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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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母の最期?私が未来を守ります!

卑弥呼はかつて、母である修羅姫と共に向かった蛇神島での夢を見ていた。


私は卑弥呼…


私は夢を見ている?


それは母上と空海とともに残されていた次元の穴の調査にと、封じられし蛇神島に訪れた時の記憶。私達が蛇神島に着いた時には既に、何処から現れたのか?巨大な大蛇達によって島は壊滅状態でした。


しかも、そこに現れた謎の白髪のロキの存在や突如、私達の前に現れた光の神…


孔雀明王!


孔雀明王は私に恐るべき目的を告げたのです。


『私の目的は世界中に散った明王達を消し去った後、この偽りなる世界を再び消し去る事』



私は孔雀明王を見上げ、


「そのような真似は神であろうと許しません!私が守ります!この世界を!」


そして、あの方の未来を…



私は印を結び霊力を高めていく。

私の霊力は膨れ上がり孔雀明王から放たれる神圧とぶつかり合う。

その時、私の瞳は金色に光輝いていたのです!



『その瞳の輝きはまさか?救世の魔眼か!?』



私の足元が崩れ落ちていく中、私の身体は光に包まれながら宙に浮く。



『ほぉ…流石はこの星に選ばれた事はあるな?だが、それも偽り!』



押し寄せる孔雀明王の神圧が、私を押し潰さんと更に力を増していったのです。



『終わりにしようか?お前の宿命も!この世界の未来も!』



だけど私は…


「この世界も!未来も諦めません!私が必ず守り抜きます!」


『ならば、死してから悔やむが良い!』



孔雀明王の身体から、エメラルドグリーンの光線が私目掛けて放たれる。

それは先程、巨大な大蛇を屠った光線でした。


一つ…二つ…三つ…


枝分かれするかのように分散し、私を追い詰めていく。



『地球の魔眼!』



私の瞳が金緑色に光り輝くと、向かって来る光線が私の目の前で避けるように曲がり、地上を焼き付くす。その瞬時に私は全ての光線を躱し、孔雀明王に向かって飛び上がったのです。




『その魔眼の力!その力もまた、この世界にはあってはならぬ力なのだ!この孔雀明王自ら今ここで消し去ってやろう!』



お互いの凄まじい力が押し合い、濃縮されて一気に爆発した!

孔雀明王も私も弾き飛ばされ消えていく。


どれくらい経ったのか?


いえ、それは多分数分程度だったかもしれません…


私は立ち上がる事が出来ないくらいの傷を負っていたのでした。



(くっ…立ち上がれないですわ)



立ち上がらなければ!

私の目の前には孔雀明王が人の姿へと変わり、倒れている私を見下ろしていたのです。



『よくもまぁ…私の魔眼をそこまで使いこなせるものだな?』


「お前のだと?この魔眼は私の一族!卑弥呼一族が一子相伝で受け継いで来たものですわ!」


『人間には勿体ない力よ!お前の魔眼、真の持ち主である私に返して貰うぞ』



孔雀明王が私に掌を翳すと、私の魔眼が焼けるように熱くなる。


「きゃあああああああ!」



私の五感が孔雀明王に奪われていく感じがした。


奪われる?


そう思った時、私と孔雀明王の間に何者かが立ち塞がったのです。



『邪魔するな?人間よ!お前には無関係な事だ!』


『そう邪険にするなよ?我もまた、元その能力を持ちし能力者だったのだからな!それにこの娘は…』



私を救う者からなびく緑色の髪。


『我の愛娘なのだ!』



車椅子に乗った…


『母上!』


声を出そうとしたが、声が出ない??



『卑弥呼よ?まだまだ未熟のようだな?もっと精進するがよい!』



私は母上に念波を送る。



≪も…申し訳ありません…しかし、母上はお下がり下さい!ここは私が!≫



私は立ち上がろうと足に力を入れるが、力が入らなかった。



『どうやら神に呪いをかけられようだな?』


呪いとは孔雀明王の呪縛でした。



『まぁ…その歳でここまでやれれば上等と言うべきか?ふふふ…じゃが、これから先は我に任せな!』



その凛然たる態度は、視力を失い立つ事も出来ない者の姿ではなかった。



『ふっ…人が我に何をするつもりだ?そもそもそのような成りで何が出来ると言うのだ?』


『出来るかもしれぬよ?ただし…』



(この命と引き換えにな!)



それは私が初めて見た母上の勇姿…

幾多の戦場で伝説化していた母上の戦いでした。



『卑弥呼…ほんの僅かだが、その瞳を借り受けるぞ?』


えっ?



