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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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引き継がれる魂!!俺は一人じゃない!

西暦2000年に起きた聖戦


人類は生き残れた。


そして繋がれた使命は三蔵へと


俺は三蔵だ…


三千院により語られた西暦2000年に誰にも気付かれずに、知られずに終わった聖戦…


それは、あまりにも…


多大なる犠牲と悲劇をうんだ戦いだった。



「そんな事があったなんて…小角からは何も聞いてはいなかったぜ?」


「小角殿も思い出したくはなかったのであろうな…」



大徳もこの話については後から知ったと言っていた。

そして話しにはまだ後談があった。



小角…小角はこの聖戦の時にミカエルによって受けた傷により、不老不死の能力が消えてしまったのだと言う。


だが、傷が癒えた後に小角は言ったそうだ…



「もうじき、三蔵殿に会える。儂には解る…どうやら時は、我等を引き寄せてくれるようじゃ?ふふふ…」と…



その予言の通り、その数年後に幼少の俺は小角と出会う事になるのだ。


それから忘れちゃいけないのが、日本の最高神の転生者であるスサノオ達と、バビロニアの最高神達…


「お前達には世話になったな?」


「ふふふ…それはこっちとて同じだ!スサンダよ!」


「…………」


(いい加減、名前を覚えろよ!)


スサノオとエンリルは共に戦った戦友として友情が芽生えていたようだ。



「いずれ、礼を返そう。お前達に危機が訪れた時は、いつでも我々を頼るが良い!同志よ!」


「お互い様だ!俺達もいつでも力を貸すぞ?戦友よ!」



そう言って、神々の転生者達は誓いの約束を契り、己達の国へと帰って行ったそうだ。


「とんでもない奴達だったな!その神の転生者って奴らは?」



蛇塚は話の中に登場したスサノオ達に言葉が出ない様子だ。

それもそうだ。

俺もスサノオに初めて会った時は、その存在力にちびりそうだったしな。

そう言えば俺達の知らない連中も話の中に登場していたよな。



「スサノオとは知り合いなんだぜ?ん?そういえば炎を纏った少年って奴と、竜に変化する姉ちゃんはどうなったんだ?」


「詳しくは解りませんが…」



卑弥呼が言うには、その聖戦の後、生き残った聖獣族の連中を連れて、龍に変化した女はそのまま何処かへと消えていったのだそうだ。



「解らない事ばかりだな?それに犠牲があまりにも…」



俺は卑弥呼を見た。


多分、卑弥呼の母親である修羅姫って奴は…


(ん?俺から言えば義母って訳か?)



その聖戦で死んで…



《母上は生きてらっしゃいましたわ?》



そう、生きて…



「なにぃ!生きてたのかよ!?」


《はい!》



てか、卑弥呼の奴勝手に俺の心の中を読んでたな…


一度、注意しとかないと下手な事も考えられねぇな…


そこに、修羅姫のもう一人の息子だった三千院が付け加える。



「誰も死んだとは言ってはいないぞ?そもそも母上は人間離れしていらしたからな…」


話を聞くと…


修羅姫は聖戦の後、治癒部隊によって命ギリギリで助かったらしい。


と、言っても…


流石に失った眼と、砕け散って修復出来なかった両足までは再生出来なかったため、残りの生涯は車椅子生活を余儀なくされたのだそうだ。


が、一つ変わった事がある。


荒々しかった修羅姫の性格が、聖戦の後から穏やかになっていたそうだ。


まるで、戦場にて荒ぶる魂の全てを吐き出して来たかのように…


いや?救世主としての重荷から解放されたからなのかもしれないな?


修羅姫は終戦後、ポツリと呟いたらしい。



「我はもう、この星にとって用済みのようだよ…残った人生を次の世代のために生きるとするさ!」



そう言って修羅姫は離反した空海と娘を連れ戻し、娘に卑弥呼の名と座主の地位を譲った後、己の後継者として地球の未来を託したのだそうだ。


が、一つ問題があった。


兄[三千院]の存在である。


息子[三千院]を養子に引き取った三千院家は、息子を手放す事を断固と拒否したそうだ。



そりゃあ、そうだよな~


勝手な話だもんな…


それもあったのだが当時の三千院家当主が病にて、死期が近付いていたのだ。

そのため、今まで育てた養子の息子を三千院家当主の後継ぎにしたいと申し出たかららしい。


修羅姫は考えた挙げ句、息子をこちらに呼んで今更息子だと告げるより、三千院家の後継ぎになった方が幸せだろうと考え、承諾したのだそうだ。



後は、俺が知っている奴と言えば?


スサノオや小角だけじゃなかった…


そう…俺は会っているいるんだ!


この戦いに勝利を齎す事になったもう一人のキーパーソンの男を…



そいつの名前は鷹仁。


この男の話をする前に、もう一つあった俺達にも関係する重大な話をしよう。






それは、俺達の魂と強く繋がりし神の存在…


『明王』


各地に散らばりし明王達は、ミカエル達天使が消えた後に、修羅姫と鷹仁の前に現れたのだ。

そして、明王達は二人に告げた。



《我々は今から次元の穴を完全に閉じるために力を使い果たすだろう。その後、我等は力が戻るまで己の魂を封印する事にしたのだ!》


《そこでお前達人間に、新たな使命を与えよう!》


《お前達は今から数年後に封印を解き、我々と魂の契約を結ぶのだ!》




それを聞いていた鷹仁は…


「明王よ!契約したらどうなるのだ?」



すると不動明王が答えた。


《その者は我々明王の力を手に入れるであろう。だが、その選抜には注意するのだ。誤った魂で我々と契約を結ぼうとすれば、逆にその魂が耐えられずに魂を奪われてしまうからな。決して侮る事は許されぬと思え!我等と同等なる魂の強さと、心・技・体を兼ね備えた者を探し出すのだ!》



唾を飲み込む鷹仁をよそに、今度は修羅姫が明王に問う。



「明王よ?世界の終わりは防がれたはずだ!なのに、何のために力を求める必要があるのだ?」



その後…


明王が口にした予言は聖戦より生き残り、勝利した喜びから、一気に地獄に堕とされた。


その予言とは?



