天使の脅威!小角の戦い!そして現れし少年??
ついに現れた黒幕?
人間達の戦いは絶望的だった。
しかし、そんな人間達の前に現れたのは?
俺は鷹仁…
嘘だろ?
俺達の前に現れた天使は黙示録なんたらで有名な神!
天使長ミカエルと名乗った。
神格化した小角はその霊力で宙に浮かび天使達と対峙していた…
「オヌシがミカエルだと言うのか?」
小角の問いにミカエルは無言。
が、そこに別の天使が答える。
「人間よ!平伏すが良い?天使長ミカエル様のお出でであるぞ!」
「その者がミカエルであるのなら、何故にこの世界に災いを及ぼそうとするのじゃ?ミカエルと言えば、この世界の黙示録に現れる悪魔と戦うためにこの地上に現れ、人間達を救済してくれるのではないのか?」
すると天使は答えた。
「きゃはは!馬鹿か人間よ?どうやらとちくるったようだな?いや、そこの人間は大層老いぼれているから、ボケが回ったのか?」
「それは、どういう意味じゃ?」
「我々天使が何故お前達人間のために戦わねばならないのだ?救済?何処までも自分本意な生き物なのだ人間とは?確かに我々天使と悪魔はあい反する関係!しかし、だからと言って人間のために戦う義理等持ってはいないんだよ!我々天使にとってお前達人間は、この地に湧いて出て来た虫と同じ!いや、この星を蝕む意味では悪魔と同じ災いに変わりないのだ!よって我々天使は人間達に等しく神罰を下しに来たのである!」
「なんと!?」
そんな馬鹿な!?天使が俺達人間に神罰だと?
しかし、現実は俺の目の前で証明していた。
俺達にとって、間違いなく天使は敵なのだと…
「ふん!勝手な事を抜かしおるわ!何故に今更と言いたいくらいじゃよ。確かに人間は儂から見ても愚かで救いようのない野蛮種族じゃ…じゃがな?生きておるんじゃよ!生きて足掻いて存在しておるのじゃ!それを神罰等と抜かして駆逐する権利が貴様達にあると言うのか?例え神とて許せぬわ!」
「勝手だな?人間よ。貴様達人間とて力なき生物を散々殺して来ただろう!」
「フォッフォッフォッ!そうじゃな…じゃが、逆らうのは勝手じゃろう?むざむざ殺されてやるほど、人間は出来た生き物じゃないからのう!何てったって儂達は野蛮種族じゃからな!」
「カッチン!開き直るな!虫けらがぁ!」
ぺらぺらと煩い天使は小角に向かって飛行し迫る。
そのスピードは人間に手に負える速度なんかじゃ…
「フギャア!」
なんかじゃ…ん?
見ると、天使の奴が潰れるような悲鳴をあげた。
あれは!
小角に向かって猛スピードで突っ込んで来た天使の先に、壁があったのだ?
氷で出来た壁?天使は壁に気付かずに衝突してしたのだ。
「絶対氷壁じゃよ!」
小角は既に氷の壁を造っていたのだ。
天使は見る見るうちに凍り付き、そのまま地面に落下して砕け散った。
「次はミカエル殿が相手してくれるのかのう?」
するとミカエルの背後から、新たに三体の強力な力を持った天使が現れる。
「人間風情が図に乗るなよ!我等は『力天使!』ミカエル様の直属のしもべである!」
すると力天使の一体が、ゆっくりと小角に向かって来たのだ。
「ぬっ!」
力天使は先程の雑魚天使のようにはいかなかった。
力天使は振り上げた拳で小角が造った氷壁を意図も簡単に砕き、ゆっくりと近づいて来る。
「どうやら…厄介なのはミカエルだけではないようじゃのう…」
力天使はゆっくりと腕を上げて、小角に向かって殴りつける。
咄嗟に両腕で受け身を取った小角は…
「うぐおおおお!」
突然の強烈な痛みに声をあげた。
小角の受け身を取ったはずの腕は力天使の力のみで、いとも簡単にへし折られ完全に逆を向いたのだ。直ぐさま距離を取りつつ、曲がった腕を凍らせ補強する小角…
が、その目前には力天使の姿が!
力天使の拳が小角の胸に直撃し、その衝撃は小角の纏っていた鎧を粉々に粉砕した。
血を吐き身体を反らせながら、小角はそのままゆっくりと落下していった。
馬鹿な!?
