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聖輪奇聞・転生記!~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
神を導きし救世主!
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修羅姫の戦う意味?迫る聖剣エクスカリバー!!

大天使ミカエルの出現させた聖剣エクスカリバーは逃げる事も躱す事だけでなく受け止める事もかなわなかった。


絶対絶命の修羅姫に打開策は?


我は修羅姫…


我は絶体絶命のピンチに陥っていた。


ミカエルの振り下ろした剣[エクスカリバー]が、我の眼前にまで迫る。


エクスカリバーが我を斬り裂き全てが終わったと、そこにいた天使達[ガブリエル、ラファエル、ウリエル]は思ったに違いない…


現に剣を振り下ろしたミカエル本人ですら、そう思ったはず!

が、その剣は我の前で受け止められた。



「使わせて貰ったよ!」


『!!』



我は咄嗟に魔眼にて剣を出現させ、ミカエルの剣を受け止めたのじゃ。

ただの剣では先程のように斬られてしまう…

そう、ミカエルの使うエクスカリバーを受けられるだけの剣といえば?

奴達と同じエクスカリバーしかない!



「同じ剣なら受け止められるであろう?」


『同じ剣か…』



すると今度は、ミカエルがニヤリと笑ったのである。


「何がおかしい?」


『本当に同じ剣かどうか見るが良い!』


「何?」



見ると、我の剣が見る見るヒビが入り砕け散った。


「!?」



そのままミカエルの剣は我の腕をかすめる。

血が滲み出て、我は腕を抑えながら後退しミカエルを睨んだ。



「馬鹿な?まさか模造品では本家には勝てないとか言うんじゃないよな?いや、我の魔眼より造りし剣はそんなレベルじゃない!本物と能力も威力も、全てが同じはずなのだぞ?」


『フッ…』



その我の質問に答えたのは、ラファエルと呼ばれる天使だった。



『人間の娘よ!お前はエクスカリバーなる剣を何だと思いますか?』


「ん?謎々か?」




それにしても、やけに口調が柔らかな奴だな?

これから生死をかけた戦いをする相手に?




『良く斬れる名刀かな?それとも神懸かりな力を持った聖なる剣とか?否!このエクスカリバーとそれ自身は確かに上級なる名刀でもあるが、それが聖剣と呼ばれる由縁ではないのですよ』


「…………」


『聖剣エクスカリバーとは、意思なる剣!それも、強い意思が強ければ強いほど力を増す剣なのです!』


「意思の剣じゃと?」


『そう。意思です。信じる思いは無限ですから』





例えば、こんな昔話がある。


名剣を持ちし剣士が、父親を殺された仇討ちを誓った男と果たし合いをした。

剣士は自分よりも技も力もなく、みすぼらしい剣を持った男を見て甘く見ていた。

そこに敵討ちの男が剣を振り下ろして来たのだ。

剣士は難無く受けきれると思い、自分の名剣で受けた。

しかし男のみすぼらしい剣は名剣ごと相手の剣士を斬り裂いたのだ。



これは意思の力?


男は自分の父から貰った安物の剣を、最高の剣と信じて疑わなかった…


何より、絶対に勝つ!

絶対に仇を討つと信じていたから…

その思いは剣に魂を宿らせ、奇跡的な力を与えた。

安物の剣が名剣を斬り裂くほどに…




『魂の力、信じる力は奇跡を呼ぶ。それは人間達だけに限った事ではないのです。奇跡とは神をも予測出来ぬバグ的な力なのです。聖剣エクスカリバーとは、その力を形にした剣』


『喋りすぎだぞ?ラファエル!』


『すみません。ミカエル』



ガブリエルはラファエルに呆れながらも笑っていた。

もう私に勝ったつもりなのだろうな。



『まったくラファエルには困ったもんです。流石はかつて人間を導き、知識を与えていた事はありますね?』



ウリエルも余裕をかましていた。


『まぁ、これから死ぬ人間には意味があるかどうかは解らないけどな?』



するとミカエルは付け加えて言ったのである。




『信じる力!疑わぬ力!それは我々にとっては絶対なる力だ!何故なら、神は神である己を疑う事はないのだからな。よって、このエクスカリバーは神たる我々にとって絶対無比なる剣なのだぁー!』



ミカエルの斬撃が我に向かって来る。


信じる力か…


我は咄嗟にエクスカリバーを二本出現させ受け止める。

が、それも簡単に砕け散った。


それで良い…

一時でも凌ぎ受け止められれば、あの攻撃を躱せられる!



