天使乱闘!!修羅姫の魔眼演戯!
カミシニとの戦いを終えた修羅姫が次に戦うは?
この世界を滅ぼす四大天使であった。
我は修羅姫だよ!
一難去ってまた一難とは、まさにこの事を言うのだな?
我は最凶最悪のカミシニ達をやりこなした後、これまた厄介極まりない四大天使達と渡り合おうとしていた。
我は宙に浮かびながら、四人の天使達を見下ろした。
すると天使の二人が我の左右に移動する。
一人は先程我に殴られた女天使であり、No.2の実力者であるガブリエル…
もう一人は、ウリエルと呼ばれる天使か?
確か、こやつは言い伝えでは?
ウリエルは掌に炎を集める。
辺り一帯の温度が急激に上がる!
『神の炎よ!』
ウリエルの掌から出現した炎は燃える剣となり、それを手に我に斬り掛かって来た。
「燃える剣とは面白い!だったら我は…」
我は手品のように四本の三鈷杵を浮かばせ、それを自在に操って見せる。
三鈷杵は空中を飛び回りながら、我の意思でウリエルに向かって飛ばした。
『つまらない手品だな?』
ウリエルは四方八方から向かって来る三鈷杵を軽々と躱していた。
「ほれほれ!あんまり余裕をかましていると?」
四本の三鈷杵はウリエルに向かって行く直前で、八本に分裂する。
「どうだ?この前テレビで観たマジックを真似てみたのだよ!」
が、まるでウリエルは知っていたかのようにそこから消えて、我の背後に瞬間移動して来た。
『馬鹿め!私の眼は先の未来を見る。そんなトリックは既にお見通しだよ!』
ウリエルは未来を見る能力があるのか?
我の頭上からウリエルが炎の剣で斬りかかって………
『なっ!?』
ウリエルが勝ちを確信した時、斬ったはずの我も消えていたのだ。
『先読みの魔眼!』
『まさか!?』
驚くウリエルに対し我は説明してやった。
「その通り!我も先の未来を見れるのだよ!」
『馬鹿な!人間がそのような力を?』
「出来るもんは仕方あるまい?さぁ!次はこれだよ」
ウリエルの周りには無数の三鈷杵が取り囲むように出現し、一斉に襲い掛かったのだ。
『魔眼・想像眼!』
『うがぁあああ!』
想像眼とは一度見た物をイメージし、無から有を出現させる力。
正直、出鱈目な力だ…
だが、カミシニとの戦いで手持ちの三鈷杵は全て使い切ってしまったからなぁ…
先程、三鈷杵を手品みたいに出現させたのも、この力だった。
しかし、何でも出来る自分自身が正直怖いくらいだ…
この金色の魔眼が輝いてから、力の使い方が手に取るかのように頭の中に入って来る。
ちーと、チートじゃな?
そこに、無数の三鈷杵の追撃を全て破壊し抜け出たウリエルが叫ぶ。
『この、出鱈目人間がぁー!』
ウリエルは炎の剣を我に振り下ろして来たのだ。
我はその剣を手にした剣で受け止めたのである。
その剣は…
『馬鹿な…』
「あんたの剣を真似てみたが、良く出来てるだろ?」
それはウリエルの炎の剣と一寸の違わぬ炎の剣。
その戦いを見ていたミカエルとラファエルは…
『あの人間の力は人間の域ではない…神?いや、もっと違う何かを感じる…そう、我々に似た何かを…』
するとラファエルは…
『ミカエル…もしかしたらなのだけど…いや、ありえないな…』
『心当たりがあるのか?ラファエル?言ってみよ!』
『…………』
ラファエルはミカエルに頷くと、
『あの力を私は以前、一度だけ見た事があります。そう、失楽園で…』
『失楽園とは確か?お前が昔、管理をしていた地だったな?』
『あぁ…』
更に語るラファエル。
『かつて僕は見た…あの瞳で大悪魔サタンを撃退した者を…』
『サタンだと?』
『そう、あの伝説の悪魔神サタンを地獄に堕とし、封じた力!』
『エヴァの魔眼』
『!!』
するとミカエルの目の色が変わる。
『あれが本物かどうかは別だが、サタンの名を聞いたからには放っておく訳にはいかなくなった』
『ミカエル?』
『あの人間の女は今、この場にて消さねばならない』
ミカエルは持っていた剣を捨てると、掌に力を集中させていく。
すると掌から、光り輝いた何かが出現した。
それは、先程捨てた剣とは違う神々しい剣。
ミカエルはその剣を構え振り上げると、ウリエルと戦っていた我に向けて振り下ろしたのだ。
ミカエルの斬撃は閃光となって我に向かって来た。
その斬撃に気付いた我は炎の剣で受け止めたが、
なっ!?