いくら神とて、あの強い小角を赤子の手を捻るようになんて…
その圧倒的な天使達の存在は、他の地区でも絶望を与えていた。
他の十二地区にも現れたのだ。
とんでもない力を持つ大天使が続々と!
「な…なんだ?ありゃ…馬鹿げていやがるぜ!」
「確かに、こればかりは俺もたまげたわ!」
スサノオとウラノスの上空には、雲を貫き空を覆うような巨大な天使が二人を見下ろしていた。
天使の名前は…
『メタトロン』
それと同じく、天空神アヌとアマテラスの前にも巨大な天使が二人を見下ろしていた。
その天使の名前は…
『サンダルフォン』
その姿はメタトロン同様、まさに空をも覆う大天使であった。
だが、巨大な姿の天使達だけが脅威ではない。
月読と水神エアの前に現れた天使
『サリエル』
サリエルの持つ邪眼に睨まれた者は、その場で死に至っていく…
エアの咄嗟の判断で姿を隠しつつ戦う月読とエアも、サリエルの邪眼に睨まれたら命が削られる。神の転生者達である彼等達とて、現れた天使達の脅威に勝つ術を失っていたのだから、助っ人が現れていなかった他の地区は無惨な惨状であっただろう。
既に一地区が天使によって制圧されていた…
その天使の名前は…
『ガブリエル』
天使達のNo.2の実力者である彼女[女の姿の天使]の力は圧倒的な力で人間達を消してしまったのだと言う。
更に他地区でも人間達は全滅したとの報告が飛び交っていく…
『ラファエル』『ウリエル』
唯一、人間達の中で生き残っていたのは、聖獣の力を武器に戦う聖獣族の戦士達だった。
が、やはり…
「天使が相手とは!」
「他の仲間達はどうした?」
「既に気を感じぬ…」
玄武、白虎、青龍は新たに現れた天使を見る。
「それもこれも、あの炎を纏った天使のせいか!」
彼等の前には炎を纏った少年天使『ケルビエル』が薄ら笑いを見せ近付いて来ていた。
ケルビエルの周りには、人間達が黒焦げになって転がっている。
大地が焦げ、まるで地獄絵図のような惨状。
「こうなったら特攻してでも!」
「焦るな白虎!勝機が来るのを待つのだ!」
「こんな時に、朱雀さえいてくれたら…」
「唯一、その存在が発見されていない聖獣・朱雀か…」
「青龍、いない奴は仕方ない!俺は行くぜ!せめて一矢報いてやる!」
「待て!」
白虎は青竜の制止を聞かずにケルビエルに向かって特攻を仕掛ける。
「白虎の雷剣よ!俺に力を貸してくれ!」
「ん?まだいたのか?ゴミカスが!直ぐに僕の聖なる炎で消し去ってやるよ!」
ケルビエルの放った聖炎が白虎に迫ったその時…
顔をマントで隠した紅い瞳の少年が、その戦いの様子を見ていた。
《やはり、見捨てて置けないよな?》
少年の肩には、ヒヨコが二匹止まっていた。
その一匹が、少年から飛び立った時…
ヒヨコはその姿を変える。
炎の翼を羽ばたかせ、ケルビエルの炎から白虎を守るように盾となったのだ。
「なっ!?」
その姿はケルビエルの炎の中でも存在を残し、その翼を広げていく。
炎の聖獣・朱雀の姿だったのだ。
そして、もう一人…
ケルビエルの行く手を塞ぐように少年が立っていた。
「なんだ?お前は?ここにいると言う事は燃やして良いのだよな?アハハ!天使の聖なる炎で燃えちまいなぁー!!」
ケルビエルの聖炎が少年に迫った時、少年の纏っていた薄汚いマントが燃え、そこから少年の姿が姿を現した。
燃えるような紅い髪に真っ直ぐな瞳…
そして、その頭上には黒い小さな角が二本あった。
鬼の子?
少年はケルビエルに向かって、中指を立てて言い放つ!
『お前の相手は、この俺様がしてやるぜぇ!さぁ?俺様の前に膝まずけ!』
次回予告
三蔵「なんだ?なんだ?頭に角のある少年?」
三千院「詳しくは、転生記を!」
三蔵「だ・か・ら!転生記って何だよ!?」
三千院「転生記はこの神を導くの前作品・・
三蔵「だああああああああああああああああああああああ!!」