剣が砕け散る瞬間に、我は瞬間移動して躱す。

瞬間移動にも、僅かだが間が必要なんだよ…

あの斬撃を闇雲に瞬間移動で躱すにも限度があるってもんさ!


我は再びエクスカリバーを両手に出現させる。


そこにガブリエルが剣を振り下ろす。

咄嗟に受け止めた我の剣が砕け散ると、その視界にウリエルが接近して、


あ~~!キリがない!


これでも先読みの魔眼で相手の動きが解っているつもりなんだぞ?

しかし防戦ばかりでは、いずれ掴まるな…


さて…


我はエクスカリバーを手に考えていた…


意思の力?


奴達(天使)に勝つには、神をも上回る思いの力が必要だと言うのか?


あるさ…思いくらい…


相手に勝つと信じる力だよな?


我は修羅姫だぞ?


強くて当然!負けるとは一欠けらも思ってはおらん!


が、奴達もまた神を名乗るだけあって、そういったナルシスト力はハンパないという事なのか?



では、負けられぬ意味?


戦う理由?思いの力?


…………。


何かあったか?



そりゃあ、神を導く唯一の存在だとか、この世界を守る救世主と義務付けられている一族だし、我も己を特別な人間だと思っておった。が、それだけじゃ足りないのか?



絶対に負けられない理由?


戦う意味か?


本当に世界平和が我の希望なのか?


こんな腐りきった世の中消えてなくなっても構わないだろうに?


こんな考えだから悪いのか?


仕方あるまいよ…そういう性格なのだから…


本当なら愛する者のためにと、かっこよい台詞も言ってみたいものだが…


我にはそんな資格なんて、そもそもないのだからな~



産まれて来たガキも簡単に捨て、再び産まれて来た娘には殺意まで感じたのだぞ?


マジに自画自賛出来る腐れ外道だよ。我は!




我は瞳を綴じた。


戦いの最中なのに…


その時、我の中に浮かぶイメージは、この地球の自然の姿だった…


雲、山、海、湖…


四季の移り変わりから、緑の匂いに陽射しの温もり…


新たに産まれて来る芽吹きや、そこに生きる生物…


我は風に吹かれながら、身体中で地球を感じていた。


己の命が危ないと言うのに、我は何を考えておるんだか?


だが、一つ気付いた事があったわ!


我の口許が緩む。


そうか…


(我はこの地球が好きなんだぁ…)



「我は、我の愛する星(地球)を守る!誰にもやらん!この地球は我のものじゃあ!それだけだぁーー!」


我の意思に同調するかのように地球が揺れ始めた。



『地震ですか?』


『いや、あの女の力だ!』


『まさか!魔眼の力に地球が共鳴しているというのですか!』


『お前達!あの眼は危険だ。潰すぞ!』




四体の天使達はエクスカリバーを手に、同時に我に向かって来た。










同時刻…


『まったく…あの修羅姫は呑気に寝かせてもくれんようだな』



その声は戦場にて敗れたと思われていた神々?

隕石の如く空より降ろされた指で、天空神アヌと太陽神アマテラスを押し潰した天使サンダルフォンだったのだが…その指が次第に持ち上がっていく。


『何!?』



そこから現れたのは腕を組み、威厳ある神が宙に浮かんでいく…

サンダルフォンの指は、その神の神圧により押し返され戻された。


その神の名は天空神アヌ!


アヌは浮かびながら…



『まったく、この不届き者が!この天空の支配者であるアヌを見下ろすとは言語道断!』



その神圧はサンダルフォンを上回る。


更に…


『さぁ!ヤタノ鏡よ!真実を写せ!』



アマテラスの持つ鏡に太陽光が集約し、それがサンダルフォンを照らし出した。

すると目の前にいた巨大なるサンダルフォン姿を、幻影を消すかのように消滅させていく。


否!