《この戦いは、これから訪れるであろう本当の終末への序曲に過ぎぬ。それはまだいつ来るかも解らぬが、必ず近いうちに起きると断言しよう。そのために、お前達人間は我々神々と共に力を合わせ、その最終戦争に向けて力をつけなくてはならぬのだ》



そして、もう一つ…



《世界の滅亡までに真の救世主を探し出すのだ。それが、我々と人間が未曾有の窮地から未来を勝ち得るための鍵となろう神を導きし救世主を探し出すのだ!》




それだけ言って、明王達は空間の穴の歪みと、この一帯の邪悪なる波動を浄化した後、光に包まれ消えて最後に残されたのは勾玉だった。


鷹仁は結解呪術師達に、その勾玉を特別な箱[パンドラの函]の中に封印させた。

そして鷹仁本人は、その中の不動明王が封じられた箱を受け取り、新たな寺を造る事になる。



それから鷹仁は己の名前を不動鷹仁と改めた。

力を求めるために、より激しくも厳しい修練を積み重ねる。


それは激しい修練だったようだ…


その間、妻である修羅姫や娘の卑弥呼とは一切会わなかったと言う…


いや、一時期…


兄である三千院家に残した息子を、弟子にした事を抜かせば…


それから、再び鷹仁は一人修練に身をおとしていく…


まるで、追い詰められるかのように…


不動明王の力を手に入れるがために…




だが、アイツは明王に選ばれる事なく死んだ。


無念であったに違いない…


今の俺なら解る!奴の本当の気持ちが…


奴は…


自分の無力が怖かったに違いない…


無力がために、愛する者が傷付き…


失う恐怖…


俺だって幾度と感じた事か!

もっと力があれば…

大切な奴達を守れるための力が欲しい。

失わずに必要な力が欲しいと…


鷹仁の望んだ明王は今、俺の中(魂)にいる。

お前が出来なかった事を俺が叶えなきゃダメだよな?

それが、俺の出会った不動寺院の不動鷹仁と呼ばれる男だった。



「私が師である鷹仁殿を父と知ったのは、父が亡くなった後だった…」



それは、三千院が眠っている時に、死んだ不動鷹仁の魂が枕元に立ったのだ。

不動鷹仁は知る限りの事を三千院に全て話して、未来を託すかのように消えて逝った。

そして、三千院は俺を指差して言ったのである。


「三蔵よ!お前が救世主なのだ!」



そうかぁ…


俺が救世主…ん?



「て、待てよ!話を聞くと、この流れから救世主は卑弥呼の方じゃないのか?」



その質問には卑弥呼が答えた。



《光と闇の救世主が一つとなった時、魔眼を持ちし真の救世主が覚醒する。それが、未来を知るネクロノミコンに記された真の救世主を探す手段らしいのです》


「光の救世主とは卑弥呼様、そして闇の救世主がお前なのだ!」



三千院は不動明王が父親である鷹仁を選ばずに俺を選んだ事などで恨んではいなかった。


「俺が救世主…」



俺には重い荷だった。


小角や鷹仁だけじゃない…


数え切れぬ程の消えた命が、救世主である俺の肩にのし掛かる事になるのだから…


重過ぎるぜぇ…



「俺に…俺に出来るのか?救世主なんか?」



弱気な俺の肩に、蛇塚が腕を乗せながら言った。



「お前一人に背負わせる訳じゃないんだぜ?だってよ!そのために俺達がいるんだからな」


「そうだぞ!我々は魂で繋がりし仲間!」


「うむ。お前は一人じゃない!お前に背負えぬ未来なら、俺達が共に乗り越え背負おうぞ!」


「それに、お前には返しても返し切れぬ恩があるからな!今度は俺がお前を守ってやる!」



そして三千院、大徳、バサラが俺を見ていた。


仲間か…


こいつ達と一緒なら、何でも出来そうだぜぇ…


未曾有の脅威も、乗り越えられそうな気持ちになる。


これが、絆って奴なのか?


そして俺は決意した。



「ふん!任せろよ?前任者達の戦いの歴史も、これから始まる終末も、俺が救世主にでも何でもなって背負ってやるよ!」


「うむ。よく言った!では、これから修業を始めるぞ!蛇塚も付き合え!」


「エッ!俺もっすか?」



大徳は蛇塚を指名すると、青褪める顔が笑えた。


「当然だぁ!」



アレ?皆さん、やけに熱いのですけど…



「ちょっと…もう夜中だし、明日からにしませんか?」


《頑張ってくださいね?三蔵!》


「任せろ!」



あっ…やっちまった…


そして、俺の救世主伝説の幕が開いたのだった。







あぁ~眠いぜぇ…

次回予告


三蔵「眠い・・・」



皆、熱血だからなぁ~


今日は徹夜だなぁ・・・


で、たまには次回予告をマジにやらないとな?


最近、座談会で終わっているし・・・


えっと、次の話からは俺達の日常と三千院の過去を少しな?


こんなんで良いかな?


では、久しぶりにやっとくか?


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


燃えるぜぇえええ!

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