その瞬間、私の瞳が熱くなり私は目を開けられなくなったのです。

同時に母上の瞼がゆっくりと開かれていく。


その瞳からは失われたはずの金色に輝く魔眼が出現したのです。金色に輝く魔眼の光は母上の身体を包み込むと、その衰退していた母の身体を再生させた。



『戻って来たわ!我の力が!魔眼の力が!』



母上は車椅子から立ち上がると、孔雀明王に向かって中指を立てる。


『さぁ!孔雀明王よ!これで文句あるまい?』


『ふざけた人間よ!良かろう…その力もろとも消し去ってやろう!』




その後の戦いは、壮絶でした…


お互い死力を尽くしている最中、母上はテレパシーで私に告げた。



(母として…お前にしてやれる事は、未来への道を…切り開いてやる事だけさ…)



その言葉を最期に、母上は孔雀明王にしがみつき…

魔眼の力を最大限にまで高め、孔雀明王もろとも自爆したのでした。



孔雀明王は決死の母上の自爆に巻き込まれた後、光の玉[魂]と化して宙に漂っていたのです。すると、それを見定めた空海が待っていたかのように現れる。



「修羅姫様!ご立派でしたぞ!後は私にお任せ下さい!」



空海は残った腕をかかげると、孔雀明王の魂は空海の手にした巻物に吸い込まれ封じられたのでした。空海が後に私に聞かせてくれたのは、全てが母上の命懸けの策だったと…


母は全ての結末を知った上で、この地に出向き、自らの死と引き換えに、最強の孔雀明王を封じる事だったのだと。



「この孔雀明王の魂は選ばれし契約者が現れるまで小角様にお渡しする事にしましょう。私には荷が重過ぎます…」


「………」


「いかがなされましたか?」



私は空海にテレパシーを送ったのでした。



《無理が祟ったみたいです…どうやら視力と声を失ったみたいです》


「何ですと?」



その直後、私の瞳に再び魔眼が戻って来ました。



《目と声を失ったけれど、伝える手段があるだけましです…それよりも…》


「修羅姫様…」



母上を目の前で失ったばかりの私を案ずる空海…


《大丈夫です。私は母上の後を引き継ぎ、立派にこの後の世界を守り抜かねばなりませんから》


「ご立派です!」



私達の戦いが原因だったのか?


そんな私達の気持ちを休ませる事なく、再び蛇神島の大地が揺れ始めたのでした。



《直ぐに島から脱出致しましょう!》



私達は翔けるように島から脱出を試みたのでした。



母上…


ありがとうございました。


そして、さようなら…




その脱出の際に、空海は島の浜辺に傷付き倒れていた二人の幼い兄妹を救い、共に私達は蛇神島から出る事に成功したのでした。


この兄妹とは、後の蛇塚軍斗さんと妹の詩織さんだったのです。



それから再び数年後、次元の穴が再び開いている事を知った私達が、蛇神島に舞い戻る事になり、そこでやむを得ず孔雀明王の力を借りるために解放してしまったのですが…



何故に今頃こんな夢を?


そう…あの日の夢を?


私が夢から覚めると私は自分自身に起きている身体の異変に気がついたのでした。


「まさか…!」



そこに三蔵が部屋に入って来たのでした。


「卑弥呼!どうしたのだ?」



私は三蔵に告げたのです。


「私の視力が戻ったみたいなのです…」


「何?それは本当なのか?」



駆け寄り私の肩を掴む三蔵の顔を私は見る…



「三蔵…それが三蔵の顔なのですね?」


「本当に見えるのか?ははは…どうだ?二枚目だろ?」


「クスッ…」


「微妙な返答だな?って、おぃ!」


「?」


「お前…声が?声も出せるようになったのか?」


「!!」






それは今見た夢と関係しているのでしょうか?


わからないまま三蔵は私の事を喜んでくれたのでした。


本当に私の身に何が?


すると三蔵が私に言ったのです。



「この総本山に何者かが侵入して来たのだ!」


「この総本山に?」






そしてこれは私の知らない過去…


蛇神島の次元の穴から現れたのは、孔雀明王だけでなかったのです。


それは天使…


実は四人の天使を引き連れた天使がいたのです。

後にその解き放たれた天使が、この世界にどんな災いを呼ぶのかは…

まだ、誰も知る事はなかったのです。



次回予告


三蔵「この卑弥呼の夢は後の伏線へとつながるぜ!」


卑弥呼「孔雀明王の台詞の数々ですね?」


三蔵「この孔雀明王は他の明王とは何か違うよな?言動とか目的とか?」


卑弥呼「忘れてはいけないのが、まだ現れていない地上に解放された天使の動向ですわね?今後、どう関わってくるのでしょう?」


三蔵「解らないが、安心しろよ?お前は俺が守るからよ?」


卑弥呼「三蔵・・・」



が、次話には、またまたとんでもない事態勃発!!


新章突入だ!!

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