サンダルフォンは存在していた。

自分達と同じサイズの天使として…



『天使よ?貴様の持つ驚異的なオーラが、この一帯を歪ませ大規模な蜃気楼みたいな現象を作り出していたのだな?』


『ネタが解れば話は早いわね?とっとと決着つけるわよ!』



二人の神の前に、正体を現したサンダルフォンは…



『貴様達!私を幻影だけだと思うなぁーー!』



が、アヌの掌より放たれた神圧(重力)により、サンダルフォンは地上へと押し潰される。



『グゥワアアア!!』


『どうだ?潰される者の気持ちが少しは解ったか?』






ところ代わり…


『いつまで寝てるか?スサンダよ!』


『寝てねぇや!てか、寝ぼけてるのはお前だ!俺はスサノオだって覚えろ!』



二人もまた巨大なるメタトロンに潰されていたのだが、その身体を神力で押し返したのだ。


『馬鹿な!!』


『俺の風が奴を縛った!後は任せるぞ?スサンダ!』



エンリルの身体より放たれた風のオーラが、メタトロンの自由を奪っていた。


そこに…


『草薙の剣よ!』



スサノオの神力が籠められた草薙の剣を振り下ろし、メタトロンを斬り裂いたのだ。





更に…



『馬鹿な?他の地区の天使達が敗れただと?』



仲間の敗戦にうろたえるサリエルに…



『仲間の事より自分の事を心配するのですね?』



サリエルの前に現れたのは、石化したと思われていた水神エアであった。

サリエルは振り向き様、水神エアに向かって邪眼を放つ。

その眼に睨まれた者は、確実に死に至る…はずだった。


『水鏡の壁!』



それは水の鏡?

サリエルの邪眼に映し出されたのは、自分自身の姿だった。


『馬鹿な!!』



邪眼を返されサリエルの眼が潰れる。

サリエルは両目を抑えながら悶えている所に、


『は~い!さようならですね』



月読の持つ勾玉が、サリエルの身体を四方八方から串刺しにしたのだ。






最後に…


炎の化け物と化したケルビエルの前に現れた少年。


少年はその存在が消えかかっていた。

それは天使に何かをされた訳ではなかった…



「時間切れか…どうする?このまま消えたら…」


(このまま消えたら、残っている人間達が殺されてしまうぞ?)



だが、身動き取れない鬼の少年に巨大な化け物と化したケルビエルが迫る。



『このまま消えて逃がしはしないぞ?お前は僕の手で存在事消滅させてやる!』



ケルビエムの腹部が光輝きながら首に上がっていき、喉元まで達すると、少年目掛けて口から業火を放ったのだ。


「や…ヤバいぞ??」



身動き取れない鬼の少年は受け止める事もかわす事も出来ない状態だった。まるで石化しているかのように。このままでは無防備なまま攻撃を受けてしまう。


その時、鬼の少年を守るように飛び出した者達がいた。

だが、この一帯は熔岩の如き高熱状態。並みの者は一瞬で消滅してしまうのだ。

そこに誰が??


「お…お前達??」



その者達は聖獣族の白虎、青龍、玄武であった。


「うぐぅおおおおお!」


三人は己の力を全て解放させ、鬼の少年の盾となったのだ!


「止めろぉ!止せぇ!逃げるんだよ!」



鬼の少年の叫びに聖獣族の三人は首を振った。



「助けられてばかりじゃ、俺達の来た意味がないだろ?」


「俺達は戦士だからな!」


「それに俺達に出来る事は他にはもうないしな?」



見ると、三人の身体はケルビエムの炎によって手の施しようもない状態だった。



「せめて、一花!未来に意味のある…戦士としての…」



その直後、聖獣族の三人はケルビエムの炎に飲み込まれたのだった。



「あっああ…俺様のために…」



と、そこに女の声が聞こえて来た。


「お前は誰だ??」


女は、鬼の少年の肩に手を置くと、軽く頷く。




『もう大丈夫です…後はこの時代に生きる私達にお任せ下さい?』




そして耳元で何かを囁くと鬼の少年は目を丸くして頷く。


金色の髪をなびかせた女…


美しい女…


だが、その女もまた人間ではなかった。


鬼の少年の正体も知り、ケルビエルの高熱の中を平然としている謎の女?


そして何より、その頭上にもまた角が生えていた。






『後は私がお相手しますわ?化け物みたいな天使よ!』




すると鬼の少年は、安心したかのように消えていったのだ。



(任せたぜ!竜族の姉ちゃんよ!)




化け物と化したケルビエルの前で龍族の女は姿を変えていく…


金色の竜の姿へと!!




『私の名は黄竜!聖獣達の、竜族の長よ!』


次回予告


三蔵「意思の力か・・・俺も微妙だなぁ~」


三千院「ギロッ!」大徳「ギロッ!」


三蔵「すみません。精進します」



卑弥呼≪よく見てなさい?これからがお母様の快進撃ですわ?≫

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