真の望み?エクスカリバー・ホープ・ソウル!!
ミカエル達四大天使の猛攻に苦戦する修羅姫は・・・
ついに覚醒!
我は魔眼の力[先読み]を駆使して辛うじて反応していた。
「負けられない!お前達には負けられない!我の地球を汚す者は例え誰であろうと許さぬよ!」
『この星を汚しているのが貴様達人間だと気付かないか?愚かなる人間め!』
我とミカエルの剣が衝突する。
我の剣は粉砕し、その衝撃で我は吹き飛ばされてしまった。
我は身を翻し身体を起こしつつ…
「愚か者はお前達天使だぁ!後から来て文句を言われる筋合いはない!」
するとガブリエルが急降下して来て、エクスカリバーを振り下ろす。
我は剣を交差させながら受け止め、弾き返し、ガブリエルも身体を翻しつつ我に剣を向ける。
『後からですって?そもそもこの星は我々天使の住まう星であったのよ!』
「何?」
そこにウリエルとガブリエルが続ける。
『この星は我々天使が住まう聖域になるまでの間、お前達人間に貸し与えていたにすぎないのだ』
『…にもかかわらず、お前達人間は我が物顔で星を汚しているではないか!』
ラファエルは私に斬りかかるエクスカリバーに力を籠める。
『だからこそ、今一度この星を再生しなくてはならなくなったのです。我々天使が住める聖域に戻すためにね!』
「ぐううう!」
…つまり、アパートを貸していた大家が、あまりにも部屋の使い方が悪く、ゴミ屋敷にした住人に腹を立てたと言う事か?
我は考えてみた…
天使達の言い分も少しは納得出来るような…
だからと言って、人間を滅ぼすってのも納得出来んだろ?
そこで導いた我の答えは…
「この地球は人間のものでも天使のものでもない!」
『?』
我は言ってのけた。
『この地球は我のもんだ!だから、どうしようが我の勝手なのさぁー!』
天使達が呆気に取られた後、形相が恐くなった。
だが、我もまた完全に開き直ったのである。
『勝った者がこの地球を手にする。それで文句あるまい?』
と…
『神に勝てると本気で思っているのか?下等なる人間種がぁー!』
ミカエルを筆頭に突っ込んで来た四体の天使に向かい、我は再び魔眼を発動させる。
『太陽の魔眼!』
強烈な閃光とともに、小型の太陽玉が天使達を巻き込んでいく…
『クッ!まだ、こんな力を隠し持っ……』
言い終える前に、ウリエルの真後ろから我の踵落としが炸裂する。
落下して行くウリエルに気付いたガブリエルが叫ぶ。
『ウリエル!』
と、そのガブリエルの正面に我が接近する…
ガブリエルは剣を構えたその時、背後の死角から衝撃を受けた。
『なっ?何?』
背中には三鈷杵が突き刺さっていた。
『ぐっはぁ!』
我が太陽の魔眼発動時に三鈷杵を投げて操作していたのだ。
ガブリエルもまた落下していく。
その光景を見ていたラファエルは…
『間違いない…あの人間離れした力は、エヴァの力…この地球に最も愛された者にのみ宿る星の力…』
我に震えるラファエルに向かって、ミカエルが叱咤する。
『ラファエル!臆するな!お前には二人を任せる。お前の治癒の力で二人を癒すのだ!』
『わ…解った!でも、ミカエルも気をつけて!』
『私を誰だと思っている?』
ラファエルはミカエルの持つ威厳と自信に安心を得て、落下していく二人を追って行った。
「邪魔はさせないよ!」
我がラファエルに向かおうとすると、ミカエルが立ちはだかった。
仕方ないね。先ずは天使達の頭ミカエルをやるか!
『不思議だ…人間よ?お前の力が急激に上がったように思えるが?』
確かにそうだ…
我が開き直った時…いや、違うな?
そうか…我が、この地球を身に感じた時から…まるで地球と一つになったような感覚を覚えた。その時から、身体の芯から熱くなり…疼き…濡れたみたいだよ…
そうか、我を満足させてくれたんだな?
地球よ!