ミカエルの斬撃は、我の炎の剣をも両断し、この我の身体をも…真っ二つに斬り裂いた。
あっあああ…
我の身体が地面に向かって落下していく…
『ミカエル?くっ!この私が仕留めるはずだったのに!』
ミカエルの剣で破れ落ちた我を見て悔しがるウリエルに対して、ガブリエルが叫ぶ。
『ウリエル!上よ!』
『えっ?』
ウリエルが見上げた先には、息を切らせながら宙に浮いた私がいた。
『馬鹿な?あの人間?ミカエルの斬撃に気付いて、あの一瞬でダミーを残して躱したのか?』
ウリエルの予想は違っていた…
我は突然放たれたミカエルの斬撃に反応する事が出来ずに、確かに身を斬られた。
身体の中を熱いものが抜けていく感じがした。
解るものだな…
骨や肉が、神経が斬り裂かれていく感覚…
気持ち悪いな?
だが、何故我が生きているかと言うと…
そうさ、あれは賭けみたいなもんだった。
我は咄嗟に魔眼を発動させて、自分自身を想像し出現させた。
流石に魂までは構成出来ないようだが、それも好都合であった。
斬り裂かれた我は、自らの魂を造りだした肉体に憑依させたのだ。
ちっ!変な感じだな…
長年連れ添った自らの身体を捨て、新しい身体に引っ越ししたのだから…
ヤドカリ以上の宿借りだよ。
だが、こんな芸当二度とは出来ん。
そこに我に向かって来るミカエル。
その手には先程の剣が握られていた。
「何じゃ?あの剣は!」
ミカエルは我の言葉を無視し、その剣で斬撃を繰り出して来た。
我は金剛石[ダイアモンド]の盾を魔眼で構成し、その場を凌ごうとした。
が、金剛石の盾ですら、その斬撃を受け止める事が出来なかった。
我は咄嗟に分身を百体造り、その場から離れようとしたが、ミカエルから繰り出された光の渦に巻き込まれて消されていった。
こりゃ…絶体絶命…
が、まだまだ絶体絶命と言う言葉は早過ぎた。
我の頭上からガブリエルが剣を振り下ろして来たのだ。
しかも、ミカエルが手にしている剣と同じ剣でだと?
我は身体を翻し躱し、更に瞬間移動で距離を取った。
目の前には、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、…
そしてミカエルが、あの剣を手にしていた。
『もう逃げ場はないですよ?』
『君とはもう少し話してみたかったが、そうも言えないらしい…』
『消させてもらうよ!』
あはは…こりゃ~参ったよ…
受け止めるのは勿論、逃げも隠れも出来んとはな?
そこにミカエルがゆっくりと我に近寄って来た。
『躱せまい?止められまい?この剣は世界最高の剣であり、この剣に斬れぬものなし』
その剣を私は知っていた。
いや?その名を伝説で聞いたことがある。
もはや作り話の中のな。
『聖剣・エクスカリバー!』
…まさか?エクスカリバーじゃと?
『さぁ!エクスカリバーの斬撃にて消えるが良い!邪悪なる眼を持ちし、存在を許されぬ者よ!』
ミカエルが我に向かって斬りかかる。
「くぅ…!」
何が存在を許されぬ者だ?
何が最高の剣だ?我がピンチじゃと?
ミカエルのエクスカリバーが、我の眼前に迫る。
次回予告
三蔵「大ピンチじゃねえかよ!」
卑弥呼「あのエクスカリバーは厄介ですからね・・・私なら、どう戦うか?」
三蔵「戦うの前提かよ?しかし、いずれ戦うのなら対抗策を考えなければいけないかもな・・・」
大徳「良い心構えだな?では、次の話で対抗策を考えるとしようか?」




