


「解らんが、今はそんな事を考えている場合じゃないぞ!」


「あぁ!」



俺は掌に赤いオーラを集中させると、それは剣へと変わっていく。


「いでよ降魔の剣!」




俺は剣を手に、孔宣に向かって行く。


「助太刀する!」



俺とバサラは孔宣に斬り掛かるが、孔宣は俺達二人の攻撃を難無く躱していた。


「二人共避けろ!」



更に蛇塚が両手に紅いオーラを籠めると、それは二匹の蛇のような鞭になって孔宣に放たれたのだ。


『蛇鞭!』


蛇鞭は、大地を削りながら孔宣に向かっていく。



「えらい大歓迎やけどまだまだやな!」



孔宣の背後に五色の翼が出現し、そのオーラが向かって来た二匹の蛇を打ち消した。



「孔雀は蛇にとって天敵なんや?知らんかったか?」



するとその翼が広がっていき、俺達に重圧がのし掛かって来たのだ。



「うぐわあああ!」



が、直ぐにそのオーラが別のオーラによって押し戻されていく。



「させません!」


それは卑弥呼のオーラであった。

てか、話では聞いていたが、俺は卑弥呼の戦う姿を見るのは初めてだった。


すげぇ…卑弥呼の奴…


視力を失ってから前線には出なくなったと聞いていたが、心強い!

すると、卑弥呼が孔宣に叫んだのだ。



「孔宣!貴方は私の知っている孔雀明王とは違いますね?貴方は何者なのですか!」



なっ?どういう事だ?


卑弥呼!



次回予告


三蔵「孔雀明王が二人だと?」


卑弥呼「確かに孔雀明王には謎が多いですわ」


三蔵「それに、何故俺達の明王の力が失われたのだ?」


卑弥呼「それは・・・」


三蔵「蛇塚の軍茶利明王は大丈夫だったのも謎だ?」


卑弥呼「それは過去の契約に関係しています」


三蔵「契約?」




次話より物語は急展開!?

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