「アハハハハハハ!」
ミカエルの前で我が再び魔眼を見開いた時…
『貴様!その眼は!!』
我の瞳から放たれていた金色の輝きが消え、金緑色の輝きを出していた。
その瞳の奥に見えるのはまさしく…
『地球』
『間違いないようだな…』
「?」
『どうやらお前はイヴの転生者のようだ!』
「イヴ?」
『お前は生きていてはいけない!さもなくば、いずれお前がこの星を喰らう破壊神となろう!』
「破壊神だと?我が?アハハ!面白い!この地球を滅ぼすのが我なら、我には文句はないぞ?何故なら、この地球は我のものだからな!」
『その腐りきった魂事、再び私の手で消し去ってやろう!今度は二度と転生出来ぬようにな!』
再びだと?
その時、我の脳裏に見知らぬ記憶が蘇る?
我とは全く違う女が天使達に追われている?
だが、その女は間違いなく我だと感じる。
魂がそれを伝えてくる…
それに、その女の瞳にも我と同じ地球が写し出されていたのだから…
やがて女は天使達に囲まれ、逃げる事も叶わなくなった。
そして天使の軍の筆頭として目の前に現れたのがミカエルだった。
…………………!!
そこで我は現実に引き戻される。
「何だ?今の記憶は?」
『再び、死ぬが良い!イヴよ!』
すると我を囲むように、ガブリエルとウリエル、それにラファエルが舞い戻って来たのだ。
「!」
『さぁ!覚悟するが良い!』
死なぬ…死なぬよ…
天使達が同時攻撃をしてきた。
間違いない…こやつ達の攻撃の先は、我の魔眼に向けてだった。
我の魔眼を潰すつもりか?
そうはさせぬ!
奴等の攻撃を受け止める我のエクスカリバーは何度も何度も砕け散り、幾度と新たなエクスカリバーを構成する。天使達のエクスカリバーとの差が意思の力。
意思の力で、我の意思の象徴であるエクスカリバーが砕け散る様を見る度に、心まで戦意すら失いかける。
そこに四人の天使達の振り下すエクスカリバーが、我の魔眼に向けて迫った。
か…躱せない!!
クッ!
我は死なぬ…負けぬ!
生きて……生きて………
『!!』
その時だった!
追い込まれ、窮地に陥った我の魔眼[未来眼]が見せたイメージ…
それは??
未来ではなく、我の心の中にあった『願望?』だった。
それは、我と鷹仁?
それに…
二人の子供と一緒に穏やかに過ごす自分の姿だった。
アハハ…
最後にこんなイメージを見せるとは、全く…
こんなものが我が最後に望んだと言うのか?
全く馬鹿げている…
だが、これが本当に我の願望かどうか確かめるまで…
『死ねないよなぁーーー!』
我のエクスカリバーが七色に光輝き出し、凄まじい力を解放させた。
『エクスカリバー!ホープ・ソーウル!』
我の生きようとする意志が、魂に宿り…その魂が剣に宿る。
我の死に物狂いに放ったエクスカリバーは、ミカエル達のエクスカリバーをも切断し、
同時に向かって来た四体の天使達をも、真っ二つに斬り裂いたのだ。
『か…まさか…』
『あの者の意志が…魂が…』
『我々の意志をも上回った…というのか?』
『み…見事です…』
天使達はそのまま消滅していった。
やった…やったのか?
勝ったのか?
アハハ…アハハハハハハ…
我は安堵し、肩の力が抜けたかのようになった…
「我は勝ったぞぉー!」
皮肉だよ…我の意思が一番強く働いたのが、まさか捨てたはずの家族との時間を取り戻したいという願望だったとは…
救世主なんかに生まれてさえこなければ…
手に入れられた未来…本当、笑っちまうよ!
この修羅姫が、死ぬ間際にそんなちっぽけなものを求めてしまうなんてな…
だが、その時だった。
『修羅姫ー!上だぁー!』
えっ?
それは地上から叫ぶ声であった。
その声は間違いなく、鷹仁の叫ぶ声だった。
上?
我が見上げた時…
そこには剣を振り下ろしたミカエルがいた。
ミカエル?
それと同時に、我の視界から光が消え…
幕が落ちるかのように闇が訪れた。
『うぎゃああああああ!』
我の悲鳴が世界にこだました…
次回予告
三蔵「えっ?えっ?どうして倒したミカエルが現れるんだよ?躱した?変わり身とか?訳わかんねーよ!」
卑弥呼「それは・・・」
三蔵「それに、一番問題なのはよ・・・」
卑弥呼「?」
三蔵「この次回予告は全く予告していないけど意味あるのかって話だよ!」
卑弥呼「シィーーーーーー!!」




